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看護師の離職率は高い?低い?職種別・地域別のデータから解説

  • 更新日
投稿者:小口 紗穂

世間ではよく高いと言われる看護師の離職率。実際の数字を見ながら、他職種とも比較してその高低を客観的に判断してみましょう。

これらを把握すれば、看護師という職業の辛さや、今後どうなって行くかを判断するきっかけの一つになるはずです。それら状況を鑑み、今後看護師を続けるか否か、続けるなら職場を変えるか否かなどの判断材料にしていただければ幸いです。

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目次



1.看護師の離職率は高い?低い?他職種と比べて現状を把握しよう

看護師といえば、滅私奉公の精神からくる白衣の天使というイメージや、専門職ゆえの高給取りという印象も根強いですが、同様に離職率も高いと見られがちではないでしょうか。


事実看護師は、2019年末から2022年現在まで猛威を揮っている新型コロナウイルスに世界中があえいでいるなか、死の危険と隣り合わせの医療現場で身を粉にしながら従事されているような過酷な仕事です。


離職する人も決して少なくはなく、常に現場では看護師が不足しているという面はあります。そういった需要に対し、看護師という人材が不足している現状を見ると、たしかに離職率が高いというイメージを持ってしまうかもしれません。

ですが、下記のグラフを見てください。


離職率推移

出典:公益社団法人日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査」

出典:厚生労働省「「令和3年」雇用動向調査結果の概況」


これを見て分かる通り、実は看護師の離職率とその他の職業の平均離職率を比べると、実はそこまでの差はないのです。むしろ、正規雇用や新卒の場合の方が離職率は低いのです。


一般的な知名度が抜群に高いがゆえに、より特殊な注目をされているため、ひときわ高いという印象を受けますが、決してその数値は以上ではないのです。もし看護師を離職率を理由にやめようと思っているなら、その他の職種でも同様の可能性があるということも一緒に覚えておくといいでしょう。


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2.看護師の離職率にはどういった傾向がある?地域別の離職率

地域によって色々な環境や条件が変わりやすいのも看護師の特徴の一つだったりします。というのも、病院に訪れる患者さんの数は、その地域の人口や年齢層によって大きく左右されるため、それに付随する業務量や賃金も変化するためです。


自分が置かれている環境がどういう状況下にあるか、地域差とともに見ていくことで、自分の現状をより客観的に見極めることができるでしょう。


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それでは実際に離職率は地域によって違いはあるのでしょうか。都道府県別の看護師の離職率のデータを一部抜粋してまとめていますのでチェックしてみましょう。


離職率の高い都道府県

1位

東京都・神奈川県

14.6%

2位

大阪府

14.3%

3位

千葉県

13.5%

4位

埼玉県

13.3%

5位

愛知県・兵庫県

12.8%


離職率の低い都道府県

1位

徳島県

5.9%

2位

青森県・山形県

7.3%

3位

岩手県・山梨県

7.4%

4位

島根県

7.5%

5位

鳥取県

7.7%

出典:公益社団法人日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査」


都道府県ごとの順位については集計をする年によって変動はありますが、離職率の最も高い東京都や神奈川県と最も低い徳島県では数字に2倍以上の差があります。病院やクリニックなどの事業所の数も多く、離職後の転職先の選択肢が多いことも要因になっていると思われます。


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3.設置主体別離職率

離職率の高い設置主体

1位

個人

14.6%

2位

医療法人

14.4%

3位

社会福祉法人

12.9%

4位

医療生協

12.8%

5位

私立学校法人

12.7%


離職率の低い設置主体

1位

公立

8.0%

2位

会社

9.3%

3位

日本赤十字社

9.4%

4位

厚生連

10.1%

5位

国立

10.7%

出典:公益社団法人日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査」


離職率が最も高いのは個人病院(14.6%)、最も低いのは公立病院(8.0%)でした。

公立病院で働く看護師は公務員の扱いになります。安定して長く働ける環境が整っていることや、福利厚生が充実している点が離職率の低い要因と考えられます。


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4.病床規模別離職率

99床以下

12.1%

100~199床

12.8%

200~299床

12.2%

300~399床

12.0%

400~499床

10.7%

500床以上

10.8%

出典:公益社団法人日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査」


99床以下が12.1%、400〜499床・500床以上が10%台という結果でした。表を見ると、規模が小さくなるほど離職率が高くなることがわかります。規模の大きい病院の場合は、給与が高水準で福利厚生などの待遇面がしっかりしています。また、看護師の数も多いので比較的休みの希望が通りやすいといったメリットがあります。


一方で、規模が小さい病院の場合、看護師の数が少なく常に人手不足ということも少なくありません。人手不足の病院では、一人ひとりの業務の負担が大きくなります。新しく人を入れても、新人の教育に手が回らず、人がすぐに辞めてしまうといった悪循環が生じて、離職率が高くなっていると考えられます。


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5.看護師が離職する理由

離職率が秀でて高いというわけではないことは前述した通りですが、夜勤や身体的負担も多く、労働環境が厳しいことは事実です。それを表すように、離職に関してはさまざな理由が存在します。ここでは代表的な例をいくつか紹介します。


結婚・出産などライフスタイルの変化

看護師は9割が女性の職業です。そのため、結婚・出産・子育てなどライフスタイルの変化をきっかけに離職するケースが多くなっています。残業や夜勤があるため、自身の環境の変化に合わなければ仕事を続けられないと判断することが多いようです。


ただし最近は女性への理解度が社会的に高まってきたこともあり、ライフスタイルに合わせた働き方に理解を示している事業所も増えています。特に子育てに関しては産前産後休暇や、育児休暇などが支給されることも珍しくなく、そういった福利厚生が充実している施設への転職が増えたことも要因の一つとして考えられそうです。


人間関係の悩み

看護師に限りませんが職場での人間関係を理由に離職を考えるケースは少なくありません。女性比率が9割を超えているため、同性のみの環境では閉鎖的な雰囲気になることも多く、それゆえに環境に馴染めなければ、早々に限界を感じてしまうことも想像に難くありません。


また、看護師は医師や医療スタッフ、患者とそのご家族とも関わります。人間関係は個人で解決できる問題ではないので、離職して人間関係を一度リセットするのが最善と考える方も多いです。


待遇への不満

残業や夜勤があり看護師の仕事は激務です。

病院における夜勤の回数と平均手当は下記の表のようになっており、看護師は給与が高いというイメージがありますが、実際に働く看護師からすると仕事量に見合っていないと感じてしまうようです。


夜勤の回数

平均回数(月)

二交代制

4.9回

三交代制

7.6回

出典:公益社団法人日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査」


夜勤手当に応じた評価処遇の仕組み

夜勤が一定回数を超えた場合に手当を増額

13.5%

夜勤手当とは別の手当を支給

9.3%

賞与算定に際して評価

8.6%

昇給算定に際して評価

3.3%

その他

2.8%

出典:公益社団法人日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査」


体力的な負担が大きい

病棟勤務の場合、夜勤は避けて通れません。不規則な勤務は生活リズムが乱れ、体調不良の原因となります。また、夜勤帯は少ない人数で業務を行うので一人ひとりの負担が大きく、経験の浅い看護師の場合プレッシャーを感じてしまうこともあるようです。


また、人手不足の病院では慢性的に残業が発生したり、休暇を十分に取ることができないということも珍しくありません。夜勤のある看護師の場合、休日は生活のリズムを整えたり、休息をしっかりと取ることがとても大切です。仕事の疲れを上手くリフレッシュできないと、疲れが溜まってしまい退職したいという気持ちに繋がってしまうこともあるようです。


他にもこのような理由が挙げられます。

・転居に伴い通勤が困難になった

・本人や家族の健康問題、介護問題

・責任の重さ、医療事故への不安

・他施設への興味、キャリアアップ


上記のような理由は一部に過ぎませんが、特に多い理由としてピックアップした通り、珍しいことではありません。

もし自分が働いている環境と同じ悩みが上記の中にあり、不満を抱えているなら職場を変えることも一つの解決手段になるでしょう。


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6.まとめ

看護師というのは、数字が示すとおり離職率も低くなく、決して楽な仕事でもありません。それ故に厳しいイメージを抱いてしまうものでしょう。


ですがそれもイメージでしかなく、飛び抜けて高いわけではありません。辛いという理由で看護師をやめようと思っている人は、今一度自分の環境を見つめ直してみましょう。


看護師は確かに事業所ごとの業務という点では、大きな違いはありません。ですが、働く環境には大きな違いが出てきます。忙殺され、心身ともに疲れているならば、まずは職場を変えることを考慮に入れましょう。


それだけで自分の天職だと思えるような環境に行き着くことができるかもしれません。折角の長い時間と高い費用で手にした看護師という資格を放棄するのに、なにもそこまで急ぐ必要はありません。


ただ、それに固執する必要も決してありません。もし職場を変えても自分に合っていないと考えてしまうなら、もしかしたらそういう側面があるかもしれません。そういったもう一つの視座から「看護師に向いているか否か」という点を見つめられれば、自分の中でも納得できる部分が出てくるでしょう。


そのために一度転職について考えてみましょう。新しい視点を得るには自分が動かなければいけません。今の状況に慣れれば住めば都状態になるかもしれませんが、積極的に動くことも一つの手です。メリットあり、デメリットあり、諦める必要も、固執する必要もありません。データで自分の状況をしっかりと把握できるようになっておきましょう。


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セカンドラボ株式会社

URL:https://www.2ndlabo.co.jp

東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。

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