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子どもたちの「心のふるさと」となるように。自然豊かな町の児童養護施設で、社会に羽ばたく子どもたちを支えませんか?|社会福祉法人 児童養護施設 心泉学園

  • 更新日
投稿者:堀尾 健太

神奈川県二宮町にある心泉学園は、さまざまな事情から親元を離れている2〜20歳くらいの子どもたちが生活する児童養護施設です。本園の他、2か所の地域小規模施設を展開し、合わせて60人ほどの子どもたちの養育と自立支援に取り組んでいます。

身近な大人として、そして家族のような存在として、子どもたちを見守る児童養護施設のスタッフは、どのようなお仕事をしているのでしょうか。今回は、園長の飯塚さんとスタッフの香林さん、栁川さん、二宮さんの4人を取材。施設の強みや職場環境の魅力などについて語っていただきました。

目次

1.専門職のスタッフが充実

-貴施設では、どのような職種の方が働いていますか?

飯塚さん:

2025年5月時点で、常勤と非常勤合わせて52名が在籍しています。

専門職のスタッフが比較的揃っているのが特徴ですね。保育士や児童指導員の他、心理士や看護師、自立支援担当職員、里親支援専門相談員などがいます。栄養士や調理員も食育の専門として、食事を作るだけでなく、現場で子どもたちと接する環境にあります。

特に、看護師はどこの施設でもいるわけではありません。子どもたちの体調不良やケガなど、もしもの場合に相談できるスタッフが施設内にいることは、一緒に働く側としても安心感があります。

-職場の雰囲気はいかがですか?

飯塚さん:

外部の方が施設見学に来ると、スタッフが明るくて元気が良いとよく言われます。子どもたちからエネルギーをもらっているからみんな若々しいですよ(笑)。

二宮さん:

職種も年代も幅広いスタッフが集まり、お互いに学び合いながら働けるのがこの職場の強みですね。異業種出身など、多様なバックグラウンドを持つスタッフが多く、勉強になります。

栁川さん:

私は栄養士ですが、現場に入って児童指導員としても働いています。自分たちで判断をしなければならない場面も多いですが、職種も経験年数もさまざまなスタッフ同士で相談しながら業務に当たっています。

香林さん:

雰囲気はすごく良いと思います! 新人歓迎会など、スタッフ同士の交流を深める機会もありますよ。

-施設での1日の流れを教えてください。

二宮さん:

平日の場合、子どもたちを6時半ごろに起こして1日がスタートします。子どもたちを幼稚園や学校に送り出したあとは、布団をたたんで部屋を掃除するなどの家事業務をこなし、次のシフトのスタッフに引き継ぎをしたり、事務仕事をしたりして過ごします。

子どもたちが帰ってきたら、宿題を見守ったり一緒に遊んだりし、夕食とお風呂のお世話をして就寝という流れです。休日の場合は幼稚園や学校も休みのため、平日よりはゆったりしたスケジュールになりますね。

2.長く働くからこそ分かるやりがいとは

-児童養護施設という職場ならではのやりがいや魅力について教えてください。

二宮さん:

子どもたちの成長を長く見守れるのはやりがいがあります。入職1年目に担当した幼児寮の子が、今ではもう高校生。学園から卒業した後も顔を見せてくれる子もいて、そのような時には自分がここで働いている意義を感じます。

栁川さん:

子どもたちの成長を肌で感じられるのはやっぱりうれしいですよね。卒業した子が学園の行事に顔を出してくれたり、自分の子どもを連れて遊びに来てくれたりと、関係が続いていくことも多いです。「また栁川さんの料理が食べたいな」なんて言ってくれる子もいて、大きなやりがいを感じます。

香林さん:

児童養護施設で働くやりがいは一朝一夕で見つけられるものではなく、長く続ければ続けるほど身に沁みていくものだと思っています。2人の話にもあったように、子どもたちが大きくなっても縁がつながっていくのを感じると、ここで働いていて良かったと感じます。

-皆さんがこの職場を選んだきっかけや決め手は何でしたか?

二宮さん:

私はずっと子どもに関わる仕事がしたいと考えていました。中でも児童養護施設では、学校などと比べても長い時間を子どもたちと過ごせる点が魅力的に感じたんです。

そこで県内の児童養護施設をいくつか見学したのですが、当施設は特に地域と密接に関わっている点が好印象でした。スタッフの明るい雰囲気にも背中を押され、入職を決めました。

栁川さん:

私はもともと保育園の栄養士として働いていましたが、年数を重ねるうちに将来のキャリアについて考えるようになり……。そんなタイミングで、学生時代の恩師から当施設を紹介されたのをきっかけに転職しました。そこから15年ほど勤務しています。

ものすごく強い動機があったわけではないのですが、いざ入職してみると自分にすごく向いていたんですよね。栄養士も現場に入るので、自分が作った料理を目の前で食べてもらえて、ダイレクトな反応も聞けるんです。時には子どもたちからのリクエストに即興で応えたり、食材の買い出しを手伝ってもらったりすることもありますよ。

学生時代は実習先に児童養護施設という選択肢はなく、こういう仕事があることも知りませんでした。もし当時知っていたら、真っ先に児童養護施設を選んだと思います。きっと他にも興味のある栄養士さんは多いと思うので、幅広い方々にこの仕事を知ってほしいですね。

香林さん:

保育士の専門学校時代、実は一番大変だった実習先が児童養護施設なんです(笑)。小さな子どもだけでなく、中高生の少年少女と接する難しさもありましたから。一方で、子どもたちとたくさん関わることができて一番印象に残っていたのも児童養護施設でした。

その後当施設に就職し、事情があっていったん退職。ブランクを経て、また児童養護施設で働きたいと考えて職場を探す中で、飯塚園長から戻ってこないかと声をかけていただき、今に至ります。

3.職種間連携と地域間連携が働きやすさの鍵

-働きやすさという面から見て、職場環境にはどのような魅力がありますか?

栁川さん:

冒頭にも説明がありましたが、当施設には看護師が在籍しているため、病院に連れていくべきか迷った時などに相談できてすごく心強いです。看護師以外にも専門職のスタッフが充実していて、職種同士の連携もしっかり取れているので、心配事を相談しやすい体制ができています。

また、当施設では食を大切にしていて、各ユニットでの食事は基本的に調理師や栄養士の有資格者が作るようにしています。それ以外のスタッフが料理するとしたら、味噌汁くらいの簡単なメニューです。調理専門のスタッフがいるという点では、他の職種の方でも安心できるのではないでしょうか。

二宮さん:

二宮町の環境もおすすめです。町内で一人暮らしをする若いスタッフも多いですが、職場は駅から近くてアクセスが良いですし、生活に必要な店や施設も一通り揃っているので住みやすいですよ。海や山などの自然が身近なのもうれしい点です。住民の皆さんも学園に理解があるので、そういう意味でも地域に恵まれています。

香林さん:

子どもたちを支援していく上で、地域との連携は欠かせません。子どもたちが通う小中学校とは定期的に連絡会を開き、情報を共有。時には医療業界の方々ともコミュニケーションを取りながら、多職種で子どもたちを支えていく必要があります。当施設ではこうした地域との連携がうまく取れていて、働きやすさにつながっています。

飯塚さん:

当施設ではスタッフの年代の幅が広く、各世代がバランスよく在籍しています。30代でリーダー格として活躍しているスタッフもいれば、40~50代で未経験から始めたスタッフもいるなど、本当にさまざまです。そうした意味では、自分に合った相談相手を見つけやすいかもしれません。

-未経験のスタッフに対しては、どのようなフォロー体制がありますか?

飯塚さん:

当施設では、資格ではなく人柄重視で採用しています。入職後に資格を取得する例もあるため、試験が近づいたらお休みを優遇するなどの配慮をします。

また、1年目のスタッフには、月に1回程度の園内研修を実施。定期的な面談も開き、悩み事や不安をこまめにすくい上げるように心がけています。

4.間違いを認める誠実さが子どもたちを導く

-どんな人と働きたいですか? あるいは、どんな人が活躍できる職場ですか?

二宮さん:

まず、この仕事がどんな仕事なのかをしっかりと理解することは必要だと思います。悩んだり大変な思いをしたりすることは多いし、時には愚痴を言いたくなることだってあります。そんな時でも、最終的には前を向き、どうすればより良い方向にしていけるのか一緒に考えていける仲間をお待ちしています!

栁川さん:

素直でポジティブ、そして何より柔軟な人でしょうか。子どもたちを支え、育てていくことに、絶対的な正解はありません。私たちスタッフも、育ってきた環境は人それぞれ違います。「自分はこう育てられたから、こうでなくてはいけない」と決めつけてしまうのではなく、状況に合わせて柔軟に対応できる人の方が向いていると思います。

香林さん:

私も、自分の主張を押し付けすぎないのは大事だと思います。また、トライアンドエラーを大切にできる人が良いですね。何か失敗があったらそこで終わらせず、次はどうすればいいのか反省し、奮起できる姿勢を重視したいです。

飯塚さん:

この仕事に関心を持つ人は、子どもが好きな人がほとんどだと思います。もちろん熱意は大切ですが、あまりにも熱心過ぎると、逆に子どもたちが引いてしまったり遠慮してしまったりすることもあるんですよね。

子どもたちが安心して頼れる存在とは、例えばそばにいて声をかけてくれる人、一緒になって物事に取り組んでくれる人、小さな変化にも気づいてくれる人。そして、失敗した時はそれを認め、素直に「ごめんね」と言える人です。

大人が失敗する姿を見せないと、子どもたちが社会に出るハードルを上げてしまうかもしれません。間違いを認める誠実さがあり、周りが差し伸べる手をしっかりと取れる人なら、きっと活躍できますよ。


セカンドラボ株式会社

URL:https://note.com/2ndlabo/n/nf2f063102266

神奈川県鎌倉市生まれ。2019年4月にセカンドラボ株式会社に入社。
2025年1月にコンテンツチームのリーダーに就任。
統計資料に基づく分析や求人作成の知識・経験を活かした記事づくりが得意です。
休日は所属するオーケストラでの活動や登山、旅行とアクティブに過ごしています。