どんな人でも自分らしく暮らせる地域社会を目指して。患者に合わせたオーダーメイドの医療が強みの精神科病院|医療法人社団大和会 大内病院
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東京都足立区にある大内病院は、平成医療福祉グループに所属する精神科病院です。精神障害や疾患がある人でも安心して自分らしい生活を送れるよう、入院や外来、デイケアなどの機能を通して支援。地域全体で支える精神ケアの実現を目指し、「生き心地の良い」地域環境づくりに力を注いでいます。
病床数は228床を備え、急性期から療養期、地域包括ケアまで、さまざまなフェーズに対応可能。最新の薬物療法や、患者一人ひとりの生活背景を重視したオーダーメイドの治療・リハビリなどを通じ、患者中心の医療とケアを提供しているのが特色です。2024年7月には病院をリニューアルし、より快適な環境へと機能を強化しました。
そんな大内病院では、多くの職種がチームとなり、精神医療福祉のパイオニアを目指して業務に励んでいます。今回は、作業療法士の小林さんと介護福祉士の堤さんを取材。職場環境の魅力やお仕事のやりがいなどについて語っていただきました。
目次
通院・入院中から地域での生活まで幅広くサポート

-貴院の診療の特色や強みなどについて教えてください。
小林さん:
当院では、関連施設との連携のもと、「地域精神ケア」のシステムを構築しているのが大きな特色です。
入院病棟では急性期から療養期、地域包括ケアまで対応し、退院後も訪問介護・リハビリやデイケアによって暮らしをサポート。多職種のチームで患者さんを支える「ACT(包括的地域生活支援プログラム)」などの取り組みを通し、在宅サービスの充実を推進しています。
さらに当院では、「誰もが、どんな時も、自分らしく生きられる社会の実現を目指す」というビジョンを2024年に新しく設定しました。その達成に向け、患者さん一人ひとりに合わせた個別療法や個別リハビリに力を入れています。
従来の精神科医療といえば、20~30人の患者さんに対して1人の医師やセラピストがつき、1~2時間ほどの治療やリハビリをする集団療法が主流でした。しかし、このやり方だと個々の患者さんに割ける時間が限られてしまいます。
精神的な疾患や障害のある患者さんにとって、日常生活における生きづらさの悩みも人それぞれです。そこで当院では、従来の集団療法に加え、患者さんの人生や背景を重視した個別の治療・リハビリを提供。より時間をかけて関わっていくことで、きめ細やかにサポートします。こうした個別療法に取り組む精神科は、全国的に見ても珍しいんですよ。
堤さん:
私たちが提供する医療の先には、必ず患者さんの生活があります。その生活の場として、安心して暮らせる地域環境の整備が欠かせません。そこで当院では、「自分の暮らしに戻るための入院医療」と「生き心地のよい地域づくり」を軸とした精神ケアを方針に掲げています。
それを実践するための柱が、「いつでも、どんなときでも、誰にでも対応できる医療体制を作る」「安心して院内で過ごせるよう、ストレスのない院内環境を作る」「リカバリーをともに歩む」「診療とケアの質を向上させる」「地域での暮らしを支える」の5つ。これらを意識しながら、各職種がチームとなって患者さんのサポートに当たっています。
多職種によるチーム医療を徹底。多様なメンバーが活躍中

-お二人から見て、職場の雰囲気はいかがですか?
堤さん:
当院の病棟では多くの職種が働いていますが、一つのチームという意識が強く、気軽に相談などがしやすい雰囲気だと感じます。
小林さん:
私が所属するリハビリテーション部は、作業療法士以外にも理学療法士と言語聴覚士が在籍し、全国的に見ても規模が大きいのが特徴的ですね。
経験年数の長いベテランが多いですが、最近では若手も増えてきました。幅広い年齢層のスタッフがいて、活気ある職場です。出身地もさまざまで、中には海外出身のスタッフもいます。多様性があって、楽しいですよ。
-続いて、お二人の日ごろの業務内容について簡単に教えてください。
小林さん:
リハビリテーション部での一般的な業務内容としては、集団でのリハビリや個別リハビリ、多職種でのカンファレンス、プライマリーの患者さんへの対応などがメインです。
堤さん:
介護職の場合、シフトは主に早番・日勤・夜勤の3パターンです。病棟によっては遅番のシフトもあります。
主な業務内容は、起床や離床、移乗、食事、排せつ、入浴などを介助する身体ケアを中心に、衛生管理や病棟の環境整備、レクリエーションの補助などがあります。各病棟にはリーダーが1人ずつ配置され、患者さんの様子を把握して看護師などとの連携につなげます。
-お二人がこの職場を選んだきっかけや決め手は何でしたか?
小林さん:
学生時代にさかのぼりますが、作業療法士の場合は精神障害や発達障害に関連した必修科目が多く、精神科というフィールドには少なからず関心を持っていました。
そんな中、臨床実習で精神科に行くことになったのですが、身体領域以上に教科書通りにはいかない難しさがあり、自分の無力さを痛感したんです。その一方で、患者さんと「人対人」で関わり合う重要性や面白みも改めて認識しました。
もともとは身体領域での作業療法士を志していましたが、精神領域をしっかり学んで自分を鍛え直したいと考え、大学4年の時に精神領域への転向を決意。精神科の就職先を探す中で当院を知り、平成医療福祉グループのつながりを生かして幅広い経験が積める点に惹かれ、入職を決めました。
堤さん:
私が入職したのは15年ほど前です。それまで介護は未経験だったのですが、周囲の人から「介護の仕事に向いていそう」と言われたのをきっかけに興味を持つようになりました。
ただ、当時は子どもがまだ小さく、転職活動は難航。子どもの体調不良で急な休みがあるかもしれないことを伝えると、それがネックとなって落とされることがしばしばでした。
そんな中で当院の面接を受けた際、当時の看護部長から「休んでも大丈夫」と背中を押してもらえたんです。その言葉に、子育てしながらでも安心して働けそうだと感じ、ここに入職したいと強く思いました。
子育てや介護と両立しやすい環境が魅力。スキルアップ支援も充実

-働きやすさや働きがいという面から見て、職場環境にはどのような魅力がありますか?
堤さん:
まず、残業がほとんどないため、家庭やプライベートと両立したい人にとっては大きなメリットです。子どもが小学校を卒業するまで時短勤務が可能など、子育て世代へのサポートも手厚いですよ。
スキルアップに関しては、研修の参加や資格取得に向けた補助制度などが整っています。介護職の場合、介護職員初任者研修などの受講費は全額助成となる上、日勤扱いで通うこともできます。eラーニングを活用し、自分の好きなタイミングで介護スキルを学ぶのもおすすめです。
この他、平成医療福祉グループ独自の充実した福利厚生もありがたい点です。
小林さん:
これ以外でいえば、当院は2024年にリニューアルし、新しいことに挑戦していこうという気風も強いです。従来、精神科の医療ではリハビリにスポットが当たることはあまりなかったのですが、当院ではより積極的にリハビリに取り組む方針を打ち出しました。その点でも、私たちセラピストにとっては働きがいがある職場だと思います。
-お仕事の中でやりがいを感じる瞬間や、患者さんとの印象に残っているエピソードなどについて教えてください。
小林さん:
私たちの仕事は、患者さんの人生に関わる仕事です。なかなか成果が出ないことや振り出しに戻ってしまうことも少なくありませんが、そんな中でも、患者さんの自分らしさやこうありたいという思いを実現できた時の喜びは筆舌に尽くしがたいですね。
例えば、長期にわたって入院していた患者さんが退院できた時や、大きな病院から転院してきた患者さんが無事に地域での生活に戻れた時、精神面だけでなく身体的にも治療が必要な患者さんのリハビリがうまくいった時など、さまざまなケースでやりがいを感じています。
堤さん:
入職したばかりの時、同じタイミングで入院してきた患者さんがいました。初めは入院生活になじめず、暗い表情でいることも多かったのですが、私も入職したてで不安な気持ちがよく分かったので、積極的に話しかけるようにしていたんです。
すると、次第に打ち解けて笑顔を見せてくれるようになり、日に日に会話も増えていきました。そして、その方が退院する時に、ご本人やご家族からたくさんの感謝の言葉をいただきました。笑顔で退院していく姿を見て、「この仕事をして良かった」と心から感じた出来事です。
-どんな人と一緒に働きたいですか? または、どんな人が活躍できる職場ですか?
小林さん:
精神疾患に対し、誤解や偏見を持っている人は少なくありません。そのような考えに対し、正しい認識を持って関われるかどうかが大切だと感じます。その上で、患者さんの人生や権利にしっかりと向き合える人と一緒に働きたいです。
当院が力を入れている個別リハビリや、患者さんのご家族に向けた精神疾患に関する学びの場の提供などは、精神科の中でも発展途上の分野です。そうした領域にも積極的に挑戦したいという意欲がある人は、きっと活躍できると思いますよ。
堤さん:
介護部門では、その人らしさを支えることを理念に掲げています。患者さんを中心に考えて寄り添える人や、他職種と協力して取り組める人、高齢者を敬える人などが向いていると思います。
-最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。
堤さん:
多職種がここまでフラットな関係で働ける職場はなかなか無いと思います。患者さんのためにチーム医療に取り組みたい方の挑戦を支えていくので、ぜひ安心して当院に来ていただきたいですね。
小林さん:
精神領域のリハビリは変化の時期にあります。精神医療のパイオニアを目指し、ともに歩んでいける仲間をお待ちしています!