地域に根ざした公的病院 職員同士仲がよく、意見交換も活発|独立行政法人地域医療機能推進機構 高岡ふしき病院
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「高岡ふしき病院」は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)に属する富山県高岡市の公的病院として、回復期医療を中心に、地域医療を提供しています。患者さんの退院後を見据えてじっくりと生活支援を行うなど、1人1人に向き合える職場です。
120床を有する公的病院として、富山県高岡市に根ざした医療を展開している「高岡ふしき病院」。職種を越えて職員同士の仲がよく、患者さんのことを第一に考えて話し合いをしやすい職場です。ワークライフバランスも充実しており、子育て中の職員も多くいます。お子さんが体調不良になったときは、院内の病児保育室に預けられるのも、安心できるポイントです。
目次
法人の研修では、違う地域の知り合いができることも
「セル看護提供方式」の導入を検討 業務効率化に効果
人間関係が良好な職場環境で、それぞれの個性を生かした看護を
回復期の患者さんのリハビリ、退院に向けた支援を行う
―高岡ふしき病院は、どのような病院ですか。
諸江さん:
当院は、富山県高岡市にある120床の公的病院です。回復期医療を中心に、急性期医療や在宅医療を含む、安心できる医療を地域の皆様に提供しています。
当院では、地域連携室や訪問看護ステーションも開設しており、在宅訪問診療や訪問看護にも力を入れています。入院中から在宅療養まで切れ目のないサポートを提供します。
健康管理センターもあり、院内検診、人間ドック、特定健診などを年間2万人以上の方に実施しています。病院に併設している利点を活かし、胃や大腸の内視鏡検査、マンモグラフィーや子宮がん検査などの婦人科検診、骨密度測定、CT、MRIなど、様々なオプション検査があります。
地域の皆様が安心して生活できるように、全力で健康のサポートをしています。
―今回募集している職種と、具体的なお仕事内容をご紹介いただけますか。
諸江さん:
病棟で勤務する看護師を募集しています。当院では急性期の患者さんも受け入れていますが、主に回復期の患者さんへ医療を提供していますので、日常生活の援助やリハビリ、退院に向けての支援が主な業務となっています。
―スタッフの皆さんは、どんなことを大切にしてお仕事にあたっていますか。
諸江さん:
医療職として命を守るということは大前提ですが、それに加えて、ご高齢の方が多いので、その方たちの尊厳や生きてきた人生を尊重することを大事にしています。この先もその人らしく生きていけることを主眼とした日常生活の援助と、その先に向けたリハビリを実施し、どこで暮らしていきたいかを確認しながら、治療や療養場所の選択を行っています。
―高岡ふしき病院で働くやりがいをどんなときに感じますか。
諸江さん:
当院は回復期医療を中心としていることもあり、治療が終わった後にこの先どうするかを患者さんと一緒にじっくり考えていけるのが特徴だと思います。
当院に来た時には「まだ体も十分に治っていないのにどうしよう」という不安でいっぱいの患者さんやご家族がいらっしゃいますが、そういった方と一緒にこの先を考えてリハビリ治療に臨んでいけるところが、当院のような回復期の病院のアピールポイントだと思っています。
松下さん:
私も、患者さんと長く関われることが当院のいいところだと思っています。急性期の病院では治療後速やかに退院していただくことが多いですが、当院には地域包括ケア病棟があるので、その先を見届けることができます。治療後のリハビリを通じて1人で歩けなかった患者さんが歩けるようになった時や、患者さんの退院後を見据えた生活支援を行い、患者さんが退院する姿を見送る時に大きなやりがいを感じます。
法人の研修では、違う地域の知り合いができることも
―職場や職員の皆さんの雰囲気について教えてください。
諸江さん:
この5年ほどで、年齢層が幅広く、かつ均等に分布するようになってきました。男性は全体の1割強を占めており、ほかが女性です。
松下さん:
最近では20代の職員も増えてきました。年が近い同僚がいると話しやすく、仕事のことを相談し合ったり、休日に一緒にご飯を食べたりしています。年齢の離れたベテランの方も多く、経験談を交えていろんなことを教えてもらうこともあり、話しやすい雰囲気です。私は新人の時から当院で働いていますが、当時から積極的に声をかけてもらい、病棟に早く馴染むことができました。
患者さんも近辺にお住まいの方が多く、和やかな雰囲気ですね。急性期の病院に比べると、当院ではゆったりと患者さんとお話しする時間もあり、患者さんとの関わりを多く持ちたい方には適した環境だと思います。
諸江さん:
小さな病院ですので、お互いに顔の見える関係です。心不全のチームや摂食・嚥下のチームなどがあり、チーム活動が非常に活発で、職員同士は仲がいいですね。
また当院は独立行政法人に属しているので、病院間での転勤や、横のつながりがあります。研修で全く違う地域の知り合いができることも当院の特徴です。
―普段、仕事上のコミュニケーションはどのようにとっていますか。
松下さん:
とにかくいろいろな人と話すことを意識しています。患者さんによくなってもらうためにどうしたらいいか迷ったら、1人で考えずにまずは同じチームのメンバーと相談してミニカンファレンスを行い、問題点や改善点があれば医師や薬剤師、リハビリ担当者などに情報を共有して対応につなげてもらっています。円滑にコミュニケーションを行うために、積極的な意見交換を心がけています。
多職種で行うリハビリカンファレンスなど、様々なカンファレンスがあるので、そうした場で情報共有を行い、コミュニケーションをとっています。
「セル看護提供方式」の導入を検討 業務効率化に効果
―ワークライフバランス面のPRポイントについてうかがえますか。
諸江さん:
超過勤務は、月平均4.5時間程度です。育児休暇の取得率も非常に高いです。また働きながら子育てしている職員が多いのも、当院の特徴です。
―残業を少なくするために取り組んでいることはありますか。
諸江さん:
昨年度から看護師の動線を改善し、患者さんと関わる時間がより増えるよう「セル看護提供方式」の導入を検討し始めています。まずはナースセンターを出て、患者さんが視界に入るベッドサイドの範囲で業務を行う取り組みを始めています。記録も、随時その場で取るようにしました。
ナースコールが減っただけでなく、動線が短くなったため、コールマットが鳴ってからベッドサイドに行くまでの時間も短縮され、転倒率が減りました。
―待遇や福利厚生面でのPRポイントはありますか。
諸江さん:
ボーナスを年2回支給し、昇給は年に1回、確実に行います。また院内に病児保育室があります。定員は3名で、院内の小児科の受診を済ませると預けることができます。院内の職員だけでなく、地域に開かれた病児保育室です。少し熱があっても、預けて仕事に出られるため、子育て中の職員に大変喜ばれています。
―「高岡ふしき病院」で働くことで、どんなスキルを身につけられますか。スキルアップに向けた支援はありますか。
諸江さん:
JCHOに属する病院全てで取り組んでいるのが、特定行為研修です。今年度も何名かがPICCカテーテルの挿入を目指して研修に取り組んでいます。
すでに血糖のコントロールや水分栄養管理に関する特定行為研修を修了している看護師もおり、院内で活躍しています。認定看護師や専門看護師の取得を希望する方については、出張扱いで費用の補助をするなど、様々な支援を用意しています。
松下さん:
心不全や誤嚥性肺炎など、特定の疾患の患者さんが来られることも多く、それらの疾患についての知識がより身についたと思います。ご高齢の方や認知症の患者さんへの対応の仕方も身につきました。
―キャリアパスについて教えてください。
諸江さん:
昨年、JCHOでは認定キャリアアドバイザー制度ができました。職員のニーズに応じて、例えば妊娠や出産等の節目で、キャリアに関する相談や情報提供、支援を行います。
マネージャー候補とスペシャリスト候補には、それぞれの節目で面談等を通してアドバイスをしています。スペシャリストを目指す場合は、認定看護師や特定行為のコースを受けます。マネージャーに関しては、JCHO内で管理者研修を受講するよう促しています。
院内ではJCHOのクリニカルラダーやマネージメントラダーをもとにキャリアを支援していく体制をとっています。
人間関係が良好な職場環境で、それぞれの個性を生かした看護を
―求める人材像について教えてください。
諸江さん:
回復期の病院にはよくあることですが、当院では様々な経験を持った中途の職員がいろんなところから集まってきています。職員の経験や生活背景を尊重し、それぞれの特性や個性を活かした看護を提供してほしいと思っています。
また急性期医療に求められるアセスメント力も重要ですが、患者さんの生活やその人らしさを知ることなど、話を聞く力が当院には必要だと思っています。患者さんに寄り添いたいというマインドを持った方に来ていただきたいです。
松下さん:
地域に密着した病院のため、ご高齢の患者さんからお話をうかがう機会も多いです。患者さんに寄り添える看護師として、カンファレンスなどを通じて、どうしたら患者さんにとってより良い生活ができるかを一緒に考えていける方とともに働きたいと思っています。
―入職を考えている方へのメッセージをお願いします。
諸江さん:
当院は、地域に寄り添う病院としての役割を大切にし、この地域に医療難民を作らないことを目指しています。この地域に住まう方々が、その人らしく生きられるように生活の支援をしたり、どこで暮らすのかを一緒に考えたりと、地域の方々に求められる医療を一緒に提供していきましょう。
松下さん:
職場の人間関係は重要だと思っています。当院の人間関係は良好で働きやすい環境です。お互いが顔の見える環境で、「看護師さん」ではなく、名前同士でしっかり呼び合う職場です。ぜひ、新たに来てくださる方と一緒に働きたいと思います。