「患者さんのために一つ一つを全力で」地域に寄り添うクリニックの働きやすさとは|医療法人社団徳栄会 常徳医院
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さいたま市南区、地域住民の生活動線に寄り添う「曲本クリニックモール」内に位置する常徳医院。整形外科・外科・婦人科・リハビリテーション科を備え、幅広い診療に対応しながら、日々たくさんの患者さんが訪れる地域密着型のクリニックです。
院長の史先生は、開院以来一貫して「患者さんのために一つ一つを全力で」という姿勢を大切にしてきました。患者さんと向き合う時間、声の掛け方、表情に至るまで「自分が患者ならどうされたいか」を常に問い続ける院長の想いは、職員全員に浸透しています。
今回は、そんな常徳医院を率いる史院長に、職場の雰囲気や働きやすさ、職員への想いを伺いました。「地域に寄り添いながら、あたたかい医療を提供したい」「患者さんの笑顔に貢献したい」そんな方に、ぜひ読んでいただきたいインタビューです。
目次
子育て世代の職員が多い、助け合いの職場環境
― 職員の方々の年代や雰囲気について教えてください。
年代としては40代前後、子育てをしながら働いている方が多く、よく笑い声が聞こえるとても明るい環境です。職種は違ってもみんなが“お母さん同士”という感覚を持っていますので、「お互いさま」の気持ちで助け合いながら働いています。
また、当院の職員にはまだ0歳〜1歳半のお子さんを育てている方もいれば、高校生のお子さんがいる方まで幅広いです。どの職員も家庭を持ちながら仕事に取り組んでいますが、年齢やキャリアに関係なく仲が良く、相談しやすい関係性だと思います。
― お子さんの発熱など、急なお休みには対応していただけるのでしょうか?
もちろん、「いつ、どんなときでも」というわけにはいきませんが、私をはじめ当院の職員は、“子どもの急な体調不良は当然起きるもの”という前提で、みんなでフォローし合っているんです。
保育園から「熱が出ました」と連絡が来ることはよくあることですし、小さいお子さんは突然体調を崩すことも多いですよね。そういうときは、まず周りの職員が「大丈夫だから行ってあげて!」と声をかけることが多く、なるべく早く帰ってもらえるように調整しています。子育て中だからといって、変に遠慮する職場にはしたくないのです。
― 職員同士、コミュニケーションの場はどのように設けていますか?
まず、毎週土曜日の業務開始前に10分ほどのミーティングを行っています。短い時間ではありますが、1週間の振り返りや注意事項の共有、職員からの意見交換の場として非常に有意義です。その日出勤の全員が顔を合わせて話すことで、「誰がどんな状況にあるのか」「どんな困りごとがあるのか」などを把握できるため、職場全体の連携がスムーズになると感じます。
また、月に1〜2回ほど製薬会社さんなどによる勉強会も行っています。新しい薬や治療について学べる場ですが、こちらは強制参加ではなく“自由参加”。興味のある人が参加し、そこで職員同士のコミュニケーションが生まれることも多いです。
さらに、重要事項については「連絡簿」を活用し職員全員が見られるようにしています。忙しい日でも情報が行き届くよう工夫し、誰かだけに負担が集中しないよう心がけています。
― 職員との個別面談も行われているそうですね?
はい。半年〜3ヶ月に一度、給与改定のタイミングで行っている個別面談のことですね。ここでは業務の振り返りだけでなく、困っていること、不安なこと、家庭の事情など、何でも話してもらえるよう意識しています。
「我慢して我慢して、ある日突然爆発する」というのは職員にとっても職場にとっても良くないことです。だからこそ、遠慮せずに話してもらえるような関係づくりを大切にしているんです。
私はいつも職員に「抱え込まないでほしい」「間違えても大丈夫だから相談してほしい」と伝えています。ミスを責めるような職場ではなく、一緒に改善して前に進む。そのための面談だと思っています。
思いやりを大切にした医療。ノルマやペナルティは一切なし
― 職場の雰囲気づくりで心がけていることはありますか?
そうですね。大切にしているのは、「思いやり」を軸にした職場づくりでしょうか。医療現場というと、厳しくピリピリとした空気を想像されるかもしれません。しかし、私は“強制”や失敗への“罰則”のような、圧をかけて人を動かすやり方が本当に嫌いなのです。
医療は“人”を相手にする仕事ですから、職員同士であってもお互いを尊重し、相手の状況を汲み取りながら働くことが大切です。厳しいノルマやペナルティがあれば、どうしても職場の空気が重くなり、患者さんへの対応にも影響が出てしまうと考えています。
特に、他院から転職してきた職員の中には、以前の職場で「ミスをすると厳しく叱責された」「常に怒られて萎縮していた」という経験を持つ方もいます。その話を聞くたび、私自身も胸が苦しくなるんです。
もちろん、私たちの仕事にはミスが許されない場面が多いのは事実です。それでも私は、頭ごなしに叱責するようなことはしません。理由をしっかりと確認し、改善策を一緒に考える。それが職場全体の成長にもつながると信じているからです。
― 先生が職員の方々に伝えている言葉はありますか?
職員にはよく、「患者さんの立場に立って考えてください」と伝えています。患者さんは痛みや不安を抱えて来院されます。そんな中、受付で冷たい態度を取られたり、忙しさを理由に雑に扱われたりしてしまったら、一層気持ちが沈んでしまいますよね。
だからこそ、「いらっしゃいませ」ではなく「今日はどうされましたか?」「どこが一番つらいですか?」と、あたたかい言葉で迎えて欲しいのです。まるで家族のように、安心して頼っていただける存在でありたいと考えています。
実際、忙しいときほど対応は雑になってしまいがちですが、そういうときこそ「慌てなくていいから、ゆっくりで大丈夫」と声をかけるようにしています。患者さんに優しく対応するためには、職員の心の落ち着きは絶対に欠かせないものですから。
― 他院から転職してきた職員の方の声を、耳にされたことはありますか?
はい。例えば、ある職員は以前耳鼻科で働いていましたが、その職場では医師が非常に厳しく、日常的に叱責や罰則があったそうです。常に怒鳴られたりする環境で心身が疲れてしまい、仕事を続けるのが辛くなってしまったと話していました。
そんな中、当院へ転職してくれたのですが、「ここなら安心して働ける」「人間らしく仕事ができる」と、長年勤めあげてくれました。そんなことを言ってくれたときは、本当にうれしかったですね。
また、一度大きな病院へキャリアアップを目指して退職した看護師さんがいるのですが、大病院で働いてみた結果、「当直が多くて子育てと両立できない」「人間関係が複雑で居心地が悪い」という理由から、最終的に当院へ戻ってきてくれたこともありました。
私は以前から、辞められた方にも定期的に連絡を取り、「困ったことがあればいつでも戻っておいで」と声をかけています。職員の人生を尊重しながらも、いつかまた一緒に働けたら嬉しいですから。“ここで出会ったのも何かの縁”。そんな気持ちで、私は一人ひとりの職員と向き合っているんです。
大病院とクリニック。それぞれの働き方とやりがいの違い
― 大きな病院と小規模クリニックで働く違いはどこにありますか?
そうですね。まず大病院で働く魅力のひとつに、「経験できる症例の幅広さ」が挙げられます。急患や重症患者さんの対応、救急処置など、現場で得られる経験は非常に濃く、キャリアアップを目指す若い医療者にとっては大きな学びになるでしょう。
しかしその一方で、当直が必須であったり、急な呼び出しがあったり、膨大な業務量や人間関係の複雑さが負担になることもあります。特に子育て中の方にとって、“夜勤・当直・長時間労働”は、働き続けるうえでは非常に大きな壁かもしれません。
一方で、当院のような地域密着型クリニックでは、経験できる症例はある程度制限されますが、その分患者さん一人ひとりと丁寧に向き合う時間があります。急患対応もほとんどないため、業務が極端にバタつくことは少なく、勤務時間も安定しています。
結論として「医療者としてとにかく成長したい」という人には大病院が向いていますし、「家庭と両立しながら、地域の患者さんに寄り添いたい」という人にはクリニックが合っているのではないでしょうか。どちらが良い悪いの話ではなく、“どんな働き方をしたいか”で選ぶのが大切だと思います。
― 常徳医院ならではの働きやすさにはどんな点がありますか?
当院の働きやすさで挙げられるのは、“勤務時間の安定”と“職員同士の距離感の近さ”です。1日の出勤人数はおよそ10名ほど。大きすぎず、小さすぎず、ちょうど良い規模感です。そのため、誰がどんな状況にあるのか、困っている人がいないか、自然と周囲が気づける環境なんですね。
また、当直はありませんし、残業もほぼありません。外来の患者さんが混み合えば少し遅れることはありますが、基本的には定時で帰れます。有給取得率も100%で、「休んじゃいけない」という空気は一切ありません。むしろ「休めるときに休んでいいんだよ」と伝えるようにしています。
― キャリアアップを希望する方へのサポートはありますか?
はい。職員の“学びたい気持ち”は積極的に応援しています。最近も、3人のお子さんを育てながら「看護学校に入りたい」とチャレンジした職員がいました。普通なら「働きながら学校は無理」と言われてしまうかもしれませんが、私はむしろ、応援したい気持ちの方が強くなってしまって。
「時間がある日に数時間だけ働く」「夏休みや冬休みは多めにシフトに入る」など、本人の状況に合わせて柔軟に勤務できるよう、できるだけサポートさせてもらいました。
その後、その職員は無事に卒業。今は大きな病院で看護師として活躍しています。もちろん寂しさはありますが、その人の人生にとって大切な一歩なら、全力で応援してあげたいのです。
― 最後に、求職者へのメッセージをお願いします。
医療の現場は、決して楽な仕事ばかりではありません。患者さんの痛みや不安に寄り添い、毎日の診療を丁寧に積み重ねていく必要があります。しかしその一方で、人の役に立てる実感や、「ありがとう」と言っていただける喜びは、何にも代えがたい大きなやりがいです。
常徳医院では、患者さんに対してだけでなく、一緒に働く職員に対しても誠実でありたいと思っています。子育て中の方、ブランクのある方、経験の浅い方でも、安心して勤務できるような体制を整えていますので、どうか心配しないでください。困ったときは誰かが必ず手を差し伸べてくれる、そんな温かい職場です。
当院に合っているのは、「人が好き」「誰かの力になりたい」という気持ちを大切にできる方です。特別なスキルよりも、その想いを重視しています。患者さんに優しく向き合える方なら、どんな方でも歓迎します。