在宅医療の未来をつくる。働きやすさもやりがいも叶う訪問看護ステーション|ハノン・ケアシステム株式会社 ホウカンTOKYO
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ホウカンTOKYOは、ハノン・ケアシステム株式会社が運営する訪問看護ステーションの一つです。東京都の杉並区、中野区、練馬区、新宿区、渋谷区を担当し、訪問による看護やリハビリを提供しています。
医療スタッフが業務に集中できる環境整備に力を入れているのが特徴。事務専門のスタッフを配置することで事務作業の負担を減らす他、自社開発の電子カルテアプリで日々の訪問を効率的にサポートします。また、地域と連携した勉強会を定期的に開催するなど、在宅医療を支える人材の育成にも意欲的に取り組んでいます。
今回は、ホウカンTOKYOで働く看護師の瀬戸さんと、理学療法士の岩下さんを取材しました。瀬戸さんは摂食嚥下障害看護の認定看護師、岩下さんは義肢装具の分野に特化した認定理学療法士の資格を持つなど、専門知識が豊富なお二人。訪問看護・リハビリという仕事の魅力や、キャリアを生かした今後の目標などについて語っていただきました。
目次
1.在宅というフィールドでキャリアを生かす

-お二人がこの職場を選んだきっかけを教えてください。
岩下さん:
私は2024年2月に入職しました。前の職場は専門性の高い施設で、手足の麻痺や切断によって、義肢装具を装着することになった患者さんのリハビリに携わっていました。
そこでは20年以上勤めたのですが、行政と協働して在宅でのリハビリに関わる機会も多かったんです。その中で、患者さんは退院してからの在宅生活の方が長いことを実感し、在宅医療というフィールドで自分の経験を生かしたいと思うようになりました。
そして、転職先を探す中で弊社の代表と出会い、「キャリアをうちで生かしてほしい」と言ってもらいました。キャリアも含めた自分という人間に向き合ってくれる言葉に背中を押され、ぜひここで働きたいと思いましたね。
瀬戸さん:
私が入職したのは2024年4月です。前職はずっと大学病院で働いていましたが、縁あって退院した患者さんの自宅にお邪魔する機会があったんです。すると、入院していた時と表情が全然違っていて、「やっぱりお家っていいな」と感じたんですよね。
また、病院だと一人ひとりの患者さんとじっくり関わる時間が少なく、自分の得意な摂食嚥下の知識を生かしづらいジレンマも抱えていました。そこで、訪問看護の世界に飛び込む決心をしました。
面接は何社か受けましたが、弊社は代表と直接お話しできる機会があり、看護職の教育にも関心が高いと知りました。私自身も看護師としてのキャリアを積む中で、後進育成には興味があったんです。ここでなら看護の質を高められるような教育システムを作っていけると考えたのも、決め手になりました。
-お二人から見て、職場の雰囲気はいかがですか?
岩下さん:
とにかく話しやすく、仕事の相談もしやすいです。新しい会社だから合理的な仕組みがある一方、暗黙のルールや独特なローカルルールはありません。偏ったルールに依存していないからこそ、時短などの多様な働き方ができるんだと思います。
瀬戸さん:
職種の垣根を越えて相談しやすいので、やりやすいですよね。入職したての頃は、利用者さんのことをこんなにじっくり、しかも気軽に相談しながら仕事ができるんだと驚いた記憶があります。
-在宅だからこその魅力や、気をつけるべき点などはありますか?
岩下さん:
入院生活を経て在宅療養に戻った人は、何らかの障害や問題のために元通りの生活を送れない人が多いです。以前のように外出ができなくなれば、社会的な接点を持つことも難しくなります。そのような人の生活圏に関わり、支えられるのは大きなやりがいです。
在宅では入院する場合と比べ、利用者さんの日頃の生活やそれまでの人生が際立ってきます。それを尊重していかなければいけない点は、注意点であると同時に魅力でもありますね。生活空間にお邪魔するので、礼節を持って接し、信頼を得ることも大切です。
また、病院や施設でのリハビリは、床がフラットだったりトイレへの動線も整っていたりと、障壁が少ないんですよね。在宅だとそうもいかず、ご自宅によって環境はさまざま。入院時に想定していた以上の運動負荷がかかる場合も多いし、栄養状態にも大きく左右されます。そのようなリスク管理も重要なスキルです。
瀬戸さん:
病院は患者さんにとっては非日常。さまざまな制限の中で生活しています。現在は在宅医療の環境が整ってきて、一人ひとりに合わせたケアがしやすくなってきています。その可能性をもっと早くに知りたかったし、今後は発信もしていきたいと考えています。
お看取りの場合でも、面会時間の制限に縛られることもなく、いつものベッドでゆっくりできる良さがありますよね。ご家族の負担はありますが、私たちも最大限サポートします。こうした選択肢がもっと広まればいいな、と思いますね。
注意点としては、1人で訪問するからこそ自分の価値観や尺度に当てはめず、一歩引いて判断することでしょうか。上司やリハビリ職のスタッフ、ケアマネージャーなどにも相談しながら、ご本人やご家族の意思を一番に考えたケアができるように気をつけています。
2.ワークライフバランスは良好。自社アプリも働きやすさに

-職場環境について、働きやすいと感じるおすすめポイントを教えてください。
瀬戸さん:
オンコールはありますが、夜勤はありません。時期によっては忙しいこともありますが、基本的に訪問の時間は決まっているため、ワークライフバランスは調整しやすいです。
また、弊社にはクラーク業務などを担当するチームがあり、煩雑な事務作業はお任せできるのもありがたいです。
岩下さん:
経験年数や職種にとらわれず、何か分からないことがあった時にすぐに聞ける風通しの良さが何よりの魅力だと感じます。聞きづらい雰囲気があると、それだけでモチベーションが下がりますよね。
-自社開発の電子カルテアプリがあるそうですが、日々のお仕事でどのように活用しているのですか?
岩下さん:
利用者さんの基本情報を閲覧できる他、担当したスタッフが利用者さんの経過や課題などを記入して共有できます。スマホでも使えるため、訪問先で確認したり、移動中の空き時間に記入を済ませたりできて便利ですよ。
瀬戸さん:
スタッフのスケジュールも確認できます。何か相談したいことがあったら、予定を確認して電話することもあります。
写真も取り込めるので、患部の様子を撮ってアップしておけば、次に行く訪問者が自分じゃなくても経過が分かりやすいメリットもあります。
岩下さん:
理学療法士としては、家屋の状況なども画像で共有できるのはすごく助かります。文字の情報だけだと分からないことも多いですから。
電子カルテは大手企業がリリースしているアプリもありますが、それが弊社の利用者さんや地域性に当てはまるとは限りません。現場の意見が反映しやすいのは自社開発の強みですね。
3.未経験でも安心のサポート体制

-新しく入ったスタッフのフォロー体制について教えてください。
瀬戸さん:
最初の数日は、座学で在宅医療の基礎知識や電子カルテの操作方法などを学びます。その翌週から先輩スタッフへの同行で現場に出ていく流れです。
自社開発の勉強用アプリもあるんですよ。短い動画で基礎知識を学べるもので、現在でも見返して復習しています。
岩下さん:
1か月くらい同行研修をしたら、徐々に1人で担当する利用者さんを増やしていきます。入りたての頃に限らず、初めて訪問する利用者さんのところに行くときは、普段行き慣れているスタッフが同行することもありますよ。
-この他にも、スタッフのスキルアップや研修に力を入れているとのことですが、詳しく教えていただけますか?
瀬戸さん:
毎月、在宅医療研究会というオンライン勉強会を開催しています。在宅医療の分野に詳しい大学の先生やクリニックの先生にお話を伺い、質疑応答もできます。幅広いテーマを扱うため、あまり詳しくない分野の話も聞けて勉強になっています。
岩下さん:
「さっそく明日から実践してみよう」と思うような、実用的な内容が多いですよね。現場で活躍する先生からそのようなお話が聞ける機会はなかなかないため、本当にありがたいです。
4.各スタッフが強みを発揮できる職場に

-お二人の今後の目標は何ですか?
岩下さん:
例えば、糖尿病が原因で足を切断する方はとても多いのですが、糖尿病患者は予備軍を含めると2千万人以上と言われています。在宅医療がそれを受け止めることになるので、瀬戸さんたち看護師スタッフとも連携し、自らのキャリアを生かしていきたいですね。
一方で、義肢装具を処方されたものの、退院後に壊れたりサイズが合わなくなったりしても相談先がない「装具難民」が問題となっています。在宅専門の製作所も少しずつ増えてきているので、うまく連携しながら在宅で完結できる仕組みを作っていくことも目標です。
瀬戸さん:
得意分野である摂食嚥下の知識を利用者さんに還元し、食事を安全に楽しく食べていくためのお手伝いがしたいです。まずは地域のニーズを探りつつ、効果的なアプローチを検討しようと考えています。
せっかく岩下さんのような切断のプロがいるので、お互いの知識を掛け合わせ、しっかり強みを持ったステーションにしていければ良いですよね。脳卒中による麻痺で装具が必要な利用者さんに対し、栄養面のケアも含めて重点的に関わるなど、可能性はいろいろです。
岩下さん:
栄養状態が良くないとリハビリの効果って全く出ないんですよ。そういう点でも連携は重要だし、若いスタッフにも学んでほしいと、瀬戸さんともよく話しています。
-最後に、どんな人と一緒に働きたいですか?
岩下さん:
私たちの仕事では、利用者さんとの信頼関係がカギです。社会人として基本ですが、挨拶やお礼、適切な言葉遣いのような「当たり前」をきちんとできることが大前提だと思います。
また、自主性も大事ですね。自分の専門性をどう仕事に生かせるか、進んで考えられる人と一緒に働けるとうれしいです。
瀬戸さん:
ホウカンTOKYOには年齢も経験年数もさまざまなスタッフがいて、それぞれ培ってきたスキルや知識を生かし、相談し合いながら働いています。だから、若さや経験の浅さを理由に遠慮せず、自分の強みに自信を持てる人ならきっと活躍できますよ。各々の強みを発揮しながら苦手な部分は補い合い、一緒により良いケアを考えていきましょう!