「予防は治療に勝る」をスローガンに、地域の健康を支える。自由な提案がしやすい雰囲気が魅力の健診施設|愛媛県厚生連健診センター
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愛媛県厚生連健診センターは、JA愛媛厚生連が運営する健診専門機関です。「予防は治療に勝る」という理念のもと、JAの組合員である農業者を中心とした地域住民の健康寿命を伸ばすことを目指し、健康診断や人間ドックを通した健康管理サービスを提供しています。
施設内での健診の他、県内全域を対象とした巡回健診も実施。施設では1日80人ほど、巡回健診では年間およそ3.5万人の利用者さんを受け入れています。こうした健診業務の他にも、県内各地で健康教室やセミナーなどのイベントを開催し、幅広い面から地域の健康づくりに貢献しているのが特徴です。
そんな愛媛県厚生連健診センターでは、どのような働き方ができるのでしょうか。今回のインタビューでは、日頃のお仕事の様子や職場の雰囲気、業務効率化に向けた取り組みなどについて教えていただきました。
目次
1.健診は施設内と県内巡回の2パターン

-まずは、健診センターの概要について教えてください。
当センターには、現在109人の常勤スタッフが勤務しています。そのうち、健診に携わる医療職のスタッフとしては、医師、看護師や保健師、管理栄養士、診療放射線技師、臨床検査技師が在籍しています。
人間ドックや施設内健診の需要の高まりを受け、2021年には健診センターをリニューアルしました。MR装置をはじめとし、大部分の検査機器は最新のものに更新。頭部MRI・頭部MRA・血圧脈波の検査をセットにした「脳MRプラン」が、利用者さんからは人気のコースです。
この他、利用者さんのニーズに応えるために施設のキャパシティーを拡張し、1日に最大120人ほどまで受け入れができるようになりました。各検査室に十分なスペースを設けたことで待ち時間の短縮にもつながり、より受診しやすい環境が整ったと考えています。
実際に施設を訪れた利用者さんからは、病院のように堅苦しくない雰囲気で、リラックスして過ごせるという声をたくさんいただいています。
-施設での健診の他、県内各地で巡回健診も実施しているとのことですが、お仕事の流れについて簡単に教えてください。
基本的に朝は健診センターに出勤し、そこから検診車や社用車に乗り合わせて会場に向かいます。愛媛県は東西に長いという地理的特徴があるため、実施会場が遠方の場合は宿泊を伴うこともあります。健診スケジュールによっては早朝に出勤することもあります。
巡回健診での検査内容は、市町村の特定健診とがん検診がメインです。会場は市町の保健センターや公民館、学校の体育施設など、公共施設を借りることが多いです。各地のJAの支所で実施することもあります。この他、事業所健診や学校での結核健診なども一部行っています。
巡回健診で欠かせないのが検査設備を搭載した検診車です。当センターでは、胸部デジタル検査やCT検査、乳がん検査、子宮がん検査の他、胃部や循環器の検査が可能な検診車を整備しています。
また、施設内健診と巡回健診ともに、検査業務をサポートするシステムを活用します。利用者さんに配布したICカードを各検査の時に提示してもらうことで、身長や体重のような計測データや各検査の結果が自動で収集されていく仕組みです。
手動でのデータ入力の手間が省けるため、データ処理を効率化できるのはもちろん、転記ミスや入力ミスの防止にも役立っています。
2.健康づくりに役立つイベントも開催

-健診や人間ドックの他にも、健康づくりに向けた教育や啓発活動にも力を入れているとのことですが、詳しく教えていただけますか?
病気の予防も含めた地域の健康維持が、当センターを運営するJA厚生連の大きな役目です。そこで、JAの組合員や地域住民の方々の生活習慣病を予防し、健康への意識向上につながるよう、地域に密着した健康増進活動を県内各地で展開しています。
具体的には、県内に11か所あるJAの組合員や女性部からの要望に応じ、運動教室や栄養教室、健康セミナーなどを開催しています。JAの研修会などの機会と併せて開催されることが多いです。
当センターのスタッフの中では、保健師や栄養士が特に中心的な役割を担っています。当センター内にある調理実習室やトレーニングルームを活用した教室を開催することもあります。
この他、当センターのホームページやSNSなどを通し、運動や食生活へのアドバイスなどの健康づくりに役立つ情報も積極的に発信しています。
3.サポートシステムの活用で業務を効率化。スキルアップへの支援も

-続いて、職場環境について教えてください。
まず休暇制度については、法的に義務付けられているものはしっかりと整備されています。子育て中のスタッフもいますが、お休みが必要な場合には周りがフォローできる体制を整備しています。
当センターのような健診施設は、繁忙期とそれ以外の時期が明確に分かれているのが特徴的です。施設内健診と巡回健診のいずれも、ゴールデンウィーク明けから12月ごろまでは業務量が多くなります。
それを乗り越えるとかなり落ち着いてくるため、ここで休暇を取るスタッフが多いです。特に、巡回健診をメインで担当しているスタッフは、1~3月にまとめて休むことが多いです。
また、連休の間に平日が入るような場合、健診や診療はお休みにして営業を縮小し、なるべく長い休暇を取りやすいような工夫もしています。
-残業などはいかがですか?
職種や曜日によっては、巡回健診から帰ってきた後のデータ処理や保健指導の資料作成などで残業が発生することもあります。それでも、医療機関の中では比較的少ない方だと思います。
また、自身のスマホからタイムカードに打刻したり、休暇や残業などを申請したりできるアプリも2024年度から導入しました。給与明細も電子化しています。
これからも、時代に合わせて効率的な環境整備を続けていきたいと考えています。
-スキルアップや教育制度などの面ではいかがでしょうか?
より精度の高い検査を利用者さんに提供していくためには、看護師や各種技師のような国家資格に加え、さまざまな認定資格を取得してスキルを高めていくことが重要となります。そこで当センターでは、業務に直結するような内容であれば、資格の取得や更新に必要な経費は全額補助する制度を整えています。
例えば、看護師の場合は内視鏡検査で役立つ消化器内視鏡技師の認定資格がありますし、診療放射線技師の場合は各種がん検診に対する認定資格があります。この他にも、保健師、管理栄養士のスタッフが運動指導の資格を取得し、健康づくりにつながる運動プログラムの作成や指導に役立てています。
さまざまな職種のスタッフに対してスキルアップのチャンスがあるので、ぜひご活用いただきたいです。
4.業務の幅が限定的だからこそ、新しいアイデアを

-新しく入ったスタッフに対するフォロー体制について教えてください。
初めは先輩スタッフが指導係としてサポートする体制を取っています。ある程度慣れてきたら少しずつ一人で担当する業務を増やしていき、実際に現場で経験を積みながら仕事を覚えてもらう流れです。不明点や疑問点があれば、その都度先輩スタッフがフォローできるようにしています。
事業所としてのルールはもちろんありますが、それぞれのスタッフが自由なやり方で業務を進められる雰囲気があるため、自分がやりやすい仕事のし方や、効率的な方法を突き詰めやすい環境だと思います。
-この職場だからこそのやりがいや魅力について教えていただけますか?
当センターは健診や人間ドックがメインの施設のため、他の医療機関とは違い、病気やケガの治療をすることはほぼありません。利用者さんの異常を早期に発見することや、健康づくりにつながる情報を提供して病気を未然に防ぐことが私たちの大きな役割です。
このような特色がある施設のため、訪れる利用者さんは健康な方がほとんど。そのような健康な利用者さんに対し、検査結果を通してどれだけ病気の予防につながる情報をお伝えできるかが重要となります。そのために、検査部門のスタッフは検査の精度アップに努め、事務職のスタッフもさまざまな面からサポートをしています。
一方で、日ごろの仕事は検査が中心のため、どうしても業務の幅が限られてしまう面もあります。だからこそ、業務にプラスになる内容であれば、どんどん新しいアイデアを取り入れていこうという雰囲気もある職場です。自由な提案がしやすいのも当センターで働く魅力だと思います。
こうした提案を通し、業務の改善や利用者さんのニーズに合ったサービスの提供などにつながれば、何よりのやりがいになるはずです。
-最後に、どんな人と一緒に働きたいですか? 求める人材像について教えてください。
さまざまな職場に共通することではありますが、発想が柔軟なことや円滑なコミュニケーションが取れること、そして責任を持って物事に当たれることを重視したいです。
先ほども触れたように、当センターは新しいアイデアにもチャレンジしやすい土壌が整っている職場です。そのため、発想が柔軟で、新しいことにも前向きに取り組んでいけることは特に大切にしたいと考えています。興味を持たれた方は、ぜひご連絡ください。