日々の気づきの積み重ねが、スタッフとクリニックの成長に。未病ケアに力を入れる「街のお医者さん」|医療法人淳信会 まさこメディカルクリニック
- 更新日

山口県周南市にある、医療法人淳信会 まさこメディカルクリニック。ここでは一般内科に加えてさまざまな専門外来を開設し、頭痛や物忘れ、リウマチ、消化器疾患まで幅広い症状に寄りそっています。
自由診療による「未病ケア」も特徴的な取り組みです。ミネラルバランスに着目した食事のアドバイスなどを通し、病気の予防や健康寿命の延伸、病気とも共存できるような心と体づくりのサポートに力を注いでいます。
今回は、ご夫婦でクリニックを運営している院長の尾都野 一刀先生と副院長の尾都野 信子先生にインタビュー。人材育成への取り組みや職場環境の魅力などについて教えていただきました。
目次
1.病気になりにくい体をつくる「未病ケア」が特色

-現在、貴院ではどれくらいのスタッフが働いていますか? また、職場の雰囲気はいかがですか?
一刀先生:
私たち医師に加え、看護師・事務・検査技師など約10人が働いています。小規模なクリニックなので、アットホームな雰囲気ですね。
信子先生:
スタッフの年齢層は30~50代が多いです。どの世代も年齢が近いため、休憩時には家庭のことなどプライベートなお話でも盛り上がりながら、和気あいあいと仕事しています。
-診療の特色やこだわりについて教えてください。
信子先生:
まず、保険診療としては内科を軸に、脳神経疾患、頭痛、物忘れ、リウマチ・膠原病、消化器、循環器の診療を行っています。
この他に特徴的なのが、最新の栄養学の知識を応用した「未病ケア」に力を入れている点でしょうか。症状がないにも関わらず、健康診断などで脂質異常症や糖尿病、高血圧などを指摘された経験はありませんか? 当院ではそのような患者さんに対し、早期に介入することで将来的な疾病リスクの軽減を目指します。
まだ薬が必要でないレベルの方には、独自の個別最適性のある食事アドバイスを実施することも。これは、当院独自の問診を通して患者さんの消化吸収のコンディションを見極め、一人ひとりに最適な食生活をアドバイスするものです。
ちなみに、当院の未病ケアでは、栄養素の中でもミネラルのバランスに着目した「ミネラルヘルス」というメソッドの普及に力を入れています。ミネラルは、食べ物の消化や吸収、代謝に必要な酵素の働きを助けたり、酵素の原料となったりする重要な栄養素。そのバランスを整えることで、健康課題のサポートにつなげるのがミネラルヘルスの考え方です。
これらの未病ケアは、自由診療の範疇になることもあります。しかし、他のクリニックにはない診療スタイルであり、多くの患者様から喜ばれていますよ。
一刀先生:
従来は病気になってから治すという診療スタイルが主流でしたが、近年は病気になってしまう前のアプローチが注目されています。
私はもともと脳卒中などの脳疾患を専門に治療していたのですが、後遺症の影響で寝たきりになるなど、生活レベルが格段に落ちてしまう患者さんも多く見てきました。やはり、そうなる前から早めに介入していく必要があると考えています。
-患者さんと接する上で大切にしていることや気をつけていることは何ですか?
一刀先生:
受診に来る患者さんの中には、緊張したり委縮したりしている方も少なくありません。気兼ねなく相談してもらえるよう、良好なコミュニケーションを第一に心がけていますね。
当院の医療理念は、「病気を予防し、健康寿命を延ばすこと」「最適な治療を受けながら病気と共存でき、楽しみながら長生きできること」の2つ。さらに、「個別性の最適医療、生活習慣病の予防、誠実・共感・努力」という医療方針を掲げています。
毎日の朝礼では、連絡事項の申し送りをするだけでなく、これらの医療理念と医療方針を全員で唱和しています。
2.ヒヤリハットはかけがえのない成長のチャンス

-貴院で働くことで、どのような成長や学び、やりがいが望めますか? また、スタッフのスキルアップやキャリアアップを支援する取り組みがあれば教えてください。
信子先生:
当院では、日ごろ生じる「ヒヤリハット」こそ、スタッフ個人、ひいてはクリニック全体が成長するかけがえのないチャンスだと捉えています。医療の現場は常に真剣勝負。ちょっとした違和感が重大なミスにつながることも少なくありません。そのような事態を防ぐためにも、小さな違和感に気づいて対策を考えられる人材の育成に力を入れています。
具体的には、業務の中でミスが起きた・起こりそうだった場面があれば、それに関わっていたスタッフたちで相談しながらヒヤリハットシートという書式に記入し、院長や私に提出します。そして、スタッフも参加する毎月の経営会議などの場で改善策を話し合い、全体で共有していく流れです。
ヒヤリハットの例の一つとして、検査会社から返ってきた検査結果用紙の名前の入力ミスがありますね。検査伝票には患者さんのお名前をカタカナで書いて提出しますが、返ってきた検査結果用紙では名前が間違っていることが稀にあります。患者さんからすれば、名前が一文字違っているだけで不安になりますよね。
ですから、検査結果が戻ってきたら、患者さんに渡す前に必ずスタッフが確認します。そこで入力ミスが見つかった場合、伝票提出時の控えを確認した上で、検査会社に訂正を依頼。正しい名前に修正した検査結果用紙を再発行してもらい、患者さんに渡すようにしています。
なぜこのようなミスが起きたのか考える過程も大切です。当院の検査伝票の記入ミスなのか、それとも検査会社の誤入力なのか? 同じようなことが二度と起きないためにはどうしたらいいか? ヒヤリハットシートを記入する時や、経営会議で対策を話し合う時には、そのような視点に立って改善策を探るようにしています。
こうした人材育成の結果、スタッフ全体のレベルがアップしていると感じますね。結婚や転居などの事情があって退職し、他県の医療機関に転職したスタッフもいますが、新しい職場でも重宝される存在に育っているようです。
この他には、当院が普及啓発している「ミネラルヘルス」の専門家である、ミネラルヘルスコーチ「プロ」の資格取得も支援しています。実際に資格を取得した看護師も数名いて、未病ケア相談カウンセラーとしても活躍していますよ。もちろん、職種を問わず挑戦できます。
3.雰囲気の良さが何よりの魅力。違和感に気づける感性も大切に

-ワークライフバランスや福利厚生など、働きやすさの面での貴院の魅力を教えてください。
一刀先生:
スタッフ同士の仲が良く、良い雰囲気の中で働けるのが何よりの魅力であり、自慢ですね。当院には勤続年数が長いスタッフが多く、中には20年以上働いている方も複数いますが、みなさん雰囲気の良さには太鼓判を押していますよ。急な休みが必要な場合などにも気兼ねなく相談し、カバーし合える環境であることも、働きやすさにつながっていると思います。
残業については、急患があった場合や感染症が流行する時期などにはどうしても発生する日があります。しかし、基本的にはほとんどないと思っていただいて大丈夫です。
また、常勤のスタッフに対しては、毎月しっかりと退職金の積み立てをしています。世の中の物価上昇に加え、医療業界でも保険点数が大幅に下がるなど厳しい時代が続いていますが、不測の事態が起きても退職金を払えるように備えることで、安心して働ける環境を整えています。
-今後、地域の中でどのようなクリニックを目指していらっしゃいますか?
一刀先生:
当院では一般内科や発熱外来だけでなく、私の専門である頭痛外来や副院長の専門であるリウマチ・膠原病の外来、外部の専門医を招いた消化器内科の外来など、幅広い外来があるのが特徴です。診療科の垣根を超えて、「街のお医者さん」「かかりつけ医」として地域の皆さんに頼られる存在となりたいですね。
もちろん、症状が重く、大きな病院でさらに詳しい検査が必要な場合には、最適な診療科に最短でご紹介できる体制も目指しています。
-どんな人と一緒に働きたいですか? または、どんな人が活躍できる職場ですか?
一刀先生:
最初から完璧にこなせる人はいません。技術や知識は後からでもついてくるものです。採用時点で100%でなくても、当院の理念に共感し、一生懸命努力できる人と一緒に働きたいです。
信子先生:
理性と感性のバランスの取れている方でしょうか。例えば、患者さんが飛び込みで来院した場合、通常は予約の方を優先してご案内します。しかし、患者さんの状態によっては早めの処置が必要なこともあるかもしれません。
このような時に、相手の顔色や様子を見て「おかしいな」「苦しそうだな」と気づける感性が大切だと思うんです。その上で、私たち医師とも相談してご案内の順番を早めるなど、臨機応変なアクションができる方だとうれしいですね。
-ちなみに、持っていると望ましいスキルなどは何かありますか?
信子先生:
必須というわけではないですが、電子カルテの入力などでパソコンに触れる機会が多いため、パソコンの基本的な操作ができると仕事を覚えやすいと思います。
また、当院は小さなクリニックのため、総合病院のように縦割り業務では成り立ちません。院内の掲示物を張り替えたり、チラシやポップなどを作ったりするのも仕事の一部です。こうした作業も苦ではない方だと、なお働きやすいかもしれません。
-最後に、記事を読んでいる求職者の方にメッセージをお願いします。
一刀先生:
当院には、しっかりと成長しながら楽しく働ける環境が整っています。当院の理念に共感できる方、ぜひ一緒に働きましょう!
信子先生:
当院は、未病ケアや病気の予防に関心がある方にとっては勉強になる職場だと思います。興味がある方は、ぜひお気軽にご連絡くださいね。