一目で分かる!介護福祉士と社会福祉士の違い|ダブルライセンスのメリットも解説
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「介護福祉士と社会福祉士って何が違うの?」
「自分にはどっちが合ってるのかな…」
こんな疑問をお持ちではありませんか?
今回は、介護福祉士と社会福祉士の違いを徹底解説します!
まずは比較表で違いを簡単に説明した後、仕事内容や給料事情、資格取得の難易度の違いを詳しく紹介します。また、それぞれに向いている人の特徴とダブルライセンスについても解説します。
記事を読むことで、2つの資格の違いがハッキリして、自分がどっちに向いているかが分かります。ぜひ今後のキャリアを考える上での参考にしてください。
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目次
【まずは一目で理解】介護福祉士と社会福祉士の違い
介護福祉士と社会福祉士は決定的に違います。まずは比較表で、その違いを見ていきましょう。
| 比較項目 | 介護福祉士 | 社会福祉士 |
|---|---|---|
| 登録者数 | 約200万人 | 約32万人 |
| 支援対象 | 介護が必要な高齢者・障害者 | 生活に困難を抱えるすべての人々 |
| 仕事内容 | 身体介護、生活援助 | 相談援助、関係機関との連携調整 |
| 平均年収 | 約400万円 | 約400~470万円 |
第一に登録者数が大きく異なり、介護福祉士は社会福祉士の約6倍です。 (国家試験を実施している社会福祉振興・試験センターの資料から数字を引用しています。)
第二に支援対象が異なり、社会福祉士の方がより幅広いです。子ども、低所得者、入院患者などが含まれ、介護が必要な方に限らないという違いがあります。
仕事内容や年収事情、取得難易度の違いについては以降の見出しでより詳しく解説します。
スカウトサービス登録はこちら【仕事内容】「身体介護」か「相談援助」か
両者の仕事内容の違いを、より具体的に見ていきましょう。
介護福祉士の仕事内容
介護福祉士は、高齢者や障害を持つ方の自立した生活を支援するため、身体に直接触れる「身体介護」を行います。
- 身体介護の例: 食事介助、入浴介助、排泄介助、体位変換など
利用者の生活に最も身近な存在として、一人ひとりの個性や尊厳を尊重しながら、質の高い介護サービスを提供することが求められます。
社会福祉士の仕事内容
社会福祉士は、生活に困難を抱える方が、社会で自立して生活できるようにするための「相談援助」が主な仕事です。
- 相談援助業務の例:
- 高齢者やその家族からの介護サービスの相談
- 障害を持つ方の社会参加に関する相談
- 経済的な困窮や生活保護に関する相談
- DVや虐待に関する相談
- 医療機関や行政、他施設との連携・調整
相談者の悩みや状況を丁寧にヒアリングし、解決に必要な情報提供や助言、公的サービス利用のための手続き支援などを行います。
仕事内容の違いは、以下のようにまとめることができます。
介護福祉士:直接的・肉体的な仕事
社会福祉士:間接的・頭脳的な仕事
【年収事情】資格取得でどう変わる?
社会福祉士と介護福祉士の給料を比べるのは、実はとても難しいです。介護福祉士は高齢者施設での勤務が中心なのに対して、社会福祉士は高齢者分野だけでなく医療機関や児童相談所、また行政分野など幅広く活躍しています。両者を同じ土俵で比べるのは難しいですが、2つの公的データから傾向を分析してみましょう。
まず両者の国家試験を実施している公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果」を見てみましょう。介護福祉士の平均年収は292万円、社会福祉士の平均年収は403万円でした。
| 項目 | 介護福祉士 | 社会福祉士 |
|---|---|---|
| 平均年収 | 292万円 | 403万円 |
注意点として、この金額は正規職員の他に契約社員や派遣職員、パートタイム職員を含んでいます。社会福祉士の回答の81.6%が正規職員に対して、介護福祉士は65.4%と低いため、平均年収の金額に大きな差が生まれています。
介護施設・介護サービスに限った比較
もう一つ公的なデータを紹介すると、厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」では、介護施設・介護サービスに従事する介護職員の保有資格別の給料が分かります。こちらは月給が支給される常勤職員に限ったもので、社会福祉士を保有している介護職員の方が給料が高いという結果でした。
| 項目 | 介護福祉士 | 社会福祉士 |
|---|---|---|
| 平均給与額 | 35万50円 | 39万7,620円 |
| 平均年収 | 420万600円 | 477万1,440円 |
以上より大まかな傾向としては「介護福祉士よりも社会福祉士の方が給料が高い」と言えます。ただし、これはあくまで平均値です。介護福祉士でも夜勤を多くこなしたり、経験を積んで管理職に昇進したりすることで、社会福祉士の平均年収を上回ることもあります。どちらの資格も、勤務先や働き方、経験年数によって給料は大きく変わるため、一概にどちらが有利と断言はできません。
資格取得が難しいのは「社会福祉士」
介護福祉士と社会福祉士のどっちが難しい?という疑問に結論を出します。ずばり社会福祉士の方が難しいです。 「人によって違うのでは?」という声が上がりそうなので、2つの理由と根拠を示します。
学歴要件の違い
介護福祉士と社会福祉士では、必要な学歴のハードルが違います。簡単に言うと、「介護福祉士は中卒や高卒でも問題なく目指せるが、社会福祉士は原則として大学卒業が前提」です。
・介護福祉士の取得ルート
介護福祉士は、高校卒業後に専門学校や短大に進学したり、進学せずに福祉施設で働きながら実務経験を積むことで資格取得を目指すことができます。学歴不問で現場での実務経験が重視されるルートが用意されている点が大きな特徴です。
・社会福祉士の取得ルート
一方、社会福祉士は、福祉系の4年制大学で指定科目を履修するか、一般大学を卒業した後に1年以上の養成施設で学ぶルートが一般的です。
介護福祉士が「現場のスペシャリスト」として実務経験や専門学校での学びをベースに資格取得を目指せるのに対して、社会福祉士は「福祉の専門職」として、大学で専門的な学問を修めた上での資格という位置づけが強いです。
試験の科目数と合格率が違う
両者の試験についての情報を比較表としてまとめました。試験範囲(科目数)と合格率の違いに注目してください。
| 比較項目 | 介護福祉士試験 | 社会福祉士試験 |
|---|---|---|
| 試験範囲 | 13科目 | 19科目 |
| 問題数 | 125問 | 129問 |
| 合格ライン | 正答率60%以上 | 正答率60%以上 |
| 合格率 | 78.3%(2025年実施) | 56.3%(2025年実施) |
| 必要な勉強時間 | 約250時間 | 約300時間 |
試験の問題数や合格ラインはほぼ同じですが、勉強しないといけない科目数が社会福祉士の方が多いです。それに伴って、合格率に大きな差がついています。ちなみに最近でこそ社会福祉士の合格率は50%を超えていますが、2021年以前は20~30%が当たり前で難関資格として有名でした。
スカウトサービス登録はこちらあなたはどっち?向いている人の特徴
医療福祉の仕事に興味があるあなたは、すでに「誰かの役に立ちたい」という素晴らしい素養を持っています。そして、その素養は介護福祉士にも、社会福祉士にも活かすことができます。
問題は、「どうやって人々と関わっていきたいか」ということ。
現場で身体を動かし、人々に直接寄り添いたいなら「介護福祉士」。
複雑な状況を整理し、様々な関係者をつなぐ「調整役」として活躍したいなら「社会福祉士」。
あなたはどちらのタイプですか?一緒に考えていきましょう。
介護福祉士に向いている人
一言でいうと、「現場で身体を動かし、直接的な支援をしたいタイプ」
- 人の「ありがとう」を現場で直接聞きたい人: 身体を動かす直接的な介護を通じて、利用者様から「ありがとう」と感謝されることに喜びを感じる。
- 相手の気持ちに寄り添うことが得意な人: 言葉だけでなく、表情や仕草から相手の気持ちを察し、細やかな配慮ができる共感力がある。
- チームで協力して働くことが好きな人: 介護施設という現場ではチームで連携することが不可欠。仲間と助け合いながら目標を達成することにやりがいを感じる。
社会福祉士に向いている人
一言でいうと、「頭を使って、調整役として問題解決をしたいタイプ」
- 複雑な問題を紐解き、解決策を考えることが好きな人: 相談者の抱える課題を論理的に分析し、複数の選択肢の中から最適な解決策を導き出すことに喜びを感じる。
- 法律や制度について学ぶことに抵抗がない人: 福祉サービスや公的な制度に関する知識を常にアップデートし、それを活用して相談者をサポートする。
- 人と交渉したり、調整役を担うことが得意な人: 相談者、行政、医療機関、他の職種など、様々な関係者との間に立ち、スムーズな連携を図る調整役として活躍します。
介護福祉士と社会福祉士のダブルライセンスという選択肢
介護福祉士と社会福祉士の両方の資格を取得する「ダブルライセンス」は、キャリアの可能性を広げます。 令和2年社会福祉士就労状況調査によると、社会福祉士と介護福祉士の両方を保有している人は30,754人(割合30.7%)もいます。現実的な選択肢と言えるでしょう。
まずはダブルライセンスのメリットを3つ紹介します。
ダブルライセンスのメリット
- メリット1:専門性の向上
介護の現場を知る介護福祉士の視点と、福祉全般を俯瞰する社会福祉士の視点を持ち合わせることで、より深く、多角的な支援が可能になります。 - メリット2:キャリアアップ・転職に有利
両方の専門知識を持つ人材は非常に重宝されます。施設によっては資格手当が加算される場合もあり、管理職や施設長への道も開けやすくなります。 - メリット3:仕事の幅が広がる
相談援助と身体介護の両方に対応できるため、施設内での配置転換や兼務など、柔軟な働き方が可能になります。
介護福祉士取得による社会福祉士の実習免除
社会福祉士養成課程には本来240時間以上のソーシャルワーク実習が必要ですが、介護福祉士を取得していると最大60時間の実習免除を受けられます。なので介護福祉士⇒社会福祉士の順序で取得するのがおすすめです。
注意点として、免除の条件や範囲は、各養成施設が独自に定めているため、学校によって異なります。必ず該当する養成校への問い合わせが必要です。一例として、以下は千葉県にある聖徳大学の案内です。
「社会福祉援助技術現場実習における 実習時間の免除について」
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まとめ
介護福祉士と社会福祉士の違いについて、改めてポイントを振り返ってみましょう。
- 仕事内容: 介護福祉士が身体介護の現場で直接的な支援を行う「現場のスペシャリスト」であるのに対し、社会福祉士は相談援助を通じて利用者と社会資源をつなぐ「福祉の相談役」です。
- 資格取得:原則として大学卒業が前提となる社会福祉士の方が、介護福祉士よりも取得難易度が高い傾向にあります。
- 年収:公的なデータからは社会福祉士の方が平均年収は高い傾向が見られますが、勤務先や働き方、経験によって年収は大きく変わります。
どちらの資格を目指すべきか、最終的な判断は「どのような形で人々の役に立ちたいか」というあなたの思いにかかっています。
- 利用者と深く関わり、身体を動かす直接的な支援に喜びを感じるなら、介護福祉士。
- 法律や制度の知識を活かし、複雑な問題解決や関係機関との調整役として活躍したいなら、社会福祉士。
どちらの道に進むにしても、医療福祉業界のキャリアは非常にやりがいのあるものです。もし、ご自身のキャリアに悩んだり、具体的な求人情報を知りたいと思われたら、ぜひ当サイト「コメディカルドットコム」を活用してみてください。
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