看護師の有給取得率はどのくらい?勝手に使われる・取らせてくれない時はどうする?
- 更新日
忙しいイメージのある看護師ですが、有給取得率はどの程度あるのでしょうか?
本記事では看護師の有給取得率のデータを紹介しながら、「有給が取りにくい」「有給が勝手に使われてしまう」というケースの対処法も解説していきます。
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目次
看護師の有給取得率はどのくらい?
まずは、看護師の有給取得率がおおよそどの程度なのか、直近のデータをもとにご紹介します。
看護師の有給取得率は70~90%程度
以下は、看護師の有給取得率を2023年度と2022年度とで比較した表です。
| 年次有給休暇取得率 | 割合 (2023年度) |
割合 (2022年度) |
| 10%未満 | 0.6% | 0.9% |
| 10~20%未満 | 2.0% | 1.8% |
| 20~30%未満 | 1.6% | 2.4% |
| 30~40%未満 | 4.0% | 4.6% |
| 40~50%未満 | 7.5% | 9.3% |
| 50~60%未満 | 12.9% | 13.2% |
| 60~70%未満 | 15.9% | 16.1% |
| 70~80%未満 | 18.2% | 16.7% |
| 80~90%未満 | 18.6% | 15.2% |
| 90%以上 | 16.0% | 16.0% |
出典:日本看護協会「2023年病院看護実態調査」日本看護協会「2024年病院看護実態調査」
取得できる有給休暇日数早見表
| 継続勤務年数 | 有給休暇日数 |
| 0.5年 | 10日 |
| 1.5年 | 11日 |
| 2.5年 | 12日 |
| 3.5年 | 14日 |
| 4.5年 | 16日 |
| 5.5年 | 18日 |
| 6.5年以上 | 20日 |
付与される有給休暇日数は、継続勤務年数により異なります。勤務年数が増えるにつれて、有給休暇が認められる日数は増加していき、6年半の時点が最高となります。要するに、継続勤務6年半の方と、10年の方の年次有給休暇日数は同じです。
またパート勤務の場合も有給は付与されますが、勤務日数によって付与数は異なります。
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病床数別の傾向と全産業平均との比較
続いて、病床数と看護師の有給取得率の関係性を見ていきます。
病床数別の看護師の有給取得率
| 病床数 | 平均有給取得率 |
| 99床以下 | 68.7% |
| 100~199床 | 68.7% |
| 200~299床 | 68.5% |
| 300~399床 | 66.4% |
| 400~499床 | 64.3% |
| 500床以上 | 60.9% |
病床数が少ないほど、有給取得率は高いことが分かります。入院患者数も少なく業務が比較的穏やかで、有給が取りやすいと考えられます。
日本全体の有給取得率と比較
「令和6年就労条件総合調査」によると、以下のような結果でした。
全体の有給取得率:65.3%
医療福祉業界の有給取得率:66.8%
医療業界の有給取得率は全体で見ると平均より少し高く、さらに看護師の有給取得率は70~90%程度なので、とりわけ高いと言えそうです。
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看護師が有給を取りにくい時はどうする?対処法まで
看護師の有給取得率は比較的高い水準にありましたが、それでも職場によっては「有給をなかなか取らせてもらえない」という声もあります。
また、中には「有給を勝手に使われてしまう」というケースもあるようです。
勝手に有給を使われてしまうのはどんな時?
- 計画的付与
- 欠勤日を有給扱いにされる
- 職場都合の休みを有給にあてられることも
事業主と労働者が労使協定を結んでいる場合、有給付与日数のうち5日間以外の残りは、職場が計画的に消化日を決めることが可能です。
夏季休暇として有給に充てられる、など職場で有給として処理されることがあるようです。
確実に休めるという良い側面もありますが、有給の日数は減ってしまうので、自分の好きなタイミングで有給を使いたい人からするとデメリットと言えます。
体調不良などで欠勤した際に、有給日数が多く残っている場合に有給扱いにされることがあります。特に、欠勤日が続いた場合に多いパターンです。
職場が入っているビルの休業日や、医師の欠勤など、職場都合で休むことになった日に有給を使われる場合もあります。
勝手に有給を使われてしまう場合の対処法
- 有給をためすぎないようにする
- 職場の労務に相談する
- 労働基準監督署に相談する
- 転職する
有給を使わずに日数が多いままにしていると、上記で説明したように、勝手に使われてしまう可能性が高くなります。計画的に有給を消化していくことをおすすめします。
知らないうちに有給が使われている、という場合は職場の労務に相談してみると良いでしょう。明らかな違反があれば、改善に向けて動いてもらえるはずです。
職場内で相談しても状況が変わらない場合は、労働基準監督署に相談するという手段もあります。
有給の申請が通りにくい、有給を取りたいと言いにくい雰囲気がある、などの不満がある際は
転職を検討するのも一つの手です。
看護師として長く安心して働くためには、働く環境が整った場所を選ぶことが大切です。
労基への相談について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
労基へ相談可能な内容とは?労基へ相談する場合のメリットとデメリットについて解説
労基へ相談できる具体的な内容と、相談するメリット・デメリットを解説します。
詳細を見る看護師の有給取得時の注意点
上記を踏まえ、看護師が有給を取る際の注意点を何点か紹介します。
- なるべく繁忙期を避ける
- 早めに申請する
- 事前に引継ぎを済ませておく
看護師に関わらず、繁忙期には有給の申請が通りづらい・通ったとしても職場に大きな負担をかけてしまう場合があります。
例:患者が多く来院する月曜日・人事異動が激しい年度の切り替え時期 など
もちろん仕方ない理由もありますが、調整が効く場合は繫忙期などを避けると良いでしょう。
有給はできるだけ早いうちに申請すると良いでしょう。
突発的な理由の場合は仕方ないですが、シフトが決まった後に申請するとシフトを作り直すことになってしまったりと、少なからず職場に迷惑をかけることもあります。
看護業務は人命にも関わるため、些細な内容でも引継ぎをしておくことで現場の負担を最小限に抑えることが出来ます。また、休む本人も安心して休むことができるはずです。
有給が取りやすい看護師の職場とは
病床数の少ない病院・療養/精神病院
比較的業務が落ち着いており、急に忙しくなることが少ないため、有給の希望が通りやすいです。
訪問看護ステーション
訪問のスケジュールがあらかじめ決まっていることが多く、また、福利厚生に力を入れている事業所が多いので、有給を取りやすい雰囲気が期待できる。
透析
透析の曜日・時間が固定の場合が多く、休みを調整しやすいことが多いです。
上記のように、あまり忙しくない職場やシフトがある程度固定の職場は、比較的有給が取りやすいと言えます。
一方で小さなクリニックなどは看護師の在籍人数が2,3名程度と少なく、有給の申請が通りにくい場合もあるようです。
転職を検討している方は、前年度の有給取得率などもチェックしてみると良いでしょう。
まとめ
看護師の有給取得率は70~90%程度と、日本全体の有給取得率(65.3%)と比較すると高い水準にあることがわかりました。
ですが一方で、なかなか有給を取らせてもらえない・有給を取りにくい雰囲気がある・有給を勝手に使われてしまう、といった声も少なくないようです。
有給を取りたいときはなるべく早めに申請する、勤務先の繁忙期を避ける、なども注意しつつ、それでも上記のようなケースが改善されない場合は転職も視野に入れると良いでしょう。
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小口 紗穂|看護師
セカンドラボ株式会社
東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。