公認心理師の年収は低い?職場別、勤続年数別の給与比較・年収1000万円は目指せる?
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本記事では公認心理師の年収について、職場別・勤続年数別などでそれぞれご紹介します。
さらに、公認心理師が年収をアップさせる方法、また年収1000万を目指すことが出来るか、についても解説していきます。
公認心理師としてキャリアアップしていきたいという方はぜひ参考にしてください。
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公認心理師の年収
公認心理師の年収は約430万円と推定されます。(以下の表をもとに計算)
以下は、厚生労働省から令和2年に発表された「公認心理師の活動状況等に関する調査」から引用した年収(手取りではなく総支給額)のデータです。
| 年収 | 割合 |
|---|---|
| 100 万円未満 | 4.2% |
| 100 万円以上 200 万円未満 | 8.1% |
| 200 万円以上 300 万円未満 | 16.4% |
| 300 万円以上 400万円未満 | 21.3% |
| 400 万円以上 500 万円未満 | 17.7% |
| 500 万円以上 600 万円未満 | 11.1% |
| 600 万円以上 700 万円未満 | 6.9% |
| 700 万円以上 800 万円未満 | 4.6% |
| 800 万円以上 900 万円未満 | 2.7% |
| 900 万円以上 1,000 万円未満 | 1.5% |
| 1,000 万円以上 | 2.9% |
※対象は8,990人、内238名は「収入なし」・「無回答」
年収300万円以上400万円未満が21.3%で最も多いようです。
次いで、400 万円以上 500 万円未満、200 万円以上 300 万円未満となっています。
職場別の年収
続いては、活動分野別でもっとも高かった年収を紹介します。※対象は5,817人
| 分野 | 割合が最も高かった年収 |
|---|---|
| 保健医療 | 300万~400万円 |
| 福祉 | 300万~400万円 |
| 教育 | 300万~400万円 |
| 司法・犯罪 | 500万~600万円 |
| 産業・労働 | 400万~500万円 |
| その他 | 1,000万円~ |
保健医療、福祉、教育の3つの分野で、年収300万~400万円と答えた人の割合が最も多かったようです。
教育分野での職業として「スクールカウンセラー」が人気ですが、厚生労働省のjob tag内ではスクールカウンセラーの平均年収は591万円となっています。
表内の「300万~400万円」は令和2年のデータで、「591万円」は令和6年のデータとなるため、給与が徐々に上がっているとも考えられます。
その他の分野では、1,000万円以上という回答が最も多い結果となっており、その多くが大学・研究所で活動しているようです。
勤続年数別の年収
続いては、勤続年数別でもっとも高かった年収を紹介します。※対象は8,341人
| 勤続年数 | 割合が最も高かった年収 |
|---|---|
| 10年未満 | 300万円以上400万円未満 |
| 10年以上 | 400万以上500万円未満 |
また、厚生労働省のjob tag内では、カウンセラー(医療福祉分野)とスクールカウンセラーの月給が経験年数別に発表されています。
カウンセラー(医療福祉分野)
| 経験年数 | 所定内給与額 |
|---|---|
| 0年 | 23.83万円 |
| 1~4年 | 25.04万円 |
| 5~9年 | 26.13万円 |
| 10~14年 | 28.23万円 |
| 15年以上 | 33.13万円 |
出典:厚生労働省 job tag「カウンセラー(医療福祉分野)」
スクールカウンセラー
| 経験年数 | 所定内給与額 |
|---|---|
| 0年 | 26.15万円 |
| 1~4年 | 31.03万円 |
| 5~9年 | 31.63万円 |
| 10~14年 | 36.13万円 |
| 15年以上 | 41.7万円 |
いずれも公認心理師に限らず、臨床心理士などの資格も含んだデータとなりますが、経験年数と給与が比例していることが分かります。
精神保健福祉士との年収比較
公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表している「令和2年度就労状況調査」によると、精神保健福祉士の平均年収は404万円です。
公認心理師の年収は300 万円以上 400万円未満・400 万円以上 500 万円未満と回答した人の割合が多く、精神保健福祉士と比較すると大きな差はないと言えるでしょう。
公認心理師の年収アップの方法・年収1000万円は目指せる?
①独立開業する
独立開業することで年収の大幅アップを目指せます。
提供するサービスの価格を自身で設定できるので、年収1000万円を目指すことも不可能ではありません。
マーケティングの知識などが必要になるため誰でもできることではありませんが、入念に準備し、事業が軌道に乗れば理想とする年収により近づけるでしょう。
②上位資格の取得を目指す
関連資格を取得しスキルアップすることも、給与アップに繋がります。
公認心理師の上位資格として、以下2つが挙げられます。
いずれも公益社団法人 日本公認心理師協会によって定められた資格です。
- 「認定専門公認心理師」 公認心理師取得から5年以上の実務経験と自己研鑽を積んだ者が認定される資格です。
- 「認定専門指導公認心理師」 認定専門公認心理師となってからさらに5年以上の実務経験と自己研鑽を積んだ者が認定される、より上位の資格です。
③公務員に転職する
心理学の知識を活かして公務員として働くという選択肢もあります。
採用区分などによりその内容は様々ですが、大きく分けると、
- 国家公務員総合職、法務省専門職員、裁判所職員(家庭裁判所調査官補)などの国家公務員
- 都道府県庁や市役所等で働く地方公務員
給与もそれぞれ異なりますので、一概に年収アップを目指せるとは言えませんが、公務員としての安定した雇用や充実した福利厚生は期待できます。
参考までに、国家公務員及び地方公務員の平均給与を紹介します。
国家公務員・一般職の平均月給:約41.2万円(「令和5年国家公務員給与等実態調査報告書」)
地方公務員の平均月給:36.1万円(「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」)
公認心理師の年収が低いと言われる理由とは
①歴史が浅いため認知度が低い
公認心理師は、2017年の公認心理師法が施行されたことによりスタートした、まだまだ新しい資格です。
そのため、あまり現場に浸透していないのが現状です。
待遇改善が進んでいないことが、 年収の低さに繋がっていると考えられます。
②必置資格ではない
特定の事業や業務を行う際に有資格者を設置する義務のある資格を「必置資格」と言います。
公認心理師が行える業務のほとんどは臨床心理士でも対応可能なため、
公認心理師を雇わなくてはならない、という状況になりにくいことも年収の改善を妨げています。
③非常勤での募集が多い・募集場所が少ない
公認心理師は、1施設に複数名配置するケースが少なく、需要があるのは精神科や一部の施設に限られます。
そのため、常勤の公認心理師の募集自体が少なく、勤務地も限られているのが現状です。
④診療報酬が低い
診療報酬とは、医療機関が行う診療行為やサービスを提供した対価として、保険者や患者から受け取る報酬のことを指します。
現在の診療報酬制度では、公認心理師が提供する心理カウンセリングなどのサービスは、医師や看護師が提供する医療行為に比べて保険点数が低く設定されています。
つまり、医療機関がカウンセリングなどを行いたいと思っても高い収益性が見込めないため、その結果、公認心理師の給与が低く抑えられてしまう傾向にあります。
公認心理師の年収が低いと言われる背景には、診療報酬の低さ、認知度の低さ、募集施設の少なさがあります。
特に、診療報酬については令和6年に一部改定がありました。以下の章で詳しく説明します。
公認心理師の将来性
令和6年度の診療報酬改定で、「心理支援加算」が新設されました。
公認心理師が関わる加算にはもともと「小児特定疾患カウンセリング料」があります。
医療業界における公認心理師の需要の拡大と専門性への評価は、長い目で給与水準を上げていくと予想できます。
スカウトサービス登録はこちらまとめ
公認心理師は、2017年よりスタートしたまだまだ新しい資格です。
そのため、年収の低さが注目されることもしばしばありますが、令和6年度には診療報酬改定もあり、今後公認心理師の待遇は徐々に改善されていくと予想できます。
また、公認心理師としての年収アップの方法としては、独立開業や公務員への転職などがありますが、まずは経験を積んでスキルを向上させる、さらに関連資格や上位資格を取得し、できる業務を増やしていくことが確実な方法と言えそうです。
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