週休3日制とは?年間休日数の目安、隠れたデメリット、リアルな体験談を紹介
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「週休3日制の労働時間や給与ってどうなるの?」
「週休3日制って聞こえは良いけど、デメリットはないの?」
このような疑問をお持ちではありませんか。
この記事では、週休3日制について徹底解説します!
定義や3つのタイプを説明した後、年間休日数の目安、メリット・デメリットと体験談、導入事例を紹介します。
週休3日制について知識を深めたい方、週休3日制の職場で働きたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
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目次
「週休3日制」と「選択的週休3日制」とは?
「週休3日制(週4日勤務)」は、1週間のうち3日間を休日とする働き方の制度です。
従来の週休2日制(週5日勤務)よりも休日が1日多くなり、ワークライフバランスの実現や生産性の向上を目的として近年関心が高まっています。
週休3日制の中でも特に注目されているのが、「選択的週休3日制」です。
選択的週休3日制は、従業員本人の希望に応じて週休3日を選択できるようにする制度です。企業が全従業員に対して一律に週休3日を義務付けるのではなく、あくまで従業員が選択できるという部分がポイントです。
関心の高まりは「ヤフー」と「公務員」への導入
実は週休3日制への関心が高まったのは最近のことです。時系列で重要なポイントを並べてみましょう。
2016年: ヤフー(Yahoo!)が週休3日制の導入を発表、世間で大きく注目を集める。
2021年: 政府の「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針)に「選択的週休3日制」が盛り込まれる。新しい働き方に注目度が高まる。
2022年以降: ファーストリテイリングやパナソニックホールディングスなどの大企業での導入事例が相次ぐ。週休3日制の求人が増加。
2025年: 国家公務員への選択的週休3日制の導入(2025年4月から)が決定、再び大きな注目を集める。
コロナ禍以降の働き方の見直しが、関心の高まりを加速させたとも考えられますね。
週休3日制は義務化されるのか?
2025年10月現在、週休3日制の企業への義務化は予定されていません。政府は「選択的週休3日制」の普及を推進していますが、導入するかどうかは各企業の判断に任されています。
筆者の見立てだと、今後も義務化になることは考えづらいです。業界・業種によって導入のハードルが異なるからです。例えば建設業界では、現在も週休2日制の推進の真っ只中です。週休3日制の話は当分先になりそうです。
週休3日制の3つのタイプ(労働時間と給与の特徴)
週休3日制は、週の労働時間と給与をどうするかによって、主に3つのタイプに分けられます。
- 労働時間維持型
- 給与減額型
- 給与維持型
それぞれ詳しく見ていきましょう。
労働時間維持型(1日の労働時間が増える)
労働時間維持型は、週の総労働時間を週休2日制の時と同じに維持し、その結果として給与も維持する方式です。
減った1日分の労働時間(例えば8時間)を、残りの4日の勤務日に分配します。
1日8時間×週5日 ⇒ 1日10時間×週4日
特徴
・収入を減らさずに休日が増えるため、プライベートの時間を確保しやすくなります。
・1日あたりの労働時間が長くなるため、集中力や体力的な負担が増す可能性があります。
給与減額型(休みの分給与が減る)
給与減額型は、週の総労働時間の減少に伴い、給与も減少させる方式です。
勤務日が1日減ることで、その分の労働時間に応じて給与を減額します。
1日8時間 × 週5日 → 1日8時間 × 週4日(給与が約2割減額)
特徴
・収入は減りますが、育児・介護との両立や、自己啓発、副業など、時間確保を優先したい場合は有効です。
給与維持型(1日の労働時間・給与が変わらない)
給与維持型は、週の労働時間を減らしながら、給与を維持する方式です。
1日あたりの労働時間を変えずに、勤務日数を1日減らします。
1日8時間×週5日 ⇒ 1日8時間×週4日(週の総労働時間が8時間減少)
特徴
・休日が増えて労働時間が減るのに収入も維持されるという魅力的なタイプです。
どのタイプの導入が多い?データを紹介
2022年のマイナビキャリアの調査結果によると、労働時間維持型の導入が一番多いです。
| タイプ | 導入割合 |
|---|---|
| 労働時間維持型 | 54.5% |
| 給与減額型 | 34.4% |
| 給与維持型 | 11.1% |
企業側としては、労働時間か給与の調整で帳尻合わせしたいという思惑が見て取れます。一方で同調査によると、求職者は給与維持型を求める声が多いです。働く側としては、給与を減らさず休みだけ増やしたいと思うのは当然かもしれません。
出典:マイナビキャリアリサーチLab「週休3日制の現状とこれから」
週休3日制の年間休日数ってどれくらい?
完全週休3日制の場合、年間休日数は原則として156日となります。
1年間は52週なので、52週×3日休み=156日の計算です。ここにお盆休みや年末年始休暇を足すと、職場によっては年間休日が160日以上になることがあります。
ただ一方で実際の求人を見ると、週休3日制なのに年間休日数が156日より少ない場合があります。どういうことでしょうか?
週休3日制と完全週休3日制の違い
「完全週休3日制」は、毎週必ず3日休みがある制度です。
対して「週休3日制」は、月に1回以上、週3日の休みがある制度です。
つまり、1回でも3日休みの週があれば、他の週が2日休みあるいは1日休みでも週休3日制と言うことができます。これが年間休日156日を下回る週休3日制の求人のからくりです。
「なんかそれっておかしくない?」と思った方、その気持ち非常によく分かります。なので、もし週休3日制の求人に応募するときは、毎週必ず3日休みがある「完全週休3日制」のことを指しているのか、よく確認するようにしてください。
完全週休2日制と違って、完全週休3日制と区別して書いている企業はまだまだ少ないのが実情です。完全週休3日制を単に週休3日制と呼んでいるケースが多いですが、中には隔週で3日休みだったり、月に一週だけ3日休みのパターンがあります。ご注意ください。
スカウトサービス登録はこちら休みが増えるだけじゃない?メリットを再確認
週休3日制のメリットと言えば「休みが増えること」ですが、それ以外にどんなメリットがあるのか改めて書き出してみます。
平日にしかできない用事の消化
役所、銀行、通院など、土日に営業していない機関での手続きや用事を、有給休暇を犠牲にすることなく済ませられます。土日祝日に混みあう施設やサービスの利用もスムーズです。
出勤日が「休み明け」と「休み前」しかなくなる
週休3日制でよく見られる「土日+水曜休み」の場合の話です。2日働けば休めるというサイクルは、疲労が蓄積する前にリフレッシュできます。従来の火曜や水曜に生じがちな「中だるみ」や、日曜夜の月曜への憂鬱さ(サザエさん症候群)を解消する効果があります。
また週に2回「華金」のような気分を味わえるのも嬉しいですね。(飲み過ぎ注意かもしれませんね!)
生産性の向上
「週休3日制」を導入する企業は、週4日で週5日分と同等の生産性を求めることが一般的です。これにより、業務効率化への意識が高まり、より集中して仕事に取り組む習慣が身につきます。限られた時間で成果を出す意識が、スキル向上に繋がるわけです。
ただ、この「生産性向上」は、視点によってはメリットでもありデメリットでもあります。次は気になるデメリットの紹介にいきましょう。
こんな落とし穴が!週休3日制の隠れたデメリット
週休3日制には、意外とデメリットがあります。よく知っておいて欲しい部分です。
生活リズムの乱れ(労働時間維持型にありがち)
1日の労働時間が8時間から10時間に変わったことで、生活リズムの乱れ、崩れを感じるケースがあります。2時間の違いが思った以上に疲労を生み出します。
職場から家が遠い人は、睡眠時間を確保するため直帰せざるを得なくなり、仕事終わりに予定を入れられなくなってしまいます。終業時刻が後ろに伸びた分、友人との飲み会などに参加しにくくなるケースも考えられます。
給与が減ったのに支出が増えた(給与減額型にありがち)
趣味が多い人や休日になると財布のひもが緩む人は注意かもしれません。増えた休みを満喫し、結果的に支出が増えてしまうケースもあります。
給与減額型は多くの場合、給与が2割減します。ただいきなり、支出を2割減するのは難しいものです。一度上がった生活水準を落とすのは至難の業だからです。
生産性向上へのプレッシャー(給与維持型にありがち)
給与維持型の場合は特に、週4日で週5日分と同等の生産性を求められます。「今まで週5日でやっていた仕事を4日でやらないといけない…」そう考えると、かなりプレッシャーがかかります。体験談では残業を増やして何とか間に合わせたという声も見られました。
仕事が終わらない!連絡が滞り業務がストップ(共通)
業種・業務内容によっては、週休3日制が大きな制限になることがあります。例えば、顧客対応やチームメンバーとの調整が必要な仕事。稼働時間が減る中で、休みの曜日によっては会議や顧客との連絡が滞り、仕事が終わらなくなってしまうケースがあります。
特に選択制週休3日制の職場で、週休2日と週休3日のメンバーが混在する場合は、調整が難しくなります。その結果、担当できる業務や責任範囲が狭くなり、思ったようなキャリアを描けないリスクも考えられます。
【週休3日制のリアル】体験談を3つ紹介
この記事を書くにあたって、実際に週休3日制で働いた人の体験談をたくさん読みました。きっと皆さんも「生の声」が知りたいはず。具体的に3つ紹介します。
週休3日制を始めたら、仕事が楽しくなった話
週休3日制(給与減額型)の正社員として働く方の体験談。なぜ週休3日制を選んだのか、実際の働き方、そしてメリット・デメリットと得られた気づきが分かりやすくまとめられています。
参照:わたしのFIRE訓「【体験談】週休3日制を始めたら、仕事が楽しくなった話」
週4勤務(週休3日)で病みかけた話
週休3日制で働く医師の体験談。「ひとりの平日休み」の過ごし方への苦悩が書かれていて、医師でなくても共感できると思います。
参照: 腎臓内科医の備忘録「【転職経験談】週4勤務(週休3日)で病みかけた話」
「週休3日」のリアル。制度の中身と利用者の声
こちらは社員の声をまとめた企業noteの記事です。目次の「週休3日で働くメンバーの声」から体験談を読むことができます。週休3日から2日に戻した方の体験談が「なるほどな」と納得感が高かったです。
参照: ファンタラクティブ株式会社「週休3日」のリアル。制度の中身と利用者の声」
筆者の気づき:週休3日制は「目的」ではなく「手段」
多くの体験談から、成功例と失敗例を学び気付いたのは、目的意識が重要ということです。漠然と「休みを増やしたい」という理由で週休3日制を選ぶのは、実は危険なのかもしれません。
週休3日制は目的ではなく手段。「家族との時間をもっと増やしたい」「副業により力を入れたい」など具体的な目的があって、それを叶えるために週休3日制にした人は、上手くいっています。週休3日制にすることで何を達成したいのか、明確な答えを持つことが大切なのだと思いました。
スカウトサービス登録はこちら週休3日制を導入している企業事例
実際にどんな企業が週休3日制を導入しているか、大手企業の事例を紹介します。
タイプ:労働時間維持型
地域正社員を対象に、1日10時間×週4日勤務の週休3日制を可能に。給与は週休2日と変わりません。多くのメディアに取り上げられました。
タイプ:給与減額型
希望者は週休3日または週休4日を選択できます。ただ、休みの分給料が減額され、週休3日の場合は給与が8割程度に減額されます。
正直にお伝えします。給与維持型の事例は、国内ではまだ恒久的な制度として全面的に導入されている例が見つかりませんでした(2025年10月時点)。試験的に短期間で一部の部署での導入などはあるそうですが、確認できませんでした。
これは、企業側にとって人件費が実質的に上昇するという大きなハードルがあるためです。やはり現段階では、労働時間維持型または給与減額型が主流なようです。
【最新データ】週休3日制の導入率は?
厚生労働省「令和6年就労条件総合調査の概況」を参考に、まずは「何らかの週休3日制」を導入している企業の割合を見てみましょう。令和6年調査から、新たに週休3日制の導入率についてデータがとられています。
| 企業規模(従業員数) | 週休3日制導入率 |
|---|---|
| 1,000人以上 | 3.5% |
| 300~999人 | 2.3% |
| 100~299人 | 1.4% |
| 30~99人 | 1.5% |
| 合計 | 1.6% |
非常に少ないですね。続いて「完全週休3日制」を導入している割合も見ていきましょう。
| 企業規模(従業員数) | 完全週休3日制導入率 |
|---|---|
| 1,000人以上 | ー |
| 300~999人 | 0.2% |
| 100~299人 | ー |
| 30~99人 | 0.4% |
| 合計 | 0.3% |
もっと少なくなり、規模によってはデータなしとなりました。合計0.3%ということは「1,000社のうち3社しか導入していない」ということです。まだまだ週休3日制、特に完全週休3日制の導入は進んでいないと言えます。
医療福祉業界に週休3日制の求人って存在する?
はい、存在します!厚生労働省の「多様な働き方の実現応援サイト」に詳しい導入事例があったので紹介します。
そして、弊社のコメディカルドットコムにも週休3日制の求人が実際に掲載されています。例えば、看護師の場合だとクリニックや訪問看護ステーション、有料老人ホーム、特別養護老人ホームで週休3日制の求人が見つかります。
現状、特徴の検索で週休3日制が実装されていないので、フリーワード検索で「週休3日制」と調べてみてください。会員登録なし・無料で求人を探し放題なので、気になる方はぜひお試しください。
週休3日制の求人を見つけた時の注意点
最後に、求人サイトの中の人として、週休3日制の求人で注意すべきポイントを解説します。
3つのタイプのどれかを確認
週休3日制の3つのタイプ、「労働時間維持型」「給与減額型」「給与維持型」のいずれに該当するのか、まずは求人票を参考に判断しましょう。シフトの実労働時間に着目すると見極めやすいです。労働時間維持型の場合は、10時間になっていることが大半です。
完全週休3日制かどうか、年間休日数に着目
上で紹介した通り、完全週休3日制の場合の年間休日は原則156日です。156日よりも多い場合は、完全週休3日制に加えてお盆休暇や年末年始休暇の分休みが増えています。
注意が必要なのは、週休2日制の年間休日数を記載しながら「希望者には週休3日制も選択可能」と書いている求人です。選択的週休3日制を導入しているケースです。この場合は、週休3日制を選んだ場合の年間休日が書かれてないので、問い合わせる必要があります。
休みの曜日とシフトの決め方を聞くべし
ここが一番のポイントです。週休3日制で何曜日に休めるかは、職場によって様々です。「土日+水曜」のように曜日が決まっていて毎週固定で休めるところもあれば、シフトによって曜日が変わるところもあります。
求人票で明記されていないケースがあるので、選考を進めていく中で必ず確認した方がいいでしょう。
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