【訪問看護師を徹底解剖】仕事内容・給与相場・訪問看護の種類についても解説!
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訪問看護という仕事について、具体的な仕事内容や訪問看護のやりがいなどについて、解説していきます。看護師の活躍の場は、病院だけではなく、クリニックや介護施設など多岐にわたります。
看護師として病院以外で働きたい時やいまの職場を離れようと考えている時に「訪問看護師」という選択肢を頭に入れておくと、転職先の幅が広がることでしょう。
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目次
1.訪問看護師の仕事内容・役割
訪問看護師は、病気などで療養している方が、住み慣れた自分の家や施設で安心して暮らせるようにサポートするお仕事です。病院と違って、利用者さんの生活の場に入り込み、元気でいられるように体調をチェックしたり、心の悩みを聞いたり、幅広いお手伝いをします。
訪問看護師の役割
訪問看護師のいちばん大切な役割は、「利用者さんが、自分らしく、安全に、家で生活できるように手伝うこと」です。医師の指示にしたがって治療の手伝いをするのはもちろん、生活全般をサポートすることで、利用者さんや家族がより良い毎日を送れるようにすることを目指します。
また、理学療法士などの専門職と協力して、在宅医療の中心となって利用者さんを支える、とても重要な役割を持っています。
訪問看護師の仕事内容
主な仕事は、バイタルサイン測定や病院で行う処置(点滴、注射、傷の手当て、チューブの管理など)です。他にも、薬の飲み忘れがないか確認したり、リハビリを手伝ったり、看取りケア、そして気持ちのサポートも大切な仕事です。
利用者さんや家族からの相談にのって、不安な気持ちを軽くしてあげることも重要な役割の一つです。
2.訪問看護師の1日のスケジュール
訪問看護ステーションでの1日のスケジュール例をご紹介します。実際の流れを見てもらうと、よりイメージがしやすいのではないでしょうか。
09:00 出勤・ミーティング
訪問看護ステーションへ出社後は、スタッフ間で利用者の情報共有や連絡事項の確認を行い、訪問の準備を進めていきます。
09:30 午前の訪問に向かう
車や自転車を使って、利用者の自宅へ向かいます。
午前中の訪問は通常1~2件です。慣れるまでは先輩看護師が同行してくれます。
12:00 昼食・休憩
一度ステーションに戻って、昼食を取ります。
休憩中の何気ない情報交換も大切です。
13:00 午後の訪問へ向かう
午後の訪問は2~3件程度が一般的です。
16:30 ステーションに戻る
利用者の状態や処置の記録を行い、ケアマネジャーなどへの報告書を作成します。
17:30 勤務終了
引き継ぐスタッフに申し送りを行い、翌日のスケジュールの確認や準備を行います。月末月初は事務作業が重なり残業することもありますが、その他の時期は、比較的プライベートの時間を確保することができます。
スカウトサービス登録はこちら3.一般的な訪問看護と施設内訪問看護の特徴・違い
訪問看護ステーションと一口に言っても、実はその役割や特徴によっていくつかの種類に分けられます。「どんな場所でケアをするか」「どんな利用者さんを専門にするか」によって、仕事内容や働き方は大きく変わってきます。
まず大きく分かれるのが、訪問先が「利用者さんの自宅」か「高齢者施設の中」かという違いです。働きやすさや身につくスキルが異なります。
一般的な訪問看護
地域のステーションに出勤し、そこから自転車や車で、利用者さんが暮らすそれぞれの自宅へ向かいます。
赤ちゃんからお年寄りまで、様々な病気や障害を持つ方と関わるため、幅広い看護知識が身につきます。
住み慣れた自宅での療養を支えるため、一人ひとりの生活環境に合わせた柔軟な対応力が磨かれます。
一対一でケアを行う時間が長いため、利用者さんやご家族と深い信頼関係を築きやすいのが魅力です。
施設内訪問看護
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)といった施設の中にステーションがあり、同じ建物に住む入居者さんを訪問するスタイルです。
訪問先が同じ建物内なので、移動時間がほとんどありません。夏の暑さや雨などの天候にも影響されず、体力的に楽に働けます。
施設内訪問看護は、オンコール待機・出動がない場合が多いです。 その分、夜勤勤務がある事業所もあります。
いつも同じ施設内にいる介護スタッフとすぐに情報交換ができるため、利用者さんのちょっとした変化にも気づきやすい環境です。
スカウトサービス登録はこちら4.【専門分野別】訪問看護の種類
特定の病気や対象者に絞って、より専門的なケアを行うステーションも増えています。自分の得意分野を伸ばしたい方におすすめです。
精神科特化型訪問看護ステーション
うつ病や統合失調症など、心の病気を抱える方を専門にサポートします。 注射や点滴といった医療処置は少なく、服薬の確認や生活リズムを整えるためのアドバイス、対人関係の悩み相談などが中心です。じっくりと話を聞き、心の安定を支える役割が求められます。
小児特化型訪問看護ステーション
生まれつきの病気や障害を持つ子どもたちを専門に訪問します。 人工呼吸器やたんの吸引など、医療的なケアが必要な子ども(医療的ケア児)も多く、小児科での経験が活かせます。子どもの成長をご家族と一緒に見守り、長く支えていくやりがいのある仕事です。
ガン末期・難病ケアに特化した訪問看護ステーション
がんの末期や、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの難病の方を対象に、緩和ケアや看取り(ターミナルケア)に力を入れています。 「最期まで家で過ごしたい」という願いを叶えるため、身体の痛みを和らげるケアだけでなく、不安に寄り添う心のケアも大切にしています。
機能強化型訪問看護ステーション
国が定めた厳しい基準をクリアした、地域の中核となる大規模なステーションです。 スタッフの人数が多く、24時間365日の対応体制が整っているのが特徴です。重症の方の受け入れも積極的に行っています。教育制度が充実しているところが多いので、しっかりとスキルアップしたい看護師さんに人気があります。
スカウトサービス登録はこちら5.訪問看護のやりがいと大変なところ
やりがい・メリット
訪問看護師は、利用者一人ひとりとじっくり向き合って看護を行うことができます。急性期病棟でなかなか自身の看護観に沿ったケアができていないと感じる方は、訪問看護業務にやりがいを感じることができるでしょう。
直行直帰OKなど柔軟な働き方ができる点も魅力のひとつです。訪問看護事業所は、土日休みの事業所が多く、週末の予定や子育てとも両立がしやすい働き方と言えるでしょう。
また、パートでの勤務の場合でも、週3日・午前のみ・午後のみなど、他の事業所よりも働き方の融通が効きやすいという点が特徴となります。
日勤のみの働き方で給与の水準が比較的高いという点は大きなメリットと言えるでしょう。訪問看護は、基本的に夜勤はなく、オンコール対応している事業所がほとんどです。
大変なところ・デメリット
訪問看護は、夜勤の代わりにオンコール対応があります。担当の日には、いつでも準備をしておかなければならず、精神的につらいと感じる方も多いようです。もし、訪問看護師を目指しているのであれば、オンコール体制について事前に確認することをオススメします。
訪問看護師は、基本的にひとりで業務にあたります。その場で自己判断で対応を求められることもあり、責任の重さにプレッシャーを感じることもあるでしょう。しかし最近では、電話やチャットで指示を仰ぐことができるフォロー体制を整えている事業所がほとんどで、精神的な負担は軽減される傾向にあります。
自転車で移動をする場合は、夏の炎天下の中での移動や冬場や悪天候の時の訪問はキツいと感じることもあるでしょう。とはいえ自動車の運転に自信がない方であれば、事故のリスクももちろんあります。訪問手段はしっかり事前に確認しておきましょう。
スカウトサービス登録はこちら6.訪問看護師の給与相場
「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、訪問看護ステーションの平均給与は以下の通りでした。
- 月給36.5万円~41.7万円
- 年収438万円~500.4万円
夜勤がある「特養・老健」や「有料老人ホーム」と比較するとやや低くなりますが、
訪問看護ステーションは夜勤がない割には、比較的高い給与水準となっています。
また、オンコール対応や訪問件数を増やすことでインセンティブがつき、40万円台後半の月給を目指せる場合もあります。
月給 |
年収 |
訪問看護 |
36.5万円~41.7万円 |
438万円~500.4万円 |
特養・老健 |
40万円~46.9万円 |
480万円~562.8万円 |
有料老人ホーム |
40.6万円~43.8万円 |
487.2万円~525.6万円 |
デイサービス |
35.1万円~37.5万円 |
421.2万円~450万円 |
7.訪問看護師に向いている人・向いていない人
向いている人の特徴
- 責任感があり、主体的に行動できる人
- 臨機応変な対応ができる人
- コミュニケーションが得意な人
- 体力と精神力に自信がある人
訪問看護師には、コミュニケーション能力がとても大切になります。利用者やご家族との相談もありますが、その他にも医師・ケアマネジャーなど多職種との連携が必要になります。
また、先にも述べたように基本的にひとりで臨機応変に対応することが求められますので、自身でしっかりと考え、行動を起こすことができる主体的な性格の人が向いているといえます。
向いていない人の特徴
- 高度な医療処置に携わりたい人
- 指示に従って動くことが得意な人
- 仕事とプライベートを完全に切り分けたい人
- 収入が第一の人
訪問看護は、利用者一人ひとりにじっくりと向き合うことができる反面、ルーティンワークに感じてしまうこともあります。「医療の最前線で処置を行いたい」と考えている人には向かないかもしれません。
また、訪問看護師は、オンコールや急な訪問対応の可能性があるので、仕事とプライベートのオンオフを分けることが難しいという面があります。休みの日にいつ電話が掛かってくるかわからない状況にストレスを感じてしまう人は、最初のうちは負担になってしまうかもしれません。
スカウトサービス登録はこちら8.訪問看護師に求められるスキル
訪問看護師に求められるスキルとは何でしょうか。医療的なスキルはもちろんですが、それ以外にも身につけておきたいスキルはいくつかあります。
- 体全体の健康状態を見抜く力:
少ない情報の中で、利用者さんの状態を正確に把握し、すぐに病院に連れて行くべきかを判断する能力。 - 多職種連携(いろんな人と協力する力):
ケアマネジャー、医師、リハビリ職など多くの専門職と情報を共有し、協力してケアを進める能力。 - 生活のサポート・指導力:
利用者さんや家族に対し、病気の管理だけでなく、食事、排泄、清潔、薬の管理といった日常生活のアドバイスをわかりやすく行う能力。 - 気持ちのサポート力:
病気や最期のケアに伴う不安や悩みに寄り添い、じっくり話を聞いてあげる力。
これらのスキルは、訪問看護師として経験を積むことで、大きく伸ばすことができます。
スカウトサービス登録はこちら9.まとめ
訪問看護師は、病院ではできない、利用者さんの「生きる」を支える、とてもやりがいのある仕事です。医療的なケアから心のサポートまで、幅広い知識と技術が必要ですが、その分、看護師として大きく成長できることを実感できます。
家という大切な場所で、家族と共に歩む訪問看護師の役割は、今後ますます重要になっていきます。あなたの看護の技術とやる気を、地域のお手伝いをする場所で活かしてみませんか。
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