夜勤専従看護師の給与はなぜ高い?仕事内容とシフト例、メリット・デメリットを解説
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「出勤日数を減らして高収入を得たい」「日中の時間を自由に活用したい」そんな看護師さんから人気を集めているのが、夜勤帯のみで働く「夜勤専従」という働き方です。
しかし、少ない人数で働く責任の重さや、生活リズムが崩れるといった不安から、一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、夜勤専従看護師の具体的な仕事内容や1日のスケジュール、気になる給与事情、そしてリアルなメリット・デメリットを徹底的に解説します。転職を考える上で知っておきたいQ&Aも紹介するので、ご自身に合った働き方か見極めるための参考にしてください。
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目次
夜勤専従看護師とはどんな働き方?
夜勤専従とは、文字通り夜勤帯の勤務のみを専門に行う看護師の働き方です。日勤帯の勤務は原則として行わず、病院や施設などの夜勤シフトに特化して働きます。
夜勤専従の働き方は、2交代制か3交代制かによって勤務時間や月の勤務回数が変わりますが、日本看護協会は、夜勤専従者の総労働時間の上限を「月144時間」とすることを推奨しており、多くの医療機関がこの基準を目安にシフトを組んでいます。
通常の夜勤同様、日勤帯に比べて拘束時間は長くなるため身体的な負担は大きいです。一方で、少ない勤務日数で高収入を得られることから人気の働き方となっています。
夜勤専従看護師の仕事内容
夜勤専従看護師の仕事は、患者さんが安心して夜を過ごせるようサポートすることです。日中のような慌ただしさはありませんが、少ない人数で安全を守るという重い責任があります。定期的な巡回やケア、緊急時の的確な判断が求められます。
夜勤専従看護師の主な仕事内容
- 巡回(ラウンド)
- バイタルサイン測定
- 身体的なケア(トイレ介助、おむつ交換、体位変換)
- 食事のケア(夕食・朝食の配膳、介助、服薬サポート)
- ナースコール対応
- 医療的な処置(点滴管理、痰の吸引など)
- 緊急時対応
- 看護記録の入力
1勤務の流れ
勤務は日勤からの申し送りで始まり、夕食・就寝ケア、巡回、ナースコール対応、交代の仮眠、早朝の採血や起床ケア、日勤への申し送りという流れで進みます。
日勤の看護師との違い
-
スタッフの人数と担当患者数
夜勤はスタッフ人数が少なく、担当患者数が増える傾向があります。 -
業務内容
日勤は検査・手術準備・処置など多忙ですが、夜勤は状態管理と安全確保が中心です。 -
求められるスキル
急変時に即対応が求められるため、判断力・対応力がより重視されます。
夜勤専従看護師の1日のスケジュール
夜勤専従看護師のスケジュールは、勤務先のシフト体制である「2交代制」か「3交代制」かによって大きく異なります。ここでは、それぞれの具体的なタイムスケジュール例をご紹介します。
2交代の場合
2交代制の夜勤は、1回の勤務が約16時間と長時間にわたるのが特徴です。その分、勤務明けは休みとなり、月の出勤回数が少なくなるため、プライベートの時間を確保しやすい働き方です。
日本看護協会の推奨する「月144時間」をもとに計算すると、1ヵ月の勤務回数は月9回程度となります。
| 16:30 | 出勤・申し送り日勤看護師から患者さんの情報を引き継ぎ。 |
|---|---|
| 17:30 | 巡回・バイタルサイン測定担当患者さんの状態を把握するため、病室をラウンド。 |
| 18:00 | 食事のケア夕食の配膳、食事介助、食後の服薬サポート。 |
| 19:30 | 口腔ケア・就寝準備歯磨きの介助や身の回りの環境整備など、就寝に向けた準備を行う。 |
| 21:00 | 消灯・巡回消灯後、患者さんが眠れているか、点滴は問題ないかなどを確認。 |
| 23:00 | 定時ケア・記録おむつ交換や体位変換など、時間ごとに行うケアを実施。看護記録を入力。 |
| 0:00 | 休憩・仮眠(交代制)他のスタッフと交代で2~3時間程度の休憩・仮眠を取る。 |
| 3:00 | 巡回・定時ケア休憩後、再度ラウンド。ナースコール対応も随時行う。 |
| 5:00 | 起床準備・採血起床に向けた準備を開始。早朝の採血や検査の準備などを行う。 |
| 7:00 | 起床ケア・バイタル測定起床の介助、モーニングケア、朝の検温や血圧測定。 |
| 7:30 | 食事のケア朝食の配膳、食事介助、服薬サポート。 |
| 8:30 | 申し送り準備夜間の患者さんの様子や出来事をまとめ、日勤看護師への申し送りを準備。 |
| 9:30 | 業務終了 |
3交代の場合
3交代制は、24時間を日勤・準夜勤・深夜勤の3つに分ける働き方です。1回あたりの勤務時間は約8時間と短いですが、月の勤務回数は多くなります。
日本看護協会の推奨する「月144時間」をもとに計算すると、月15回程度です。
夕方から深夜までの勤務です。入院患者の受け入れや、日中の活動を終えた患者さんの就寝までを見守る重要な時間帯です。
| 16:30 | 出勤・申し送り日勤看護師からの引き継ぎ。 |
|---|---|
| 17:00 | 巡回・バイタルサイン測定夕方の状態確認。 |
| 18:00 | 食事・服薬のケア夕食のサポート。 |
| 21:00 | 消灯・就寝ケア就寝前のケアと環境整備。 |
| 22:00 | 休憩1時間程度の休憩。 |
| 23:00 | 巡回・記録消灯後の見回り、看護記録の整理。 |
| 0:30 | 申し送り深夜勤の看護師へ患者さんの様子を引き継ぐ。 |
| 1:00 | 業務終了 |
深夜から早朝までの勤務です。患者さんの多くが睡眠中ですが、急変のリスクに備えながら、朝のケアに向けて準備を進めます。
| 0:30 | 出勤・申し送り準夜勤の看護師からの引き継ぎ。 |
|---|---|
| 1:00 | 巡回・定時ケア消灯後の見回り、おむつ交換や体位変換など。 |
| 3:00 | 休憩1時間程度の休憩。 |
| 4:00 | 巡回・記録ナースコール対応や看護記録の整理。 |
| 5:00 | 起床準備早朝の採血や点滴準備。 |
| 6:00 | 起床ケアモーニングケア、バイタルサイン測定。 |
| 7:30 | 食事のケア朝食のサポート。 |
| 8:30 | 申し送り日勤の看護師へ夜間の様子を引き継ぐ。 |
| 9:00 | 業務終了 |
夜勤専従看護師の月のシフト例
1ヶ月のカレンダーを基にどんなシフトになるのか見ていきましょう。
2交代の場合
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1夜勤 | 2明け | 3公休 | 4公休 | |||
| 5夜勤 | 6明け | 7公休 | 8夜勤 | 9明け | 10公休 | 11公休 |
| 12夜勤 | 13明け | 14公休 | 15夜勤 | 16明け | 17公休 | 18夜勤 |
| 19明け | 20公休 | 21公休 | 22夜勤 | 23明け | 24公休 | 25夜勤 |
| 26明け | 27公休 | 28公休 | 29夜勤 | 30明け | 31公休 |
1回の勤務時間が長く(16時間程度)、その分まとまった休みが取りやすいのが特徴です。
- 勤務回数:月9回(週2回ペース)が一般的
- メリット:「明け+公休」で連休を作りやすく、プライベートを確保しやすい
- デメリット:1回の拘束時間が長く、体力的負担が大きい
3交代の場合
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1準夜 | 2深夜 | 3公休 | 4準夜 | |||
| 5深夜 | 6公休 | 7公休 | 8準夜 | 9深夜 | 10公休 | 11準夜 |
| 12深夜 | 13公休 | 14公休 | 15準夜 | 16深夜 | 17公休 | 18準夜 |
| 19深夜 | 20公休 | 21公休 | 22準夜 | 23深夜 | 24公休 | 25準夜 |
| 26深夜 | 27公休 | 28公休 | 29準夜 | 30深夜 | 31公休 |
1回の勤務時間は短い(8時間程度)ですが、出勤日数が多くなります。
- 勤務回数:準夜勤・深夜勤を合わせて月18回程度
- メリット:1回の負担が軽く、日中の時間を活用しやすい
- デメリット:出勤頻度が高く、生活リズムの切り替えが難しい
夜勤専従看護師の給与事情
夜勤専従看護師は、基本給に加え「深夜割増賃金(22時〜翌5時は25%増)」と「夜勤手当」が支給されるため、効率よく高収入を得られる傾向があります。
給与シミュレーション(2交代制・月9回の場合)
例えば、夜勤1回あたりの日給が30,000円(深夜割増込み)の病院で働いた場合、月9回の勤務だけで月給は27万円になります。これに基本給が加わるため、日勤中心の常勤看護師よりも年収が高くなるケースが多いです。
※手当の額は病院や地域により異なります(1回2.5万〜3.5万円程度が相場)。
夜勤専従として働くメリット
1. 少ない勤務日数で高収入が見込める
最大のメリットは「効率の良さ」です。2交代制であれば月9回程度の出勤で、常勤並み、あるいはそれ以上の給与が得られます。「短期間で貯金をしたい」「効率重視で働きたい」という方には最適です。
2. プライベートや副業と両立しやすい
日中の時間を自由に使えるため、以下のようなライフスタイルが叶います。
- 育児・介護との両立:日中は家にいられるため、子供の行事や介護に対応しやすい。
- 役所や病院へ行きやすい:平日の昼間に行動できるため、混雑を避けられます。
- ダブルワーク(副業)が可能:非常勤(バイト)として夜勤専従を選び、他の仕事や夢と掛け持ちする看護師も増えています。
3. 人間関係のストレスが比較的少ない
夜勤帯は看護師2〜3名(施設によっては1名)+助手といった少人数体制です。日勤のように多くのスタッフや委員会活動に関わることが少ないため、組織的な人間関係の煩わしさを感じにくい傾向があります。消灯後は自分のペースで業務を進めやすいのも魅力です。
夜勤専従として働くデメリット・大変なこと
1. 健康管理が難しい
昼夜逆転の生活になるため、自律神経が乱れやすくなります。具体的には以下のリスクがあります。
- 睡眠障害(不眠・浅眠)
- ホルモンバランスの乱れによる肌荒れや生理不順
- 生活習慣病のリスク増(夜間の食事など)
2. 責任の重さと判断力が必要
少人数体制のため、患者さんの急変時には限られたメンバーで対応しなければなりません。特に「ワンオペ夜勤(1人夜勤)」がある施設の場合、すべての判断を一人で行うプレッシャーがあります。そのため、ある程度の臨床経験(3年以上など)が求められることが多いのです。
3. スキルアップ・キャリアパスの懸念
夜勤業務は「定時巡回・排泄介助・記録・急変対応」がメインです。日勤で行われる検査や手術出し、多様な処置に関わる機会が減るため、手技のスキルアップは緩やかになります。また、管理者(師長など)を目指すルートからは外れやすくなる点は考慮が必要です。
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「思っていたのと違う」とならないために、求人票や面接では以下のポイントを必ず確認しましょう。
人員配置と休憩環境(超重要)
「仮眠は取れているか」「夜勤の人数は何人か」は最重要チェック項目です。仮眠室の有無や、実際に休憩時間を回せているかを確認しましょう。休憩が取れない現場での夜勤専従は、体調を崩す原因になります。
雇用形態と社会保険
夜勤専従には「常勤(正社員)」と「非常勤(パート・バイト)」があります。社会保険に加入したい場合は、所定労働時間を満たしているかを確認が必要です。また、賞与(ボーナス)の有無も雇用形態によって大きく変わります。
夜勤専従看護師によくあるQ&A
Q. 未経験でも夜勤専従になれますか?
A. 原則として臨床経験が必要です。
急変時に一人で対応できるスキルが求められるため、「臨床経験3年以上」を条件とする求人が一般的です。ただし、療養型病院や介護施設などで、サポート体制が整っている場合は相談可能なケースもあります。
Q. ずっと夜勤で体は慣れますか?
A. 「完全夜型」に生活を固定すると楽な場合もあります。
日勤と夜勤が混ざるシフトよりも、夜勤のみの方が生活リズムを固定しやすく、意外と体が楽という声も聞かれます。遮光カーテンや耳栓を活用し、昼間に質の高い睡眠を取る工夫が重要です。
自分に合った働き方を見つけるために
夜勤専従は高収入と自由時間が魅力ですが、体調管理や責任の重さなどデメリットも存在します。ライフスタイル・体力・キャリア観に合わせ、無理のない働き方を選ぶことが大切です。
事業所からスカウトがくる!
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