「転職失敗したかも…」今の会社で頑張る?再転職?ミスマッチの要因と後悔しない判断軸
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「こんなはずじゃなかった…」「もしかして、自分の選択は間違いだったんだろうか…」
日に日に増していく新しい職場への違和感。転職に失敗したかもしれないという不安や焦り。
周りには「新しい職場で頑張っている」と思われている手前、本当の気持ちを誰にも打ち明けられず、一人で抱え込んでいませんか?
「転職、失敗したかも…」という感情は、キャリアを真剣に考え、勇気を出して一歩を踏み出した多くの人が経験する悩みです。ある調査では、転職経験者の半数以上が「転職後に後悔や失敗を感じたことがある」と回答しています。
この記事では、転職失敗をテーマに、業種別の体験談やミスマッチを生む原因、そして今の会社を続けるべきか、再転職するかの判断方法を紹介します。あなたにとって最善の選択肢を見つけるために一緒に考えていきましょう。
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目次
「転職失敗したかも…」と悩む人は実は多い
「自分だけがこんなに辛い思いをしているのではないか…?」
新しい職場への違和感や、日々の業務で感じるミスマッチは、一人で抱え込みがちな悩みです。しかし、実は多くの人が同じような壁にぶつかっています。
株式会社識学が2022年に行った 「転職後の幸福度調査」によると、転職後「後悔・失敗したと思ったことがある」と回答した人は、59.7%と半数を超えました。理由トップ3は、1位:給与が思ったより低かった、2位:組織⾵⼟が合わなかった 3位:役職・業務内容が異なっていた、でした。
この事実は、「転職失敗」と感じることは決して珍しいことではなく、むしろ誰もが直面しうるキャリアの一つの悩みであることを示しています。
スカウトサービス登録はこちら【業種別】リアルな転職失敗談
転職失敗は、想像していた理想と現実のギャップによって引き起こされます。実際にどんなギャップがあり、転職失敗と感じてしまうのでしょうか。3つの失敗談を紹介します。
サービス業から事務職に転職したAさんの場合
長年続けた接客業で、理不尽な顧客対応や不規則なシフト勤務に「人疲れ」を感じていました。もう人と直接関わらない仕事がしたいという一心で、土日休みが固定された事務職に転職しました。
当初は「これでクレーム対応から解放される」とほっとしましたが、入社後、新しい職場での人間関係の構築に戸惑いました。
前職では当たり前だった挨拶や「ありがとう」という感謝の言葉、チームで目標を達成する喜びが失われていくのを感じました。会話の少ないデスクワークの繰り返しに孤独を感じるようになり、転職の目的が「不満からの逃避」であり、「新しい職場で何をしたいか」があいまいだったことに気づきました。
人疲れから逃げた結果、皮肉にも「人とのつながり」が欠けていることに後悔を感じる日々でした。
「前の職場の何が嫌だったか」というマイナスの側面だけを解消するために転職した結果、ミスマッチが生じてしまいました。「新しい職場で何をしたいか、どんな価値観を大切にしたいか」というプラスの目的も大切です。
病院からクリニックに転職した看護師Bさんの場合
「急性期病棟の忙しさにうんざりし、夜勤はもうやりたくない」という思いから、地域かかりつけのクリニックへの転職を決めました。求人票には「日勤のみ、残業少なめ」とあり、安心して入職したのですが、実際は残業の嵐。
始業前のミーティングや準備、終業後のカルテ作成や勉強会と聞いていないことばかりでした。確認不足も悪かったですが、未だに紙カルテなのも正直あり得ないという気持ちでした。とどめになったのは「仕事できる人なら残業しないで済むでしょ」という言葉。前職で疲弊したはずのワークライフバランスは、ますます崩壊していきました。
給与も夜勤手当がない分、想定よりも低く、何のために転職したのかわからなくなり、後悔しかありませんでした。
このケースでは、表面的な求人情報だけを信じてしまい、実際に働く上での情報を詳しく確認しなかったことがミスマッチにつながりました。
大規模⇒小規模施設に転職した介護職Cさんの場合
前職は入所定員100名を超える老健で働いていました。次から次へと、流れ作業的に介助を行う中で、「利用者さんとじっくり向き合うケアがしたい」と感じ、小規模な施設に転職しました。しかし、入ってみると職場の人間関係が閉鎖的ないわば「村社会」で、陰口やパワハラが横行する環境でした。
「さっき教えたよね」「何でこんなこともできないの」といった厳しい言葉が飛び交い、精神的に追い詰められていきました。
あこがれていた利用者さん一人ひとりとの穏やかな時間も、職場のピリピリした雰囲気の中では楽しめず、「このままでは心が壊れる」と感じ、結局数ヶ月で退職。大きなミスマッチだったと後悔しています。
このケースでは、業務内容や規模という条件は満たしていたものの、職場の人間関係や文化といった定性的な要素が合わなかったことが根本的な原因です。職場見学や面接での逆質問などを通じて、施設の「内側」を把握することが必要だったのかもしれません。
スカウトサービス登録はこちら転職の「ミスマッチ」を生む5つの原因
「ミスマッチ」を生む原因を5つのタイプに分けて、チェックリストとしてまとめてみました。当てはまる行動や思考がないか、確認してみてください。
【チェック1】「こんなはずじゃなかった…」ギャップ型
- 求人票の「良い部分」だけを見て、仕事内容や条件を細かく確認しなかった
- 面接で残業時間や給与の内訳など、突っ込んだ質問ができなかった
- 「憧れの業界だから」という理由だけで、企業研究を怠っていた
主に「情報収集」の不足が原因です。企業の“リアル”な情報を見極める力が重要になります。
【チェック2】「なんとなく合わない…」雰囲気ミスマッチ型
- 面接官の人柄だけで「良い会社だ」と判断してしまった
- 職場見学をせず、実際に働いている人たちの様子を見なかった
- 企業の理念や行動指針よりも、給与や休日などの条件面を優先した
「企業文化」との相性の問題です。スキルや条件だけでなく、「どんな人たちと、どんな価値観を大切にしながら働きたいか」という軸が必要です。
【チェック3】「隣の芝は青かった…」期待しすぎ型
- 前の職場の不満を解消することだけを考えていた
- 「転職すれば、すべてが解決するはずだ」と過度な期待を抱いていた
- 転職後のキャリアプランを具体的に描けていなかった
「転職の目的」が曖昧だったことが原因です。何を解決し、将来どうなりたいのかを明確にすることが重要です。
【チェック4】「とにかく辞めたかった…」焦り・妥協型
- 「早く転職活動を終わらせたい」という焦りから、内定が出た会社にすぐ決めてしまった
- 転職活動が長引く中で、「この条件で妥協しよう」と考えてしまった
- 複数の内定を比較検討せず、最初の一社に決めてしまった
「転職すること」自体が目的になってしまったパターンです。焦りは禁物。自分の中の「譲れないもの」を持つことが大切です。
【チェック5】「自分のことが分からない…」自己分析不足型
- なぜ前の会社を辞めたいのか、本当の理由を深掘りしなかった
- 自分の「得意なこと」「苦手なこと」を言語化できなかった
- 仕事において「何を大切にしたいか」という価値観が曖昧だった
すべての失敗の根源ともいえる「自己分析」の不足です。自分の価値観や強みを理解しないままでいると転職失敗のリスクが高まります。
その不満は「会社」が原因?それとも「職場」が原因?
転職失敗のモヤモヤを抱えているあなたに、ぜひ考えていただきたい問いかけがあります。
「その不満は、会社全体の問題ですか?それとも、今の職場(部署、チーム)固有の問題ですか?」
この2つを切り分けて考えることで、今後の選択肢がより明確になります。
「会社」に不満がある場合
会社の給与規定、評価制度、福利厚生、経営方針、企業文化など、組織全体に根差した問題です。この場合、部署を異動しても根本的な解決は難しく、再転職を真剣に検討する段階かもしれません。
「職場」に不満がある場合
特定の部署やチームの人間関係、上司との相性、特定の業務内容など、より局所的な問題です。この場合、部署異動や配置転換といった、今の会社で解決できる道が残されている可能性があります。
この問いかけに向き合うことで、あなたのモヤモヤの正体が見えてくるはずです。
今の環境で頑張る? 再転職すべき? 後悔しないための判断軸
転職失敗の原因が分かってくると、次に悩むのが「この先どうするか」ですよね。 「すぐに辞めるのは逃げかもしれない…」「でも、このまま続けるのも辛い…」
焦ってすぐに決断する必要はありません。まずは、以下の3つの判断軸に沿って、ご自身の状況を冷静に整理してみましょう
上司への相談や部署異動の希望など、環境を変えるための行動を起こせる可能性がある。
会社の文化や経営方針など、個人の努力ではどうにもならない構造的な問題である。
ストレスはあるが、休日にはリフレッシュでき、仕事とプライベートの切り替えができている。
不眠や食欲不振、休日に何も手につかないなど、心身の健康に赤信号が灯っている。
たとえ不満はあっても、今の仕事を通じて得られるスキルや経験が、今後のキャリアに繋がると考えられる。
今の仕事が明らかに自分のキャリアプランと異なり、時間を浪費していると感じる。
どちらのケースに近かったでしょうか?これから紹介する3つの選択肢と自分の状況を照らし合わせてみてください。
まずは「続けてみる」を検討すべき理由とアクション
短期離職は、次の転職活動で不利になる可能性もゼロではありません。もし、あなたの状況が上記の「続ける方が良いケース」に近いなら、もう少しだけ頑張ってみる価値はあります。
【アクション例】
- 信頼できる上司や同僚に相談してみる
- 部署異動の可能性を探ってみる
- 今の辛い状況を乗り越えた場合、未来の自分にどんなメリットがあるか考えてみる
「再転職」に舵を切るべき危険なサイン
一方で、我慢し続けることが必ずしも正解ではありません。特に、以下のような状況は心身を壊しかねない危険なサインです。ためらわずに、次の環境を探す準備を始めましょう。
【危険なサインの例】
- 求人票や雇用契約書と、実際の労働条件(給与、休日、残業時間)が著しく異なる
- パワハラやいじめが横行している
- 心身の健康に明らかな不調が出ている
〇ヶ月後に転職すると決めて、今の職場を続けてみる
筆者個人としておすすめの選択肢です。「どうせ辞めるから」という一種の諦めに近い気持ちを持つことで、心が軽くなります。続けてみると意外と状況が好転したり、自分の感じ方が変わることがあります。
【この選択肢のメリット】
- 経済的な安定: 給与を得ながら、焦らずに転職活動ができます。
- 精神的な余裕: 「いつでも辞められる」という気持ちが、日々のストレスを軽減します。
- 有利な転職活動: 在職中の転職は、採用担当者に「計画性がある」とポジティブな印象を与えやすいです。
- スキルの棚卸し: 次の転職先でアピールできるスキルは何か、今の業務を通じて意識的に整理・実践できます。
【この期間にやるべきこと】
- ゴール設定: 「半年後には転職する」など、具体的な期限を決めましょう。
- 情報収集: 隙間時間に求人サイトを眺め、どんな企業があるかリサーチを始めましょう。
- 実績作り: 転職活動で語れる実績を、今の仕事で一つでも多く作ることを意識しましょう。
- 貯金: 転職活動や、次の職場に移るまでの資金を準備しておきましょう。
出戻り転職、前職に戻る選択肢について
前職と今の職場を比較して、「やっぱり前職の方が良かった…」と考える方は少なくありません。出戻り転職(一度退職した会社に再就職すること)は、近年珍しいことではなくなりました。しかし、その実態は「諸刃の剣」と言える側面があります。
ネットやSNSを見ると、上手くいった人もいれば、更に後悔する結果になってしまった人もいます。出戻り転職のメリットとデメリット、そして上手くいくための条件を見ていきましょう。
出戻り転職の3つのメリット
① 圧倒的にミスマッチが少ない
これが最大のメリットです。会社の文化、人間関係、仕事の進め方、そして「暗黙のルール」まで、あなたはすでに理解しています。入社後に「こんなはずじゃなかった…」と感じるリスクを極限まで減らすことができます。
② スムーズな業務復帰と即戦力としての活躍
面倒な研修や引継ぎは最小限で済み、初日から即戦力として貢献できます。これは、あなた自身の精神的な負担が少ないだけでなく、会社側にとっても大きな魅力です。
③ 外の経験が評価され、待遇が改善される可能性
他社で新たな経験を積んだあなたは、以前よりも価値の高い人材になっています。会社側がその経験を評価し、以前より高い役職や給与を提示してくれるケースも少なくありません。
出戻り転職の3つの注意点(デメリット)
① 根本的な「退職理由」が解決されているとは限らない
最も注意すべき点です。もし「特定の上司」「評価制度」「給与体系」などを理由に辞めた場合、その根本原因が今も変わっていない可能性があります。
② 周囲の目と人間関係の再構築
温かく迎えてくれる人がいる一方で、「一度辞めた人」というレッテルを貼られたり、冷たい態度を取る人もいます。辞める前と全く同じ人間関係に戻ることは不可能です。
③ 「新鮮味」がなく、成長が停滞するリスク
居心地の良い環境である反面、新しい環境で得られるはずだった新たな学びや挑戦の機会を失うことにもなります。「本当にこの環境で、自分の長期的なキャリアは成長するのか?」という視点も忘れてはいけません。
出戻り転職を成功させるための条件
出戻りが上手くいく人・いかない人の差はどこにあるのでしょうか。体験談を読み漁ったところ、2つの重要な条件が浮かんできました。
①キレイな辞め方をした
大前提と言えばそうなのですが、会社のルール(規定に沿った退職申し出)を守り、きちんと業務を引継ぎ、円満退職という形を迎えたことが重要です。たとえ辞める時に心の中でどんな思いを抱えていたとしても、最後まで責任を全うしたという事実が必要です。逆に言えば、「飛ぶ」ような辞め方をした場合、出戻り転職が上手くいくことはありません。
②退職後も人間関係が続いていた
出戻りのきっかけのほとんどが「人」を介してもたらされます。人間関係の維持は、スキルや経験といった要素よりはるかに重要です。デメリットの部分で述べたように、出戻り転職では歓迎してくれる人もいれば、そうでない人もいます。歓迎してくれる人が多ければ多いほど、出戻り転職の成功率は上がります。
再転職のタイミングと考え方
再転職を決断した次のステップは「いつ転職するか」だと思います。実際のところ、短期離職での再転職は、書類選考や面接で不利になる可能性が高いです。採用担当者に「またすぐに辞めるのでは?」という懸念が生まれてしまうからです。
理想を言えば、1年以上は今の職場で勤務する方が良いでしょう。在籍期間によって企業側から持たれやすい印象が変わるため、一般的な目安として参考にしてください。
在籍1年未満:
よほど正当な理由(会社の倒産、入社前の条件と著しく異なるなど)がない限り、忍耐力や適応力を疑われる可能性が最も高い期間です。転職理由は、誰が聞いても納得できる説得力が必要です。
在籍1年~3年未満:
転職理由や今後のビジョンに説得力があれば、本人の成長意欲や適応力が評価されやすい段階です。現職で何かしらの成果や学びを得た上で、明確なキャリアアップの意思を示すことができれば、十分にポジティブな転職と見なされます。
在籍3年以上:
一通りの業務を経験し、会社にも貢献したと見なされるため、転職理由の説得力は格段に増します。再転職において、最もリスクが低い期間と言えるでしょう。
再転職を成功させるためのコツ
「もう二度と転職に失敗したくない」その想いを実現するために、以下の2つのコツを実践してみてください。
「転職の軸」を再設定する
新卒の就職活動時代を思い出すような言葉です。ですが「就活の軸」と「転職の軸」は異なる部分が多いです。実際に働く前と後で、自身の価値観は大きく変わったはずです。今一度「なぜ転職するのか?」「次に何を解決したいのか?」を具体的に言語化してみましょう。
「転職活動に疲れてきて、どうでもよくなった…」と感じた時こそ、この軸に立ち返ることが重要となってきます。
徹底的な情報収集を行う
情報収集力は、社会人として働く中で自然と高まっているはずです。企業のHPや求人票だけでなく、口コミサイトや転職エージェントを活用し、リアルな職場情報を集めましょう。
面接や事前見学は、「見極めの場」と捉え、逆質問を積極的に行い、自分の目で確かめる姿勢が大切です。何を確認すべきかは、転職の軸に基づいて事前に整理しておきましょう。
まとめ:「転職失敗=人生終了」では決してない
転職を失敗と感じることはとても辛いです。「あんなに頑張ったのに」「なんでこんなことに」 「自分のキャリアはもう終わりだ」「人生、詰んだ…」目の前が真っ暗になってしまうこともあります。
ですが、転職失敗は決して「人生の終わり」ではありません。今はそう思えないかもしれませんが、それでも聞いてほしいのです。
その「失敗」は、本当にただの失敗でしょうか?未来の自分を輝かせるきっかけになるとは考えられないでしょうか。
それは「合わない会社の解像度が明確になった」経験であり、「キャリアの”正解”に一歩近づいた」経験です。決して無駄にはなりません。
長い人生の中で、あの時の辛い経験があったから今があるんだなと振り返れるよう、この記事が少しでも役に立てれば幸いです。
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