保育士の平均年収は約406万円！給料が高い職場は？年収1000万円は目指せる？

スカウトサービス登録はこちら スカウトサービス登録はこちら

保育士の給料はどれくらい？

厚生労働省の資料によると、保育士の平均年収は約406万円です。内訳は、平均月給が約27万円で、平均賞与額（ボーナス）が約74万円です。

平均月収	平均賞与	平均年収
27万7,200円	74万1,700円	406万8,100円

出典：出典：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

賃金構造基本統計調査は毎年行われている調査です。令和6年調査で初めて保育士の平均年収が400万円を突破しました。詳しくは後述しますが、保育士の年収は年々増加傾向にあります。

【男女別】保育士の平均年収

男性の保育士の平均年収は約438万円です。一方で、女性の保育士の平均年収は約404万円です。30万円以上の差が生じています。

性別	平均月収	平均賞与	平均年収
男性	29万9,600円	79万3,300円	438万8,500円
女性	27万5,600円	73万8,000円	404万5,200円

出典：出典：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

男女間で年収に差が生じる理由の1つに、キャリアの空白期間が挙げられます。女性は結婚や出産、育児などのライフイベントでキャリアを中断せざるを得ないことがあります。結果、勤続による昇給や昇進の機会を逃す要因となり、男性との年収差が生じていると考えられます。

【年齢別】保育士の平均年収

保育士の年収は35歳以降で400万円を超えてきます。55歳～59歳がピークとなり、450万円を突破します。

年齢	平均月給	平均賞与	平均年収
20～24歳	23万6,100円	51万7,800円	335万1,000円
25～29歳	25万8,100円	62万7,000円	372万4,200円
30～34歳	27万100円	65万6,300円	389万7,500円
35～39歳	28万9,100円	83万7,400円	430万6,600円
40～44歳	28万3,000円	80万8,200円	420万4,200円
45～49歳	29万4,000円	86万3,700円	439万1,700円
50～54歳	29万4,700円	81万9,000円	435万5,400円
55～59歳	30万9,000円	95万7,100円	466万5,100円
60～64歳	30万2,200円	81万3,000円	443万9,400円
65～69歳	26万5,100円	51万8,800円	370万100円

出典：出典：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

保育士の初任給の相場はいくら？

保育士の初任給の平均は21万7,000円です。社会人1年目の場合は原則として住民税が引かれないため、月給21万7,000円に対して手取りは18万円前後となります。

データは、「経験年数0年」かつ「20～24歳」のものです。

平均月収	平均賞与	平均年収
21万7,000円	11万9,000円	273万1,400円

出典：出典：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

注意として、1年目の賞与は在籍期間の関係で満額もらえないケースが多いため、平均賞与額は低くなります。伴って平均年収も低い結果となります。

スカウトサービス登録はこちら

公立と私立、保育士の給料はどっちが高い？

こども家庭庁の資料によると、私立と公立の保育園では、公立の保育園の方が給料が高いです。

施設形態	平均月収（賞与込み）	平均年収（賞与込み）
公立保育園	36万5,542円	438万6,504円
私立保育園	34万8,128円	417万7,536円

出典：出典：こども家庭庁「令和６年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

公立保育園で働く保育士は、「地方公務員」となります。公務員としての給与体系が適用されるため、安定した昇給や手当の充実により、給料が高くなります。

私立保育園の中には、独自の経営努力や運営母体の理念によって、高めの給与設定をしている園があります。データは大まかな傾向として考えるのが良いと思います。

保育士と幼稚園教諭の年収はどっちが高い？

厚生労働省の資料によると、保育士と幼稚園教諭では、幼稚園教諭の方が年収が高いです。ただ年収ベースで6万円という差なので、ほとんど同じ給与水準と考えるのが良さそうです。

職種	平均月収	平均賞与	平均年収
保育士	27万7,200円	74万1,700円	406万8,100円
幼稚園教諭	27万1,900円	80万8,100円	412万7,300円

出典：出典：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

スカウトサービス登録はこちら

保育士の給料が高い職場はどこ？

こども家庭庁の資料によると、一番保育士の給料が高い職場は公立保育園です。ランキング形式で、職場別の給与事情をまとめました。

施設形態	平均月収（賞与込み）	平均年収（賞与込み）
公立保育園	36万5,542円	438万6,504円
私立保育園	34万8,128円	417万7,536円
公立認定こども園	34万6,376円	415万6,512円
私立認定こども園	33万1,779円	398万1,348円
小規模保育事業A型	29万3,827円	352万5,924円
事業所内保育事業	28万2,122円	338万5,464円

出典：出典：こども家庭庁「令和６年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

保育園＞認定こども園＞小規模保育事業＞事業所内事業という結果になりました。筆者の経験上、24時間保育を行う病院の院内保育所では、夜勤手当の分で給料が高くなるケースがあります。

保育士が活躍する職場は、保育業界のみならず障がい福祉サービスにもあります。厚生労働省の資料から、サービス別の給与事情をまとめました。

サービス形態	平均月収（賞与込み）	平均年収（賞与込み）
医療型児童発達支援	31万9,756円	383万7,072円
福祉型障害児入所施設	28万9,755円	347万7,060円
医療型障害児入所施設	28万5,417円	342万5,004円
放課後等デイサービス	22万1,369円	265万6,428円
児童発達支援	15万7,111円	188万5,332円

出典：出典：厚生労働省「令和５年障害福祉サービス等経営実態調査結果」

事業所・サービス別に傾向を見てきましたが、現実には職場の所在地や職場毎に給与水準は変わります。コメディカルドットコムでは、会員登録なしで求人を見ることができるので、お住まいの地域の求人を実際に見てみるのはいかがでしょうか。月給が高い順で求人を並び変えることも可能です。

スカウトサービス登録はこちら

保育士で年収1,000万円は目指せる？

結論から申し上げると、保育士として年収1,000万円を目指すのは、非常に高いハードルがあります。しかし、保育業界に身を置きながら年収1,000万円を達成している方もごく少数ですが存在します。例えば、保育園を複数展開する経営者や、教育コンサルタントとして独立し、メディアでも活躍するような方は、この年収に到達する可能性があります。

一般的に、従業員の保育士として年収1,000万円に到達するのは現実的ではありません。なぜなら、保育園の運営は国や自治体の補助金に大きく依存しており、人件費として配分できる割合に限界があるからです。

年収1,000万円を目標とする場合、保育士としての専門性を活かしつつ、経営者としてのスキルや事業を多角化する視点が必要不可欠です。

年収500万円なら可能性は十分ある

年収1,000万円は現実的な目標ではないかもしれませんが、年収500万円であれば、保育士として十分に達成可能な目標と言えます。

給与を上げる方法としては、経験を積んで役職に就く、専門性を高めて優遇される園に転職する、公務員保育士として安定した昇給を目指す、待遇の良い職場を探すなどの方法が考えられます。次の見出しで給料アップの方法について詳しく見ていきます。

スカウトサービス登録はこちら

保育士の給料アップの方法

保育士として給与を上げるための方法を解説していきますので、参考にしてください。

勤続年数を重ねて役職に就く

一番王道な給料アップ方法です。実際にどれくらい給料が変わるのか、データで見てみましょう

公立保育園
役職	月収（賞与込み）	年収（賞与込み）
施設長（園長）	64万3,192円	771万8,304円
主任保育士	56万4,357円	667万2,284円
保育士	36万5,542円	438万6,504円

私立保育園
役職	月収（賞与込み）	年収（賞与込み）
施設長（園長）	58万1,997円	698万3,964円
主任保育士	47万3,532円	568万2,384円
保育士	34万8,128円	417万7,536円

出典：出典：こども家庭庁「令和６年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」

役職が上がるごとに10万円前後の月収アップが見込めます。いずれも経験年数が重要になってくるので、長く勤めていくのは一つの手でしょう。

資格を取得し専門性を身に付ける

他の保育士と差別化するために、キャリアアップとしての資格を取ることも1つの手段です。 絵本専門士、チャイルドマインダーなど、保育に関連のある資格はたくさんあるので、まずは興味が湧くものから取得しても良いでしょう。 「でも試験勉強の時間はない…」という方には、試験なしで一定の研修を受講することで修了できる「保育士等キャリアアップ研修」もおすすめです。全8分野、1分野15時間以上の受講ののちレポートを提出することで修了が認められます。

保育士のキャリア形成｜キャリアアップ研修や取得したい民間資格を紹介

保育士の処遇改善と専門性の向上を図るために、「保育士等キャリアアップ研修」の受講が令和5年度より必須となります。

詳細を見る

高収入の職場に転職する

即効性があるのは、高収入の職場に転職することでしょう。施設によって待遇も異なるので、すぐに転職する気がなくても一度求人を見てみるのもおすすめです。タイミングがよければ、好条件の求人に出会えるかもしれません。

独立する

保育士の資格や経験を活かし、起業する方法もあります。保育士は国家資格であるため、社会的な信頼が非常に高い職業です。 実際にSNSなどで「元保育士 起業」などと調べると、WEB運営・子育てサービスの提供・インストラクターなど、活躍の幅が非常に広いことが分かります。

スカウトサービス登録はこちら

保育士の給料はこれから上がっていくの？

結論、保育士の給料はこれからも上がっていきます。まず保育士の給料は、2013年を境に年々増加しています。これは、保育士の処遇改善施策が進んでいるからです。処遇改善とは、簡単に言うと「保育士の給料を上げるために、国が補助金を出す仕組み」です。

保育士の給料は、他の職種と比べて低い傾向にあり、それが原因で「保育士の数が足りない」という課題がありました。この課題を解決するために、国として保育士の給料アップに取り組んでいるという訳です。

今後については、こども家庭庁の資料に以下の方針が示されています。

• 複雑な加算制度の一本化：
  現在の処遇改善加算Ⅰ～Ⅲを一本化して、より事業者が円滑に処遇改善に取り組めるようにする。
• 給与改善の確実な実施と「見える化」：
  処遇改善のために交付された公費が、確実に職員の給与改善に充てられているかを確認できる仕組みを強化する。
• 保育の質の向上と連動した評価：
  単なる賃上げだけでなく、保育の質の向上に資する取り組みと処遇改善を連動させる方向性も検討されている。

出典：参考：こども家庭庁「令和７年度以降の処遇改善等加算について」

スカウトサービス登録はこちら

保育士の給料に関するよくある質問

保育士の給料が低いのは当たり前ですか？

保育士という職業は、社会での重要性が長年理解されにくく、給与が低い傾向にありました。 また、保育園は一般企業のように利益を生み出す目的で設置されたものではないため、「このくらい成果を出せば昇給できる」といった指針も出しにくいのが現状です。 しかし、近年「保育士不足」「待機児童」といった言葉がメディアでも取り上げられるようになり、保育士という職業の重要性が再認識されてきています。 処遇改善制度が改良されるなど、実際に年々給与は上がっているので、今後もさらに上がる可能性があります。

保育士で年収600万円は目指せますか？

600万円の壁を超えることは可能です。実際に主任、園長・施設長クラスになれば600万円前後の年収を得ることができます。 しかしそのためには、スキルアップや経験が必要不可欠です。 上長との面談時などに、いずれ役職に就きたい旨を伝えておくことで、ポストが空いた時に昇格しやすくなるので、日ごろから伝えておくことも大切です。

スカウトサービス登録はこちら

まとめ

保育士の平均年収は約406万円です。ここまで解説してきたように、保育士の給与は年々上がってきています。処遇改善制度についても年々改良されているので、今後も内閣府の動向に注目しましょう。今回の記事の内容を参考に、改めて自身の給与やキャリアについて考えてみてください。