【2025年最新】作業療法士の平均年収は444万円！男女年齢別の相場や給料アップ術

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作業療法士（OT）の年収はどれくらい？

厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」によると、作業療法士の平均年収は約444万円です。平均月収は約31万円で、平均賞与額（ボーナス）は約70万円です。

注意点として、この調査では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士のデータがまとめられて、1つの区分として扱われています。

平均月収	平均賞与	平均年収
31万1,400円	70万4,700円	444万1,500円

出典：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

作業療法士の年収は、他の業種と比べてどうなのでしょうか。国税庁「令和５年分民間給与実態統計調査」によれば、全産業の平均年収は460万円です。比較すると、作業療法士の給料はやや低いといえます。

全産業平均	作業療法士
460万円	444万円

出典：出典：国税庁「令和５年分民間給与実態統計調査」

【男女別】作業療法士の平均年収

男性の作業療法士の平均年収は約459万円です。一方で、女性の作業療法士の平均年収は約426万円です。30万円程度の開きがあります。

性別	平均月収	平均賞与	平均年収
男性	32万4,700円	70万9,100円	459万7,100円
女性	29万7,000円	69万9,700円	426万3,700円

出典：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

全産業平均では、男性の平均年収は569万円、女性の平均年収は316万円となっています。比較すると、作業療法士は男女間の年収差が比較的少ないのが特徴と言えます。

性別	全産業平均	作業療法士
男性	569万円	459万円
女性	316万円	426万円

出典：出典：国税庁「令和５年分民間給与実態統計調査」

【年齢別】作業療法士の平均年収

年齢別の平均年収の推移をまとめました。年収のピークは「55～59歳」で約610万円に達します。

年齢	平均月収	平均賞与	平均年収
20〜24歳	26万500円	32万1,300円	344万7,300円
25〜29歳	27万8,300円	64万300円	397万9,900円
30〜34歳	30万7,600円	74万4,900円	443万6,100円
35〜39歳	32万1,100円	75万4,100円	460万7,300円
40〜44歳	33万8,100円	85万5,100円	491万2,300円
45〜49歳	36万4,100円	93万4,300円	530万3,500円
50〜54歳	36万3,600円	99万7,900円	536万1,100円
55〜59歳	42万400円	105万5,100円	609万9,900円
60〜64歳	34万600円	48万5,400円	457万2,600円
65〜69歳	34万9,300円	42万4,800円	461万6,400円
70歳以上	32万200円	25万2,300円	409万4,700円

出典：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

20代から40代にかけて年収が順調に上昇します。40代後半～50代前半で一旦停滞しますが、50代後半にピークを迎えて、以降緩やかに減少傾向を見せます。

【規模別】作業療法士の平均年収

次に、企業規模別の作業療法士の平均年収を見ていきましょう。

企業規模	平均月収	平均賞与	平均年収
10〜99人	32万3,900円	60万8,300円	449万5,100円
100〜999人	30万2,800円	68万9,800円	432万3,400円
1,000人以上	32万3,100円	81万9,500円	469万6,700円

出典：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

一般的に企業規模が大きくなるにつれて、賞与額が高くなり年収が上がる傾向にあります。しかし、上の表にもある通り、10〜99人と100〜999人では年収に大きな差はありません。1,000人以上の大規模となると、年収が頭一つ抜けています。

【職場別】作業療法士の平均年収

「どこで働くか」も年収を左右する要素です。「医療機関」「介護施設」「障害福祉サービス」の大まかな3分類で傾向を見ていきましょう。「障害福祉サービス」の年収が頭一つ抜けています。

分野	年収傾向
医療機関	400万円〜450万円
介護施設	435万3,600円
障害福祉サービス	479万8,200円

出典：厚生労働省「令和６年度介護従事者処遇状況等調査結果」

出典：厚生労働省「令和６年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」

※「介護施設」「障害福祉サービス」については、厚生労働省の公的調査からデータを引用しています。「医療機関」については、資料がないため、求人傾向から筆者が独自に分析しています。

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作業療法士と理学療法士、どっちの給料が高い？

ネットでよく見かけるこの質問について深掘りします。

多くのサイトが答えているように、基本的には理学療法士（PT）と作業療法士（OT）の給料に資格による差はありません。実際、病院の求人を何千件と作成してきた筆者の経験からも、両者は同じ給料モデル・給与テーブルが一般的です。

ですが、職種特性によって需要が異なるので、給料の差が生まれる可能性があります。

理学療法士の給料が高くなりやすい分野

理学療法士の方が給料が高くなる可能性があるのは、整形外科クリニック（特にスポーツ整形）と訪問リハビリテーション（運動器中心）です。

• 整形外科クリニック（特にスポーツ整形）：基本的な動作機能の回復が求められるため、理学療法士の需要が高いです。経営戦略上、運動器リハビリテーション料（Ⅰ）の取得が重要なので、人員要件をクリアするために、比較的高給与で求人を出すケースがあります。
• 訪問リハビリテーション（運動器中心）：訪問リハビリは、事業所によってはインセンティブ制度を導入しているところが多く、訪問件数に応じて基本給に加えて手当が支払われる仕組みがあります。基本的な動作訓練は、比較的プログラム化しやすく、効率的にサービス提供時間を組み立てやすいです。件数を多くこなしやすいことから、理学療法士の給料が高くなりやすい傾向です。

作業療法士の給料が高くなりやすい分野

作業療法士の方が給料が高くなる可能性があるのは、精神科領域と老健（特に認知症専門棟）、発達障害・小児分野です。

• 精神科領域（精神科病院や精神科訪問看護）：精神科作業療法の提供は作業療法士の専売特許です。近年、精神科訪問看護の需要が高まっており、伴って条件の良い求人が増えています。
• 介護老人保健施設（老健）：特に認知症専門棟を有し、認知症ケアに力を入れている施設では作業療法士の需要が高いです。認知症短期集中リハビリテーション実施加算など、人員要件としてリハビリ職が求められる側面と、生活機能・認知機能・精神状態に関わる点で作業療法士が重宝されます。
• 児童福祉施設・発達支援施設：職場別の年収で紹介したように、障害福祉サービスに関わる作業療法士の給料は高めです。日常生活や社会生活に必要なスキルの向上という点で、作業療法士の需要が高いです。

作業療法士で年収1000万円を目指すことは可能か？

結論から言うと、作業療法士として年収1,000万円を目指すことは、不可能ではありませんが、非常に難しいです。年齢別の平均年収で紹介したように、ピークの55～59歳で年収は約610万円です。一般的な医療機関や介護施設での勤務では、昇進や昇給だけで年収1,000万円に到達するのは困難です。

通常のキャリアパスでは難しいですが、独立開業や大学教授や専門学校の教員になること、副業や複数の収入源を持つことで可能性があります。詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてください。

作業療法士で年収1000万円稼げる？｜収入アップの方法について解説

作業療法士で年収1000万円は可能でしょうか？ 高収入を目指す方法についてまとめました

詳細を見る

年収600万円を目指すのは現実的

作業療法士が年収600万円を目指すことは、1,000万円を目指すよりはるかに現実的です。ただし、ただ漫然と勤続年数を重ねるだけでは到達が難しいです。平均年収を上回るための「プラスα」の要素が不可欠です。

次の章では具体的に給料を上げる方法について解説していきます。

作業療法士が年収をアップする方法4選

作業療法士が給料アップを図る方法を、具体的に4つ紹介します。

関連資格の取得

作業療法士の仕事に関係のある資格を取得することで、資格手当がもらえたり職場での評価が上がる可能性があります。

• 認定作業療法士
• 専門作業療法士
• 認定訪問療法士
• 呼吸療法認定士

たとえ資格手当がもらえなかった場合でも、資格取得によって得た専門性と知識、そして自信は今後のキャリアに大きく貢献します。条件の良い職場を求めて転職活動する際に、知識やスキルの証明としても役立つでしょう。

特定の役職を目指す

主任や科長など、特定の役職を目指すのも手です。一般職の作業療法士として働くより、管理職の方が給料が高くなります。年収アップを目指すなら、出世を狙うのが王道です。

ただ特定の役職に就くと、給料が高くなる分仕事の責任も重くなります。他のスタッフの管理や育成、採用面接の担当など業務の幅が広がります。年収を上げることだけでなく、目指していた役職をこなせるか慎重に考えてください。

転職も選択肢

給料が少ない、勤続しても昇給が見込めないと思ったら、転職もおすすめです。環境を変えることで、新たなやりがいを見つけたり、より自分らしく働けるかもしれません。加えて給料が上がれば、言うことなしでしょう。

コメディカルドットコムは会員登録無しで、求人を簡単に探して見ることができます。「転職はまだ考えていないけど、どんな職場があるのか気になる」という人は是非一度使ってみてください。今自分がもらっている給与が、周りと比べて高いのか低いのか調べてみるのもおすすめです。

時間と体力に余裕があれば副業もおすすめ

時間と体力に余裕があれば副業も考えてみましょう。近年は医療機関や介護施設でも、副業を認めるケースがあります。作業療法士の副業として考えられるのは以下です。

• 土日祝の非常勤アルバイトの副業
• ネット関連の副業（ライター・監修・アフィリエイトなど）
• セミナー・通信講座の講師の副業

注意としては副業に注力するあまり、本業の仕事をおろそかにしないようにしましょう。加えて働きすぎて体を壊さないことも大事です。本業や体調に配慮しながら、両立できる副業を探しましょう。

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まとめ

作業療法士の平均年収は約444万円でした。年齢、経験年数を重ねると共に給与額が上がっていきます。55歳～59歳が年収のピークで、約610万円でした。

作業療法士で年収1000万円を目指すのは困難ですが、年収600万円は現実的なラインです。ただし、平均年収を上回る「プラスα」の給料アップが必要です。

給料アップの方法には（1）資格取得（2）昇進、出世（3）転職（4）副業が挙げられます。自分らしい働き方を守りつつ、理想の年収を目指しましょう。

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