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「もしかして療育が必要?」と思った時に読むガイド|療育の判断基準と年齢別のサイン

  • 更新日
投稿者:堀尾 健太

「うちの子、療育を受けた方がいいのかな?」
「そもそも療育って何?」
子どもの発達で気になることがあるとき、
「療育」という言葉がふと頭をよぎるかもしれません。

今回は療育について分かりやすく丁寧に解説します。
定義や目的から、具体的に何をするか、療育が必要かどうかの判断基準、年齢別のサインまで、保護者の方が悩みやすいポイントを幅広くカバーします。

お子さんの未来をより良いものにするための一歩として、この記事があなたの疑問を解決する手助けになれば幸いです。

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療育とは?定義や目的を確認

療育とは、発達に課題がある子どもたちが、自分らしく成長していくためのサポートです。専門家が個別の発達段階や特性に合わせて、さまざまな遊びや活動を通して能力を伸ばすことを目指します。

療育の対象者・年齢

療育の対象は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)のあるお子さん、またはその可能性のある18歳未満のお子さんです。 重要なのは、医師による正式な診断が下りていない、いわゆる「グレーゾーン」のお子さんも対象に含まれるという点です。 療育の利用にあたって、必ずしも障害者手帳(療育手帳)の取得は必須ではありません。「気になることがある」という段階で相談できる、間口の広い支援だと考えてください。

勘違いされやすい本当の目的

「療育」という言葉は、「治療」と「教育」を組み合わせた造語です。この言葉の成り立ちから、「障害を治すこと」「ほかの子と同じようにすること」が目的だと考えられがちですが、それは大きな誤解です。
現代の療育の本当の目的は、障害をなくすことではなく、お子さん自身が自分の特性を理解し、それと上手く付き合いながら、社会の中で自分らしく生きていくための力を育むことです。
例えるなら、療育は「苦手なことを無理やり克服させる」ための特訓ではありません。

  • 乗り越えがたい壁を避ける「回避ルート」を探す
  • 別の道具を使って乗り越えるといった「新しいアプローチ」を見つける
  • 壁の前で困らないように、事前の準備を整える

このように、お子さん一人ひとりが抱える困難さを軽減し、社会生活への適応力を高めることが、療育の重要な考え方です。詳しくは後述しますが、目的を勘違いしてしまうと「障害が治らないから療育は効果がない…」と認識のずれが生まれてしまいます。

療育・発達支援・保育の違いとは?

情報を集める中で混乱しやすいのが、「発達支援」や「保育」といった似ている用語との違いです。それぞれの役割と意味を整理しておきましょう。

療育と発達支援:現在、この2つの言葉はほぼ同じ意味で使われていますが、厳密には「発達支援」は厚生労働省が公式に使用する、より広い概念です。発達支援には、お子さん本人への働きかけだけでなく、家族へのサポートや、保育所・学校との連携といった、お子さんを取り巻く環境全体へのアプローチが含まれます。

療育と保育との違い:保育所(保育園)が、保護者の就労などを理由にすべての子どもの心身の健やかな発達を目的とするのに対し、療育(発達支援)は、発達に支援が必要なお子さんの自立と社会参加を促すことを主な目的とします。

その違いを、以下の表にまとめました。

項目 療育/ 発達支援 保育所(保育園)
目的 個々の発達段階や特性に応じた発達促進、社会的自立の支援 乳幼児の健全な心身の発達を目的とした養護および教育
対象児童 障害のある、またはその可能性のある子ども(ニーズに基づく) 保護者の就労等により保育を必要とする乳幼児(年齢に基づく)
クラス編成 発達段階や障害特性に応じた小集団または個別 年齢別(異年齢保育の場合もある)
専門職 保育士、児童指導員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員など 保育士、看護師、栄養士など
支援計画 個別支援計画の作成が義務 全体的な計画はあるが、個別支援計画は必須ではない

療育では具体的に何が行われる?

療育施設では、お子さんの発達段階や特性に合わせて、さまざまなアプローチが用いられます。提供されるプログラムは、大きく「集団療育」と「個別療育」の2つの形式に分けられます。

集団療育

複数の子どもたちがグループとなり、ゲームや運動、音楽活動など、あらかじめ決められたプログラムに沿って活動します。集団療育の最大の目的は、他者との関わり方を学び、コミュニケーション能力や協調性といったソーシャルスキルを育むことです。

  • ルールの理解と実践
  • 順番を待つ、気持ちを切り替えるといった自己コントロール
  • 友達との適切な距離感や関わり方の学習

集団生活の中で、お子さんが社会性を身につけていくための土台作りをします。

個別療育

指導員とお子さんが1対1、もしくはごく少人数で、一人ひとりの課題に特化したプログラムに取り組みます。集団生活が苦手なお子さんや、特定のスキルを集中的に伸ばしたい場合に特に有効です。

  • 応用行動分析(ABA):望ましい行動を増やし、不適切な行動を減らすための働きかけ。
  • TEACCH:イラストや写真など視覚的な手がかりで、次に何をするべきかを理解しやすくする支援。
  • ソーシャルスキルトレーニング(SST):ロールプレイングを通じ、具体的な対人スキルを練習。
  • 作業療法(OT):食事や着替えなど、日常生活に必要な動作の練習。
  • 理学療法(PT):「座る」「立つ」など、基本的な運動能力の向上。
  • 言語聴覚療法(ST):言葉の発達やコミュニケーションに関する課題へのアプローチ。
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療育を行う施設・事業所の種類

療育サービスは、児童福祉法に基づき、施設に入所して支援を受ける「入所型」と、自宅から通う「通所型」の2つに分かれます。

入所型事業所

入所型事業所は、知的障がいや発達障がい、肢体不自由などがある子どもが入所し、日常生活の指導や知識・技能の習得を目指す施設です。家庭での養育が難しい場合に利用されます。具体的には、福祉型障害児入所施設と医療型障害児入所施設があります。

医療型障害児入所施設は、名の通り人工呼吸器や経管栄養など常時医療的なケアや治療が必要なお子さんが対象となります。

通所型事業所

保護者の方にとって身近なのが、この通所型事業所です。自宅から施設に通い、日中や放課後の時間を活用して支援を受けます。主に以下の3つのサービスがあります。

  • 児童発達支援:主に0歳から6歳の未就学児が対象。日常生活の基本動作や集団生活への適応訓練など、総合的な発達支援を行います。
  • 放課後等デイサービス:主に6歳から18歳の就学児が対象。放課後や長期休暇中に、生活能力の向上や社会との交流を促進します。
  • 保育所等訪問支援:お子さんが通う保育所や学校へ支援員が訪問し、集団生活にスムーズに適応できるよう、子ども本人と施設のスタッフの両者をサポートします。

療育を受けるには?主な相談先と手続き

「うちの子も療育を受けた方がいいのかもしれない」と感じたら、一人で抱え込まず、まずは専門機関に相談することが大切です。

主な相談先

  • 市区町村の障害福祉担当窓口:地域の福祉サービスや制度に関する情報を得られる最初の窓口です。
  • 児童相談所:18歳未満のお子さんの福祉に関する幅広い相談に応じてくれます。
  • 保健センター: 乳幼児健診などを通して、発達の相談に乗ってくれます。
  • 発達外来(小児科、児童精神科など): 医師が専門的な視点から診断や評価を行い、療育の必要性を判断してくれます。
  • 発達障害者支援センター:発達障がいに関する専門的な相談や情報提供を行っています。

注意点として、発達外来は全国的に数が少なく、専門医が限られているため、予約が数ヶ月~1年以上埋まっていることも珍しくありません。初診までに時間がかかるうえ、診断確定には数回の診察や検査が必要なため、最終的な診断結果が出るまでさらに数ヶ月かかるのが一般的です。

発達外来ほどではありませんが、他の相談先もお住いの都道府県や時期によって予約が取りにくくなることがあります。そのため、「療育が必要かも」と感じたら、できるだけ早く複数の窓口に相談を始めることが重要です。

療育の利用の流れ

相談後、療育の利用が決まるまでの一般的な流れは以下の通りです。

  • 相談・見学:お住まいの地域の窓口に相談し、利用したい事業所の見学をします。
  • 「障害児支援利用計画案」の作成:相談支援事業所や自治体の担当者と相談しながら、お子さんに最適な支援内容を盛り込んだ計画案を作成します。この計画は、療育の目標やサービス内容を具体的に定める重要なものです。
  • 利用申請:市区町村の窓口で、サービスの利用申請を行います。この際、作成した「障害児支援利用計画案」を提出します。
  • 支給決定:市区町村が計画案や状況を審査し、サービス利用の必要性を判断します。
  • 受給者証の交付:申請が受理されると、市区町村から「通所受給者証」が交付されます。これがサービスの利用許可証となります。
  • 事業所との契約:利用したい事業所と契約を結び、「個別支援計画」を作成後、サービスの利用がスタートします。

療育が必要かどうかの判断基準とは?

療育が必要かどうか判断に迷うことは、多くの保護者が経験する悩みです。お子さんにとって最適な選択ができるように、判断基準について解説します。

療育を始めるのに、明確な基準や診断名はない

まず大前提として、「〇〇ができないから療育が必要」といった、絶対的な基準は存在しません。 発達のスピードや得意・不得意には、もともと大きな個人差があります。対象者の部分で触れたように、医師による正式な診断が下りていない、いわゆる「グレーゾーン」のお子さんも療育が必要なケースがあります。

判断の最大の基準は、お子さんの「生きづらさ」

療育が必要かどうかの判断基準は、お子さん自身が集団の中で、あるいは日常生活の中で、何らかの「生きづらさ」や「困難」を抱えているように見えるかどうかです。

  • 周りから怒られることが多く、いつも自信がなさそうにしている
  • 「どうせ僕(私)なんて」と、挑戦する前からあきらめてしまう
  • 友達の輪に入れず、いつも寂しそうにしている
  • 毎日、幼稚園や学校に行くのを過度に嫌がる

たとえ発達がゆっくりでも、本人が毎日を楽しく、自分らしく過ごせているのであれば、それはその子の素晴らしい個性です。しかし、もし特性が原因で、お子さんが上記のような辛い思いをしているのであれば、それは専門的なサポートによって軽減できる「困難さ」かもしれません。
この「お子さん本人の主観的な困難さ」という視点が最重要です。

適切なサポートがないと「二次障害」につながるリスクがある

発達上の特性を持つお子さんは、その特性自体が直接の原因ではなく、周囲の無理解や不適切な関わりが続くことで、新たな心の問題を抱えてしまうことがあります。これを「二次障害」と呼びます。
例えば、以下のようなケースが挙げられます。

  • 「どうして、みんなと同じようにできないの?」と叱られ続ける → 自信を失い、何事にもやる気が起きなくなる(自己肯定感の低下)
  • コミュニケーションがうまくいかず、友達から孤立してしまう → 学校が怖い場所になり、登校を渋るようになる(不登校、不安障害)
  • 感覚の過敏さでパニックになるのを「わがまま」と誤解される → 自分の感情を表現できなくなり、心の中に溜め込んでしまう(抑うつ、心身症)

本人は一生懸命なのに、うまくいかない。その苦しさを誰にも分かってもらえない経験が積み重なると、本来の特性とは別の、こうした二次的な問題が引き起こされてしまうのです。
早期からの療育は、この二次障害を防ぐという、極めて重要な意味を持ちます。 お子さんの特性を正しく理解し、本人に合った関わり方を学ぶことで、お子さんは安心して自分らしく成長していくことができます。療育は、お子さんの「今」を支えるだけでなく、「未来」を守ることに繋がります。

【年齢別】療育を検討する際のサイン

「うちの子、少し周りと違うかも?」—療育を検討するきっかけとして最も多いのは、保護者の方が子育ての中で感じる違和感です。ただ、その「気になる」という感覚の裏に、専門的なサポートの必要性が隠れていることもあります。

ここでは、療育の相談を始めるきっかけとなりやすいサインを年齢別に紹介します。当てはまったからといって必ず療育が必要という訳ではないですが、複数当てはまる場合は専門家への相談を検討してください。

乳幼児期(0〜2歳)のサイン

赤ちゃんの時期は、言葉や運動能力、人との関わりの土台が作られる大切な時期です。この時期のサインは非常に繊細ですが、日々の生活の中にヒントが隠されています。

コミュニケーションのサイン
  • 視線が合いにくい:授乳中やあやしている時に、なかなか目が合わない。
  • 名前を呼んでも振り向かない:聴力に問題がないのに、呼びかけへの反応が少ない、またはない。
  • 指さしをしない:興味のあるものを見つけて「あれ見て!」と指さしで伝えたり、大人が指さした方向を見たりすることが少ない。
  • 言葉の遅れ:1歳半を過ぎても意味のある言葉(ワンワン、ママなど)がほとんど出ない。
人との関わりのサイン
  • 一人でいることを好む:あやしても笑うことが少ない、後追いをあまりしない。
  • 抱っこを嫌がるなど、身体的な接触への独特な反応:抱っこすると体を反らせて嫌がる、または逆に誰にでも抱っこされるなど、人見知りが極端にない。
感覚や遊び方のサイン
  • 感覚が過敏、または鈍感:特定の音を極端に嫌がったり、逆に多少ぶつかっても平気だったりする。
  • 遊び方が限定的:ミニカーを走らせて遊ぶのではなく、ただひたすらタイヤを回し続けるなど、おもちゃの特定の部分に強いこだわりを示す。

この時期のお子さんは、ご機嫌や体調によって反応が大きく変わります。一つの行動だけで判断せず、「こうした様子が、しばらく続いているな」と感じたときに、専門機関に相談しましょう。

幼児期(3〜5歳)のサイン

保育園や幼稚園など、集団生活が始まるこの時期は、お友達との関わりの中で社会性が育まれていきます。家庭内では見えにくかった特性が、集団の中で明らかになることも少なくありません。「一斉指示が通らない」など保育園の先生から共有を受けることがあります。

集団生活・お友達との関わりのサイン
  • 集団行動が苦手:みんなで一緒に何かをすることが苦手で、輪から外れて一人で遊んでいることが多い。
  • お友達とのトラブルが多い:自分の思い通りにならないと手が出てしまったり、相手の気持ちを想像することが難しく、言動で傷つけてしまったりする。
  • ごっこ遊びが広がらない:おままごとをしても、いつも同じ行動を繰り返すだけで、他者と役割を分担して物語を発展させることが苦手。
コミュニケーションのサイン
  • 言葉の使い方が独特:相手の言ったことをそのまま繰り返す「オウム返し」が多い。会話が一方的で、やりとりが続きにくい。
行動や感情のコントロールに関するサイン
  • 落ち着きがない:食事中や絵本の読み聞かせの際に、じっと座っていられない。順番を待つことができず、すぐにどこかへ行ってしまう。
  • こだわりが強く、急な変更に弱い:いつも同じ道順でないとパニックになったり、決まった手順が崩れると激しく泣き出したりする(かんしゃく)。
  • 極端な偏食や、衣服の素材へのこだわり:特定の感触のものを嫌がるなど、感覚の過敏さが目立つ。

「うちの子は、ほかの子より少し活発なだけ」「こだわりが強いのは個性」と感じるかもしれません。その個性とお子さん自身、そして周りの家族が「困難さ」を感じているかどうかが、サポートを検討する上での一つの判断基準になります。

学童期(6歳〜)のサイン

小学校に上がると、「学習」という新しい課題が本格的に始まります。また、友達との関係もより複雑になっていきます。これまで見過ごされてきた困難さが、学習面や対人関係の悩みとして表面化することがあります。

学習面でのサイン
  • 授業に集中できない:先生の話を聞き続けることが難しく、すぐに他のことに気を取られてしまう。
  • 読み・書き・計算が極端に苦手:文字を覚えるのに時間がかかる、文章をスラスラ読めない、簡単な計算間違いが多いなど、特定の学習領域に著しい困難が見られる。
  • 板書をノートに写すのが非常に遅い:文字の形を捉えるのが苦手だったり、手先が不器用だったりすることが背景にある場合も。
学校生活・対人関係でのサイン
  • 忘れ物や失くし物が非常に多い:時間割をそろえたり、持ち物を管理したりすることが苦手。
  • 友達の輪に入れない:相手の表情や声のトーンから気持ちを読み取ることが苦手で、会話の文脈に合わない発言をしてしまう(いわゆる「空気が読めない」状態)。
  • ルールを守るのが難しい:授業中に立ち歩いてしまったり、思ったことをすぐ口に出してしまったりと、衝動的な行動が目立つ。

この時期の困難は、「本人の努力不足」や「やる気の問題」と誤解されがちです。しかし、その背景には本人の努力だけではどうにもならない特性が隠れているかもしれません。お子さんを叱る前に、まずは「なぜ、そうしてしまうのか?」という原因を探る視点を持つことが、適切なサポートへの第一歩となります。

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なぜネットで「療育 意味ない」と出てくるのか

療育について調べると、「療育 意味ない」という言葉を目にして、不安になる保護者の方は少なくありません。この言葉の裏には、保護者の深い悩みや、療育を取り巻くいくつかの課題が隠されています。

  • 期待とのミスマッチ:「障害が治ること」を期待してしまうが、療育の目的は「特性との共存」であるという根本的なズレ。
  • 目に見える効果がすぐにでない:子どもの発達はゆっくりとしたペースで進むため、短期的な変化を実感しにくい。
  • 事業所とのミスマッチ:プログラムやスタッフがお子さんに合っていない場合、成長どころかストレスの原因になることも。
  • 家族の負担が大きい:送迎や付き添い、療育にかかる費用、そして精神的な負担が重なり、「これだけ苦労して意味があるのか」という疑問が生まれてしまう。

療育に意味があるかないかは、お子さん本人の変化よりも、保護者がどう受け取るかに左右されやすいと言えます。肉体的、金銭的、精神的な負担が重なり、疲れてしまったときに「こんなに大変なのに、何のためにやっているんだろう」と意味を見失ってしまうことが考えられます。

療育を「意味のあるもの」にするために

大切なのは、「療育に意味はあるか?」と悩むことではありません。代わりに「この療育を、私たち親子にとって一番良いものにするには?」と、視点を変えてみましょう。

療育は、施設が一方的にサービスを提供するものではなく、保護者の方も一緒に参加して作り上げていくものです。なぜなら、お子さんのことを一番よく知っているのは、ご家族だからです。ぜひ、療育の専門家と協力し、お子さんにとっての最適なサポートを一緒に探していきましょう。

  • 療育の「目標」を話し合う:施設のスタッフと面談し、支援の目標が家庭の願いと一致しているか確認しましょう。
  • 家庭での関わり方を見直す:施設での学びを家庭でどう活かせるか、具体的なアドバイスを求めましょう。
  • 「合わない」と感じたら変えてもいい:「合わない」と感じたら、事業所の変更は決して間違いではありません。それはお子さんの成長に合わせた、適切な判断です。
  • 自分自身のことも大切にする:保護者の方が心も体も元気でいることが、お子さんにとって何よりも大切です。無理をせず、たまにはゆっくり休んで、自分を甘やかす時間も作ってあげてください。

子供に合った療育施設・事業所の選び方

療育を「意味のあるもの」にする上で、お子さんに合った事業所を選ぶことは極めて重要です。しかし、無数の選択肢を前に、何から手をつければいいか分からなくなってしまう方も多いでしょう。
ここでは、後悔しない事業所選びのための、具体的な6つのステップをご紹介します。

  • 利用目的を明確にする:最も重要な出発点です。「言葉の発達を促したい」「集団生活に慣れさせたい」「問題行動を減らしたい」など、なぜ療育を利用したいのか、課題に優先順位をつけましょう。
  • プログラム内容と理念を評価する:事業所の方針が、家族の価値観と合っているかを確認します。運動、学習、SSTなど、何に強みを持っているかを見極めましょう。
  • スタッフの専門性と体制を確認する:理学療法士や言語聴覚士などの専門職が在籍しているか、子どもに対するスタッフの人数は十分か、などをチェックします。
  • 物理的・運営的な条件を検討する:自宅からの距離、送迎サービスの有無、開所時間など、無理なく通い続けられるかは非常に重要なポイントです。
  • 必ず見学・体験利用をする:ウェブサイトの情報だけでは分かりません。必ずお子さんと一緒に施設を訪れ、実際の雰囲気や、我が子がそこでどう過ごすかを直接観察しましょう。
  • 保護者支援の体制を確認する:保護者向けの勉強会や相談しやすい雰囲気があるかなど、家族全体をサポートしてくれる体制が整っているかも大切な評価基準です。

目指すのは「完璧な施設」ではなく、「現段階で子供にとって最適な施設」です。 お子さんの成長に合わせて、利用する事業所を変えていくことも選択肢に入れておきましょう。

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療育についてのよくある質問

最後に、療育に関して多くの保護者の方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

療育は本当に効果があるの?

はい、ただし「効果」の捉え方が重要です。療育の効果とは、障害が「治る」ことではありません。日常生活での困難が減ったり、お友達と関われるようになったり、本人が笑顔で過ごせる時間が増えたりと、お子さんとご家族の生活の質(QOL)が向上することが、療育の提供する真の効果と言えます。

療育はいつから始めて何歳までやるべき?

一般的に、支援は早期に始める方が効果的とされています。しかし、「何歳だから遅い」ということは決してありません。お子さんの発達が気になったときが、相談を始めるベストなタイミングです。療育は18歳まで利用可能ですが、いつまで続けるかは、お子さんの状況やニーズに応じて個別に判断されます。療育の継続が必要かどうかは、専門家と相談しながら決めることが大切です。

療育にかかる費用は高い?

療育は児童福祉法に基づくサービスのため、費用の9割は国や自治体が負担します。自己負担は1割ですが、世帯所得に応じて月ごとの上限額が定められています。多くのご家庭で、負担が大きくなりすぎないような仕組みになっています。

世帯の所得状況 月額負担上限額
生活保護受給世帯、市民税非課税世帯 0円
市民税課税世帯(年収約890万円未満) 4,600円
市民税課税世帯(年収約890万円以上) 37,200円

※上記に加え、教材費やおやつ代などの実費がかかる場合があります。

働きながら療育の送迎はできる?

多くの通所事業所では、学校や自宅への送迎サービスを実施しています。しかし、送迎の範囲や時間帯は事業所によって異なるため、契約前に必ず確認が必要な重要事項です。働きながらの送迎に不安がある場合は、まず送迎サービスの有無を基準に事業所を探すのも一つの方法です。

まとめ

療育とは、発達に課題を抱える子どもたちが、自分らしく成長するための支援です。その真の目的は、障害を「治す」ことではなく、特性を理解し、社会で生き抜く力を育むことにあります。

現代の療育は、苦手なことを無理に克服させるのではなく、困難を軽減するための「回避ルート」や「新しいアプローチ」を見つけることを目指します。これにより、自己肯定感の低下や不登校といった「二次障害」を防ぐ、重要な役割を担っています。

療育を始めるのに明確な基準や診断名は必須ではありません。お子さんが「生きづらさ」を感じていると思った時は、まずは専門機関に相談してみましょう。

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セカンドラボ株式会社

URL:https://note.com/2ndlabo/n/nf2f063102266

神奈川県鎌倉市生まれ。2019年4月にセカンドラボ株式会社に入社。
2025年1月にコンテンツチームのリーダーに就任。
統計資料に基づく分析や求人作成の知識・経験を活かした記事づくりが得意です。
休日は所属するオーケストラでの活動や登山、旅行とアクティブに過ごしています。

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