【第115回】看護師国家試験ガイド|例年の合格率・国試対策など徹底解説!
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「どうやったら看護師さんになれるんだろう?」
「国家試験の合格率が高いから、看護師には簡単になれるの?」
「国家試験の勉強法を知りたい!」
このような悩みや疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか?
看護師になるには看護大学や専門学校などの教育機関に3年以上通ったうえで、看護師国家試験に合格する必要があります。試験の合格率は高いですが、試験を受けるまでのハードルが高く、看護師になるのは簡単ではありません。
この記事では、看護師を目指す方に向けて試験の概要、合格率、過去問対策を分かりやすく解説します。
また、不合格になった場合の対処法も解説しています。
初めて国家試験を受験する方をはじめ、国家試験に再挑戦する方やこれから看護学生を目指す方まで、多くの人の参考になれば幸いです。
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目次
1.第115回看護師国家試験の日程
願書受付期間:2025年11月7日(金)から11月28日(金)まで
試験日:2026年2月15日(日)
合格発表日:2026年3月24日(火)
※14時から厚生労働省のホームページで速報が公開されます。
試験地:北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県
毎年11月に願書受付、2月半ばに試験実施というスケジュールになっています。
合格発表は各地方の厚生局でも掲示されるほか、郵送による通知も行われます。
2.看護師国家試験の概要
国家試験の実施時間
看護師国家試験は、午前と午後の2回に分けて行われます。
| 午前 | 10:00~12:40(2時間40分) |
| 午後 | 14:00~16:40(2時間40分) |
| 合計 | 5時間20分 |
午前は10時から12時40分までの2時間40分、午後は14時から16時40分までの2時間40分で、合計5時間20分という長いテストです。
これだけ長い時間、集中力を保つためには、普段から時間を計って勉強する練習がとても大事です。
国家試験の出題範囲
看護師国家試験の出題範囲は、看護師として必須となる広範な知識と技術を問います。
| 問われる主な知識 | |
| 人体の構造と機能 | 体のしくみ(解剖学)、働き(生理学)など、すべての看護の基礎となる知識 |
| 疾病の成り立ちと回復の促進 | 病気が起こる原因やプロセス、治療、回復を助けるための知識。 |
| 健康支援と社会保障制度 | 健康の定義、予防、医療保険・介護保険などの社会保障制度、公衆衛生に関する知識。 |
| 基礎看護学 | 看護の基本的な考え方、技術、倫理、法律など。 |
| 成人看護学 | 成人(大人)の健康問題や急性期・慢性期における看護。 |
| 老年看護学 | 高齢者の特徴、生活機能の低下、在宅や施設での看護。 |
| 小児看護学 | 子どもの成長・発達、病気、家族への関わりなど。 |
| 母性看護学 | 妊娠・出産・産後の女性と新生児の看護。 |
| 精神看護学 | 精神疾患を持つ人への理解と看護、精神保健福祉に関する知識。 |
| 在宅看護論 | 自宅で療養する患者さんとその家族への支援、地域連携に関する知識。 |
| 看護の統合と実践 | 上記の知識を総合的に使って判断する力や、マネジメント、災害看護など。 |
このように出題範囲は広いため、計画的に苦手分野をなくし、反復学習を重ねることが合格への鍵となります。
この広大な出題範囲を効率的に網羅するためには、過去問分析に基づき、必修問題や頻出分野を重点的に学習する計画性が、国試対策の成功の鍵を握ります。
国家試験の問題数・合格基準
看護師国家試験は、問題数が必修問題50問、一般問題130問、状況設定問題60問の合計240問で構成されています。
| 必修問題 | 一般問題 | 状況設定問題 | |
| 問題数 | 50問 | 130問 | 60問 |
| 合格基準 | 8割以上 | 例年6~7割以上 | 例年6~7割以上 |
合格基準は、まず必修問題で8割以上(40点以上)の正答率をクリアすることです。これが満たされないと、一般問題と状況設定問題の点数に関わらず不合格となるため、最重要対策分野と言えます。
次に、一般問題および状況設定問題では、例年約6~7割程度の正答率が合格基準とされていますが、これはその年の問題の難易度により変動します。この合格基準を明確に意識し、特に必修問題で確実に得点できる国試対策を行うことが、合格へ直結します。
スカウトサービス登録はこちら3.看護師国家試験の合格率と難易度
過去5年間のデータを見ると、合格率は例年90%前後で推移しています。
| 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
| 第114回 | 63,131人 | 56,906人 | 90.1% |
| 第114回(新卒のみ) | 56,035人 | 53,718人 | 95.9% |
| 第113回 | 63,301人 | 55,557人 | 87.8% |
| 第113回(新卒のみ) | 57,860人 | 53,903人 | 93.2% |
| 第112回 | 64,051人 | 58,152人 | 90.8% |
| 第112回(新卒のみ) | 58,911人 | 56,276人 | 95.5% |
| 第111回 | 65,025人 | 59,344人 | 91.3% |
| 第111回(新卒のみ) | 59,148人 | 57,057人 | 96.5% |
| 第110回 | 66,124人 | 59,769人 | 90.4% |
| 第110回(新卒のみ) | 59,593人 | 56,868人 | 95.4% |
新卒の合格率が9割を超える一方で、既卒の場合は合格率3~4割まで落ち込みます。
新卒は学校で組織的なサポートがあるのに対し、既卒者は自分で学習計画を立てて実践する必要があるため、対策が難しい傾向にあることが、理由の一つとして挙げられます。
現役で合格できるよう、しっかり対策していきましょう。
4.看護師国家試験に落ちてしまう人の傾向
国家試験に落ちてしまう人の傾向として、大きく3つ挙げられます。
- 必修問題への対策不足とケアレスミス
- 勉強の計画性・量が不十分
- 暗記偏重で応用力が欠如
必修問題への対策不足とケアレスミス
看護師国家試験に落ちてしまう人の最も大きな傾向の一つは、必修問題への対策不足です。
必修問題の合格基準は8割以上と定められており、この基準に満たない場合は、一般問題の点数が良くても不合格となります。にもかかわらず、「簡単だから」と対策を後回しにしたり、知識の定着が甘いためにケアレスミスを連発したりするケースが後を絶ちません。
特にケアレスミスは、知識があっても点数を落とす最大の原因です。問題文の読み間違いや、マークシートの塗り間違いなど、基本的なミスを防ぐ訓練が必要です。
勉強の計画性・量が不十分
看護師国家試験の広範な出題範囲を前に、勉強の計画性と絶対的な勉強量が不足している人も不合格になりやすい傾向があります。
「とりあえず過去問を解く」といった計画性のない勉強法では、苦手分野が放置され、知識の定着が進みません。また、国試対策は直前期に慌てて詰め込めるものではなく、長期にわたる反復学習が必要です。
合格を勝ち取るためには、出題範囲を細分化し、「いつまでに何を終わらせるか」という計画性と、その計画を遂行するための勉強量の確保が非常に重要になります。
暗記偏重で応用力が欠如
暗記偏重の学習スタイルは、看護師国家試験の状況設定問題に対応できない応用力の欠如を招き、不合格の原因となります。
看護師の業務は、単なる知識の暗記ではなく、目の前の状況に応じて学んだ知識を統合し、適切な判断を下す応用力が求められます。しかし、用語や数値をひたすら暗記するだけの国試対策では、実際の事例に基づいた状況設定問題が解けません。
合格するためには、「なぜそうなるのか」という基礎知識の理解と、問題解決能力を養うことが必須です。過去問や模擬試験を活用して、暗記した知識を応用して考える訓練を積むことで、難易度の高い問題にも対応できる真の実力が身につきます。
スカウトサービス登録はこちら5.【状況別】今からできる看護師の国試対策4選
基礎知識に不安がある・勉強を始めたばかりの場合
基礎知識に不安がある、または国試対策を始めたばかりの段階では、まず「広く浅く」全体像を掴むことに注力しましょう。
最初から難しい専門書に手を出すのではなく、イラストや図解が豊富な参考書やアプリを活用し、人体の構造や疾患の概要など、看護師として必須の基礎知識をインプットします。この時期は必修問題対策を並行して行い、合格基準となる8割を確実に超える土台を固めます。
具体的な方法としては、過去5年分の必修問題を解き、間違えた箇所をテキストに戻って確認する反復学習が有効です。不安を払拭し、今後の勉強の計画性を高めるためにも、この基礎知識の徹底が最優先です。
模試の点数が安定しない・応用力に欠ける場合
模試の点数が安定しない、応用力に欠けると感じる場合は、知識のインプットからアウトプットへの転換が必要です。
この段階では、単なる暗記ではなく、なぜその回答になるのかという根拠を説明できるように反復学習します。状況設定問題を重点的に解き、設問の背景にある疾患や患者の状況を深く理解する訓練をします。過去問や模擬試験を解く際は、制限時間を設け、本番と同じ緊張感の中で問題解決能力を鍛えましょう。
特に、一般問題と状況設定問題の合格基準をクリアするため、応用力を試す問題に対して、テキストや基礎知識をどう結びつけるかという思考プロセスを磨き上げることが重要です。
苦手な専門分野(母性・精神・公衆衛生など)がある場合
母性、精神、公衆衛生などの専門分野に苦手意識がある場合は、優先順位をつけ、集中的に克服する計画性が求められます。
これらの専門分野は出題範囲が広く、また特有の専門用語や法律(公衆衛生など)が多く、一朝一夕での対策が難しい分野です。しかし、得点源にもなり得るため、放置は禁物です。
まずは、過去問を分析し、頻出のテーマや必修問題で問われやすい知識を抽出します。その上で、苦手分野に特化した参考書を1冊選び、その基礎知識を徹底的に反復学習します。可能であれば、友人や教員に苦手分野について質問し、理解度を深めることも合格への大きな手助けとなります。
試験まで残り時間が少ない(直前期)の場合
試験まで残り時間が少ない直前期は、新しいことに手を出すのではなく、点数に直結する総仕上げに集中することが重要です。
この時期の最優先事項は、必修問題での合格基準クリアの確実性を高めることです。必修問題の過去問や予想問題を繰り返し解き、正答率が100%に近づくまで反復学習します。また、模擬試験や過去問を解いて間違えた、あるいは迷った問題だけをピンポイントで復習しましょう。
新しい知識のインプットよりも、これまで学んだ知識を確実に得点に変えるための最終確認と問題演習に時間を割くことが、直前期の合格戦略です。
スカウトサービス登録はこちら6.もしも看護師国家試験に落ちてしまったら
連絡のタイミングは合格発表後
もしも看護師国家試験に不合格となってしまった場合は、内定先に早めに連絡することが大切です。
しかし、試験後の自己採点で合格点に満たなかったからといって、合格発表前に連絡するのはやめておきましょう。自己採点でダメでも不適切な問題の影響で合格になる可能性があります。
なお、実際に第113回試験では6問が採点除外となっています。
合格発表後に不合格が確定した場合
不合格が確定したら速やかに内定先に連絡をして、誠実に状況を伝えましょう。
不合格の場合、内定先で准看護師や看護補助者として働きながら次回の看護師国家試験を再受験するか、内定取り消しとなることが多いです。
働きながら再受験するか、国試浪人としてアルバイトをしながら再受験を目指すか、自分の希望を決めておきましょう。
なお、既卒者の再受験は合格率が非常に低い傾向にあります。家族や内定先の病院から金銭的なサポートが受けられる場合は、学習のモチベーション維持のため予備校に通うことも検討するとよいでしょう。
看護師国家試験に再挑戦する方へ
看護国家試験に不合格になる理由として「勉強時間が足りていなかった」「必修問題の対策が不十分だった」「丸暗記で状況設定問題に対応できなかった」「当日の体調不良やメンタル不調」などがあげられます。
国家試験に合格するためには、自分がなぜ不合格になったのかをよく分析して対策する必要があります。
働きながら勉強する人は、学生と比べて勉強時間の確保が難しく、効率的な学習が必要不可欠になります。
例年の合格率のデータから、看護師国家試験に再受験で合格するのは難しい傾向にあることが分かります。既卒者の合格率は新卒者の1/3程度だということを忘れないようにして、勉強に励みましょう。
看護師国家試験に再挑戦する方は、是非こちらの記事も参考にしてください!
【看護師国家試験不合格から見えたもの】失敗から学ぶ成功へのコツ
看護師国家試験の合格率は約90%です。この合格率は100人中90人は合格するということですが、一方で10人は不合格になることを示しています。
詳細を見る7.まとめ
看護師国家試験は、看護師としてのキャリアをスタートさせるための重要な通過点です。
2026年2月15日(日)の試験日に向けて、必修問題での8割確保を最優先目標とし、基礎知識の徹底的な理解と応用力の訓練を計画的に進めることが合格への鍵となります。
今回ご紹介した状況別の国試対策を参考に、あなたの弱点に合わせた効率的な学習を今すぐ始めましょう。適切な勉強量と計画性、そして諦めない強い意思があれば、必ず合格を勝ち取ることができます。
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