【見本・例文付き】履歴書の送付状(添え状)は必要?手書き?書き方やNG例も解説
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一般的な就職や転職活動において、履歴書を郵送する際には「送付状(添え状)」を同封するのがマナーです。書類選考をスムーズに通過し、面接へと進むためには、こうしたビジネスマナーも重要な評価対象となります。
この記事では、送付状の正しい作成方法や役割、採用担当者に好印象を与えるための注意点を、そのまま使える見本付きで詳しく解説していきます。
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目次
そもそも履歴書に送付状・添え状は必要?
結論から言うと、送付状・添え状は必要です。
就職・転職活動もビジネスの一環です。採用担当者は、応募書類の内容だけでなく「社会人としてのマナー」もチェックしています。
ビジネスシーンにおいて、請求書や見積書を郵送する際に送付状をつけるのは常識です。履歴書の送付も同様に、ビジネスマナーとして送付状を添付しましょう。
送付状が必要な2つの理由
- ビジネスマナーのアピール
「書類だけでいきなり用件を伝えない」という配慮を示せます。 - 内容物の確認とミス防止
「何を」「何枚」送ったかを明記することで、受け取り側が書類の不足や取り違えに気づきやすくなります。
もし入れ忘れても「再送」は不要
「送付状を入れ忘れてしまった!」という場合でも、履歴書を送り直す必要はありません。
送付状はあくまでマナーであり、合否を決定づける絶対的なルールではないからです。入れ忘れただけで即不採用になることはまずありません。
むしろ、多忙な採用担当者にとっては、同じ書類が二度届くことによる管理の手間の方が迷惑になります。「マナー違反をしてしまった」と焦って再送するのは避けましょう。
スカウトサービス登録はこちら履歴書の送付状の役割
なぜ履歴書に送付状が必要なのでしょうか。単に「ビジネスマナーだから」というだけでなく、送付状には実務的な役割もあります。主に以下の3つの理由から添付が推奨されます。
1. 採用担当者に対する「挨拶」
ビジネスや日常生活において挨拶は基本です。履歴書の送付は、将来の先輩や上司となるかもしれない相手との「最初の接点」です。
まだ直接会う前の段階だからこそ、送付状が対面時の挨拶の代わりとなります。文書を通じて礼儀正しさを伝えることで、第一印象を良くする効果があります。
2. 同封された書類の内容を知らせる
送付状の最も基本的な機能は、「どの書類を」「何枚」送ったかを知らせる目録としての役割です。
書類の内容を明記しておくことで、万が一の同封忘れや紛失があった際、採用担当者がすぐに気づいて確認連絡を入れることができます。双方のトラブル防止のために重要です。
3. 補足事項を伝える
送付状には、履歴書や職務経歴書の枠内では書ききれなかった「ひとこと」を補足する役割もあります。
余白を活用して、簡潔な志望動機や自己PRを添えることが可能です。ただし、長々と書くのは禁物です。「要点をまとめる能力がない」と判断されないよう、あくまで短い文章でアピールしましょう。
送付状に書くのはあくまでも補足ですので、できるだけ簡潔に短い文章でアピールするのが重要です。
スカウトサービス登録はこちら送付状の見本
以下は病院に応募した想定の見本です。一般企業への応募時と書き方に大きな違いはありません。
「時下」の部分は、応募時期に合わせて上で紹介した時候のあいさつを使ってください。
「貴院」の部分は、一般企業・会社の場合は「貴社」、介護施設であれば「貴施設」と応募先に合わせて使い分けてください。
履歴書の送付状の正しい書き方
ここからは、送付状を作成する際の具体的なフォーマットや、封入時のマナーについて解説します。
横書き・PCでの作成が基本
履歴書は「手書きで熱意を伝える」という考え方もありますが、送付状はあくまでビジネス文書です。可読性を重視し、PCで作成するのが一般的です。
また、履歴書や職務経歴書などの横書き書類に合わせ、送付状も横書きで作成しましょう。書類の向きを統一することで、採用担当者が読みやすくなります。
余計な装飾はせず、必要事項だけ書く
送付状はシンプルな構成が好まれます。太字や斜体、特殊なフォントなどの過度な装飾は不要です。標準的な文字サイズ・フォントを使用してください。
また、履歴書と違い「余白を埋めないと評価が下がる」ということはありません。無理に文章を引き伸ばさず、必要な情報だけを簡潔に記載しましょう。
用紙サイズはA4(またはB5)1枚に収める
送付状のサイズは、同封する履歴書のサイズに合わせます。一般的にはA4サイズ(履歴書がA3二つ折りの場合)で作成します。もし履歴書がB5サイズなら、送付状もB5で統一すると管理しやすくなります。
記載内容は多くないため、必ず1枚にまとめてください。2枚以上にわたるのはマナー違反です。
封筒に入れる際は「一番上」にする
書類を封筒に入れる際は、送付状が一番上にくるように重ねます。採用担当者が開封した際、最初に目に入るようにするためです。
書類の折れ防止や防水のためにクリアファイルに入れる場合も、送付状を一番上にしてからファイルに入れましょう。
スカウトサービス登録はこちら履歴書の送付状の書き方の例
ここからは具体的な書き方を解説します。送付状には、以下の6つの要素を過不足なく盛り込むことがポイントです。
- 誰が(差出人)
- いつ(送付日)
- 何を(同封内容)
- 何枚(枚数)
- 誰に(宛先)
- なぜ(送付の目的)
1. 日付・宛名・差出人を明記
用紙の上部には、基本的な送付情報を記載します。
用紙の右上に記載します。作成日ではなく、ポストへ投函する日(郵送する日)を記入してください。年号(西暦・和歴)は、同封する履歴書と統一しましょう。
日付より一段下げて、左側に記載します。会社名は省略せず正式名称で書きましょう。
敬称の使い分けは以下の通りです。
- 会社・部署宛の場合:社名や部署名の後に「御中」
(例:〇〇株式会社 人事部 御中) - 担当者宛の場合:個人名の後に「様」
(例:〇〇株式会社 人事部 採用担当者 様)
「御中」と「様」は併用しません。また、「殿」は目下の人への敬称となるため、送付状では使用しないでください。
宛名より下の位置に、右寄せで記載します。氏名、住所、電話番号を正確に記入しましょう。
2. 時候の挨拶で始める
中央に「履歴書送付の件」などの件名を記した後、本文に入ります。
頭語は「拝啓」、結語は「敬具」が基本です。書き出しには、季節に合わせた「時候の挨拶」を入れましょう。
応募のタイミングが微妙な時期でも使いやすい、月別の挨拶です。
| 月 | 書き出しの例 |
|---|---|
| 1月 | 初春の候/新春の候/厳冬の候 |
| 2月 | 早春の候/残寒の候 |
| 3月 | 春陽の候/浅春の候 |
| 4月 | 春暖の候/陽春の候/仲春の候 |
| 5月 | 新緑の候/薫風の候 |
| 6月 | 小夏の候/入梅の候/梅雨の候 |
| 7月 | 盛夏の候/仲夏の候/猛暑の候 |
| 8月 | 残暑の候/晩夏の候 |
| 9月 | 初秋の候/晩新秋の候/晩秋冷の候 |
| 10月 | 仲秋の候/秋涼の候/秋晴の候 |
| 11月 | 晩秋の候/向寒の候/菊花の候 |
| 12月 | 師走の候/初冬の候/寒冷の候 |
より季節感を大切にしたい場合は、二十四節気に合わせた挨拶を使用します。
| 二十四節気 | 時期 | 文頭 |
|---|---|---|
| 立春 | 2月4日〜18日頃 | 立春の候 |
| 雨水 | 2月19日〜3月4日頃 | 雨水の候 |
| 啓蟄 | 3月5日〜19日頃 | 啓蟄の候 |
| 春分 | 3月20日〜4月3日頃 | 春分の候 |
| 清明 | 4月4日〜18日頃 | 清明の候 |
| 穀雨 | 4月19日〜5月4日頃 | 穀雨の候 |
| 立夏 | 5月5日〜19日頃 | 立夏の候 |
| 小満 | 5月20日〜6月4日頃 | 小満の候 |
| 芒種 | 6月5日〜20日頃 | 芒種の候 |
| 夏至 | 6月21日〜7月6日頃 | 夏至の候 |
| 小暑 | 7月7日〜22日頃 | 小暑の候 |
| 大暑 | 7月23日〜8月7日頃 | 大暑の候 |
| 立秋 | 8月8日〜22日頃 | 立秋の候 |
| 処暑 | 8月23日〜9月7日頃 | 処暑の候 |
| 白露 | 9月8日〜22日頃 | 白露の候 |
| 秋分 | 9月23日〜10月7日頃 | 秋分の候 |
| 寒露 | 10月8日〜23日頃 | 寒露の候 |
| 霜降 | 10月24日〜11月7日頃 | 霜降の候 |
| 立冬 | 11月8日〜21日頃 | 立冬の候 |
| 小雪 | 11月22日〜12月6日頃 | 小雪の候 |
| 大雪 | 12月7日〜21日頃 | 大雪の候 |
| 冬至 | 12月22日〜1月5日頃 | 冬至の候 |
| 小寒 | 1月6日〜19日頃 | 小寒の候 |
| 大寒 | 1月20日〜2月3日頃 | 大寒の候 |
「〇〇の候」に続けて、以下のような挨拶文をつなげます。
- 貴社にはいよいよご清栄の段、お喜び申し上げます。
- 貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
- 貴社一層ご清栄の由、拝察いたします。
挨拶文については、一度意味を調べてみて、意味を理解した上で使用するのが望ましいです。
3. 志望の経緯と簡潔な自己PR
挨拶に続き、応募の経緯や志望動機を簡潔に(全体で4〜5行程度)記載します。
ダラダラと長く書くのは避け、要点をまとめましょう。最後に「ぜひ面接の機会をいただきたい」という旨を記し、右下に「敬具」と書いて結びます。
なお、ビジネス文書で使われる「前略・草々」は、急ぎの用件で挨拶を省略する場合に使うものなので、履歴書の送付状には不適切です。
4. 同封書類について(記書き)
最後に、同封物の内容と枚数をリストアップします。
中央に「記」と書き、その下に書類名を箇条書きにします。全て書き終えたら、右下に「以上」と記入して完了です。
スカウトサービス登録はこちら履歴書の送付状のNG例
送付状でやってはいけないNG例を紹介します。封筒に入れる前に、以下のミスがないか必ずチェックしましょう。
1. 定型文の「丸写し」しか書いていない
送付状の構成はある程度決まっていますが、ネット上のテンプレートをそのままコピー&ペーストするのは推奨できません。
採用担当者は多くの応募書類を見ているため、ありきたりな定型文はすぐに見抜かれます。「自分の言葉」がないと、熱意が伝わらないばかりか、手抜きといった悪い印象を与えかねません。特に「志望の経緯」や「自己PR」は、必ず自分の言葉で書きましょう。
ただし、冒頭の「時候の挨拶」に関しては、マナーとして定型文を使うのが正解です。ここはオリジナリティよりも、正しい言葉遣いができているかが重視されます。
2. 日付や連絡先の記載漏れ
送付状は正式なビジネス書類です。日付や差出人の情報が抜けていると、それだけで「注意不足」と評価されかねません。
特に電話番号や住所などの連絡先は重要です。もし履歴書本体に記入ミスがあった場合、送付状の連絡先を見て確認の連絡が来る可能性があるからです。リスク管理の面でも、記載漏れがないか徹底して確認してください。
3. 会社名・担当者名の誤字脱字
宛名のミスは致命的です。会社名は「(株)」などで省略せず、正式名称で記載してください。
また、担当者名を間違えるのは、初対面の相手の名前を呼び間違えるのと同じで大変失礼です。企業サイトなどで正しい漢字を確認し、絶対に間違えないようにしましょう。
4. 自己PRが長すぎる
送付状はあくまで「挨拶状」です。職務経歴書に書くべき詳細な自己PRを、送付状に長々と書くのはNGです。
文章が長すぎると、採用担当者に読まれないだけでなく、「要点を簡潔にまとめる能力がない」と判断されるリスクがあります。送付状でのアピールは数行程度にとどめ、スッキリと読みやすい分量を心がけましょう。
スカウトサービス登録はこちら履歴書の送付状が不要なケース
送付状(添え状)は、あくまで書類を「郵送する場合」に必要なビジネスマナーです。以下のケースでは、わざわざ送付状を作成する必要はありません。
1. 面接に持参して手渡しする場合
面接の当日に履歴書を持参する場合は、送付状は不要です。
採用担当者へ直接手渡すことができるため、送付状の役割である「挨拶」や「内容確認」をその場で口頭で行えるからです。封筒から出し、「履歴書をお持ちしました。本日はよろしくお願いいたします」と一言添えて渡しましょう。
2. メールで送付する場合
PDFなどのデータで履歴書を送る場合も、別途送付状のファイル(WordやPDFなど)を添付する必要はありません。
メールの「本文」そのものが送付状の代わりになります。件名を分かりやすくし、本文に宛名・挨拶・添付内容などを記載して送信してください。
スカウトサービス登録はこちら送付状に関するQ&A
最後に、送付状に関してよくある疑問をQ&A形式でまとめました。
Q. 送付状を入れ忘れた場合、送り直すべきですか?
A. いいえ、送り直す必要はありません。
送付状はあくまでマナーの範囲内であり、合否を左右する重要書類ではありません。「入れ忘れてしまった」と焦って履歴書を再送すると、かえって採用担当者の管理の手間を増やしてしまいます。気づいてもそのままにしておきましょう。
Q. 送付状は「手書き」の方が熱意が伝わりますか?
A. いいえ、ビジネス文書なのでPC作成が理想です。
送付状は「挨拶」と「目録」の役割を持つ事務的な書類です。熱意をアピールする場ではないため、読みやすさを優先してパソコンで作成しましょう。手書きにしたからといって評価が上がることは基本的にありません。
Q. 送付状がないと、採用に不利になりますか?
A. 合否が決まるほどの影響力はありません。
ただし、送付状があることで「ビジネスマナーが身についている」という良い印象を与えることはできます。加点というよりは、社会人としての基本ができているかを確認する要素と考え、できるだけ添付するようにしましょう。
Q. どのサイズの封筒を使えばいいですか?
A. 「角形2号」または「角形A4号」がおすすめです。
A4サイズの書類を折らずに入れられる封筒を選んでください。履歴書に折り目がつかないため、採用担当者がコピーをとったり管理したりしやすくなります。色やデザインは、白や茶色のシンプルなビジネス用を選びましょう。
スカウトサービス登録はこちらまとめ
履歴書を郵送する際は、ビジネスマナーとして送付状(添え状)を必ず同封しましょう。
送付状の出来栄えだけで合否が決まることは稀ですが、ルールが守られていないと、履歴書の中身を見る前に「マナー不足」というマイナスの第一印象を与えかねません。
書き方の決まりはシンプルです。「誰が・いつ・何を」といった基本情報を漏らさず記載すれば問題ありません。採用担当者が気持ちよく書類を確認できるよう、丁寧で読みやすい送付状作成を心がけてください。
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