「社会福祉士はやめとけ」理由は?向いている人の特徴からメリットまで徹底解説
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ちまたでは「社会福祉士はやめておけ」、「大変だからやめたほうがいい」という声も一部あがっていますが、具体的にどういった理由でそういった声が上がっているのでしょうか?
この記事では、社会福祉士が「やめとけ」といわれる理由から、逆に向いている人やメリット、よくある質問まで解説していきます。
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目次
「社会福祉士はやめとけ」理由は?
ネット上などで「社会福祉士 やめとけ」、「大変だからやめたほうがいい」という投稿や記事が一部あがっています。具体的にどういった理由でそういった声が上がっているのでしょうか?
人間関係に疲れてしまうから
社会福祉士の仕事柄、様々な人とかかわり連携していくため、人間関係によるストレスはどうしても発生しやすい傾向にあるようです。
例えば、相談者から要望をきいたあと、それを行政担当者へ伝達して指示をもらう役割があります。加えて、相談者のご家族からの相談やコミュニケーションもありますし、医療機関との連携も求められます。
このように、それぞれ異なる立場の人の間でいたばさみになってしまい、人間関係に疲弊してしまう人もいます。
精神的な負担が大きいこともあるから
そもそも社会福祉士が相談をうける問題は、相談者が1人では解決できないシビアな悩みも多いです。そのため相談内容の重大さから「なんとかしなくてはいけない」というプレッシャーに押しつぶされてしまう人もいるようです。
相談内容がシビアということは、相談者の感情もネガティブになっていることが想定できます。相談を受ける側も真剣に向き合おうとして感情が引っ張られてしまうことがあるかもしれません。
努力が報われないこともあるから
相談者の悩みに対して精いっぱい頑張って対応するも、うまく解決できずに無力感を感じてしまったり、逆に迷惑だと断られてしまったりすることもあるようです。こういったように相手のためを思ってとった行動が、裏目に出てしまうと、強く苦労を感じてしまう人もいるようです。
仕事内容の割に年収が高くないことがあるから
社会福祉士の仕事内容は、様々な連携を行っていくうえで、精神的な負担やプレッシャーもあるにもかかわらず、給与がそれらに見合っていないのではないかという声もあります。
ではいったい社会福祉士の給与相場はどのくらいなのでしょうか?厚生労働省が公開している職業情報提供サイトのjob tagによれば、令和5年における社会福祉士を含めた福祉ソーシャルワーカーの平均年収は「約425万円」となっています。
令和5年に国税庁が発表した民間給与実態統計調査結果によれば、給与所得者全体の平均年収は「約460万円」ですので、福祉ソ-シャルワーカーという職種は同年の全体平均を下回っています。
また社会福祉振興・試験センターが公開している社会福祉士就労状況調査結果報告書によれば、令和元年における社会福祉士のみの平均年収は「約403万円」ですが、同年における給与所得者全体の平均年収「約438万円」であり、国家資格という枠組みでも給与が低い傾向にあるようです。
業務独占資格ではないから
社会福祉士は業務独占資格ではなく名称独占資格ですので、この資格がなければできない仕事というものはありません。そのため資格を取ってもあまり意味がないという人もいるようです。しかし国家資格ですので、福祉業界においては専門的なスキルの証明になり、キャリアアップを狙うことができます。
転職には実務経験が求められるから
社会福祉士の求人では実務経験を問われることがあるため、資格を取り立てで実務経験が無かったり浅い人にとっては、転職できる仕事がみつからないということもありうるようです。
社会福祉士が働く現場では、人手不足により0から教育する体制が整っていないこともあります。そのため国家資格である社会福祉士として働くということは、それなりの知識や経験も求められることがあります。
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社会福祉士のやりがいは?
社会福祉士はやめとけと言われる理由について紹介しましたが、実際働いている人はたくさんいます。では、逆に社会福祉士として働くうえでのやりがいにはどのようなものがあるのでしょうか?
専門知識で活躍できる達成感
社会福祉士は業務独占資格ですが、逆に言えばその人の経験・知識が重宝されます。そのため相談者さんのお悩みに対して、担当の社会福祉士さんの経験により最適なサポートを提案できたとき、そこでは大きな達成感を感じることができます。
このように相談援助のお仕事は、資格があればできるというものでもなく、これまでの経験や知識がフルに活かせるので、長い目で見て仕事を続けていくうえでは継続できなやりがいに直結すると言えます。
地域に貢献できて、感謝してもらえる
社会福祉士は相談援助だけでなく、お医者さんや看護師さん、保健師さんや心理士さんなど幅広いスタッフとの連携も行っていくため、各分野のプロフェッショナルとともに地域課題を解決していけるスケールの大きな達成感も得ることができます。
また最適なサポートを提案してあげることで相談者さんから感謝されるというのは、仕事とはいえ純粋に喜しいですし、逆に言えば仕事上で人に感謝される喜びを知れるというのは、貴重なチャンスともいえます。
将来性と幅広い分野のニーズ
少子高齢化の進む社会では、傾向として福祉サービスのニーズも高まっているため、相談援助をはじめとした社会福祉士の仕事は将来性が高いといえます。
また相談援助といった社会福祉士のお仕事は、様々な分野で求められるため、福祉施設・介護施設だけでなく、医療機関や公的機関、学校まで、資格と経験を活かして働いてみたい場所にチャレンジすることができます。
仕事は嫌なことだけではない
ここまで社会福祉士のやりがいについて紹介しましたが、「やめとけ」と言われる理由と一緒に考えてみると、社会福祉士に限らずどの仕事にも嫌なこと・やりがいというのはあるといえるでしょう。
あなたのやりたいことや状況に応じて、向き・不向きはあると思います。どんな仕事や職種においても、総合的に自分に合っているなと思うもの、逆にいえば大変そうで不安だけどやってみたいなと思えるものを仕事にしてみるのは人生において大事な選択なのではないでしょうか。
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社会福祉士に向いている人とは?
社会福祉士に向いている人にはどういった共通点があるのでしょうか?
福祉に興味がある人
日常生活などにサポートが必要な、高齢者・障がいがある方・子どもや子育て・生活困窮者などの福祉に貢献していきたい方は、社会福祉士に向いていると言えます。
福祉を必要としている職場は、介護業界や医療業界、公共自治体などはばひろいニーズがあるので、自分のやりたいことに合わせた職場選びをしていきましょう。
生活相談員として働く人
社会福祉士の仕事内容の中でも最も重要なのは相談業務と言われています。また社会福祉士の国家資格を取得する上でも、相談業務の実務経験が必要となるケースが少なくありません。
社会福祉士という仕事と切っても切り離せないのが、この相談業務ですので、既に生活相談員の仕事をしていたり、これから相談員としての仕事に教務がある方は、社会福祉士を取得することでキャリアアップを目指せるでしょう。
コミュニケーションが得意な人
社会福祉士の仕事は基本的にコミュニケーションです。相談者から悩みを聞き、解決するためのサービスを提案して、関係各所へ連絡・連携していきます。
また相談者さんは実際に支援を必要とするご本人だけでなく、そのご家族の方とのコミュニケーションが必要な場面も多くあります。ただ必要な知識で対応していくだけでは、心を開いてもらえず、悩みを解決するには至らないこともあるため、社会福祉士の仕事にはコミュニケーションが得意な方は向いているでしょう。
必要な知識について責任感と向上心がある人
社会福祉士が相談者さんの悩みを解決していくためには、法律や地域情報に精通している必要がありますので、法改正などにともなって常に最新の知識をアップデートしていくことが求められます。
このように悩みを抱えた人とそれを解決するサービスを提供していくためには、プロとして法整備や環境整備について責任を持てる方が向いていると言えます。
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社会福祉士の取得メリット
ここまで社会福祉士になる上でネガティブな面をリアルな観点で洗い出してきましたが、ここからは、実際に社会福祉士の資格を取得するメリットを紹介していきます。
国家資格という社会的信用
社会福祉士は国家資格なので、持っているのともっていないのとでは社会的信用も異なります。
例えばプライベートにおいても「相談員」の仕事というのと、「社会福祉士」の仕事というのでは後者の方が箔がつきますし、説明しやすいです。
また業務においても、相談者さん目線で「社会福祉士」の資格を有していると分かれば、安心して頼ってくれますし、名刺にも記載できます。
介護業界では給与が高い
社会福祉士は介護業界において、給与が高い傾向にあるようです。厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(161ページ)によれば、介護系の保有資格で比較した際に社会福祉士の平均給与がもっとも高い数字となっています。
保有資格名 | 平均月給額 |
---|---|
社会福祉士 | 397,620円 |
介護支援専門員 | 388,080円 |
介護福祉士 | 350,050円 |
実務者研修 | 327,260円 |
介護職員初任者研修 | 324,830円 |
無資格 | 290,620円 |
参照元:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果 161ページ」
同じ国家資格である介護福祉士や、上位資格の介護支援専門員よりも高い平均給与額となっています。年度によっては変動があるかもしれませんが、介護業界で給与を上げたいのであれば、社会福祉士の資格取得はメリットとなるでしょう。
介護業界でのキャリアアップ例
社会福祉士の資格を取得することで、介護業界でのキャリアアップについてご紹介します。代表的なものだと、上位資格の「介護支援専門員」は社会福祉士として5年且つ900日以上従事することで、受験資格を得ることができます。
また「特別養護老人ホームの施設長」になる要件に、社会福祉士もあてはまることから、「介護施設長・管理者」という役職につくことでも給与アップを狙うことができます。
社会福祉士の資格を持っていれば「社会福祉主事の要件」は満たしますので、社会福祉事業に2年以上従事し、「社会福祉施設庁資格認定講習会」を受講すれば、役職をつける機会を得ることができます。
参照元「厚生労働省:施設長の資格要件等」
転職先の選択肢がひろがる
社会福祉士の資格を活かして活躍できる職場は多くの種類がありますので、各業界ごとに紹介していきます。
介護業界
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護老人保健施設
- 介護医療院・介護療養型医療施設
- 地域包括支援センター
- 地域密着型サービス事業所
- 居宅サービス事業所
- 居宅介護支援事業所
社会福祉振興・試験センターの「令和2年度社会福祉士就労状況調査結果報告書」によれば、介護施設が上記の通りいくつかヒットします。施設の利用者さんやそのご家族からの相談に応じて支援を行っていくことがメイン業務となります。
介護業界では相談支援業務をする場合「生活相談員」や「福祉コーディネーター」と呼ばれることもあり、社会福祉士だけでなく、介護福祉士の資格も持ち合わせているケースがあります。
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医療業界
- 病院
- クリニック
医療業界の社会福祉士としての職場は、病院内や特に在宅系のクリニックがあげられます。医療系の職場では「医療ソーシャルワーカー」や「MSW」と呼ばれることもあり、病院の入退院時の相談支援や、在宅医療における相談支援を行うことが多い傾向にあるでしょう。
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障がい者福祉関連
- 身体障がい者更生相談所
- 知的障がい者更生相談所
- 障がい者支援施設
- 基幹相談支援センター
- 相談支援事業所
- 就労支援事業所
- 障がい者職業センター
- 障がい者・生活支援センター
障がい者福祉施設での社会福祉士としての仕事は、障がいのある方が地域社会で自立して生活していける支援です。ここでは日常的な生活の介助・援助によって生活支援を行いながら、利用者様やご家族の相談に応じていき、「生活指導員」と呼ばれることがあります。
就労支援事業所では、「職業指導員」「就労支援員」と呼ばれ、障害のある方が実際に就労していくことをサポートしていきます。
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行政・司法・公的機関
- 公共職業安定所:ハローワーク
- 児童相談所
- 社会福祉協議会
- 乳児院・児童養護施設・母子生活支援施設
- ひきこもり地域支援センター
- 矯正施設:少年院・刑務所
- 保護観察所
- 更生保護施設
- 地域生活定着支援センター
- 都道府県庁
- 区役所・市町村役場
都道府県や市区町村で働く社会福祉士は、地方公務員として各庁や役場の福祉課勤務となることが多く、地域住民の方や地域施設の利用者さんからの相談や福祉サービスの案内などが主な仕事内容となります。
児童相談所に勤務する社会福祉士は、子供や乳幼児と保護者の両方に支援を行う「児童福祉士」と呼ばれます。また矯正施設では「福祉専門官」と呼ばれ、受刑者の出所にともなう社会復帰の調整を行います。
参照元「法務省:福祉専門官選考採用」
教育機関
- 保育所
- 小学校
- 中学校
- 高等学校
- 大学・短大
教育機関に勤める社会福祉士は、不登校やいじめといった児童や生徒間の問題解決を行います。本人だけでなく保護者とも面談し、原因を分析したうえで情報提供の連携を行っていき、「スクールソーシャルワーカー(SSW)」と呼ばれます。
参照元「令和2年度就労状況調査結果」
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社会福祉士のよくある質問
社会福祉士が勝ち組といわれるのはなぜ?
社会福祉士が勝ち組と言われる由縁として、仕事として安定して高いニーズがあり、キャリアパスも広いことがあげられます。少子高齢者社会において高齢者の方・障がい者の方は増えている傾向にあり、今後も福祉支援のニーズは高まっていくと考えられます。
また社会福祉士は紹介したように、介護施設・障がい者福祉施設から公的機関まで、はばひろい就業場所があり、それぞれでキャリアアップを目指すことができますので、資格を持っていればいろいろなことに挑戦できるという意味でも「勝ち組」という印象をもたれるのかもしれません。
社会福祉士は35歳から挑戦できる?
社会福祉士の代表的な仕事である相談援助という業務は、特に中途転職市場において、かなり実務経験を重視される傾向にあるようです。
業務の特性上、実際に経験していくことで見につくものですので、最初は介護職等で現場の経験を積んでいったうえで生活相談員になる方もいます。
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まとめ

社会福祉士はやめとけと言われるのは、業務の性質上、人間関係のストレスや精神的負担が理由となっているようです。
ですが、ご紹介したように社会福祉士を取得するメリットもあります。ご自身のキャリアや生活状況によっては、社会福祉士という資格がいい影響をもたらしてくれる可能性も十分にあります。
社会の動向としても福祉サービスのニーズは高まっているので、将来性も踏まえて社会福祉士を1つの選択肢や指標としてみるのはありなのではないでしょうか?
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