公認心理師試験|最新の合格率・勉強方法などをまとめて紹介
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公認心理師は、2015年に成立した「公認心理師法」に基づく、心理職の国家資格です。
その業務は、大きく分けて「心理状態の観察と分析」「相談・助言・指導」「関係者への援助」「心の健康に関する知識の普及」の4つに分類されています。
本記事では公認心理師の試験について、その概要や最新の合格率などを紹介していきます。
公認心理師の資格取得を目指している方はぜひ参考にしてください。
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【最新版】公認心理師の試験概要
まずは公認心理師の試験について、最新情報を確認していきましょう。
次回の第9回試験について
2025年8月現在、第9回試験の概要は発表されていません。
第7回試験は2024年3月3日に実施され、第8回試験は2025年3月2日であったことから、 第9回試験は2026年3月頃であると予想されます。
また、第8回試験の申し込み期間は2024年12月2日から2024年12月27日までだったため、
第9回試験の申し込み期間は2025年12月であると予想されます。
※必ず最新情報を確認してください。
第8回・2025年3月に実施された試験について
| 試験日 | 2025年3月2日(日) |
| 試験地 | 東京都、大阪府 |
| 合格発表 | 2025年3月28日(金) |
| 受験手数料 | 28,700円 |
| 合格基準 | 総得点の60%程度以上を基準とし、 問題の難易度で補正する |
| 出題形式 | マークシート形式 5つまたは4つの選択肢から1つを選択 |
| 試験時間 | 午前120分・午後120分 |
| 問題数 | 午前77問・午後77問 |
受験の申し込みについて
申し込みの手順は以下の通りです。
①一般財団法人公認心理師試験研修センターのHP内の「受験関連書類作成システム」からメールアドレスを登録。
②必要情報を入力後、申込書類をダウンロード。
③書類を郵送して申込完了。ただし、提出書類は受験申込区分によって異なるので要確認。
出題範囲
試験ごとに「公認心理師試験出題基準・ブループリント」が一般財団法人公認心理師試験研修センターから発行されているので、出題範囲はそこから確認することが出来ます。
ブループリント(公認心理師試験設計表)は、公認心理師試験出題基準の各大項目の出題割合を示したものです。
2025年8月・第8回試験:令和7年版 公認心理師試験出題基準・ブループリント
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公認心理師試験の受験資格は、以下の表のとおり区分ごとに分かれています。
| 区分A | 4年生大学において指定科目を修了し、大学院において指定科目を修了した者。 |
| 区分B | 4年生大学において指定科目を修了し、指定されたプログラム施設で2年以上の実務経験がある者。 |
| 区分C | 区分Aと区分Bと同等以上の知識及び技能を有すると認定された者。 |
| 区分DⅠ | 平成29年9月15日以前に大学院において指定科目を修了。 |
| 区分DⅡ | 平成29年9月15日以前に大学院に入学し、平成29年9月15日以後に指定科目を修了した者。 |
| 区分E | 平成29年9月15日以前に4年生大学において指定科目を修了し、平成29年9月15日以後に指定科目を修了した者。 |
| 区分F | 平成29年9月15日以前に4年生大学において指定科目を修了し、指定されたプログラム施設で2年以上の実務経験がある者。 |
| 区分G | ※この区分の受験は第5回公認心理師試験で修了。 |
実務経験の条件を満たすプログラム施設とは
実務経験が認められるのは、文部科学大臣及び厚生労働大臣が指定する「特定施設」に限られます。
公認心理師として必要な知識や技能を効果的に習得できる環境が整っている、と認められた場所がそれに当たります。
厚生労働省「公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ」で確認できます。
必要な科目を開講している大学の探し方
また、受験資格を満たすために必要な大学及び大学院での指定科目を開講している大学も同様に 厚生労働省「公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ」で確認することができます。
【完全ガイド】公認心理師になるには?受験資格と7つのルートを徹底解説!
公認心理師資格基本情報から、7つの受験ルート、そして実務経験の有無や具体的な条件、さらには最短で資格取得する方法まで、解説します。
詳細を見る公認心理師試験の合格率と受験者数
続いては、公認心理師試験の合格率及び受験者数を紹介していきます。
最新の合格率は66.9%
以下の表は直近3年間の公認心理師試験の合格率・受験者数のデータです。
受験者数は横ばいですが、合格率は直近の第8回試験では70%をきっており、例年より難易度が上がったようです。
| 試験日 | 合格率 | 受験者数 |
|---|---|---|
| 第8回・2025年3月2日 | 66.9% | 2,174人 |
| 第7回・2024年3月3日 | 76.2% | 2,089人 |
| 第6回・2023年5月14日 | 73.8% | 2,020人 |
受験資格区分別の合格率と受験者数
受験資格の区分ごとの合格率及び受験者数を紹介していきます。
区分A
| 試験日 | 合格率 | 受験者数 |
|---|---|---|
| 第8回・2025年3月 | 77.2% | 1,639人 |
| 第7回・2024年3月 | 90.1% | 1,357人 |
| 第6回・2023年5月 | 94.9% | 59人 |
区分Aは基本的なルートの1つとされ、受験者数も多く、注目されてる区分です。
4年制大学で必要科目を修了し、大学院でさらに専門的な科目を修了した人が対象となり、高い専門性を有しているため合格率は高い傾向にあります。
区分B
第8回 2025年3月試験の合格率:78.9%
区分Bの対象となるのは実務経験が重視されており、その点で区分Aとは異なります。
知識と実務経験で得たものをバランスよく自分に落とし込むことができているかが課題となります。
区分C
第8回 2025年3月試験の合格率:61.5%
区分Cは「区分Aと区分Bと同等以上の知識及び技能を有すると認定された者」とされており、外国の大学や大学院にて指定科目を履修した人も審査の対象となります。
合格率は依然として高い水準ではありますが、人によっては学習環境などが異なるため、日本の試験に慣れておくと安心です。
区分DⅠ
第8回 2025年3月試験の合格率:30.2%
区分DⅠは公認心理師法が施行された平成29年以前に大学院を修了した人、と期間が限定されており
大学院を修了した人(区分A)の合格率と比較すると低くなっています。
既に知識を持っているとはいえ、最新の試験の傾向なども確認しながら準備しておくとよいでしょう。
区分DⅡ
第8回 2025年3月試験の合格率:14.9%
区分DⅡの合格率は区分DⅠと大きく変わりません。同様に最新の情報に注意しましょう。
区分E
第8回 2025年3月試験の合格率:36.1%
区分Eは、公認心理師法の施行前に基礎教育を受け、施行後には必要な専門知識を補完する教育を受けている人が該当します。
そのため区分Aと同様に合格率は高い傾向にあります。
区分F
第8回 2025年3月試験の合格率:75.0%
区分Fは平成29年以前に大学にて指定科目修了後、指定のプログラム施設で2年以上の実務経験がある人が対象です。そのため数年間は該当者はいませんでしたが、高い合格率が期待できる区分といえるでしょう。
年齢別で見る合格者の割合
| 試験日 | ~30歳 | 31~40歳 | 41~50歳 | 51~60歳 | 61~歳 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第8回・2025年3月 | 88.2% | 5.3% | 3.0% | 2.2% | 1.3% |
| 第7回・2024年3月 | 90% | 5.2% | 2.4% | 1.4% | 0.9% |
| 第6回・2023年5月 | 84% | 7.4% | 3.8% | 2.5% | 2.3% |
受験者数計2,174人のうち、30歳までの合格者が1,282人(第8回・2025年の試験)と、ほとんどが若い世代に集中しているようです。
公認心理師と臨床心理士の合格率の比較
| 試験日 | 公認心理師・合格率 | 臨床心理士・合格率 |
|---|---|---|
| 2025年 | 66.9% | 10月に試験実施 |
| 2024年 | 76.2% | 66.1% |
| 2023年 | 73.8% | 66.5% |
| 2022年 | 48.3% | 64.8% |
| 2021年 | 58.6% | 65.4% |
国家資格である公認心理師に対し、民間資格の臨床心理士の方が直近の合格率はやや低く推移しています。
ですが、公認心理師の合格率はバラつきも目立つので、試験ごとの難易度にも差があることが予想できます。そのことを踏まえると、公認心理師試験の方がやや難易度は高いともいえそうです。
公認心理師と臨床心理士、受験資格の違い
本記事の前半で説明している通り、公認心理師の受験資格は複数の区分に分かれていますが、基本的には以下の2つです。
区分A:4年生大学において指定科目を修了し、大学院において指定科目を修了した者。
区分B:4年生大学において指定科目を修了し、指定されたプログラム施設で2年以上の実務経験がある者。
一方、臨床心理士の受験資格も複数ありますが、基本的には日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院を修了することが必要です。
公認心理師とは異なり、大学での専攻は関係なく、どの学部を卒業していても支障はありません。
詳細は公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会のサイトで確認できます。
公認心理師試験の勉強方法
続いて、試験の勉強方法を具体的にご紹介します。
勉強方法は人によって合う・合わないがあるので、自分に合った方法で進めるのが一番ですが、
何から手を付ければいいかわからない、という方はぜひ参考にしてください。
勉強方法①ブループリントを確認する
ブループリントとは、一般財団法人公認心理師試験研修センターが公開している試験の出題範囲や内容を示したガイドラインであり、どのような知識が求められるのかが分かります。
2025年8月・第8回試験:令和7年版 公認心理師試験出題基準・ブループリント
勉強方法②問題集に取り組む
公認心理師試験の問題集は市販でもいくつかあるので、自分にあったものを使用するとよいでしょう。
一般的に、複数の問題集に手を付けるより、1,2冊をやりこむ方が効果的です。
例:株式会社講談社より出版されている問題集「赤本 公認心理師国試対策2025」
勉強方法③過去問を解いてみる
一般財団法人 公認心理師試験研修センターのHP内にて、過去問と正答が掲載されています。
直近3年分の過去問を2,3周できれば安心です。実際の試験をイメージして、時間を測りながら解いてみると良いでしょう。
公認心理師試験の勉強時間・試験までのスケジュール
最後に試験勉強にかかる時間の目安、そして試験までのスケジュール例を紹介します。
勉強時間の目安は250~450時間
公認心理師試験の勉強時間はおおよそ250~450時間程度必要とされています。
区分Aに該当する受験者がほとんどですが、修士論文や就職活動などとの時間調整も必要なので、余裕をもったスケジュール管理が求められます。
8月には動きだせていると安心
例年通り試験が3月と仮定した場合の試験までの理想的なスケジュールは、以下のとおりです。
8月 ブループリントを確認
9月~10月 問題集に取り組む
11月~12月 過去問を繰り返し解く
1月 苦手分野の対策・事例問題の対策
2月 本番を想定して演習、総復習
まとめ
公認心理師試験では、心理学の基礎知識をはじめ、臨床心理学、発達心理学、社会心理学、神経心理学、実験心理学など、心理学の幅広い分野から出題されます。
試験は約150問、試験時間は午前と午後で計4時間と長めに設定されており、広い知識が求められていることが分かります。
2025年3月試験の合格率は66.9%で、受験者数の多い区分Aだけで見ると77.2%でした。
出題範囲は広いものの、大学で学んだ内容をしっかり振り返り、スケジュールに余裕をもって準備ができれば、合格が見込めます。
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