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歯科衛生士になるには?資格取得までの過程について解説

  • 更新日
投稿者:小松 和貴

歯科には欠かせない存在である歯科衛生士。歯科衛生士になるためには、どのようなステップを踏んでいく必要があるかご存じでしょうか。

今回の記事では、歯科衛生士についての概要はもちろん、資格取得の過程や歯科衛生士国家試験などについて紹介していきます。これから歯科衛生士を目指されている方は、ぜひ参考にしてください。

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目次



1.歯科衛生士とは?

まず初めに、「そもそも歯科衛生士とはどのようなお仕事なのか」ということについてお話ししていきます。


歯科衛生士とは、歯科衛生士国家試験に合格することで取得できる資格のことです。一度取得してしまえば一生役立つ資格となっています。主に歯科医院で歯の治療をサポートを行う仕事です。近年、予防歯科を重視する風潮になってきているため、歯科衛生士の需要が高まっています。


仕事内容

歯科衛生士の仕事として、具体的に以下のものが挙げられます。


  • 予防処置
  • 診療補助
  • 保健指導

これらの業務は総称して、歯科衛生士の「三大業務」と呼ばれているのです。それぞれについて、詳しくみていきましょう。


予防処置

日本人の多くが歯科の二大疾患と呼ばれる「むし歯」と「歯周病」を患っており、これらの発症を防ぐために行うのが予防処置です。予防処置では以下のことを行います。


  • 機械的歯面清掃として歯石やプラークの除去作業
  • 歯や口腔疾患の予防としてフッ化物塗布

診療補助

歯科診療においては、歯科医師を中心にチームで治療を行うことになります。そうした中で、歯科衛生士は歯科医師の指示を受けながら治療の一部を任されたり、診療補助を行ったりします。


診療補助の内容には様々なものがあり、歯科衛生士はスムーズに診療を行うために重要な役割を担っているのです。


保健指導

この他に、歯科衛生士の仕事として保健指導も挙げられます。現代において、多くの人を悩ませているのが「むし歯」や「歯周病」などの生活習慣病です。こうした病気を未然に防ぐためには、患者様の生活習慣を改善するだけではなく、セルフケアを行ってもらう必要があります。具体的には以下のことを行います。


  • 歯磨き指導
  • 食べ物の食べ方や噛み方などの食育支援
  • 高齢者が食べ物をうまく飲み込むための摂食機能訓練

患者に説明する歯科衛生士

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歯科助手との違い

歯科衛生士と混同される職業として、歯科助手があります。両者はよく似た仕事ではあるものの、「国家資格」を所持しているかどうかという点で違いがあるのです。歯科衛生士は、歯科衛生士法という法律に基づいた国家資格となっており、取得するためには必修科目や修業年限が定められています。


それに対し、歯科助手には歯科衛生士のような法的基準が存在していません。そのため、歯科助手は診療補助や保健指導を行うことができるものの、歯科衛生士の仕事内容として上述した「歯石除去」などの医療行為ができません。このようなことから、歯科衛生士は医療従事者、歯科助手は一般事務職という扱いになっています。


給料

では、歯科衛生士の給料はどれくらいなのでしょうか。厚生労働省の発表によると、具体的な給与は以下のようになっています。


月額給与 278,600円
年間賞与 523,300円
平均年収 3,866,500円

出典:厚生労働省「令和3年度 賃金構造基本統計調査」


働く職場にもよりますが、一般的には働いているスタッフの人数が少ない(10人未満)歯科医院よりも、規模の大きい歯科医院の方が給与が高めになる傾向があります。もし、なるべく高収入を狙いたいとお考えであれば、比較的大きめの歯科医院に就職するのが良いでしょう。

笑顔の歯科衛生士たち

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職場

歯科衛生士が活躍できる職場は多岐にわたります。ここでは、歯科衛生士の就職先について詳しく見ていきましょう。


歯科医院

まず、最も代表的な職場として挙げられるのが、歯科医院です。歯科医院は全国に68,000件以上あり、歯科衛生士の約9割が歯科医院に勤務しており、都市部から住宅地まで求人数も豊富に存在します。


歯科医院には一般歯科だけではなく、「小児歯科」「矯正歯科」「口腔外科」など、特定の専門分野に特化している歯科医院も存在します。より専門的なスキルを習得したいと思われる方は、こうした医院に就職することも選択肢の一つです。



病院

大学病院や総合病院の歯科・口腔外科なども歯科衛生士の就職先の一つです。歯科衛生士全体のうち、約5%程度が病院に勤務しているとされます。


病院における歯科衛生士の仕事は、「歯科診療の補助」「手術の準備や補助」「口腔ケア」など幅広く、歯科医院と比較すると多様な患者様に対応することになるため、豊富な経験を積むことができます。また、研修や勉強会が充実しているので、スキルアップの機会が多いことも特徴です。


他の医科との連携など病院特有の大変さもありますが、その分やりがいもあるため、向上心がある人には最適な職場と言えるでしょう。



介護施設

この他に、歯科衛生士の就職先には介護施設も挙げられます。高齢者も健康意識が高い方が増えており、健康寿命を延ばすための口腔ケアは日々ニーズが高まっています。


介護施設における業務においては、「歯みがきや義歯(入れ歯)の洗浄」「口腔内の細菌の除去」「乾燥した口腔の保湿やマッサージ」などが挙げられます。また、利用者だけではなく、介護士への口腔ケアなども仕事の一つです。なお、実務経験が5年以上の歯科衛生士はケアマネージャーの受験資格が与えられるため、キャリアアップを狙うこともできます。


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2.歯科衛生士になるためには

では、ここからは本記事のテーマでもある歯科衛生士になるまでの過程についてご紹介していきます。


歯科衛生士になるには、以下の手順を踏まなければなりません。


1.高校を卒業する

2.大学・養成校で3年以上学習し、卒業

3.歯科衛生士試験に合格する

4.資格を取得する


ここでは、歯科衛生士の養成機関や国家試験の概要について、具体的に解説していきます。


歯科衛生士養成機関

歯科衛生士の受験資格を手にするためには、文部科学大臣または都道府県知事指定の歯科衛生士養成機関にて3年以上学ぶことが必要です。以前は2年間で受験資格を得ることが可能でしたが、2010年までには全ての養成機関で3年以上学ぶことが要件となりました。


歯科衛生士養成機関には、「専門学校」「短期大学」「大学」の3つが挙げられます。全国に170校ほどありますが、そのほとんどが専門学校です。


専門学校

まず、歯科衛生士の専門学校です。専門学校は3年制となっており、学費は合計で300万円〜400万円程度掛かります。専門学校には夜間学部のある学校も多く、仕事をしながら通うことも可能です。夜間学部の方が、昼間部よりも学費が比較的低めです。


専門学校に通う場合、歯科衛生士になるためのカリキュラムを3年で効率よく勉強することができます。


短期大学

次に、短期大学に通う方法です。短期大学の学費は私立で300万円〜400万円程度、公立の場合は150万円程度となっています。短期大学の特徴として、歯科衛生士を目指しながら、他の職業についての可能性も模索できることが挙げられるでしょう。歯科分野だけではなく、一般教養の講義も行われているため、学習範囲が広いです。


卒業すると学士の称号を得られるのも魅力と言えます。


大学

この他に、4年制の大学に通う方法もあります。4年制の大学である場合、学費は私立で500万円〜600万円程度、公立の場合は250万円程度です。4年制の大学で学ぶ場合、上述した短期大学よりも1年長く学習することになるため、様々な分野の学習ができます。また、短期大学と同じく歯科衛生士以外の進路も幅広いです。卒業することで、学士の称号も得られます。


多くの分野を学びながら、他の職業についても視野を広げたい方は4年制大学を選択するのがおすすめです。


歯科衛生士国家試験

歯科衛生士になるためには、上述した養成期間を経たのち、国家試験に合格する必要があります。上記の歯科衛生士養成機関のうち、いずれかを卒業すると受験資格を得ることが可能です。なお、試験の概要は以下のようになっています。


【実施日】年1回、毎年3月初旬の日曜日に実施

【合格発表】3月下旬

【試験会場】

令和4年は北海道、宮城県、千葉県、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県(全都道府県で実施しているわけではない)

【試験科目】

  • 人体(歯・口腔を除く。)の構造と機能
  • 歯・口腔の構造と機能
  • 疾病の成り立ち及び回復過程の促進
  • 歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み
  • 歯科衛生士概論
  • 臨床歯科医学
  • 歯科予防処置論
  • 歯科保健指導論及び歯科診療補助論

【合格基準】正答率60%程度(220点中132点以上)


直近の試験結果

また、直近の試験結果は以下の通りです。


開催回(年) 受験者数 合格者数 合格率
第31回(令和4年) 7,416名 7,087名 95.6%
第30回(令和3年) 7,099名 6,624名 93.3%
第29回(令和3年) 7,216名 6,808名 94.3%
第28回(平成31年) 7,207名 6,934名 96.2%
第27回(平成30年) 7,374名 7,087名 96.1%

出典:公益財団法人日本歯科衛生士会「歯科衛生士国家試験合格者数」


この結果からも分かるように、毎年7,000人以上が受験しており、その合格率は9割以上です。しっかりと対策を行えば、合格すること自体は難しくない試験と言えるでしょう。


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3.歯科衛生士がキャリアアップできる資格

歯科衛生士の資格は一度取得すれば更新の必要はありませんが、歯科衛生士としてキャリアアップ・スキルアップしたい場合、新たな資格を取得するのがおすすめです。歯科衛生士の資格についていくつか紹介していきます


  • 日本歯科衛生学会 認定歯科衛生士
  • 日本小児歯科学会 認定歯科衛生士
  • 日本臨床歯周病学会 認定歯科衛生士
  • 日本口腔インプラント学会 インプラント専門歯科衛生士
  • 日本成人矯正歯科学会 認定矯正歯科衛生士/li>
  • ホワイトニングコーディネーター/li>

日本歯科衛生学会 認定歯科衛生士

日本歯科衛生学会が運営する歯科衛生士の認定制度で、歯科衛生に関する学術や研究を行い、歯の健康や福祉面に貢献することを目指すのが特徴。 資格取得・認定には、日本歯科衛生学会の「生涯研修制度専門研修」30単位取得、歯科衛生士の実務経験3年以上、特定分野の実務経験1年以上などが条件となっています。


日本小児歯科学会 認定歯科衛生士

日本小児歯科学会が認定する資格制度で、小児歯科に関する知識・技術を学び、小児歯科での口腔ケア方法や、自分たちで歯を守る大切さを指導する能力などを育てることが目的です。

資格認定には、1年以上日本小児歯科学会の会員として在籍し、5年以上小児歯科学の研修や臨床の経験(もしくは同レベル業務の経験)と、定期的に学会に参加して認定歯科衛生士の申請時に研修30単位以上取得していることなどが条件となっています。


日本臨床歯周病学会 認定歯科衛生士

日本臨床歯周病学会が歯周病予防に関する知識や技術を広めるために作られた資格制度で、 歯周病に関する知識と技術を学び、地域貢献や技術発展につなげるのが目的です。

資格認定には、日本臨床歯周病学会の会員として2年以上在籍し、歯周病治療の経験(もしくは同レベルの業務の経験)3年以上、同学会が開催する年次大会や支部教育研修会へ3年間で2回以上の参加、認定歯科衛生士申請時に教育研修単位を30単位以上取得していることが条件となっています。さらに、歯周病患者5症例が提示されて1症例に関する口頭試問が実施されます。


日本口腔インプラント学会 インプラント専門歯科衛生士

口腔インプラントの治療やメンテナンスに関する知識・技術を認定する資格制度で、口腔インプラントの知識や施術技術の向上を図り、インプラント治療における医療事故や感染症発生を予防する事が目的です。

資格申請には、日本口腔インプラント学会の正会員2年以上、インプラント治療やメンテナンス業務の経験3年以上、インプラント専門歯科衛生士教育講座を2回以上受講することなどが条件となっています。


日本成人矯正歯科学会 認定矯正歯科衛生士

「日本成人矯正歯科学会 認定矯正歯科衛生士」は、矯正歯科に関するプロフェッショナルを認定する資格制度です。 矯正歯科を行うために必要な知識や技術の発展と、歯科衛生士への教育を進めていて、患者さんの健康や福祉面の充実に貢献することを目指しています。 認定矯正歯科衛生士には1級と2級があり、自身のレベルに合わせて取得する方を選択可能です。

資格認定を受けるには、日本成人矯正歯科学会の会員であり、3年以上学会が指定している医療機関において、実際に矯正歯科を行っていることなどが条件となっています。 2級から1級へ進級する場合には、「2級の取得から5年以上経過している」「学術大会において講演を実施する」といった条件のクリアが必要です。


ホワイトニングコーディネーター

一般社団法人日本歯科審美学会が認定を行っている資格です。 ホワイトニングによって歯を綺麗にすることは一般的となっていますが、正しく実施するには歯科衛生士が適切な技術と知識を保有していなければなりません。

そこでホワイトニングコーディネーターに注目が集まり、歯科衛生士の仕事に役立つ資格として普及しています。 ホワイトニングコーディネーターの資格を受験するには、歯科衛生士の免許を取得した上で日本歯科審美学会の会員になり、認定講習会を受講してから認定試験に合格しなければなりません。

歯科衛生士の仕事でホワイトニングに携わる機会が多いのなら、ホワイトニングコーディネーターを取得して業務に役立てることがおすすめです。


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4.歯科衛生士に向いている人

ここからは、歯科衛生士に向いている人の特徴について見ていきましょう。具体的な特徴について解説しますので、歯科衛生士資格の取得にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。


コミュニケーションをしっかり取れる人

まず、コミュニケーションをしっかり取れる人は、歯科衛生士に向いていると言えます。歯科衛生士の仕事は、子供から高齢者まで様々な年代の人を相手にしなければなりません。


上述したように、歯科衛生士のお仕事には歯磨き指導やその他の保健指導なども含まれます。なるべく分かりやすく説明しなければ、患者様にも理解してもらえないでしょう。こうしたことから、歯科衛生士にはコミュニケーション能力が必須です。


協調性がある人

また、歯科衛生士には協調性も求められます。歯科衛生士は歯科医師や歯科助手など、他の人と協力しながら患者様の治療を行っていかなければなりません。


効果的な治療をするためにはどうすれば良いか、チームワークを重視して取り組む姿勢が重要になります。そのため、周囲の人とうまく協調し、診療をスムーズに進められるような方は歯科衛生士に向いていると言えるでしょう。


物事を正確に進めていくことができる人

歯科衛生士の仕事は歯石除去や薬の塗布、診察補助など、その一つ一つに正確性が要求されます。非常に細かい作業が多いため、集中力のない人であれば患者様を傷つけてしまうことになりかねません。そのため、コツコツ物事を正確に進めていくことができる人は、歯科衛生士に適していると言えます。


向上心がある人

この他に、向上心がある人も歯科衛生士として適任です。近年の医療は日々進歩しており、常に新しい知識を吸収しながら働く必要があります。現状維持ばかりしていては、医療の進化についていけなくなってしまうでしょう。こうしたことから、最新の知識や技術については率先して勉強し、常に自分自身も高めていける方が向いていると言えます。


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5.まとめ

今回の記事では、歯科衛生士の仕事内容や、歯科衛生士になるにはどうすれば良いのかについて解説しました。歯科衛生士は予防歯科が注目されるようになった医科診療において、非常に重要な存在です。にもかかわらず、歯科衛生士の数は全国的に不足している傾向にあります。一度資格を取得できれば生涯にわたって使えるため、結婚や出産などで生活が変化しても再就職がしやすいです。


近年は歯科医院の数も増えており、都市部でも住宅地でも、求人は豊富に存在しています。まずは歯科衛生士としてどのような求人が出ているのか、チェックしてみてはいかがでしょうか。

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2022年4月よりセカンドラボ株式会社に入社。主に病院を中心に医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。

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