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男性保育士のリアル|将来性はある?給料や待遇、キャリアの歩み方を紹介

  • 更新日
投稿者:小松 和貴

「保育士」と聞くと、女性保育士が多いイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に、保母さんという名称が一般的だった頃は、男性保育士はほとんどいませんでした。

1985年に制定された「男女雇用機会均等法」から、「保父さん」という名称も生まれ、1999年には「保育士」に統一されています。それから時が経ち、現在の男性保育士を取り巻く状況はどうなっているのか気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、男性保育士に焦点を当てて、給料や職場環境、将来性などを解説していきます。本記事を読むと、男性保育士を取り巻く現状について把握することができ、保育士を続けるべきか転職するべきか判断できるでしょう。

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1.男性保育士は全体の1割未満

ここでは、保育士全体で見たときの男女比率を見ていきます。厚生労働省の資料「保育士の現状と主な取組」によると、職員男女比率は男性が約4%、女性は約96%という結果になっています。

また、厚生労働省が発表している「保育士登録者数等(男女別)」を見ても、令和2年時点で女性保育士約158.3万人、男性が約8.2万人です。現状の保育士男女比率は、圧倒的に女性が多い職場であることがわかるでしょう。

男性は何故少ない?

では、なぜ男性保育士は圧倒的に少ないのでしょうか。大きくは下記の2点が挙げられます。

  • 社会的なイメージ
  • 給料の少なさ

冒頭でもお伝えした通り、「保育士」という名称の前は「保母」で親しまれており、女性の職業というイメージが強くありました。そこから保育士という名称に変更されたものの、いまだに保育士=女性の職業というイメージは色濃く残っているのが現状です。

また、給料についても同様で、保育士=給料が少ないというイメージが強く、男性が保育士を目指さない理由の一つになっています。給料の詳細は後述しますが、男性の職種としては低い給与水準に留まっており、男性の割合が低い一つの要因なのです。

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2.給料に男女差はある?

令和3年に公開された賃金構造基本統計調査をもとに、保育士の給料に男女差があるのか見ていきましょう。下表は、男性と女性の保育士を年齢別で分けて、月収とボーナス(その他特別給与)、労働者数を表したものです。

男性
年齢別 決まって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 労働者数
全体 277,900円 708,200円 1,632人
20〜24歳 243,400円 465,200円 493人
25〜29歳 251,500円 744,000円 339人
30〜34歳 285,200円 665,100円 306人
35〜39歳 309,700円 731,300円 202人
40〜44歳 357,700円 1,283,000円 191人
45〜49歳 360,700円 1,056,400円 45人
50〜54歳 431,700円 1,802,600円 14人
55〜59歳 186,000円 264,900円 15人
60〜64歳 193,100円 57,400円 24人
65〜69歳 184,700円 331,100円 4人

出典:厚生労働省「令和4年度賃金構造基本統計調査」

女性
年齢別 決まって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 労働者数
全体 266,100円 712,300円 26,787人
20〜24歳 228,400円 475,100円 4,121人
25〜29歳 247,900円 679,800円 4,148人
30〜34歳 256,100円 666,600円 2,907人
35〜39歳 268,400円 766,200円 3,250人
40〜44歳 295,100円 831,100円 3,430人
45〜49歳 279,800円 883,700円 2,850人
50〜54歳 287,200円 795,200円 2,490人
55〜59歳 290,000円 712,900円 2,012人
60〜64歳 270,900円 682,400円 1,203人
65〜69歳 274,500円 664,200円 301人

出典:厚生労働省「令和4年度賃金構造基本統計調査」

上記のデータを見ると、給与に関しては男女間でそこまで大きな差はないことがわかります。年齢が上がっていくにつれて給料も上がり、長く働き続けられる職業として魅力もあるでしょう。

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3.男性保育士のメリット・デメリット

ここでは、男性保育士であることのメリットとデメリットの両方をご紹介します。女性が多い職場ですが、男性ならではの強みが活かせるメリットも多いです。それぞれ見ていきましょう。

男性が保育士になるメリット

女性がほとんどの環境では、女性だけでは難しい問題も多々あります。それに対応できる男性特有のメリットを下記の4つご紹介します。

力仕事などの得意分野がある

特に女性環境の職場では、力仕事は非常に負担の大きい業務になるでしょう。そのような場面では、身体的特徴として男性の方が向いています。行事の準備や日常的な備品の整理、子どもの世話など活躍できるシーンも多いです。

男児の世話に対応できる

幼児といっても元気に走り回ったり、砂遊びをしたりパワフルな児童ばかりです。他にも、公共施設を利用する場合は、男性トイレへの付き添いなど女性が入れない場所の対応もできます。運動に関しても、男性の方が得意な部分も多いため、体力的に頼りにされることも多いでしょう。

防犯面で期待される

園内外に問わず、子どもたちの安全を確保する上で、不審者などへの防犯対策は必須です。女性のみの職場では、いざという時の対応が心配に感じる場合もあるでしょう。「男性がいる」という事実が職員・保護者間での安心につながります。

父親との信頼関係を築きやすい

近年、父親が率先して育児に参加するケースも増えていることから、送り迎えを担当する父親も少なくありません。その場合、同性の職員がいるだけでも心理的なハードルが下がり、交流を図りやすくなります。

また、女性職員には話しづらい事情などもあるため、気兼ねなく相談できる相手として男性保育士が重宝されるケースもあるでしょう。

男性が保育士になるデメリット

男性が保育士になるメリットをいくつかご紹介してきましたが、デメリットもあります。事前に下記の4つのデメリットを知っておくことで良好な職場環境にしていくこともできるのではないでしょうか。

人間関係に苦労しやすい

女性が9割を超える保育士業界では、男性保育士は肩身が狭い思いをするケースも少なくありません。閉鎖的な空間であり、女性保育士の輪の中に入りづらく疎外感を感じやすくなります。そのため、職員同士の人間関係にストレスを感じることもあるでしょう。

挨拶や誠実な対応を忘れず、日頃からコミュニケーションを大切にするのが大切です。

保護者からの信頼を得るのが難しい

男女関係なく起こることですが、保護者の中には男性保育士を警戒している方もいます。特に女児の対応には評価の目が厳しいことが多いようです。これは、過去にあった犯罪事件などが影響していると考えられます。女性の職員と比べて、不適切な対応がないかを問われやすいため、常に誠実かつ丁寧な対応が求められるでしょう。

施設内に男性用の設備がないことも

特に小さな保育施設で発生しやすいのが、男性が必要な設備が施設内に整っていないケースです。例えば、トイレや更衣室が共用になっているなど、女性のみを対象とした設計になっていることも少なくありません。そのため、男性保育士にとっては不便であると同時に、施設利用を制限される可能性もあります。

働きづらさを感じる場合は、男性保育士が多い施設に就職・転職するなどして職場を選ぶのも選択肢の一つでしょう。

他職種と比べて給料が少ない

男性における全職種平均の年収が約506万円に対し、保育士は約392万円という数字に留まっています。家庭的なイメージがある保育士は、社会的な評価が低くない反面、給料面においてはかなり下回っていることがわかります。また、年齢によって給料が左右される場合も多く、成績や給料がモチベーションになる方にとってはデメリットに感じるでしょう。

しかし、近年の保育士不足を受けて、国も待遇改善や支援を進めています。さらに、主任保育士や管理職などの役職に就くことで、給料アップを目指せるでしょう。

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4.保育士に向いているのはどんな男性?

ここまで男性保育士の給料やメリットなどに就いてみてきました。では保育士に向いている男性はどんな方なのか気になると思います。保育士に向いている男性の特徴を紹介します。

子どもと関わることが好きな人

男女問わずですが、「子どもが好き」「子どもと関わることが好き」という方に向いているお仕事です。子どもと遊んだり、何かを教えることに前向きに取り組める方なら、保育士としてしっかり勤めあげることができるのではないでしょうか。

忍耐力があり柔軟な対応ができる人

子どもとのやりとりは意思疎通が難しい部分もあり、思った通りに子どもたちが動いてくれるということも少ないので、忍耐力は必要になります。また、試した方法でうまくいかなくても、他の方法でやってみようという柔軟な対応も求められるでしょう。

責任感のある人

保育士は、子どもをお預かりし、その安全を守っていく必要があります。怪我しないように気を配ることはもちろん、子どもが誤った行動をした場合には叱ることも重要です。

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5.男性保育士のキャリア

全職種の中でも平均年収が比較的低い保育士ですが、キャリアアップの方法は「役職に就く」「研修を受ける」などあります。その中でも、政府による処遇改善制度の一つでもある「保育士等キャリアアップ研修」を説明します。

保育士等キャリアアップ研修

従来の役職は、主任保育士、園長のみでしたが、新たに「職務分野別リーダー」「専門リーダー」「副主任保育士」の3つの役職を設けました。園に役職者が生まれることで加算対象となり、給料アップにつながります。

保育士等キャリアアップ研修は下記の8分野からなり、1分野15時間以上を規定としています。保育士等キャリアアップ研修の詳細は下記の通りです。

専門分野研修
  • ①乳児保育
  • ②幼児教育
  • ③障害児保育
  • ④食育・アレルギー対応
  • ⑤保健衛生・安全対策
  • ⑥保護者支援・子育て支援

<対象者>

保育所等の保育現場において、各専門分野に関してリーダー的な役割を担う者(当該役割を担うことが見込まれる者を含む。)

マネジメント研修

<対象者>

各分野におけるリーダー的な役割を担う者としての経験があり、主任保育士の下でミドルリーダーの役割を担う者(当該役割を担うことが見込まれる者を含む。)

保育実践研修

<対象者>

保育所等の保育現場における実習経験の少ない者(保育士試験合格者等)又は長期間、保育所等の保育現場で保育を行っていない者(潜在保育士等)

実施場所:都道府県又は都道府県知事の指定した研修実施機関

※ 都道府県が適当と認める団体に委託することも可能。

※ 研修実施機関は、市区町村、指定保育士養成施設又は就学前の子どもに対する保育に関する研修の実績を有する非営利団体に限る。

研修修了の評価については、15時間以上の研修の受講を確認するとともに、研修の受講後にレポートを提出させるなど、研修内容に関する知識及び技能とそれを実践する際の基本的な考え方や心得の認識を確認するものとする。

出典:厚生労働省「保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要 」

上記のようになっているため、試験などは行いません。研修を修了すると交付される修了証は全国で有効となり、ブランクからの復職や他県での転職の際にも役立ちます。受講方法や期間については、各都道府県で異なるため注意が必要です。

園長・主任保育士以外の段階的なキャリアパスの基準に

保育士等キャリアアップ研修の修了必須化は、2023年度以降より段階的に実施予定です。副主任保育士・中核リーダー等は2022年から4つの分野の研修修了を要件としていたものの、「処遇改善等加算Ⅱの研修修了要件の必須化時期の取扱いについて」では、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、2023年度から2026年度までの間に毎年1分野ずつ研修修了数を追加して、完全実施していく予定です。

新たに設けられた3つの役職へのキャリアアップ条件を見ていきましょう。

研修修了要件 経験年数の目安
副主任保育士 マネジメント+3つ以上の分野の研修を修了 概ね7年以上
専門リーダー 4つ以上の分野の研修を修了 概ね7年以上
職務分野別リーダー 担当する職務分野(分野①~⑥)の研修を修了 概ね3年以上

保育士として、段階的なキャリアアップを実現できる制度になっているため、積極的に受講していくことがおすすめです。また、明確な評価が得られるとともに、加算による給料アップも見込めます。具体的な処遇改善加算の金額は下記の通りです。

  • 専門リーダー・副主任保育士:月額最大4万円(園長・主任保育士を除く保育士等全体の概ね1/3)
  • 職務分野別リーダー:月額5千円(園長・主任保育士を除く保育士等全体の概ね1/5)

他に男性保育士が給料を上げていくには

男性保育士が給料を上げる手段は他にもあります。1つは上記のキャリアパスの通り進んでいき、管理職を目指していくことです。管理職になればその分基本給ががあるのはもちろん、手当も就くようになります。

2つ目は24時間保育の保育園で働くことです。夜勤がある場合は深夜割増や夜勤手当が付与されるため、一般的な日勤のみの保育園より高い給料を得ることが可能です。

3つ目は公立保育園で働くことです。公立保育園は公務員に準拠した給料体系のため、一般的な私立保育園よりも高い給与が設定されています。

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6.男性保育士は楽な環境ではないが活躍できるチャンスはしっかりある

保育士の現場は、女性主導の職場が多いことは確かです。ただし、女性だけでは対応が難しい場面もあり、男性保育士が存在感を示せれば、決して働きづらい業界というわけではありません。

ライフステージに対して安定感もあり、保育士キャリアアップ研修などを受講して経験を積んでいけば出世のチャンスも少なくないでしょう。男性保育士がまだまだ少ない環境ではありますが、深刻な保育士不足もあり、努力次第で活躍できる業界です。

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