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呼吸器科看護師の仕事ガイド|呼吸器内科と呼吸器外科の違い、やりがいや向いている人

  • 更新日
投稿者:小口 紗穂

看護師としてこれから働く方や、今とは違う職場への転職を考えている方にとって、気になるのが、これから勤務する病棟がどのような病棟なのか、そしてどのような能力を求められるのかという点かと思います。

ある程度イメージがしやすい病棟もある中で、比較的イメージがしにくいのが呼吸器科の病棟ではないでしょうか。どのような症状を持つ方がいるのか、雰囲気はどうなのかなど気になっている方も多いかと思います。

そこでこの記事では、特に呼吸器科に焦点を当てて、呼吸器科看護師の働き方や求められる資質、知識、技術などを紹介していきます。また、同時に呼吸器科にはどのような患者が多いかなども解説していきますので、選択の参考にしてください。

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1.呼吸器科の特徴と看護師の役割

呼吸器科とひとくくりにしていますが、細かく分ければ「呼吸器内科」と「呼吸器外科」に分けることができます。この呼吸器内科と呼吸器外科の違いや、呼吸器科全体において、看護師に求められる役割などについて解説していきましょう。

呼吸器内科と呼吸器外科の違いは?

呼吸器内科と呼吸器外科では、罹る患者の疾患にも違いがありますし、対処法や看護師の役割にも違いがあります。まずは呼吸器内科と呼吸器外科の違いに関して解説していきましょう。

呼吸器内科とは、のどや肺、気道など、呼吸に関する疾患に対し、内科的な治療を施す科となります。呼吸に関わる疾患ですので、単に咳が出る、扁桃腺が腫れるといった症状を診るのも呼吸器内科の管轄です。

一般的な内科の病院でも風や喘息などといった疾患に対応していますが、一般内科は内科的な治療を行うすべての疾患を対象しているのに対し、呼吸器内科は呼吸にかかわる疾患に特化して対応しているのが特徴となります。

のどの調子が悪く、近くの診療所の一般内科で診てもらい、症状に問題があるようであれば、大きな病院の呼吸器内科を紹介してもらって受診に行くというのもよくある流れといえるでしょう。

呼吸器内科で診療する疾患としては、風邪やインフルエンザ、喘息、睡眠時無呼吸症候群、禁煙治療などが挙げられます。身体にメスを入れるような治療をせずに、投薬治療等で対応するのが呼吸器内科の特徴といえるでしょう。

一方呼吸器外科は、呼吸器の疾患に対し、外科的な治療を行う科ということになります。もっとも想像しやすい疾患では、肺がんなどです。ほかにも肺気胸や胸壁・胸膜などの疾患で、外科的な施術が必要な場合も呼吸器外科の担当となります。

呼吸器内科と呼吸器外科は、厳密に言えば別の科となりますが、協力して患者の治療に当たるケースも少なくありません。例えば肺がんのケースを考えると、肺がんが発覚し、手術が必要な場合は呼吸器外科が担当します。手術後、投薬治療等に切り替えれば、担当するのは呼吸器内科です。このように、呼吸器に関する疾患に対して、施す治療によって担当する科が決まりますので、単純に罹っている病気によって科が決まるということもありません。

呼吸器に関する疾患において、投薬治療等、内科的な治療で対応する場合は呼吸器内科、手術等外科的な治療が必要な場合は呼吸器外科という風に考えておくのがいいでしょう。

ここまで紹介したことを踏まえて考えると、呼吸器内科と呼吸器外科の大きな違いという点では、患者の状態という点での違いも考えられます。簡単に言ってしまえば、慢性期の患者に対応するのが呼吸器内科、急性期の患者に対応するのが呼吸器外科という考え方です。

慢性期とは、慢性的にその症状を持っているケースや、長期間にわたる治療が必要な機関を指します。看護師の業務を考えるにあたって、入院患者という点で考えれば、肺がん等に対する放射線治療や抗がん剤治療など、一定程度期間が必要であり、急ぎ施術を必要としない患者が多いのが呼吸器内科です。また、呼吸器内科の場合、緩和ケアや終末期治療というケースもあるのが特徴と言えます。

呼吸器外科は、原則として急性期患者の対応が中心です。すぐにでも手術による対応が必要な患者等が中心であり、その点では呼吸器外科への入院期間は短くなる傾向にあります。また、急性期の患者に対応する必要があるため、急に症状が変化するなどのケースも多く、看護師としても対応力が問われる科といえるかもしれません。

ここまでは呼吸器内科と呼吸器外科の業務上の違いや、患者の症状の違いに関して説明してきました。では、看護師として呼吸器科で働くことを考えた場合、どのような選択肢がるかという点にも触れておきましょう。

呼吸器内科と呼吸器外科で決定的に違うのは、標榜しているクリニック・病院の数です。病院の情報が検索できる『医療情報ネット(ナビイ)』(https://www.iryou.teikyouseido.mhlw.go.jp/znk-web/juminkanja/S2300/initialize)を使用して、東京都内の呼吸器内科と呼吸器外科を検索した結果を紹介しましょう。

  • 呼吸器内科(東京都):7,844件
  • 呼吸器外科(東京都):977件

上記のように、クリニック・病院の数には圧倒的な差があります。呼吸器外科に対応できるのは、大学病院等大きな病院に限定されるというのが傾向です。対して呼吸器内科は風や喘息など、比較的患者数が多い症状にも対応する必要があるため、比較的多くの病院が対応しています。

呼吸器科で働くことを考えている看護師の方は、こうした傾向をしっかり把握して、どこで働くのかを検討するのがおすすめです。

呼吸器科で働く看護師に求められる役割

呼吸器科で働く看護師には、当然専門的な知識が求められます。呼吸器内科、呼吸器外科ともに、共通して求められる知識・技術は、「呼吸生理の把握」と「胸腔ドレーンの挿入・抜去の介助」です。

呼吸器科で働く以上、人間の呼吸に関する基本的な知識は必須と言えます。それが呼吸生理の把握です。主な項目としては以下のようなものが考えられるでしょう。

  • ガス交換・運搬
  • 換気量と死腔・換気血流比
  • 肺胞気-動脈血酸素分圧較差

いずれも呼吸器科で働く以上、最低限持っておくべき知識であり、これは呼吸器内科、呼吸器外科に共通して求められる知識と言えます。

呼吸器内科のおいても、使用される事が多いのが胸腔ドレーンです。肺腔内に溜まった空気や液体等を外部に排出させるための措置であり、このドレーンの挿入や抜去における介助が看護師の役割となります。

もちろん実際の施術は医師が行いますが、施術中の患者に対する声かけや、バイタルチェック、また関わる機器の状態の確認などをしっかりと行えるようにしておきましょう。

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2.呼吸器内科看護師の仕事内容とやりがい

実際に看護師として働く場合、呼吸器内科ではどのような業務を行い、どのようなやりがいがあるのか、またどのような内容の業務を求められるのかという点を紹介していきましょう。

具体的な仕事内容

呼吸器内科の看護師の主な仕事内容は以下の通りです。

  • 受け持ち患者への対応
  • 酸素吸入等に必要な機器の管理
  • 患者に対する生活指導
  • 外来や呼吸器外科との連携

上でも触れたとおり、呼吸器内科の場合、慢性期患者への対応が中心となります。そのため入院患者の中で、自身が受け持つ患者への対応が業務の中心といえるでしょう。呼吸器内科で特徴的となるのは、受け持ち患者に終末期患者がいるケースが多いという点です。終末期患者の緩和ケアや疝痛コントロールなども重要な業務となります。

呼吸器内科で働く看護師は、人工呼吸器等、呼吸をサポートする機器を取り扱うケースが多くなります。そのためこうした呼吸サポートの機器の管理を行う、使用中の機器のチェックを行うというのも重要な業務です。受け持ち患者の酸素量やバイタルをチェックし、問題があるようであれば医師に報告するなど、特に呼吸に関する知識や経験が求められます。

呼吸器内科にはさまざまな患者が入院しています。こうした患者が退院する際、退院後の私生活における生活指導を行うのも看護師の業務です。特に呼吸器内科の場合、疾患の原因が喫煙にあるケースが多く、退院後の禁煙に関しての指導なども重要なポイントです。退院後も自宅にて治療が必要な場合、使用する機器に関する説明などもしっかり伝える必要があります。

呼吸器内科に限りませんが、ほかの部署との連携も重要な業務です。外来との連携や、同じ医療機関内に呼吸器外科がある場合は、呼吸器外科との連携なども必要となります。外来や呼吸器外科でどのような治療を受けており、どのような状態なのかなど、しっかりと情報交換をしながら、スムーズに業務に移れるようにするのが重要です。

呼吸器内科の主な仕事内容を紹介しましたが、呼吸器内科はほかの内科治療における看護と共通するポイントが多く、特に経験の浅い若い看護師の方におすすめの科ともいえます。ただし、末期の肺がん患者など、患者の死に直面するケースも少なくありませんので、その点では看護師としてもある程度の覚悟が必要な職場と言えます。

呼吸器内科病棟での1日のスケジュール

呼吸器内科で働く看護師の、一般的な1日のスケジュールを紹介しておきましょう。もちろん勤務する病院によって、業務内容には違いがあるかと思いますが、あくまでも代表的な例として参考にしてください。

時間 業務内容
8:30~9:00 出勤・業務準備
9:00~9:30 申し送り・その日の業務確認
9:30~11:30 病室巡回業務
11:30~12:30 昼食休憩
12:30~16:00 病室巡回業務
16:00~16:30 看護記録の作成・申し送り準備
16:30~17:00 申し送り
17:00~17:30 看護記録の作成・終業

あくまでもイメージですが、業務の流れは上記の通りです。

どの病棟でも同様ですが、業務の中心は病室の巡回業務となります。この病室の巡回業務には、当然患者のバイタルチェックや酸素量のチェック、各種機器の管理などが含まれます。また、巡回時に患者について気になる部分があれば、随時医師に報告するというのも重要な業務です。

業務の始まりと終わりは、原則申し送りを行います。ここでは日勤時のスケジュールを紹介しましたが、入院患者に対する対応は24時間体制であり、当然別の時間帯で勤務する看護師がいるわけです。こうした看護師と、患者の様態や治療方針に関してきちんと申し送りを行いながら、看護師がチームとして患者のケアを行っていきます。

1日のスケジュールを見てもわかる通り、原則としてほかの内科病棟と業務内容に大きな差はありません。そのため、若い看護師の方が経験を積むという点で、呼吸器内科はおすすめの科ともいえます。ただし、呼吸生理に関する知識など、必要とされる専門知識はありますので、その点に関してはきっちりと身に着けて業務にあたれるように準備しましょう。

やりがいと大変なこと

呼吸器内科の看護師業務は、大きなやりがいと大変さを併せ持つ業務であるといえます。呼吸器内科で看護師として働く場合、特に意識しておきたいのが患者に対する接し方です。数ある疾患の中でも、呼吸に関する疾患は、「苦しい」と感じる患者が多いといわれています。普段当たり前に行っている呼吸が、通常通りにできないというのは当然苦しいものです。その状態が常態化してしまっている患者の方が多く、こうした患者に対しケアを行うというのは、気持ちの面でも負担が大きいと考えられます。

また、呼吸器内科の場合、症状が完治するケースが他の科と比較すると少ないという特徴もあります。終末期患者も多く、こうした患者に対応するというのも簡単ではありません。

しかし、その分患者と医師、そして看護師の努力によって、患者が完治する、もしくは症状が劇的に良化した場合の喜びも非常に大きいという特徴もあります。大変な面がある分、やりがいが大きいというのが、呼吸器内科の看護師の特徴といえるでしょう。

もうひとつ、呼吸器内科の場合、取り扱う機器や処置の種類が非常に多く、それぞれに対応するのが大変であるという点も特徴として挙げられます。その分看護師としての対応力が身につくため、経験としては非常に大きな経験が積めますし、やりがいを感じることが多い職場と言えます。

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3.呼吸器外科看護師の仕事内容とやりがい

続いて呼吸器外科の看護師の具体的な業務内容や、やりがいなどについて解説していきましょう。

具体的な仕事内容

呼吸器外科は、呼吸器疾患に対する外科的な対応が必要な患者が入院する科です。そのため、呼吸器内科と同様の業務を行うケースもありますが、特に呼吸器外科で特徴的な仕事内容を紹介していきましょう。

  • 術前検査の介助
  • 術後の管理

呼吸器外科に入院される患者は、周術期患者が中心です。そのために具体的な仕事内容としては、手術前の準備と、手術後のケアというのが特徴的です。

呼吸器外科でも当然手術前にはさまざまな検査を行います。胸部のCTやMRIの撮影、気管支鏡検査などの検査における介助業務は看護師の仕事となります。

こうした術前検査の後、実際に手術が行われた後には、術後のケアも必要です。毎日の酸素量チェックやバイタルチェックといった項目は呼吸器内科と同様ですが、手術後であると考えた場合、術部のガーゼの交換や、入浴の介助なども看護師の業務として含まれることになります。

呼吸器外科の特徴としては、周術期患者が入院しているため、入院期間が基本的に短いという点が挙げられます。術前検査を行い、手術を行い、そして術後のケアを行った後は、自宅療養もしくは呼吸器内科への移動となりますので、呼吸器外科に入院している期間はそう長くはありません。

そのため、患者の入退院への対応も多く、看護師業務としてはこの点も大変な業務であるといえるでしょう。

もちろん、呼吸器内科同様に、外来等ほかの科との連携業務も重要な業務です。呼吸器外科で手術をされた患者の移動の場合や、呼吸器に関する外科的な処置が必要な患者の受け入れなどにあたって、しっかりとほかの科と連携を取り合うのが重要です。呼吸器外科は最初に紹介した通り、対応している病院・クリニックの数が少なく、連携する先がほかの医療機関というケースも考えられます。この点も呼吸器外科の特徴として挙げられるでしょう。

呼吸器外科病棟での1日のスケジュール

呼吸器外科の看護師の1日のスケジュールを、イメージで紹介していきましょう。

時間 業務内容
8:30~9:00 出勤・業務準備
9:00~9:30 申し送り・その日の業務確認
9:30~11:30 病室巡回業務
11:30~12:30 昼食休憩
12:30~13:00 術前オリエンテーション・送り出し
13:00~16:30 病室巡回業務・術後の受け入れ
16:00~16:30 看護記録の作成・申し送り準備
16:30~17:00 申し送り
17:00~17:30 看護記録の作成・終業

基本的には呼吸器内科と同様の流れとなりますが、大きな違いは手術の有無です。呼吸器外科の場合、手術に対する対応も必要となり、手術前には患者やその家族に対するオペレーションを行います。オペレーションを行ったうえで、必要な処置を行い、手術室に送り出すのが看護師の業務です。

手術が終われば当然看護師がその受け入れを行います。ベッドに戻すための介助はもちろん、手術の結果どのような方針で治療を続けていくのか等を確認し、その後のケアに役立てていかなければいけません。

病室巡回業務の内容も呼吸器内科とは少々変わります。胸腔ドレーンの解除を行う、ガーゼの交換や入浴の介助を行う、また術前検査の介助を行うなどの業務がありますので、この点は呼吸器内科とは番った業務になるケースが多いのが特徴です。

また、特に上のタイムスケジュールでは触れませんでしたが、この業務の中に患者の入退院対応も当然含まれます。より多くの業務に、的確に対応する必要があるのが呼吸器内科の看護師業務の特徴といえるでしょう。

やりがいと大変なこと

呼吸器外科と呼吸器内科において、最大の違いは結果的に患者の症状が治るかどうかという点です。呼吸器内科の場合、上でも紹介しましたが完治するのが難しいという患者が多数含まれます。しかし、呼吸器外科の場合、基本的に患者が治った状態で退院していくという特徴があります。完治というわけではなくとも、少なくとも入院してきた時点よりは、症状が良化した状態で退院する、もしくは転院するというのが基本ですので、その点ではやりがいを感じる瞬間が多い職場といえるでしょう。

そもそも手術と言うのは、原則として手術をすることでより症状が良化すると断定された場合に行われるものです。手術をする以上、施術前よりも症状が良化するケースが多いのは当然と言えます。

こうしたやりがいが大きい職場ではありますが、求められる知識がより多くなるという大変さもある職場です。例えば膿胸の開窓術後のケアなどに関しては、看護学校の教科書等では詳しく触れられていないというケースもあります。こうしたさまざまなケースに対応し、それぞれ適切なケアを行うためには、学校で習った知識だけではなく、自分自身で勉強をし、新たな知識を身に着けていく必要があります。

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4.呼吸器科看護師あるある

呼吸器科で働く看護師にとっては、日常的に起こるあるあるなエピソードをいくつか紹介していきましょう。

  • SpO2の変化に鈍感になる
  • 知名度が低い
  • 患者のベッドからなぞの物が出てくる
  • 通常業務で気分が落ち込んでしまう
  • 子どもとの会話がぎこちなくなる
  • タバコに対する考え方が変わる

呼吸器科で働く看護師は、日頃からSpO2のチェックを行います。もちろんSpO2の基準値も把握していますが、長く呼吸器科で働いていると、少々の変化には動じなくなる傾向があります。あまりよいことではないとも言えますが、どうしてもSpO2の変化に動じなくなってしまうものです。

医療機関の中にはさまざまな科がありますが、その中でも比較的知名度が低いのが呼吸器科の特徴かもしれません。小説などで呼吸器科が舞台になっていても、その小説が映画やアニメなど映像化される時には循環器科になっていたりすることもあります。命に直結する重要な科のわりに知名度が低いと嘆いている看護師も少なくありません。

呼吸器科の看護師が、患者のベッドを清掃したり、整理しようと動かしたとき、ベッドからなぞの物体が出てくることは珍しくありません。箸やペンといった身の回りのものから、場合によっては入れ歯が出てくることもあります。呼吸器科の患者は苦しい症状を持っていることが多く、その苦しさに耐える中で、いろいろなものをベッドに落としてしまうことがあるからです。また、呼吸器科には高齢の患者が多いというのも原因の一つと考えられます。

呼吸器科に入院する方は、とにかく症状が苦しいというケースが多いという特徴があります。呼吸ができない、しにくい、酸素を取り込みにくいという状態を考えれば想像しやすいかもしれません。そのため看護師が向き合う患者の中には、ネガティブな発言をする患者が多く、こうした患者と多く接していることで、気分が落ち込んでしまうというケースもあります。

呼吸器科に入院する患者の中心は高齢者です。普段からこうした高齢者とコミュニケーションを取っているため、たまの休日などに、子どもと会話をする場合、会話のテンポが全く違うために戸惑ってしまうというケースも少なくありません。

呼吸器科に入院している患者が症状を発症した原因で多いのは喫煙です。喫煙が原因になって苦しむ患者を数多く見ている看護師は、タバコに対する嫌悪感が強くなる傾向にあります。それまで比較的喫煙に寛容だった看護師も、呼吸器科に務めたことで、周囲に喫煙者に対し、「タバコは辞めよう」と勧めることが多くなることがあります。

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5.呼吸器科看護師に向いている人

呼吸器科の看護師に向いている方は、より多くの知識や技術を身に着けたいという向上心のある方や、臨機応変な対応ができる方、また与えられた業務を確実にこなせる方などです。

呼吸器科の業務には、専門知識が必要であるうえ、ほかの科で働く場合にも応用できる知識も求められます。こういった点から考えれば、向上心のある方や、若い看護師の方におすすめといえるかもしれません。

また、呼吸器科は命に直結する症状の方もいらっしゃるため、万が一の事態などで、臨機応変に対応できる対応力も重要でしょう。そして、毎日の業務をしっかりと着実にこなせる堅実さも求められます。

呼吸器内科、呼吸器外科で分けて考えた場合、呼吸器内科で求められるのはコミュニケーション能力です。苦しい症状に耐えている高齢者の方が多い科となりますので、こうした高齢者の方と密にコミュニケーションを取り、よりよい看護が提供できることが重要になります。

呼吸器外科では、時間管理能力や対応力が必要です。呼吸器外科のナースコールの場合、命に直結するコールも多く、素早い対応が求められます。また、どんな状況でも物怖じしない度胸がある方の方が、向いているともいえます。

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6.呼吸器科看護師の専門性を磨くには?

呼吸器科の看護師として、専門的な知識やスキルを身に着けたいという場合、呼吸器専門の病院や、呼吸器内科、外科の両方が設置されている病院がおすすめです。一般的な内科病院でも、呼吸器内科が設置されているケースは多いものの、呼吸器科としてのスキルを磨くほど患者がいるというケースは多くありません。

より専門的な知識を求めるのであれば、呼吸器外科のある総合病院、大学病院など、比較的大規模な医療機関への就職がおすすめです。

スキルアップにおすすめの3つの資格

呼吸器科の看護師としてよりスキルアップを目指すのであれば、新たな資格を取得するのもおすすめです。特におすすめの資格には、以下のようなものが考えられます。

  • 慢性呼吸器疾患看護(認定看護師)
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 禁煙支援士

看護師の中でも、特定の分野に関する秀でた看護師を認定する認定看護師制度には、「慢性呼吸器疾患看護」という分野があります。この分野の認定看護師に認定されれば、呼吸器科の看護に関しては、非常に高い技術や知識を持っていることが証明できるでしょう。

取得に時間と費用が必要なことから、取得へのハードルは低くありませんが、取得が推奨される資格でもあります。

「3学会合同呼吸療法認定士」にいける3学会とは、「特定非営利活動法人日本胸部外科学会」、「一般社団法人日本呼吸器学会」、「公益社団法人日本麻酔科学会」です。この資格を取得することで、呼吸療法に用いる機器の取り扱いに長けていることを証明できるようになります。

ただし、国家資格ではないため、独占業務等はありません。

最後に「禁煙支援士」ですが、これは日本禁煙学会が制定している資格です。禁煙指導のために知識などを持っていることが証明できる資格であり、呼吸器看護師として、業務上非常に有利になる資格といえるでしょう。

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7.まとめ

呼吸器科は内科と外科に分けて考えることができます。主に慢性期の患者に対応するのが呼吸器内科、周術期患者に対応するのが呼吸器外科となります。

呼吸器科で看護師として働くことを考えた場合、それぞれ求められる知識や資質が違いますので、この点も考慮して所属する科を選ぶようにしましょう。

呼吸器科の看護師の実務は、それぞれやりがいがあり、達成感を感じることができる科といえます。やりがいを感じられる分、大変な部分もありますが、呼吸器科で経験する業務は、ほかの科に移っても活用できるものが多くおすすめです。

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セカンドラボ株式会社

URL:https://www.2ndlabo.co.jp

東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。

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