直接応募で自由な転職活動を コメディカルドットコム

現在の求人掲載数172781

豆知識 324view

認定社会福祉士とは?取得ルートとメリット、認定上級社会福祉士との違いを解説

  • 更新日
投稿者:堀尾 健太

「認定社会福祉士について分かりやすくまとめて欲しい」
「認定社会福祉士は取っても意味ないって本当?メリットはあるの?」
今回は、こんな声にお答えします!

認定社会福祉士の概要と認定上級社会福祉士との違い、要件・取得ルートとかかる費用の目安、メリット・デメリットなど、総合的に解説を行います。

さらに、認定社会福祉士以外にもキャリアアップにおすすめの資格を紹介しますので、今後のキャリアプランを考える上での参考にしていただければ幸いです。

スカウトサービス登録はこちら
コメディカルドットコムは
プロフィールを登録しておくだけで事業所からスカウトがくる!
※個人が特定される情報は事業所側から閲覧不可
  • スカウト経由で内定率2.3倍
  • 希望に合った求人”だけ”を厳選してお届け!
  • 「就業応援制度」で最大50,000円進呈
今すぐ無料登録

認定社会福祉士とは?

認定社会福祉士とは、特定の専門分野において高度な知識と実践能力を持つと認められた社会福祉士です。認定社会福祉士認証・認定機構が認定を行います。

認定社会福祉士は、社会福祉士資格取得後の専門性をより深化させるための専門資格として位置づけられています。所属する組織でリーダーシップを発揮し、高度な専門知識と実践力に基づいた利用者の個別支援、チーム内連携の推進など、多岐にわたる役割を担うことが求められます。

認定社会福祉士の5つの認定分野

認定社会福祉士には5つの認定分野があります。

1. 高齢分野
高齢者が自立した生活を送れるよう支援する分野です。認知症ケアや介護サービス制度に関する専門知識が求められます。

2. 障害分野
障害を持つ人々が社会で活躍できるよう支援する分野です。身体障害、知的障害、精神障害など幅広い専門知識を必要とします。

3. 児童・家庭分野
子どもの健やかな成長や家庭環境の改善を支援する分野です。虐待対応や育児支援など、子どもの心理や家庭環境に関する知識が求められます。

4. 医療分野
医療機関で患者の生活支援を行う分野です。病気や怪我による生活変化への対応や経済的負担軽減のための助成制度提案などが含まれます。

5. 地域社会・多文化分野
地域全体の福祉活動を推進し、多文化共生を支援する分野です。異文化理解や地域ネットワーク構築能力が求められます。

社会福祉士と認定社会福祉士の違い

社会福祉士と認定社会福祉士の一番の違いは、資格の位置づけです。

社会福祉士は福祉専門職としてのスタートラインとなる基礎資格で、認定社会福祉士は社会福祉士として一定の実務経験と専門知識・技術を持つことを証明する上位資格です。

資格の種類と取得方法の違いにも触れます。社会福祉士は国が認める国家資格であり、福祉に関する相談援助業務を行うための基本的な資格です。国家試験に合格することで取得でき、取得ルートによっては実務経験を必要としません。

一方、認定社会福祉士は認定社会福祉士認証・認定機構が認定する民間資格であり、社会福祉士取得後に5年以上の実務経験を積んだ後、研修やスーパービジョンの修了、そして認定審査に合格することで取得できます。社会福祉士としての専門性を深め、キャリアアップを目指すための資格と言えます。

スカウトサービス登録はこちら

認定社会福祉士と認定上級社会福祉士の違い

認定社会福祉士と認定上級社会福祉士の違いを表にまとめました。

認定社会福祉士と認定上級社会福祉士の比較
比較項目 認定社会福祉士 認定上級社会福祉士
主な役割 所属組織内のリーダー、多職種連携による課題解決の主導 組織内のシステム構築と人材育成、地域福祉政策の形成に貢献
活動範囲 組織内で特定分野に特化し高度な実践を行う 組織内外の広範なネットワークを活用、地域全体の福祉向上を目指す
経験要件 社会福祉士取得後、5年以上の実務経験 認定社会福祉士取得後、5年以上の実務経験+教育・研修実績
位置づけ 社会福祉士の専門性深化を認定する上位資格 認定社会福祉士の上位資格で指導的立場を担う

認定社会福祉士は、組織内での高度な実践とリーダーシップの発揮が主な活動であるのに対し、認定上級社会福祉士は、それに加え地域全体への貢献と人材育成といった、より広範で高度な活動が期待される資格と言えます。

スカウトサービス登録はこちら

認定社会福祉士になるには?要件と取得ルート

認定社会福祉士になるには、定められた要件をすべて満たし、いずれかの認定分野で新規申請を行い、認定審査に合格する必要があります。

要件と取得ルートについて詳しく見ていきましょう。

認定社会福祉士になる要件

認定社会福祉士になる要件は、以下の通り定められています。

影付きボックス

(1)社会福祉士及び介護福祉士法に定める社会福祉士資格を有すること
(2)日本におけるソーシャルワーカーの職能団体で倫理綱領と懲戒の権能を持っている団体の正会員であること
(3)社会福祉士資格取得後、原則として厚生労働省の通知に定める相談援助実務経験が過去10年以内に5年以上あること。このうち、社会福祉士を取得してからの実務経験が複数の分野にまたがる場合、認定を受けようとする分野での経験が2年以上あること
(4)上記、実務経験の期間において、別に示す実務経験「必要な経験」があること
(5)次のいずれかの研修を受講していること
ア 認められた機関での研修(スーパービジョン実績を含む)を受講していること
イ 認定社会福祉士認証・認定機構が定めた認定社会福祉士認定研修を受講していること

(2)は具体的な団体名を挙げると「公益社団法人 日本社会福祉士会」または「公益社団法人 日本精神保健福祉士協会」です。

(3)厚生労働省の通知に定める相談援助実務経験は、社会福祉士国家試験の受験資格で問われる実務経験と同じものです。以下のページで分かりやすくまとめられています。
相談援助業務(実務経験)の範囲
なお「社会福祉士資格取得後に5年以上」なので、注意してください。

(4)「実務経験5年以上」という量に対して、必要な経験は質の側面が問われます。個別レベル、組織レベル、地域レベルで基準が設定されています。
相談援助の実務経験に関する「必要な経験(質的基準)」

認定社会福祉士の取得ルート

認定社会福祉士の取得ルートは、大まかに「通常ルート」と「認定研修ルート」の2つに分かれます。さらに「認定研修ルート」は6つに分かれます。順に見ていきましょう。

通常ルート

上記要件の(1)~(4)を満たしたうえで、認定機関が定める研修を受講して30単位を取得し、認定機関に申請を行います。審査に合格後、認定社会福祉士として登録を行うことで資格取得となります。

必要となる30単位の内訳は以下です。なおSVはスーパービジョンを指しています。
・共通専門研修10単位
・分野専門研修10単位
・SV実績(受)10単位

認定研修ルート

上記の要件の(1)~(4)を満たしたうえで、「認定社会福祉士認定研修」を受講するルートです。受講要件が6種類あるので、6つのルートに分かれます。

1.日本社会福祉士会現経過措置移行ルート
2017年度特別研修の受講者が対象。

2.日本社会福祉士会生涯研修ルート
生涯研修制度基礎課程修了者が対象。

3.日本医療ソーシャルワーカー協会研修ルート
「認定医療ソーシャルワーカー」の取得者が対象。

4.スーパーバイザー登録者ルート
実務経験10年以上でスーパービジョン研修を修了し、スーパーバイザーとして登録されている方が対象。

5.ベテランルート
チームリーダー的な職務経験5年以上及び相談援助実務経験10年以上を満たす方が対象。

6.大学院(教育基幹)ルート
大学院で共通専門研修、分野専門研修、その他科目で12単位取得した方が対象。

出典: 認定社会福祉士取得ルート

各ルートに応じて、認定機関が定める研修を受講し必要単位(6~8単位)を取得することで、認定社会福祉士認定研修を受講できます。その後は通常ルートと同じく、認定機関に申請を行います。

「認定研修以前の研修履歴+認定研修修了=30単位」
と評価されて申請に進むことができるという訳です。

申請から審査、登録までのスケジュールや申請期間、申請書類などは以下のページから確認してください。
認定社会福祉士(新規申請)のご案内

認定社会福祉士取得に必要なスーパービジョンとは?

スーパービジョンとは、簡単に言うと経験豊富な先輩社会福祉士が後輩に専門的なアドバイスや指導を行うことです。指導を受ける側をスーパーバイジー、指導を行う側をスーパーバイザーと呼びます。

スーパービジョンは原則として、1年間のスーパービジョン実施契約を締結して行います。
1対1で行う「個人スーパービジョン」では、1年間に6回以上、1回1時間以上のスーパービジョンを行います。 2名から8名で行う「グループスーパービジョン」では、1年間に8回以上、1回90分以上のスーパービジョンを行います。

スーパービジョンは、決められた手順や指定された様式の使用など、一定の枠組みの中で実施されます。
スーパービジョン実施要綱

認定社会福祉士取得に必要な費用はどれくらい?

認定社会福祉士取得に必要な費用は、最低でも10万円以上が見込まれます。かかる費用は以下の通りです。

1. 認定審査料
新規で認定社会福祉士の申請を出す際に、15,000円の認定審査料がかかります。
認定社会福祉士は5年毎の更新制となっていて、更新の際の認定審査料も同じく15,000円です。

2. スーパービジョン費用
スーパービジョンを受ける際に年間数万円程度の費用がかかります。金額は契約を結ぶスーパーバイザーによって異なります。

所属する社会福祉士会によっては、スーパービジョン研修を開講しています。
例えば、兵庫県社会福祉士会の「2024年度スーパービジョン開講」の受講料は55,000円でした。

出典:2024 年度「スーパービジョン開講」要綱

3. 研修費用
研修にかかる費用は、研修の種類や研修主催団体によって異なります。

例えば、日本福祉大学大学院の「2025年度 認定社会福祉士研修制度」では、以下の費用がかかります。
・入学検定料:10,000円(年度毎)
・登録料:20,000円(年度毎)
・受講料:20,000円(1研修毎)

出典:2025年度 認定社会福祉士研修制度 出願概要

取得ルートで触れた「認定社会福祉士認定研修」を受ける場合は、30,000円がかかります。

出典:2024年度 認定社会福祉士認定研修

4. その他
・所属する社会福祉士会の年会費
・研修会場への交通費、宿泊費(必要な場合)
・参考書籍などの購入費用 など

スカウトサービス登録はこちら

認定社会福祉士を取得するメリットデメリット

認定社会福祉士を取得するメリットデメリットをそれぞれ3つ紹介します。

認定社会福祉士のメリット3つ

・実践力と専門性の証明、信頼性の向上
認定社会福祉士は、日本社会福祉士会が第三者機関を設けて、社会福祉士としての実践力や専門性を審査し認定する資格です。認定を受けることで、自身の高度な知識や技術をクライエントや関係機関に示すことができ、信頼性の向上につながります。

・自己研鑽とネットワークの構築
資格取得の過程で、研修の受講やスーパービジョンの実績などが求められます。自身の専門性を深め、実践力を振り返る良い機会となります。研修やスーパービジョンを通して、高い志を持つ他の社会福祉士とのネットワークが構築されるのも大きなメリットです。

・独立型社会福祉士への道が開かれる
独立型社会福祉士とは、特定の社会福祉施設や機関に所属せず活動する、言わばフリーランスの社会福祉士です。

社会的信用の確保やネットワーク構築の為に、公益社団法人日本社会福祉士会の「独立型社会福祉士名簿登録」を行うのが通例です。名簿登録の要件には、認定社会福祉士であることが求められています。

出典:独立型社会福祉士名簿とは

認定社会福祉士のデメリット3つ

・取得までの時間と費用
認定社会福祉士の資格取得には、実務経験、研修、試験合格が必要です。これには数年単位の時間と高い費用がかかります。また働きながら取得するには計画的な取り組みが必要となります。

・資格維持のための継続的な学習と更新コスト
認定社会福祉士は5年毎の更新制です。資格維持には定期的な研修や事例発表など継続的な学習と資格更新料の支払いが義務付けられています。常に最新の知識と技術を習得することは重要ですが、自己研鑽のための時間と費用はデメリットという見方ができます。

・責任の増大
認定社会福祉士は、専門性に見合った責任を負い、利用者の人生に大きな影響を与える可能性があります。また組織内のリーダーとしてチームレベルの責任を負うことになります。このことを自覚し、倫理観、専門性、責任感を常に意識する必要があります。

スカウトサービス登録はこちら

なぜ「認定社会福祉士は意味ない」と言われるのか

Googleで認定社会福祉士を検索しようとすると、「認定社会福祉士 意味ない」のサジェストがでてきます。認定社会福祉士への否定的な意見が、ネット上の記事やSNSの投稿にあるのは事実です。なぜこういった声が生まれるのでしょうか?

資格取得のコストがメリットに見合わないという見方

認定社会福祉士の資格取得には時間や費用などのコストがかかるのに、給与アップや昇進に直接繋がらないため、資格取得の労力に見合うだけのメリットが得られないと感じ、「認定社会福祉士 意味ない」と考える人がいるようです。

確かに認定社会福祉士の資格取得が、昇給や好条件での転職のみを目的とする場合、現状では必ずしも期待通りの結果を得られない可能性があります。

認定社会福祉士の資格は、社会福祉士と比較して、一般社会での認知度が低いのが現状です。「認定」という言葉の持つ意味や、具体的な専門性について、社会一般に広く理解されていないため、資格取得の社会的評価や信頼性の向上が実感しづらいのでしょう。

意味を見出せるかは自分次第

経済的なメリットよりも「自身の仕事に誇りを持ちたい」「自己研鑽を続けて専門性を磨きたい」と考える人には資格取得は大きな意味があります。

認定社会福祉士を取得する過程で、専門知識と実践力が磨かれていきます。先輩社会福祉士からスーパービジョンを受けることで、今までの自分には無かった視点に気付くこともあるでしょう。

筆者の意見になりますが、資格取得に意味があるかないかを決めるのは自分の考え方次第です。資格取得で何を実現したいのか、という軸がきちんと定まっていれば、他人の意見に左右されることはないでしょう。


スカウトサービス登録はこちら

認定社会福祉士以外のおすすめ資格

認定社会福祉士以外にも、社会福祉士のキャリアアップにおすすめな資格があるので紹介します。

こども家庭ソーシャルワーカー

こども家庭ソーシャルワーカーは、こども家庭庁が管轄する子ども家庭福祉分野の専門認定資格です。2024年4月に始まった新しい資格です。主に児童相談所・こども家庭センター・児童養護施設などで、子どもや家庭の複合的な課題に対応する役割を担います。

資格取得には、(1)児童福祉関連機関での相談援助業務の実務経験(2)認定機関の指定研修の受講(3)資格認定試験での合格が求められます。

第1回こども家庭ソーシャルワーカー資格認定試験は2025年3月9日に行われました。受験者781人に対して合格者703人で、合格率は90.0%という結果でした。

こども家庭ソーシャルワーカー認定資格特設サイト

認定医療ソーシャルワーカー

認定医療ソーシャルワーカーは、医療ソーシャルワーカーとして高度な専門知識と技術を持ち、質の高い相談援助を提供できると認められた専門職です。「公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会」が認定を行っています。2017年度から正規の申請が始まり、2024年4月時点の認定医療ソーシャルワーカー取得者数は406名を数えます。

認定医療ソーシャルワーカー

救急認定ソーシャルワーカー

救急認定ソーシャルワーカーとは、救急医療の現場において、患者やその家族が抱える様々な問題に対し、専門的な知識と技術を用いて迅速かつ適切に対応するソーシャルワーカーのことです。「救急認定ソーシャルワーカー認定機構」が認定を行っています。認定者はEmergency Social Workerの頭文字を取り「ESW」と呼ばれます。

2017年1月に第1回認定研修及び試験がスタートし、2024年4月時点で認定者数は269名を数えます。

救急認定ソーシャルワーカー

精神保健福祉士のダブルライセンス

社会福祉士以外の国家資格とのダブルライセンスもおすすめです。特に受験資格を満たしやすい精神保健福祉士が主流です。

社会福祉士と精神保健福祉士のダブルライセンスのメリットは、より幅広い対象者への支援が可能になることです。例えば、以下のような複数の課題を抱える複雑なケースに対応できるようになります。

  • 精神疾患を持つ高齢者
  • 知的障がいと精神疾患を併せ持つ人
  • 生活困窮により精神的に不安定な状態にある人
  • 精神的な問題を抱える子どものいる家庭
スカウトサービス登録はこちら

まとめ

認定社会福祉士は、社会福祉士資格取得後に特定の専門分野で高度な知識・実践力を持つと認められる資格です。高齢・障害・児童家庭・医療・地域社会/多文化の5つの認定分野があり、専門性を深化させ、リーダーシップや多職種連携、人材育成などで活躍が期待されます。

社会福祉士が基礎資格であるのに対し、認定社会福祉士は実務経験5年以上を経て、研修やスーパービジョン、審査を経て取得する上位資格です。認定社会福祉士として経験を積んだ後には、更なる上位資格として認定上級社会福祉士があります。

取得に時間・費用がかかる点、一般認知度の低さ、昇給に直結しない場合がある点がデメリットとして挙げられ、「認定社会福祉士は意味ない」との声もあります。ですが、専門性向上や自己研鑽を重視する方には意義のある資格と言えるでしょう。

認定社会福祉士以外のキャリアアップには、こども家庭ソーシャルワーカー、認定医療ソーシャルワーカー、救急認定ソーシャルワーカー、精神保健福祉士とのダブルライセンスなども有効です。

スカウトサービス登録はこちら
コメディカルドットコムは
プロフィールを登録しておくだけで
事業所からスカウトがくる!
※個人が特定される情報は事業所側から閲覧不可
  • スカウト経由で内定率2.3倍
  • 希望に合った求人”だけ”を厳選してお届け!
  • 「就業応援制度」で最大50,000円進呈
今すぐ無料登録


セカンドラボ株式会社

URL:https://note.com/2ndlabo/n/nf2f063102266

神奈川県鎌倉市生まれ。2019年4月にセカンドラボ株式会社に入社。
2025年1月にコンテンツチームのリーダーに就任。
統計資料に基づく分析や求人作成の知識・経験を活かした記事づくりが得意です。
休日は所属するオーケストラでの活動や登山、旅行とアクティブに過ごしています。