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管理栄養士国家試験|試験の日程や受験資格、合格率について解説

  • 更新日
投稿者:森島 瑞紀

食生活の多様化が進む現代において、管理栄養士の役割はますます重要になっています。国家試験を突破し、専門家として社会に貢献するために、まずは試験の全体像を把握しましょう。本記事では、試験日程、合格率の推移、そして受験生が知っておくべき勉強方法について、ポイントを絞って解説します。

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管理栄養士国家試験とは?

管理栄養士の国家試験は、管理栄養士の資格を取得するために、年に1回実施される国家試験です。合格すると、厚生労働大臣から管理栄養士免許が与えられます。

管理栄養士の国家試験が初めて実施されたのは、1987年(昭和62年)です。それまでは、管理栄養士の資格は厚生大臣が指定する養成施設を卒業した者に対して登録される制度でしたが、1985年の栄養士法改正により、管理栄養士の資格取得は国家試験の合格が必須となりました。これに伴い、1987年に第1回の管理栄養士国家試験が実施されました。

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管理栄養士国家試験の概要

ここでは2025年3月2日(日曜日)に開催された第39回管理栄養士国家試験を基に管理栄養士国家試験の概要を紹介していきます。

試験地

管理栄養士国家試験は、北海道・宮城県・埼玉県・東京都・愛知県・大阪府・岡山県・福岡県・沖縄県の9都道府県で実施されます。試験会場は、これらの都道府県内の大学、専門学校、会議場などに設置されます。具体的な試験会場は、受験票に記載されて通知されますので、自分で選択することはできないので注意が必要です。

試験日

2025年(令和7年)3月2日(日)

試験科目

管理栄養士国家試験は、人々の健康を栄養の面からサポートするために必要な幅広い知識と技能を評価する試験です。試験科目は、基礎的な栄養学から応用的な臨床栄養学、さらには社会や環境との関わり、給食の運営管理まで、多岐にわたります。

社会・環境と健康

現代社会における健康問題や環境要因、そしてそれらに影響を与える社会構造について学びます。高齢化や生活習慣病、環境汚染といった課題に加え、保健・医療・福祉の制度や政策、食品の安全性に関する知識も問われます。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

人体の各器官の構造と働き、そして病気がどのようにして起こるのか、そのメカニズムを理解することが求められます。栄養と病気の関係性も重要なポイントとなります。

食べ物と健康

食品に含まれる様々な成分(炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど)の特性や、食品の分類、調理方法、安全性について学びます。日々の食事を構成する上で欠かせない知識です。

基礎栄養学

栄養素が体内でどのように消化・吸収され、利用されるのかという基本的な代謝の仕組みや、それぞれの栄養素の必要量、相互作用などを理解する上で非常に重要な科目です。

応用栄養学

ライフステージ(妊娠期、授乳期、乳幼児期、成人期、高齢期など)や活動量といった、個人の状況に応じた栄養のあり方を学びます。また、特別な条件下(運動時や災害時など)での栄養についても扱います。

栄養教育論

個人や集団に対して、どのように栄養に関する知識や行動を促していくかを学ぶ科目です。教育の方法やカウンセリングの技術、地域における栄養活動など、実践的な内容が含まれます。

臨床栄養学

病気になった人に対する栄養管理について専門的に学びます。様々な疾患の病態を理解し、適切な食事療法や栄養サポートを提供するための知識、栄養アセスメントの方法などが問われます。

公衆栄養学

地域や集団全体の健康増進を目的とした栄養活動について学びます。集団の栄養状態を評価する方法や、栄養改善プログラムの企画・実施・評価、食育の推進などが含まれます。

給食経営管理論

学校や病院、福祉施設などにおける給食サービスの運営や管理に関する知識を学びます。献立作成、食材の調達・管理、衛生管理、コスト管理など、組織的な食事提供に必要な知識が問われます。

応用力試験

これまでの9科目で学んだ知識を総合的に活用し、具体的な事例問題に対して適切な判断を下す能力を評価するものです。単なる知識の暗記ではなく、状況に応じた応用力が試されます。これらの幅広い科目をしっかりと理解し、それぞれの知識を関連付けながら学習を進めることが、管理栄養士国家試験合格への重要な鍵となります。

受験願書の配布時期

管理栄養士国家試験の受験願書の配布時期は、例年9月中旬頃からとなっています。受験願書は、以下の場所で入手できます。

  • 各試験地の国家試験係
  • 各地方厚生局
  • 都道府県庁
  • 保健所(一部を除く)
  • 厚生労働省のウェブサイトからダウンロードして印刷することも可能です。

正確な配布開始日については、毎年厚生労働省のウェブサイトで告知されますので、必ず最新の情報を確認するようにしてください。

受験申込期間

2024年11月18日(月)〜12月6日(金)

受験手数料

受験手数料は6,800円です。支払方法は受験願書に6,800円分の収入印紙を貼って納付します。受験に関する書類が受理された後は、受験を取りやめても受験手数料は返還されませんのでご注意ください。

合格発表

2025年(令和7年)3月28日(金)午後2時

第40回管理栄養士国家試験の予定

現時点(2025年4月18日)では、第40回管理栄養士国家試験の正式な試験日程や詳細な実施要項は、厚生労働省からまだ発表されていません。しかし、例年の傾向から推測すると、第40回管理栄養士国家試験は以下のようになる可能性が高いです。

  • 試験日:2026年3月上旬の日曜日(2026年3月1日(日)と予想する情報もあります)
  • 受験願書配布時期:2025年9月中旬頃
  • 受験申込期間:2025年11月中旬~12月上旬頃
  • 合格発表:2026年3月下旬頃

来年度以降の受験を検討されている場合は、秋頃に公開される試験概要を必ず確認するようにしてください。

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管理栄養士国家試験の受験資格

管理栄養士国家試験を受けるためには、まず栄養士免許を取得していることが前提となります。その前提を踏まえて、管理栄養士国家試験の受験資格は以下の通りです。

  • 修業年限が4年の管理栄養士養成施設を卒業している
  • 修業年限が4年の栄養士養成施設を卒業し、栄養士として1年以上の実務経験がある
  • 修業年限が3年の栄養士養成施設を卒業し、栄養士として2年以上の実務経験がある
  • 修業年限が2年の栄養士養成施設を卒業し、栄養士として3年以上の実務経験がある

すぐに管理栄養士を目指したい方は、4年制の管理栄養士養成課程のある学校へ進むのがおすすめです。このような学校を卒業(見込みを含む)すれば、栄養士の資格を持っていなくても、すぐに管理栄養士国家試験を受けることができます。

すでに栄養士の資格を持っている場合は、必要な期間、栄養士として働くことで管理栄養士国家試験の受験資格が得られます。実務経験として認められる主な職場は以下の通りです。

  • 病院、学校、保育園、介護施設などの給食施設
  • 食品を作る会社やお店
  • 栄養の研究をする施設
  • 保健所などの行政機関

上記のように、栄養に関する指導や管理をする仕事が実務経験として認められます。ご自身の経験が条件を満たしているか確認した上で、管理栄養士国家試験に挑戦するか検討してみてください。

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管理栄養士国家試験の合格率・難易度

ここでは、管理栄養士国家試験の難易度を合格率などを用いて紹介していきますので、受験する際の参考にしてください。

第39回管理栄養士国家試験の結果

2025年3月2日に実施された第39回管理栄養士国家試験の合格発表が、2025年3月28日、厚生労働省より行われました。今回の試験では、16,169名が受験し、そのうち7,778名が見事合格を果たしました。これにより、全体の合格率は48.1%となりました。

過去数回の合格率と比較すると、今回の合格率は例年並みの水準と言えますが、受験者の属性別に見ると顕著な差が見られました。

受験者の属性別合格状況

次に、第39回管理栄養士国家試験の受験者を属性別に分け、それぞれの合格状況を確認していきましょう。

受験者数 合格者数 合格率
管理栄養士養成課程(新卒) 8,629名 6,908名 80.1%
管理栄養士養成課程(既卒) 2,101名 234名 11.1%
栄養士養成課程(既卒) 5,439名 636名 11.7%

参照:厚生労働省「第39回管理栄養士国家試験の結果について」

管理栄養士養成課程(新卒)

新卒者の高い合格率は、養成課程における体系的な学習と、卒業前の集中的な試験対策の成果と言えるでしょう。

管理栄養士養成課程(既卒)

既卒者の合格率は新卒者と比較して低い傾向にあり、自主的な学習の難しさや、試験対策に十分な時間を確保できない状況が影響していると考えられます。

栄養士養成課程(既卒)

栄養士養成課程からの既卒者の合格率も、管理栄養士養成課程の既卒者と同様に低い水準となっています。これは、管理栄養士国家試験の範囲が広範であり、栄養士養成課程で学んだ知識に加えて、より専門的な知識や応用力が求められるためと考えられます。

合格基準・配点

管理栄養士国家試験の合格には、200点満点中120点以上の総得点と、禁忌肢での一定以上の得点が必要です。配点は1問1点で、全200問です。科目ごとの合格基準はありませんが、出題数の多い科目を重点的に学習し、苦手科目を作らないようにしましょう。総じて約6割の得点が合格の目安となります。

過去の合格率の推移

管理栄養士国家試験の過去5年間の合格率の推移は以下の通りです。

試験回 実施年 合格率
第35回 2021年 64.2%
第36回 2022年 65.1%
第37回 2023年 56.6%
第38回 2024年 49.3%
第39回 2025年 48.1%

参照:厚生労働省「第39回管理栄養士国家試験の結果について」

過去5年間で見ると、合格率は2022年の65.1%をピークに、その後は低下傾向にあります。特に直近の2年間は50%を下回っており、試験の難易度が上がっている可能性も考えられます。過去の合格率の推移を踏まえ、より幅広い知識と深い理解、そして応用力を身につけることが重要になると言えるでしょう。

過去問の研究はもちろんのこと、最新の栄養・食に関する情報やガイドラインにもアンテナを張り、実践的な問題にも対応できるような学習を心がけることが大切です。

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管理栄養士国家試験の勉強方法

管理栄養士国家試験合格に向け、どのように勉強を進めれば良いのでしょうか? ここでは、効率的な学習方法をポイントに絞って解説します。

どれくらい前から勉強するべき?

管理栄養士国家試験の勉強開始時期は、余裕を持って合格を目指すなら1年前から、効率的に進めるなら8月頃から、短期集中なら10月頃からが目安となります。自身の基礎知識や使える時間に合わせて、無理のない計画を立てることが重要です。しかし、何事も早めの準備は理解を深め、焦らず対策できるため有利であるのは事実です。

勉強方法

管理栄養士国家試験の具体的な勉強を見ていきましょう。

勉強スケジュールを立てる

国家試験合格への第一歩は、逆算思考に基づいた綿密な勉強スケジュールを立てることです。まず、試験日から逆算して、いつまでにどの科目をどの程度終わらせるのか、大まかな年間計画を立てます。次に、月ごとの目標、週ごとのタスク、そして1日ごとの具体的な学習内容まで落とし込みましょう。

スケジュール作成のポイントは、無理のない範囲で、かつ継続できる計画にすることです。全科目を均等に進めるのではなく、自分の得意科目・苦手科目を把握し、苦手科目に重点的に時間を配分するなどの工夫も有効です。また、定期的な休息や復習期間を組み込むことで、集中力を維持し、知識の定着を図ります。

過去問を解く

基礎知識の習得と並行して、早期から過去問に取り組み始めることが非常に重要です。過去問を解くことで、国家試験の出題傾向、問題形式、難易度などを具体的に把握できます。最初は分からなくて当然です。解答と解説を丁寧に読み込み、出題されやすいポイントや自分の理解が曖昧な部分を明確にしていきましょう。

過去問は繰り返し解くことで、知識の定着度を高め、問題への慣れを深めることができます。年度別だけでなく、科目別に取り組むことで、特定の分野の理解度を深めることも有効です。解答する際は、なぜその答えになるのかを説明できるように意識することで、理解度が格段に向上します。

模擬試験を受ける

勉強の進捗状況を確認し、本番の試験をシミュレーションするために、定期的に模擬試験を受けることは非常に有益です。模擬試験の結果から、自分の得意分野・苦手分野を客観的に把握し、今後の学習計画の修正に役立てることができます。

また、試験時間や会場の雰囲気に慣れることも、本番で力を発揮するために重要です。時間配分の練習や、マークシートの記入方法などを事前に確認しておきましょう。模擬試験後は、必ず復習を行い、間違えた箇所や理解が不十分だった点を徹底的に見直すことで、知識の定着を促します。

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合格後の免許申請手続き

ここでは管理栄養士国家試験の合格後の免許申請手続きの流れや必要書類について詳しく解説していきます。スムーズな免許取得に向けて、しっかりとご確認ください。

合格証はいつ頃届く?

管理栄養士国家試験の合格証は、合格発表日(例年3月下旬頃)当日に投函され、通常1週間以内に郵送で届きます。もし、合格発表から1週間以上経っても届かない場合は、郵便事故や住所不明などの可能性があるので、最寄りの郵便局に確認後、必要であれば厚生労働省 健康・生活衛生局健康課栄養指導室に問い合わせてみましょう。

管理栄養士免許申請の際に必要なもの一覧

管理栄養士免許申請に必要なものは、申請する都道府県や申請者の状況によって若干異なる場合がありますが、一般的に以下の5つが必要となります。これらの必要書類は、申請先の都道府県によって細かな点が異なる場合がありますので、必ず申請を行う都道府県の公式サイトで最新の情報を確認するようにしてください。

  • 管理栄養士免許申請書(申請先の都道府県のウェブサイトからダウンロードするか、窓口で入手可能)
  • 管理栄養士国家試験合格証書(原本)
  • 戸籍謄本、戸籍抄本、または住民票の写し(いずれか1つ、原本)
  • 収入印紙15,000円分
  • 本人確認書類のコピー(運転免許証、マイナンバーカード(表面のみ)、パスポートなど)

申請手続きの受付窓口

管理栄養士免許申請の主な受付窓口は、ご自身の住民票がある都道府県の担当窓口となります。具体的には、都道府県庁の担当部署や、お住まいの地域を管轄する保健所が窓口となっていることが多いです。就職などで引越し、住民票を移す際は、管理栄養士免許申請のタイミングにご注意ください。

管理栄養士登録済証明書とは?

管理栄養士免許は免許登録後、実施に免許が手元に届くまでは2〜3ヶ月ほどかかります。免許が届くまでの間は「管理栄養士登録済証明書」が「私は管理栄養士として国に登録されています」という事実を証明する機能を果たします。主に、就職活動や就職先への資格証明として、あるいは登録番号を早期に確認したい場合に利用されます。ただし、あくまで一時的な証明書であり、正式な免許証ではない点に注意が必要です。通常、免許申請と同時に申し込む必要があります。

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まとめ

管理栄養士国家試験は、栄養に関する幅広い知識と応用力が求められる試験です。試験日程や受験資格、合格率を把握し、早めの準備と計画的な学習が合格への鍵となります。合格後は、速やかに免許申請手続きを行い、管理栄養士としての第一歩を踏み出しましょう。

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2022年1月よりセカンドラボ株式会社に入社。主に介護施設を中心に医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の採用課題のサポートを行う。