管理栄養士の年収を徹底解説!給料UPの方法も公開
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管理栄養士は、人々の栄養状態を改善・維持を専門とする国家資格で、病院や介護施設、学校、企業などで、個々の状態に合わせた栄養指導や食事管理を行います。
この記事では、管理栄養士の給与相場を年代別・経験年数別・勤務先別など、様々な側面から徹底解説していきます。「どうすれば高収入を期待できるのか」といった点にも触れていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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目次
管理栄養士の年収相場
「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、管理栄養士の平均給与は以下の通りです。
年収 |
月給 |
賞与 |
395.5万円 |
27.4万円 |
66.4万円 |
「管理栄養士」に賃金調査は実施されておらず、上記の賃金は「栄養士」のものとなっております。管理栄養士は栄養士の上位資格であり、一般的に管理栄養士の方が給与が高い傾向にあるため、管理栄養士の場合は若干この金額よりも高くなります。
コメディカルドットコムでの管理栄養士給与TOP5
2025年4月地点で、コメディカルドットコムに掲載中の管理栄養士求人のうち、給与が高い都道府県は以下の通りです。年収については月給×3ヶ月分を賞与とし、年収を算出しています。
どの職種においても言えることですが、やはり首都圏は給与が高い傾向にあります。
都道府県 | 月給 | 年収 | |
1位 | 神奈川県 | 26.5万円 | 397.5万円 |
2位 | 東京都 | 25.5万円 | 382.5万円 |
3位 | 千葉県 | 25.1万円 | 376.5万円 |
4位 | 埼玉県 | 24.8万円 | 372万円 |
5位 | 兵庫県 | 24.7万円 | 370.5万円 |
【年代別】管理栄養士の平均年収
「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、年代別の管理栄養士の平均給与は以下の通りです。
月給 | 賞与 | 年収 | |
20~24歳 | 22.1万円 | 24.7.万円 | 290.6万円 |
25~29歳 | 24.4万円 | 37.7万円 | 330.8万円 |
30~34歳 | 26.2万円 | 51.0万円 | 365.6万円 |
35~39歳 | 26.6万円 | 48.4万円 | 367.3万円 |
40~44歳 | 27.0万円 | 52.8万円 | 376.9万円 |
45~49歳 | 30.1万円 | 52.8万円 | 415.3万円 |
50~54歳 | 30.3万円 | 63.0万円 | 426.5万円 |
55~59歳 | 30.3万円 | 48.3万円 | 408.0万円 |
60~64歳 | 30.2万円 | 70.3万円 | 432.2万円 |
65~69歳 | 21.2万円 | 17.8万円 | 272.2万円 |
70歳~ | 18.7万円 | 14.3万円 | 238.2万円 |
40代なかばで月給30万円、年収400万円を超えるという統計結果となりました。40代なかばになると、役職につく人も増えてくるので、その影響で給与が高くなっていると考えられます。
スカウトサービス登録はこちら【経験年数別】管理栄養士の平均年収
「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、経験年数別の管理栄養士の平均給与は以下の通りです。勤続年数が長ければ長いほど、給与が高くなる傾向にありますが、月給に大きな開きはなく、賞与が年収に大きく影響していることがわかります。「より高収入を得たい」ということであれば、求人票に前年度の賞与実績が記載されていることもあるので、求人票を確認する際に意識して見てみても良いでしょう。
月給 | 賞与 | 年収 | |
0年 | 23.9万円 | 47.9万円 | 334.7万円 |
1~4年 | 23.3万円 | 51.8万円 | 331.4万円 |
5~9年 | 24.7万円 | 66.6万円 | 363.0万円 |
10~14年 | 26.6万円 | 70.9万円 | 390.1万円 |
15年以上 | 28.8万円 | 89.7万円 | 435.3万円 |
【勤務先別】管理栄養士の平均年収
勤務先別の給与の平均相場を紹介します。
病院
平均年収は約300~440万円と言われています。 国立病院など公務員の場合は、給与体系が安定しており、各種手当も充実しているため、平均年収が高くなる傾向があります。
クリニック
平均年収は約300~400万円と言われています。 診療科や規模によっても大きく変動しますが、専門性の高い診療科(糖尿病内科、腎臓内科など)を持つクリニックや、自由診療を多く行っているクリニックでは、比較的給与が高めに設定されている場合があります。
介護施設
平均年収は約260~380万円と言われています。 病院に比べると低いですが、大規模な施設は平均よりも高くなる傾向にあります。 また、一般的に特別養護老人ホームのような入所型の施設の方が、デイサービスなどの通所型の施設よりも給与が高くなる傾向があります。
給食センター
平均年収は約330~400万円と言われていますが、600万円という高い年収を得られるケースもあるようです。これは、慢性的な人手不足を背景に、管理栄養士の待遇改善が進んでいる可能性があると考えられます。 また、公立の給食センターの場合、公務員の給与体系に準じるため、比較的安定していると考えられます。
食品メーカー
平均年収は約350~550万円と言われていますが、大手食品メーカーや外資系企業ではさらに高い年収が期待できるケースもあります。 また、医療・介護施設とは異なり、企業では利益を前提に経営がされているため、日々の成果が給与に直結しやすく、給与が平均よりも高くなりやすい傾向にあります。
管理栄養士として収入を上げる方法
業務の幅を広げる
専門分野を広げたり、マネジメントスキルを上げるなど特筆したスキルを取得することで、給与UPが見込めます。糖尿病・小児・高齢者など、まずは興味のある分野や職場で求められている分野の知識を、書籍などで深めてみるのも良いでしょう。また、専門性を磨くだけでなく、職場において後輩育成やマニュアル作成など、マネジメントスキルを磨いてみるのも1つの手段です。上長との面談の際に、「今後マネジメントにもチャレンジしてみたい」と伝えておくことで、ポストが空いた際に声をかけてもらいやすくなるでしょう。
転職をする
今の職場の給与に満足していないのであれば、高収入の求人に応募してはいかがでしょうか。数年前までは「1つの職場に長くいる」ということが基本でしたが、今の時代は必ずしもそうではありません。応募をして実際に面接してみることで、「今の職場とどっちがいいかな」という比較の対象ができるので、気になる求人があればどんどんチャレンジしてみましょう。
より専門的な資格を取得する
専門的な資格を取得することで、給与UPが見込めます。たとえば「認定管理栄養士」は、臨床栄養・給食管理など特定の専門分野において、高度な知識と技能を持つ管理栄養士を認定するものです。資格取得のためには一定期間の実務経験と研修、試験の合格が必要で、合格率は毎年50%ほどです。他にも、以下のような資格があります。
- 腎臓病病態栄養専門管理栄養士
- 糖尿病療養指導士
- NST専門療法士
- がん病態栄養専門管理栄養士
- 摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士
- 在宅訪問管理栄養士
- 小児栄養専門管理栄養士
- スポーツ栄養専門管理栄養士
他にもたくさんあるので、調べてみて気になる資格があればスキルアップのために取得を検討してみてもよいでしょう。
スカウトサービス登録はこちら【ニーズ別】おすすめの転職先
とにかく高収入を得たい
規模の大きな組織や企業は、基盤が安定しているため高収入を得やすい傾向にあります。例として大病院、製薬会社・食品メーカー、規模の大きな福祉施設が挙げられます。
大病院では多くの患者さんの栄養管理を行うため、管理職や専門チームのリーダーなどは高収入が期待できます。製薬会社・食品メーカーでは、専門知識を活かして、製品開発やマーケティング、学術部門などで活躍する道もあるでしょう。また、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなど、入所者の多い施設では、管理栄養士のニーズが高く、給与も比較的高い傾向があります。
安定した職場で働きたい
安定を求めるのであれば、公務員の管理栄養士として働くこともおすすめです。働く場所としては、市役所などの行政機関や公立病院、公立学校などがあります。
公務員の場合は安定した給与のほか、充実した福利厚生、ワークライフバランスの実現がしやすいため、より自分の時間を確保しながら働きやすい傾向にあります。
幅広い知識を得たい
幅広い知識を得たいのであれば、医療機関なら総合病院や大学病院・福祉施設、一般企業であれば学校給食や食品メーカーはいかがでしょうか。比較的大きな病院であれば、糖尿病、腎臓病、心臓病など、様々な疾患に対する栄養管理を深く学ぶことができます。また、福祉施設では嚥下困難、低栄養、認知症など、食に関する様々な課題に対応する知識やスキルが身につきます。
一般企業の場合、管理栄養士としてのスキルのみならず、消費者のニーズを分析し、栄養に関する情報を発信するスキルが磨かれ、企業の視点から食ビジネスを理解できます。
スカウトサービス登録はこちら管理栄養士の年収に関するよくある質問
なぜ管理栄養士の給与は上がりにくいの?
SNSなどネット上で「管理栄養士の給与が低い」と言われることがありますが、理由としては「評価が難しい」「直接的な利益が出しにくい」「女性が多い」ということが挙げられます。
管理栄養士の業務内容は、栄養指導や献立指導、衛生管理指導が挙げられますが、成果として明確に数値で表すことが難しい業務が多いです。そのため、人事評価において第三者からの判断が難しく、結果的に給与が上がりにくい傾向にあります。
一般的な企業とは異なり、管理栄養士が働く医療機関や公的機関は「利益」を前提とした経営がされていないため、「このような利益をもたらした」という実績・売上に結びつきにくい傾向にあります。
一般的に、職種問わず現代の日本では女性よりも男性のほうが収入が高い傾向にあります。理由として、女性は結婚・出産・育児などのライフイベントの際に職場を一時離れることがあり、ブランクが発生することが挙げられます。管理栄養士については女性が約9割を占めていることから、平均給与が低い傾向にあると予測できます。
栄養士と管理栄養士で給与に差はあるの?
管理栄養士のほうが栄養士よりも給与は高い傾向にあります。理由として以下が挙げられます。
- 管理栄養士は栄養士の上位資格
- 業務の幅が広く責任も求められる
- 資格手当の違い
管理栄養士と栄養士の大きな違いは、国家資格の有無です。 管理栄養士は、高度な専門知識と技術を持つことを国が認めた国家資格であり、特別な栄養管理が必要な方への指導が可能です。
一方、栄養士は都道府県知事の免許で、主に健康な方を対象とした栄養指導や給食管理を行います。管理栄養士は、栄養士養成施設卒業後、国家試験に合格する必要があります。 より専門的な栄養ケアを提供できるのが管理栄養士、幅広い食のサポートを行うのが栄養士であるため、管理栄養士のほうが給与が高くなります。
栄養士は健康な人を対象とした栄養指導や給食管理が主な業務であるのに対し、管理栄養士は、傷病者や高齢者など、特別な配慮が必要な方への栄養指導や管理、高度な給食管理など、より専門性の高い業務を行うことができます。
また、個人の病状や状態に合わせた栄養ケア計画の作成や実施、評価といった重要な業務を担うため、その責任の重さが給与に反映されると考えられます。
管理栄養士の資格に対して、資格手当が支給されることが一般的です。栄養士資格にも手当がつく場合がありますが、管理栄養士の方が高額に設定されていることが多いです。
管理栄養士として年収1000万円は目指せる?
正直なところ、管理栄養士が年収1,000万円を目指すことは難しいです。ただし、高度な専門性、マネジメント能力、独立・起業、研究・教育機関、企業での活躍といった道筋を極めれば、可能性はゼロではありません。昨今ではYouTubeなど、SNSも発達していますので、自分の活動を発信することで高収入を得るという手段もあります。
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管理栄養士の平均年収は395.5万円と、たしかに決して高いとは言えない給与額です。収入アップのためには、専門スキルやマネジメント能力の向上、高収入の求人への転職、専門資格の取得などが有効です。高収入を狙うなら大規模病院や企業、安定を求めるなら公務員、幅広い知識を得たいなら総合病院や食品メーカーなどもおすすめです。あなたに合った働き方で、収入アップを目指してみてください。
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