社会福祉士の年収は?性別・年齢・職場別、他資格との比較、給料アップの方法まで解説
- 更新日

「自分の年収は低いのかな、同世代の平均年収が気になる…」
「このまま社会福祉士として働き続けて給料は上がるのか?」
こんな悩みや疑問をお持ちではありませんか?
この記事では、社会福祉士の給料事情について徹底解説。性別・年齢別・職場別の平均年収、他の資格職との比較、給料を上げる方法を紹介します。また年収1,000万円は可能なのか、今後社会福祉士の給料は上がっていくかについて考察します。
ぜひ最後までお読みいただき、あなたの抱える年収の不安を解消し、より納得のいくキャリアを築くための一歩を踏み出してください。
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目次
社会福祉士の平均年収はいくら?
「令和2年度社会福祉士就労状況調査」によると、 社会福祉士の平均年収は403万円です。この調査は社会福祉振興・試験センターが実施しています。前回の調査結果と比較すると、平均年収は26万円多くなっていました。
令和2年度調査(今回) | 平成27年度調査(前回) |
---|---|
403万円 | 377万円 |
出典:社会福祉振興・試験センター 「令和2年度社会福祉士就労状況調査」
社会福祉士の平均年収は高いのか低いのか、全産業平均と比べてみましょう。国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」によれば、全産業の平均年収は433万円です。比較すると、社会福祉士の給料はやや低い水準と言えます
社会福祉士 | 全産業平均 |
---|---|
403万円 | 433万円 |
出典:国税庁 「令和2年分民間給与実態統計調査」
【男女別】社会福祉士の平均年収
「令和2年度社会福祉士就労状況調査」によると、男性の社会福祉士の平均年収は473万円、女性の社会福祉士の平均年収は365万円です。性別で平均年収を比較すると、108万円の差があります。
男性の社会福祉士 | 女性の社会福祉士 |
---|---|
473万円 | 365万円 |
出典:社会福祉振興・試験センター 「令和2年度社会福祉士就労状況調査」
なぜ男女間でここまで年収に差があるのでしょうか。様々な要因が考えられますが、その1つとして、ライフイベントが挙げられます。
女性は結婚や出産、育児などによりキャリアを中断せざるを得ない状況に直面することがあります。 キャリアの空白期間は、昇給や昇進の機会を逃す要因となり、結果として男性との年収差につながっていると考えられます。
【年齢別】社会福祉士の平均年収
同調査より年齢別の社会福祉士の平均年収を見てみましょう。
年齢 |
男性 |
女性 |
---|---|---|
20代 |
332万円 |
320万円 |
30代 |
426万円 |
347万円 |
40代 |
501万円 |
380万円 |
50代 |
564万円 |
421万円 |
60代以上 |
418万円 |
321万円 |
出典:社会福祉振興・試験センター 「令和2年度社会福祉士就労状況調査」
男女共に年齢を重ねるにつれて年収が増えて、50代にピークを迎えます。60代以上になると、50代と比べて平均年収は100万円以上減少します。
【職場別】社会福祉士の平均年収
社会福祉士の平均年収は、勤務先の施設形態によっても左右されます。社会福祉士の主な職場をピックアップして表にまとめました。
社会福祉士の給料が一番高い職場は、「保護観察所、地方更生保護委員会」でした。
勤務先と働き方 | 平均年収 |
---|---|
病院・診療所 (医療ソーシャルワーカー) |
398万円 |
介護老人保健施設 (支援相談員) |
392万円 |
特別養護老人ホーム (生活相談員) |
423万円 |
障害者支援施設 (生活相談員やサビ管) |
416万円 |
都道府県庁 (公務員の社会福祉士) |
496万円 |
児童相談所 (児童福祉司) |
532万円 |
保護観察所、 地方更生保護委員会 |
638万円 |
出典:社会福祉振興・試験センター 「令和2年度社会福祉士就労状況調査」
社会福祉士が活躍する分野・事業所は実に多様です。調査結果には、12分野、50超の事業所別の平均年収がまとめられています。数字やデータを見るのが好きな方は、是非出典の資料をクリックしてみてください。
スカウトサービス登録はこちら社会福祉士の年収は低い?他の資格職と比較
社会福祉士と他の医療福祉に関わる資格職の平均年収を比較してみましょう。まずは福祉の三大国家資格で肩を並べる、精神保健福祉士と介護福祉士です。
福祉の三大国家資格の比較
「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果」より、福祉の三大国家資格の比較表を作成しました。
資格 | 平均年収 |
---|---|
社会福祉士 | 403万円 |
精神保健福祉士 | 404万円 |
介護福祉士 | 292万円 |
出典:社会福祉振興・試験センター 「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果」
社会福祉士と精神保健福祉士の平均年収はほぼ同じという結果でした。その一方で、介護福祉士とは100万円以上の差があります。次は医療関連の資格職も含めて比較してみます。
医療福祉に関わる資格職との比較
「令和2年賃金構造基本統計調査」の結果から、社会福祉士と他の資格職との比較表を作成しました。
資格 | 平均年収 |
---|---|
社会福祉士 | 403万円 |
看護師 | 492万円 |
理学療法士 | 419万円 |
保育士 | 374万円 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 399万円 |
出典:厚生労働省 「令和2年賃金構造基本統計調査」
社会福祉士の年収は看護師と比べると低いですが、その他とは見劣りしません。ネット上には「社会福祉士は給料が安い」「社会福祉士は稼げない」といった記事やSNS投稿が見られますが、気に病む必要はないでしょう。
スカウトサービス登録はこちら社会福祉士で年収1000万円は可能?
結論、社会福祉士が年収1,000万円を目指すことは決して不可能ではありません。ただし、雇われの身では非常に困難です。
まず、一般的な社会福祉士として施設や病院などに雇用されている場合、昇進や昇給で年収1000万円に到達するのは現実的に難しいです。先で述べたように、社会福祉士の平均年収は、ピークの50代男性で564万円です。副業などを通じて収入を増やさない限り、年収1,000万円には届きません。
一方で、独立して「独立型社会福祉士」として成功すれば、年収1,000万円を稼ぐことは十分に可能です。社会福祉士事務所を開業し、個人・法人向けに有料相談やコンサルティングを提供したり、成年後見人事業を展開したり、研修・セミナーの講師として活躍することで、年収1,000万円の道が開かれるでしょう。
社会福祉士は年収600万円で勝ち組か
では、社会福祉士として年収600万円というラインはどうでしょうか。
「令和2年度社会福祉士就労状況調査」の平均年収の分布によると、年収600万円以上の社会福祉士の割合は、男性で20.7%、女性ではさらに低い6.8%という結果でした。平均年収が403万円ということを考えても、年収600万円を超える社会福祉士は、収入面においては「勝ち組」と言えるかもしれません。
平均年収の分布 |
男性の社会福祉士 |
女性の社会福祉士 |
---|---|---|
300万円未満 |
8.9% |
21.9% |
300万円以上400万円未満 |
18.4% |
26.0% |
400万円以上500万円未満 |
23.6% |
17.8% |
500万円以上600万円未満 |
16.4% |
7.7% |
600万円以上 |
20.7% |
6.8% |
出典:社会福祉振興・試験センター 「令和2年度社会福祉士就労状況調査」
ただし、年収が高いからといって、必ずしも仕事の充実や幸福に直結するわけではありません。業務の忙しさや責任の重さ、職場の人間関係など、収入以外の要素にも大きく左右されます。年収600万円という数字はあくまで一つの指標であり、「勝ち組」と呼べるかどうかは、個人の価値観や何を重視するかによって異なるでしょう。
スカウトサービス登録はこちら社会福祉士の給料を上げる5つの方法
社会福祉士が給料アップを実現するための5つの方法を紹介します。
- 経験を積み昇進・役職者を目指す
- 関連資格を取得し、仕事の幅を広げる
- 副業で収入源を増やす
- 独立して独立型社会福祉士になる
- 給料の高い職場に転職する
1つずつ見ていきましょう。
経験を積み昇進・役職者を目指す
いわゆる王道ルートです。多くの職場で、勤続年数や実務経験は給与に反映されていきます。着実に経験を積み重ねることで、基本給の昇給が期待できるでしょう。
さらに、リーダーや主任、地域連携室室長、施設長といった役職に就くことで、役職手当が支給され、大幅な給料アップにつながる可能性があります。
筆者が聞いた話では、老健で働く社会福祉士(支援相談員)が事務長や施設長になるケースが結構あるそうです。支援相談員が行うベッドコントロールや内外部の関係者との連絡調整は、施設の収益や運営に大きな影響を与えるため、管理者としてのスキルが自然と磨かれるそうです。
関連資格を取得し、仕事の幅を広げる
社会福祉士の資格に加えて関連する資格を取得することで、資格手当による給料アップやキャリアの可能性を広げることができます。具体的には精神保健福祉士とのダブルライセンスが挙げられます。
社会福祉士と精神保健福祉士のダブルライセンスのメリットは、より幅広い対象者への支援が可能になることです。精神疾患を持つ高齢者、知的障がいと精神疾患を併せ持つ人など、複数の課題を抱える複雑なケースに対応できるようになります。
副業で収入源を増やす
本業の社会福祉士としての収入に加えて、副業で収入源を増やすことも選択肢の一つです。社会福祉士の専門知識やスキルを活かせる副業は以下が考えられます。
- 成年後見人
- 介護認定審査会委員などの外部委員
- セミナー講師や研修講師
- webライターとしての執筆活動
他にもWワークという形で、休日など本業の時間外に別の職場でアルバイトをする方法があります。体力に自信のある方は選択肢になりえるでしょう。
注意点として副業を行う場合は、本業に支障が出ないように時間管理と体調管理を徹底することが重要です。また、勤務先の就業規則で副業が禁止されていないか、事前に必ず確認しましょう。
独立して独立型社会福祉士になる
組織に所属せず、自身の事務所を構えて独立開業するという道もあります。
独立開業のメリットは、自分の裁量で仕事を進められ、努力次第で収入の上限がなくなる点です。一方で、収入が不安定になるリスクや、営業活動、経理処理など、相談援助以外の業務も自身で行う必要があるという側面もあります。
独立型社会福祉士を目指す場合は、認定社会福祉士を取得し公益社団法人日本社会福祉士会の「独立型社会福祉士名簿登録」を行うのが通例です。認定社会福祉士については別の記事を書いているので良かったら参考にしてください。

認定社会福祉士とは?取得ルートとメリット、認定上級社会福祉士との違いを解説
認定社会福祉士の概要と認定上級社会福祉士との違い、要件・取得ルートとかかる費用の目安、メリット・デメリットなど、総合的に解説を行います。
詳細を見る給料の高い職場に転職する
条件の良い職場へ転職することでも、給料アップを狙えます。上で紹介したように、社会福祉士は働く場所によっても、給与や待遇は大きく異なります。
ただ、給料面だけで転職を決意するのはあまりおすすめしません。業務量が多すぎたり、休日が極端に少なかったりなど、ブラックな労働環境を選んでしまうリスクもあるからです。
給料面だけでなく、福利厚生や仕事内容など総合的に判断して転職先を決めるのがよいでしょう。
スカウトサービス登録はこちら社会福祉士の給料が高い求人を分析してみた
コメディカルドットコムに掲載中の社会福祉士求人5,016件(2025年4月24日時点)を月給順に並べて、どんな傾向がみられるのか分析してみました。
全国展開の障害福祉サービス事業所の管理者が高い
月給が1番高かったのは、放課後等デイサービスの教室長兼児発管でした。全国に事業所を展開する大手企業の新店舗立ち上げスタッフ(転勤あり)の場合、月給50万円・年収600万円という条件でした。
2番目に高かったのは、病院の地域連携室の管理職です。地域連携室の室長として、医療ソーシャルワーカー業務とスタッフマネジメントの両方を担います。400床近い規模の病院の場合で、年俸制550万円〜600万円という条件でした。
以降は就労支援B型事業所のサビ管、デイサービスの管理責任者、特養の副施設長、クリニックの事務長などが続きました。やはり管理者・管理職ポジションの給料が高いです。
管理者以外では小規模病院のMSWが狙い目かも
管理者・管理職ポジション以外で高かったのは、100床未満の小規模病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)です。いくつか具体例を挙げます。
- 静岡県の療養型病院(80床):月給35万円~40万円
- 愛知県のケアミックス型病院(90床):月給33.4万円~37.3万円
- 東京都の急性期病院(48床):月給29万円~35万円
給与が高い要因として、小規模病院の医療ソーシャルワーカーは1人部署ということが考えられます。地域連携室として複数名のスタッフがいる場合でも、他は看護師で社会福祉士は1人というケースもあります。
小規模病院の医療ソーシャルワーカー以外だと、「当直がある特養の生活相談員」や「固定残業代の支給がある老健の支援相談員」は月給が高めでした。
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社会福祉士の給料はこれから上がっていくのか
社会福祉士の将来性について、筆者の所感を交えながら解説します。結論から言うと、社会福祉士の給料はこれから上がっていく可能性が高いです。社会福祉士が活躍する分野の中でもとりわけ「高齢者福祉関係」「児童・母子福祉関係」「医療関係」の需要が高まっているのが理由です。
「高齢者福祉関係」の需要は高まり続けている
周知の通り、日本は世界の中で最も高齢化率が高い国であり、高齢化は年々進んでいます。高齢者福祉関係の社会福祉士の需要が高まっていることは今さら言うまでもないでしょう。
その中で重要なのが、介護職員の処遇改善が進む中、社会福祉士やケアマネジャー等の相談職の改善が進んでいないことです。社会福祉士やケアマネを目指すよりも、現場で介護士として夜勤をした方が給料が高いという状況になりえません。なり手の減少を防ぐために、国として社会福祉士の処遇改善にも今後着手すると予想されます。
「児童・母子福祉関係」は最もホットな分野
児童・母子福祉関係については、今最も注目されている分野かもしれません。2023年4月1日に「こども家庭庁」が新たに設置され、「こども家庭ソーシャルワーカー」という新しい資格が生まれました。社会福祉士からの取得ルートがあることから、国としてこの分野にもっと社会福祉士を集めたいという思惑があるのでしょう。
こども家庭ソーシャルワーカーについては、今後別の記事を書く予定です。
参考:こども家庭庁 こども家庭ソーシャルワーカー認定資格特設サイト
「医療関係」は獲得競争が激化している
医療関係については、地域包括ケアシステムの推進により、医療ソーシャルワーカーの需要が確実に高まっています。筆者の肌感としても、病院から社会福祉士の求人依頼を受ける機会が増えています。欠員補充のケースもありますが、利用者増による増員募集や地域連携室を新規に開設する為の募集もよく目にします。
公的なデータの裏付けも紹介しましょう。厚生労働省のjob tagによると、医療ソーシャルワーカーの有効求人倍率は3.26倍(2025年4月時点)です。これは1人の求職者に対して、3.26件の求人がある「売り手市場」と呼ばれる状態です。
出典:厚生労働省 job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) 医療ソーシャルワーカー - 職業詳細
まとめ
「令和2年度社会福祉士就労状況調査」によると、 社会福祉士の平均年収は403万円です。全産業平均433万円と比べると若干低い水準ですが、医療福祉に関わる資格職の中では決して低くありません。男女別の平均年収は、男性は473万円、女性は365万円です。女性は出産などライフイベントにより仕事を離れることがあるため、年収の差が生じていると考えられます。
社会福祉士で年収1,000万円を目指すには、独立して「独立型社会福祉士」として成功する必要があります。従業員として働く場合、年収600万円は役職に就くことで十分に目指せる可能性があります。
社会福祉士が給料アップを実現する5つの方法は以下の通りです。
- 経験を積み昇進・役職者を目指す
- 関連資格を取得し、仕事の幅を広げる
- 副業で収入源を増やす
- 独立して独立型社会福祉士になる
- 給料の高い職場に転職する
社会福祉士の年収は働く場所によっても左右されます。自身の目的に合った転職先を探してみてはいかがでしょうか。
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