介護士履歴書の書き方完全マニュアル！見本・テンプレート・志望動機例文まで

基本的な書き方を確認したいという方は、下記の記事も合わせてチェックしてみてください。

履歴書の書き方を学びましょう

履歴書は書類選考として応募後に求められる場合もございますし、面接時に持参する場合もございます。基本的に手書きの履歴書を求められると思いますので

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基本情報（氏名・住所・連絡先）

氏名や住所などの基本情報は、省略せずに正しく書きます。

氏名の書き方は人柄を表すため、読みやすく丁寧に書きましょう。
姓と名の間は、少し開けるのが一般的です。

ふりがなは、用紙の記載が「ふりがな」ならひらがな、「フリガナ」ならカタカナで書き、表記を統一しましょう。

住所は都道府県から建物名まで省略せず、ハイフンではなく「○丁目○番○号」と住民票通りに記載して几帳面さを示しましょう。
ふりがなは番地の前までが基本ですが、難読な建物名には振ると親切です。

現住所の下欄にある連絡先は、現住所と異なる場合のみ記入します。
現住所と同じ場合は、「同上」と記載するのが一般的です。

電話番号やメールアドレス欄に記入した内容は、採用担当が応募者へ連絡する際に使う可能性があります。
確実に連絡が取れるよう、普段から使っている番号とアドレスを記載してください。

学歴・職歴：ブランクと短期離職の書き方

自分の経歴を伝えるメインの部分です。
特に転職回数が多い方や、ブランクがある方にとっては悩みが多い項目ですが、基本ルールを守り、隠さずに書くことが信頼への第一歩です。

学歴・職歴欄について、まずは全体の記入イメージを確認しましょう。

【見本】学歴・職歴の記入例
※例として和暦（平成・令和）で統一しています。

学校名や会社名は省略をせずに正式名称で記載する点に注意が必要です。
特に介護業界では、法人格（社会福祉法人、医療法人など）を省略せず、さらに配属されていた施設名まで書くことで、どのような環境で経験を積んだかが伝わりやすくなります。

正式名称の記入例

×：県立○○高校
○：○○県立○○高等学校

×：（株）○○
○：株式会社○○

×：（福）○○
○：社会福祉法人○○ 特別養護老人ホーム○○

×：（医）○○
○：医療法人○○ 介護老人保健施設○○

「3ヶ月で辞めてしまった」「転職回数が多くて書ききれない」といった場合でも、履歴書にはすべての経歴を正直に記載してください。

隠してはいけない主な理由は以下の2点です。

・社会保険や雇用保険の加入履歴から、過去の経歴がバレる可能性があるため

・入職後に発覚した場合、「経歴詐称」として解雇等のトラブルに発展するリスクがあるため

採用担当者が重視するのは、転職の回数そのものよりも「納得できる説明があるか」です。
「また辞めるのではないか」という不安を払拭するためにも、退職理由を環境のせいにせず、「何を学び、次はどう活かしたいか」というビジョンを自分の言葉で伝えましょう。

短期離職の事実をごまかさず、正直に伝える姿勢こそが、実務における誠実さの証明として評価されます。

育児や介護などで職歴に空白期間がある場合、職歴欄には何も書かなくて構いません。

ただし、面接では「この期間は何をしていたのですか？」と聞かれることが多いです。
その際は「育児に専念しておりました」「家族の介護を行っておりました」と正直に答えれば全く問題ありません。

むしろ、育児や家事の経験が、マルチタスク能力や生活支援のスキルとして介護現場で活かせるとポジティブに捉えられることも多いです。

免許・資格：正式名称と日付の注意点

介護士は資格が重要視される仕事です。
保有している資格は正しく記載することで、給与面（資格手当）や待遇面で適切な評価を受けられます。

免許・資格は正式名称で取得した年と合わせて正しく記入しましょう。
法改正により、名称が変わっている資格もありますので、確認が必要です。記入する順番は、最初に運転免許を書くのが一般的です。
その後、ほかの免許や資格を取得順に記載してください。

以下よく使う資格の正式名称やお持ちの場合は記載したい資格をまとめましたので、チェックしてみてください。

×：ホームヘルパー2級
○：訪問介護員2級養成研修課程 修了

×：初任者研修
○：介護職員初任者研修課程 修了

×：実務者研修
○：介護福祉士実務者研修課程 修了

×：ケアマネジャー
○：介護支援専門員

本人希望欄の使い方

履歴書の最後にある「本人希望欄」。
ここをどう書くかで、入職後の働きやすさが変わることもありますが、書き方を間違えると採用のハードルを上げてしまうこともあります。

特に譲れない条件がない場合は、「貴施設（貴社）の規定に従います」と書くのが基本マナーです。

この欄に「給料は月〇〇円以上を希望します」「賞与は〇〇ヶ月分欲しいです」といった待遇面の要望を書くことは避けましょう。
お金の話は、書類選考を通過した後、面接の場や内定後の条件提示の際に確認するのがスマートです。

ただし、どうしても譲れない条件（子育てや介護の都合など）がある場合は、選考のミスマッチを防ぐためにも正直に、かつ謙虚に記載しましょう。

パートやアルバイトでの応募で、扶養範囲内での勤務を希望する場合や、勤務できる曜日・時間に制限がある場合は、この欄を使って明確に伝えておくことが親切です。

扶養内希望の場合：
「夫の扶養範囲内での勤務を希望いたします。（週〇〇時間程度）」

勤務時間の制限がある場合：
「子供の保育園送迎のため、勤務時間は9:00～16:00を希望いたします。」

曜日制限がある場合：
「原則として、貴社のシフトに従います。（家族の介護のため、土日の勤務についてはご相談させていただけますと幸いです）」

ポイントは、「絶対に無理」と一方的に主張するのではなく、「原則は従う意思があるが、事情があって相談したい」というニュアンスを含ませることです。
これにより、柔軟性のある人物だという印象を与えつつ、こちらの事情を伝えることができます。

担当者が会いたくなる！介護士の志望動機・自己PRの書き方

履歴書の中で、採用担当者が最も時間をかけて読み込み、合否の判断材料としているのが「志望動機」と「自己PR」です。

学歴や職歴は変えることができませんが、この欄はあなたの伝え方次第で、経験の少なさや経歴のハンデを覆し、「会ってみたい」と思わせる強力な武器になります。

志望動機の書き方については、以下の記事でもより詳しく紹介しています。経験・資格ごとに豊富な例文も設けていますので、是非参考にしてみてください。

【例文あり】介護士の志望動機の書き方｜コツや注意点を解説！

介護業界に転職したいとき、特に志望動機の書き方が重要です。心で思っていても、いざ文章にし、人に伝えるとなると難しいものですよね。

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採用担当者の視点「ここを見ています」

実際に現場で採用を行っている担当者は、応募者の履歴書のどこに注目しているのでしょうか。

「急な退職に伴い、即戦力で活躍して頂ける方を募集していました。しかし、経験があることは職歴を見ればわかるのですが、応募の理由や自己PRがいわゆる「テンプレート」のような内容が記載されていました。

その履歴書からは、具体的な業務内容や当施設での活躍するイメージがつかなかったため、結局その方はお見送りとなりました。本当はお一人おひとりにお会いしたいのが本音なんですがね・・・」

「『うちで○○を実現したい！』という明確な志望動機が記載されている履歴書を送ってくださる方には、こちらとしてもぜひ一度お会いしてみたいという気持ちになります。

その他にも、事前にホームページや求人情報を色々と調べてくれて、私たちの特徴を理解しているなと感じる履歴書からは熱意を感じます。自分なりの言葉でまとめていると気持ちは伝わりやすいと思います。」

このように、採用担当者が最も嫌うのは「どこかで見たことのある定型文」です。
インターネット上の例文をそのまま写すのではなく、自分の言葉で「なぜこの施設なのか」「自分の経験をどう活かせるか」を具体的に書くことが、採用への近道です。

【施設形態別】志望動機に使える強みは？

「自分の言葉で」と言われても、何をアピールすればいいか迷ってしまう方も多いでしょう。
介護施設は、その形態によって求められる役割が異なります。応募先の施設タイプに合わせて、アピールするキーワードを変える（＝相手のニーズに合わせる）ことが戦略として有効です。

入所施設では、利用者様の生活を24時間体制で支えます。
そのため、職員同士の連携や体力、認知症ケアへの理解が重視されます。

おすすめキーワード： 「チームワーク」「協調性」「体力に自信がある」「生活を支える」「看取りケアへの関心」

訪問やデイでは、利用者様の自立支援や在宅生活の継続が目標です。
臨機応変な対応や、個別のアクティビティ提供などが求められます。

おすすめキーワード： 「自立支援」「個別の関わり」「レクリエーションの企画」「臨機応変な対応」「運転・送迎」

ケース別：ネガティブをポジティブに変える例文

転職回数が多い、短期での離職経験がある、異業種からの転職で経験が浅い……
そんな「ネガティブ」に感じる要素も、伝え方一つで「ポジティブ」な強みに変換できます。

ここでは、よくあるケース別の書き換え例文をご紹介します。

短期離職の理由を「人間関係が悪かった」とそのまま伝えると、「またすぐに辞めるのではないか」と不安を与えてしまいます。
「より良いケアを目指したい」「長く働ける環境を探している」という前向きな定着意欲に変換しましょう。

書き換え例：
「前職では業務効率が最優先される環境でしたが、もっと一人ひとりの利用者様に寄り添った丁寧なケアを実践したいという思いが強くなりました。

貴施設の『利用者様本位』の理念に深く共感し、チームワークを大切にする環境で、腰を据えて長く貢献したいと考え志望いたしました。」

育児や家事、介護などに専念していた期間は、決して「何もしなかった期間」ではありません。マルチタスク能力や観察力のアピールにつなげましょう。

書き換え例：
「出産を機に一度現場を離れましたが、子育てを通じて、相手の体調変化を細やかに察知する観察力や、複数のことを同時に進める対応力が養われたと感じています。

子供の手が離れ、改めて大好きな介護の仕事に復帰したいと考えました。ブランクはありますが、新人と同じ気持ちで一から学び、貴施設の戦力となれるよう努力いたします。」

履歴書の提出マナーと最終チェックリスト

履歴書が完成したら、最後に「提出」の準備です。

内容がどれほど素晴らしくても、提出のマナーが守られていないと、面接官の手元に届く前に「常識がない」と判断されてしまうこともあります。
最後まで気を抜かず、完璧な状態で届けましょう。

郵送・持参・メール提出のルール

履歴書の提出方法は、大きく分けて「郵送」「持参」「メール」の3パターンがあります。それぞれの正しいマナーを解説します。

履歴書を郵送する時は、封筒に送付状（添え状）を同封して送ります。
履歴書だけをいきなり封筒に入れるのはマナー違反です。

その際には、履歴書に汚れやシワがつかないよう、クリアファイルに挟んでから封筒に入れるようにしましょう。

添え状の書き方については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて確認して準備しましょう。

【見本・例文付き】履歴書の送付状（添え状）は必要？手書き？書き方やNG例も解説

一般的な就職や転職活動において、履歴書を郵送する際には「送付状（添え状）」を同封するのがマナーです。

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履歴書を面接当日に持参する場合でも、裸でカバンに入れるのはNGです。
郵送時と同様に、クリアファイルに挟んで封筒に入れます。

封筒の表面の左下には、赤ペンで「履歴書在中」と記載しましょう。
持参する場合には、宛名（送付先）を記入する必要はありませんが、裏面に誰のものか判別ができるよう、自分の「住所」「氏名」の記載を忘れずに行います。

渡す際は、封筒から出し、クリアファイルに入った状態の履歴書を封筒の上に重ねて、相手が見やすい向き（自分から見て逆向き）にして、「本日はよろしくお願いいたします」と一言添えて渡しましょう。

最近増えているのが、メールでのデータ提出です。
特にパソコンで作成した場合は、そのままメール添付で送ることができます。

注意点は2つです。

・PDF形式に変換する
WordやExcelのまま送ると、相手の環境でレイアウトが崩れたり、誤って編集されたりする恐れがあります。必ずPDF形式で保存してから送りましょう。

・ファイル名と件名を分かりやすく
「履歴書（氏名）」のように、ファイル名だけで誰の履歴書か分かるようにします。
メールの件名も「介護士応募の件／氏名」とし、担当者が一目で用件を把握できるようにしましょう。

提出直前の「指差し確認」リスト

封筒に入れる前、あるいは送信ボタンを押す前に、最後のチェックを行いましょう。
以下のリストを使って確認してください。

・誤字脱字はありませんか？（読み返してチェック）

・西暦・和暦は統一されていますか？（「2026年」と「令和8年」が混ざっていないか）

・空欄はありませんか？（書くことがない場合は「特になし」と記載）

・写真は剥がれないように貼れていますか？（裏面に記名はしましたか？）

・コピーは取りましたか？

提出する履歴書は必ずコピーを取り、面接が終わるまで手元に保管しておきましょう。

選考が進んだ際は、提出した履歴書の内容をもとに面接は進んでいきます。
「志望動機に何を書いたっけ？」と忘れてしまい、面接での回答と履歴書の内容が食い違ってしまうと、不信感につながります。

事前に想定される質問への回答を準備するためにも、コピーは必須です。

まとめ：履歴書はあなたの「未来」を拓くツール

ここまで、介護士の履歴書の書き方について解説してきました。

履歴書作成は、単なる事務作業ではありません。
これまでの自分のキャリアを振り返り、「自分には何ができるのか」「これからどんな介護をしたいのか」を見つめ直す、大切な機会でもあります。

この記事を参考に、あなたの魅力が最大限に伝わる履歴書を完成させ、理想の職場への転職を成功させてください。

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