保育士も面接対策が大事!よくある質問や解答例などを解説
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保育士に限ったことではありませんが、志望先に採用されるためには面接が非常に重要です。実際に志望先の担当者と言葉を交わす貴重な機会ですが、事前の準備を活かせず、失敗してしまった経験がある方も多いでしょう。
今回は保育士のケースに絞り、面接の対策を紹介していくので参考にしてみてください。

目次
1.よくある質問の対策をしよう
まず、代表的な質問とその回答例を紹介していきます。自分の立場に置き換えて、具体的な回答の内容を考えてみてください。面接の回答において、心がけることは以下の3つです。
- 履歴書や職務経歴書の内容と矛盾しないようにする
- 現・前職場の悪口にならないようにする
- 転職先の情報をよく調べておく
面接前に自分の情報として渡してある履歴書などの書類は、面接時に確認しながら進めることがほとんどです。そのため、書類の内容に沿いながら、追加情報として回答するイメージで問題ありません。
回答時に、現職・前職のことを悪く言うのは避けましょう。転職のきっかけとしてネガティブな要素はあると思いますが、担当者に悪い印象を与えてしまう可能性が高いので、最小限にとどめられるように意識する必要があります。
以上のことを踏まえ、以下の質問・回答例を参考に自分なりの回答を考えてみましょう。模範回答もあるので、自分の境遇と一致する場合はうまく流用すれば、簡単に対策可能です。
自己紹介をお願いします
◎◎◎◎と申します。現在まで〇〇保育園で△年間働いてまいりました。年少~年長組まで保育を行っていた経験を活かし、貴園で即戦力として活躍したいと考えています。本日はよろしくお願いいたします。
自分の名前、どの職場で何年働いたか、どのような経験があるかを簡潔にまとめます。長くなりすぎないように注意しましょう。
この園を選んだ理由を教えてください
貴園の「子ども一人ひとりの成長を大切にする」という運営方針に共感したためです。前職では全体で100人近い大規模な園でした。そのため1クラスの人数が多く決まった方針のみで、個性を生かした保育は実現できていないと感じていました。もちろん、一人ひとりに時間をかけ過ぎてはいけないことは理解していましたが、同時に歯がゆさを感じていました。
貴園では「子どもたちとの関わりを尊重する」という理念で、1クラスに保育士を2人配置する方針だと伺っています。その一人ひとりに目が行き届かせる環境に魅力を感じました。子どもたちに密接した保育を実現できる貴園で、児童の個性を大切にした保育を実現したいと考えため志望いたしました。
「なぜその園が良いのか」という部分はもちろん「その園でなければダメ」という理由をしっかり盛り込むことが採用率アップのポイントです。また、内容の矛盾が発生していないか、という部分も事前にしっかり対策しておきましょう。
保育士として働こうと思ったきっかけを教えてください
保育士を目指すきっかけは、子どもの成長を間近で感じたいと思ったからです。親戚間の子どものなかで年齢がもっとも上だったこともあり、自分よりも下の世代の子どもの面倒を見る機会が多くありました。
そのなかで、久々にあった親戚の子どもの成長を見ることに子どもながら嬉しさを感じていました。高校を卒業する際に、改めてその成長をより間近に感じたいと思い、保育士として働くことを決意しました。
具体的なエピソードがあればそれを基準に考えてみましょう。漠然とした理由や思い出せないといった場合は、これまでの保育現場で感じた喜びをもとに考えてみるといいです。
長所と短所を教えてください
私の長所は、一歩引いて全体を見ることができる視野の広さです。以前の職場では子どもたちを広く観察することで、ケガや事故を起こさないように勤めていました。
また、子どもの注意や関心が集中した際に起こりやすい衝突や怪我の可能性に対し、適切なタイミングで援助や声かけを徹底していました。実際に直前に間に割って入ることで未然にトラブルを防げたケースもあります。貴園でも子どもたちを広い視野でしっかりと見守り、怪我などの予防で貢献できると考えております。
逆に私の短所は事務作業に時間がかかってしまうことです。クラス担任をしていた際、連絡帳の記入や保護者へのお知らせの作成に時間がかかってしまい、時間外の業務が増えることが多くありました。このようなことから、効率的に取り組めるように、業務のなかでの優先事項を決めて仕事に向き合うようにしています。
長所に関しては自分の得意なことを活かして「どのように転職先に貢献できるか」を盛り込むようにします。短所は「改善のためにしていること」を盛り込みましょう。短所を自覚していることが相手に伝わり、改善に向けて対策している姿勢が好印象を与えます。
保育士として今後の目標があれば教えてください
保育士として乳児保育の専門性を高めることを目標に、乳児保育分野のキャリアアップ研修の修了を目標としています。年少~年長の児童には以前の職場で担当することができ、より関われる児童の幅を広げていきたいと考えているので、乳児とかかわることにも興味があります。まず即戦力として貴園に貢献しつつ、より広い年代の児童の保育を行えるように、自身のスキルを磨いていきたいです。
貴園は乳児保育を専門にしているため、貴園に勤めることで専門性が伴った新しいスキルを身に付けられると考えています。乳児~年長まで幅広い分野において専門性も備えた保育士になりたいと考えています。
自身が持っている明確な目標があれば、それについて具体的に回答します。前職でのエピソードを付け加えることで、面接官にも具体的なイメージを持ってもらえるので、盛り込めるときは積極的に活用しましょう。
退職理由を教えてください
前職を辞めた理由は、子どもたち一人ひとりに向き合って保育を行いたいと思ったからです。志望動機でもお伝えしましたが、以前の職場では児童も多かったため、個性を活かすような方針は園の体制として難しい部分がありました。そのため、より近い距離感で保育ができる環境だと感じ、貴園への転職を志しました。
ここで大事なのは、ネガティブな伝え方を極力避けることです。自分のなかでマイナスに感じていることは必要ですが、悪口だと思われる表現は避けるようにを徹底しましょう。
退職理由を教えてください
- 社内の研修制度についてより詳しい基準を教えていただけますか?
- 新任研修の内容を詳しく教えていただけますか?
重要なのは質問をすることです。「特にありません」は避けましょう。事前に質問の準備をしつつ、面接時の説明に含まれている内容と被っていないかはしっかり把握する必要があります。思いつかない場合は、職場の説明時の内容を再確認する質問でも問題ありません。
2.面接の基本は保育士も同じ
「保育士だから」ということで面接に特別なことはありません。基本となる部分は他の職業と同じです。以下では面接の基本を紹介するので、再確認してみてください。
身だしなみを整える
面接時に身だしなみで気をつけるポイントは以下の3点です。
清潔感があるかないかで第一印象は大きく変わります。清潔感がなければ、だらしない人と捉えられてしまう可能性が高く、面接官に仕事ができない印象を与えてしまいかねません。
面接ではクリーニングに出したシワのない綺麗なスーツを着て、髪を整髪料やヘアゴムなどでまとめ、爪を切っておくなど細かいところまで気を使いましょう。面接前には一度、鏡やスマホのインカメラなどで自分を客観的に見ることもおすすめです。
TPOに適した服装は、社会人であれば当然求められることです。それができないと面接官にネガティブなイメージを与えてしまう可能性があります。
スーツであれば何でもいいというわけでなく、面接に適したスーツを選ばなければなりません。面接では、一般的な黒もしくは濃紺のビジネススーツの着用がTPOをわきまえた適切な服装です。
サイズが合っていない服装というだけで、一気にだらしない印象が強くなります。だらしない印象を与えることで、「仕事ができない人」と第一印象の段階で判断されてしまう可能性もあるので、袖や丈の長さなどには注意して服装を選びましょう。
基本的なマナー
面接時の基本的なマナーは、以下の6点です。
- 入室前の準備
- 挨拶
- 目線と視線
- 声のスピードとボリューム
- 言葉遣い
- そのほかに気を付ける点
あらかじめの予習も効果的なので、希望の職場に転職するために事前に対策しておきましょう。
会場には面接時間の5~10分前につくようにします。遅刻は避けましょう。万が一、やむを得ない理由で遅れてしまう場合は早めに連絡します。早く着き過ぎても先方が準備中であれば、迷惑になってしまう場合があるので注意が必要です。
面接会場に着いたら、お手洗いでメイクを直したりヘアスタイルのチェックをします。また、洋服の着崩れなどをチェックするのも効果的です。冬に行われる面接の際は、コートを着て会場に向かうこともありますが、建物に入る前に脱いでおくのもマナーの一つなので覚えておいてください。
面接において挨拶は非常に重要です。声が小さかったり、下を向いていたりすると暗い印象を与えてしまいます。面接のやる気がないと判断されてしまう可能性もあるので、明るい印象を与えられるように、はっきりと大きく明るい声で挨拶しましょう。
また、退室時の挨拶も気を抜けません。面接が完璧でも、最後の挨拶でマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
面接が始まったら、まずは目線と姿勢に気を付けます。相手の話を聞くときや質問に答える際は、相手の目を見て話すことが大切です。目線が不安定だと、集中力に欠けると思われることもあります。目の前のことに集中して、相手の目を見てしっかり答えましょう。
また、だらしない印象を与えないように姿勢にも気をつけます。浅く腰掛け、背もたれによりかからないようにして背筋を伸ばすといいです。そのほか、緊張からくる貧乏ゆすり・髪に触る・足を組むなどの癖に注意しなければなりません。普段から無意識にしている場合は、特に気をつけましょう。
原稿をあらかじめ用意していても、緊張すると早口になりがちなので落ち着いた対応を心がけましょう。落ち着いた対応が出来ることを求められる場合も多いため、何を聞かれてもゆっくりと落ち着いて質問に答えることが大事です。
また、声のボリュームに関しては、はっきりと相手に伝わる大きさで話すことを意識します。しっかりと相手に届く声の大きさで、慌てずに受け答えすれば問題ありません。
面接では言葉遣いに気を付けることも重要で、特に敬語の使い方には注意しなければなりません。尊敬語の使い方を間違えると相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
また、会話が盛り上がっているからといって、失礼なことを言ってしまわないように気をつける必要があります。言葉遣いに気をつけて、面接官に良い印象を持ってもらえるように気を抜かないことが大事です。
面接中は携帯電話の電源は切っておきましょう。また、面接中にお茶などを出してもらった際は、いただきますと一言添えてから口にします。面接が終わってもすぐにリラックスせず、家に帰るまで、少なくとも最寄りの駅までが採用試験だと思って、気を抜かないようにするのが重要です。

面接の時に企業から見られている服装はココ!面接マナーについて徹底解説!
面接時に求められるマナーは思いの外多いです。気を使うところですが、社会人であれば誰もが求められることばかり。
詳細を見る3.事前準備をしっかりして面接に臨もう
面接が採用に大きく影響すると考えれば、緊張するのは当然です。そのなかで結果を残すには、事前の対策が必要になります。特によく聞かれる質問などは回答を用意しておくことで、内容を深掘りされても、柔軟に対応していくことが可能です。今回の記事の内容を参考に、しっかりと準備をして本番に臨み、対策を実施してみてください。