社会福祉士の一般養成施設とは|費用や選び方、通信と通学の違い、働きながら通えるか
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「社会福祉士の一般養成施設って何?」
「通信と通学ってどう違うの?」
「自分に合った施設の選び方が分からない…」
こんな疑問や悩みをお持ちの方はいませんか?
この記事では、社会福祉士の一般養成施設について取り上げます。
必要な費用や選び方、通信と通学の比較、働きながら通えるかについて解説していきます。
是非参考にしてください。
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目次
社会福祉士の一般養成施設とは?
社会福祉士の一般養成施設とは、社会福祉士の国家試験受験資格を得るために通う養成機関のことです。一般大学・短大を卒業した人や実務経験がある人が対象で、1年以上の修業期間があります。
2024年4月時点で、一般養成施設は全国に68校80課程あります。課程は通信と通学に分かれ、さらに通学は昼間と夜間に分かれます。
傾向として、通信課程の養成施設の方が圧倒的に多く、定員人数も多いです。中には定員800人という養成施設もあります。一方で、通学課程は養成施設の数も定員も限られています。
入学対象者の条件
一般養成施設の入学対象者は、学歴と実務経験により以下の通り定められています。
1.一般大学等(4年)卒業 |
2.一般短大等(3年)卒業+相談援助実務経験1年 |
3.一般短大等(2年)卒業+相談援助実務経験2年 |
4.相談援助実務経験4年 |
一般大学の卒業者、相談援助実務経験を4年以上持つ方は、既に入学条件を満たしていることになります。
修業期間の目安
一般養成施設の修業期間は、通信制と通学制、また養成施設によって異なります。
通信制:1年6ヵ月以上
通学制:1年以上
通信制の場合は、1年6ヵ月に設定している養成施設が主流です。施設によっては2年に設定しています。
通学制の場合は、1年に設定している養成施設が主流です。一部夜間通学の施設が2年に設定しています。
一般養成施設の全国一覧
社会福祉士の一般養成施設の一覧は、以下のページで確認することができます。
社会福祉振興・試験センター「短期養成施設・一般養成施設」
PCの方は以下のページがおすすめです。都道府県別に検索できるのと、虫眼鏡アイコンをクリックすると養成校(課程等)名でGoogle検索した結果が表示されます。
WAM NET「社会福祉士一般養成施設一覧」
社会福祉士の一般養成施設では何を学ぶの?
社会福祉士の一般養成施設では、社会福祉士国家試験の受験資格を得るために必要な共通科目(12科目)、専門科目(7科目)、演習・実習科目を体系的に学びます。
授業内容・カリキュラムは通信制と通学制で異なります。年間スケジュールや詳細な内容は養成施設によっても異なるので、大まかな傾向を紹介します。
通信制の場合
通信制の一般養成施設では、(1)レポート学習(2)スクーリング(3)実習を行います。
レポート学習は月毎に科目に応じた課題が出され、自身で知識を学び指定された文字数以内のレポートを提出します。
スクーリングは、スクーリング会場に実際に足を運び、ソーシャルワーク演習・実習指導を受講します。通信制だからといって、全て自宅学習で済むわけではないので注意しましょう。
実習は、養成施設と提携している施設に出向き、学んだ知識や技術を実際の現場で体験し、社会福祉士としての実践的な能力を身につけます。後述しますが人によっては実習免除となることがあります。
実際の通信課程の学習スケジュール例を紹介しておきます。
日本福祉大学中央福祉専門学校「社会福祉士科 通信課程 学習スケジュール」
通学制の場合
通学制の一般養成施設では、対面授業で講師から直接指導を受けて各科目を学んでいます。学んだ内容を評価するために、定期的な試験やレポートの提出が求められます。大学や専門学校の授業に近いイメージです。
実習は通信制と同様、提携している施設で行います。
実際の通信課程の学習スケジュール例を紹介しておきます。「週間スケジュール」以下をご覧ください。
東海医療科学専門学校「社会福祉士科(昼間課程)」
社会福祉士の実習免除について
以下の条件に該当する方は、実習科目の履修が免除となります。
- 相談援助業務の実務経験が1年以上ある方
- 介護福祉士または精神保健福祉士の資格を保有している方
※実習時間の一部(上限60時間程度)が免除
新カリキュラムにより、実習は2施設以上で240時間以上の実施が義務付けられています。また実習には費用がかかります。時間的・経済的な負担を軽減できるので、条件に当てはまる方は実習免除制度を活用すると良いでしょう。
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社会福祉士の一般養成施設にかかる費用の目安は、以下の通りです。
区分 | 費用 |
---|---|
通信制の一般養成施設 | 30~60万円程度 |
昼間通学の一般養成施設 | 100~140万円程度 |
夜間通学の一般養成施設 | 80~120万円程度 |
通信制と通学制、養成施設によって金額は異なります。比較すると通信制は、施設の設備費等がかからないこと、講師から直接講義を受けるわけではないので授業料が安くなることから費用が抑えられています。
また実習の有無により、実習費分で10~15万円程度の費用の差が生まれます。
学費サポートについて
養成施設によっては学費サポートを用意しています。国や地方自治体の制度を利用したものから、養成施設独自の特待生制度など内容は様々です。代表的なものを紹介します。
・専門実践教育訓練給付金
給付額:受講費用の50%(年間上限40万円)
厚生労働大臣が指定する専門的な教育訓練講座を受講する際に、一定の条件を満たした方に対し、受講費用の一部を国が支給する制度。受講前にハローワークで申請手続きを行います。
・社会福祉士修学資金貸付制度
貸付金額:月額5万円以内、入学準備金20万円以内、就職準備金20万円以内
返済免除:卒業後に社会福祉士として、相談援助の業務に5年間勤務することで全額免除
社会福祉士の資格取得を目指し、厚生労働大臣の指定する養成施設に在学する方を対象に、修学資金を貸与(無利子)する制度。問い合わせ・申し込みは、各都道府県の指定する団体に行う。
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自分に合った一般養成施設の選び方のポイントを紹介します。
ライフスタイルに合わせて通信か通学か選ぶ
第一歩として通信と通学のどちらにするか決めましょう。冒頭で紹介した通り、通学制の養成施設は数が限られていて、住んでいる都道府県に1つも無かったり、距離的に通学が難しい可能性があります。また働きながら通うのであれば、通信か夜間通学のどちらかになります。
ご自身の状況に合わせて、まずは通信と通学のどちらで一般養成施設を探すか決めましょう。
通信の場合はスクーリング会場、日程で選ぶ
通信制を選択したとしても、スクーリングのために通学する必要があります。自宅から通いやすい場所にスクーリング会場があるのか、またスクーリング日程は問題なく参加できるか必ず確認しましょう。
学費の安さと学費サポートで選ぶ
学費の安さを優先する場合は、通信制の一般養成施設がおすすめです。安いところでは、実習無しの場合30万円程度の学費に抑えられます。ただし学費が安い施設には、それなりの安い理由があります。他の要素も考慮して総合的に判断した方が良いでしょう。
通学制の一般養成施設の費用は、施設によってピンキリな傾向が見られます。例えば、同じ昼間通学1年間でも100万円のところがある一方、150万円かかるところもあります。
学費の金額だけでなく、学費サポートを受けられるかも注目するべきです。国の教育訓練給付費などを活用する施設が多いですが、一部では独自の学費免除制度を取り入れている施設があります。
合格実績・合格率で選ぶ
通信制よりも通学制の一般養成施設の方が合格率は高めです。なかには合格率実績100%をアピールポイントにしている通学制の施設があります。
東京福祉専門学校「社会福祉士一般養成科」
通信制の場合は、合格率50%を下回るところも珍しくありません。傾向として、合格率が高い施設はHPで合格率実績をアピールしていて、低い施設は具体的な数字の記載を避ける傾向にあります。
参考として、直近の社会福祉士国家試験の合格率を紹介しておきます。2025年2月に実施された第37回社会福祉士国家試験の合格率は56.3%でした。
回次 | 合格率 |
---|---|
第37回 | 56.3% |
第36回 | 58.1% |
第35回 | 44.2% |
第34回 | 31.1% |
第33回 | 29.3% |
国家試験対策や就職サポートの手厚さで選ぶ
国家試験対策は、養成施設ごとの差が一番生まれる部分と言えます。内容は独自の模擬試験を実施したり、担任教員が個別指導やフィードバックを行うなど養成施設によって様々です。通信制の養成施設では任意参加の有料オプションとして、国家試験対策講座を開講しているところが多いです。
就職サポートは多くの養成施設で行われており、中には「就職内定保障」を掲げているところもあります。実習先とのつながりや卒業生のネットワークを活用した情報交換や就職支援、キャリアカウンセラーや教員による個別の就職相談など内容はこちらも様々です。
一般養成施設に通い社会福祉士国家試験の受験資格を得るのがゴールではなく、試験に合格し社会福祉士として希望する働き方を実現するのが最終目標です。国家試験対策や就職サポートもしっかりと判断材料にすべきでしょう。
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結論として、働きながら社会福祉士の一般養成施設に通えます。多くの社会人が、通信制または夜間通学の一般養成施設に通い社会福祉士になっています。通信制のスクーリングについて、近年は土日に実施されることが多く、働きながらでも問題なく通うことができます。
働きながら通う際に注意が必要なのは、実習期間です。実習に関しては、土日だけ、夜間に行うといった時間や日程の調整が難しいです。1ヶ月程度仕事を休むことになります。職場の理解が必要となるため、上司や同僚に養成施設に通うことを相談し、理解と協力を得るように努めましょう。
まとめ
社会福祉士の一般養成施設は、大学・短大卒業者や実務経験者が国家試験の受験資格を得るための機関で、全国に68校80課程(2024年4月時点)が存在します。課程は通信制が主流で定員も多い一方、通学制(昼間、夜間)は施設数と定員が限られます。入学には学歴や実務経験に応じた条件があり、修業期間は通信制が1年6ヶ月以上、通学制が1年以上です。
通信制はレポート、スクーリング、実習が中心で、通学制は対面授業が基本です。一定の条件を満たすと実習が免除される場合もあります。一般養成施設にかかる費用は通信制で30~60万円程度、通学制は80~140万円程度が目安で、学費サポート制度も存在します。
養成施設を選ぶ際は、ライフスタイルに合わせた通信・通学の選択、スクーリング会場、学費、合格実績、国家試験・就職サポートの手厚さなどを考慮することが重要です。働きながら通う場合は、通信制や夜間通学が選択肢となりますが、実習期間の確保には注意が必要です。
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