准看護師とは?看護師との違いや資格の取り方、年収や目指すメリットを解説!
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「准看護師って看護師と何か違うの?」
「准看護師を目指すメリットって何?」
「社会人からでも目指せるの?」
准看護師に関するこんな疑問を全て解決します!
この記事では准看護師の概要、看護師との違い、資格取得の流れや年収事情、目指すメリットなど幅広いテーマを解説します。准看護師のイメージがグッと具体的になり、今後のキャリアを考える参考になるでしょう。
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目次
准看護師と正看護師の違い
ー准看護師にはできないこと
准看護師の主な就業先と特徴
准看護師の年収はどのくらい?
准看護師になるには?資格取得の4つのステップ
准看護師を目指すメリット
准看護師に関するよくある質問
Q1.社会人からでも准看護師を目指せる?
Q2.准看護師の資格は通信制で取れる?
Q3.准看護師が廃止になるのは本当?具体的にはいつから?
まとめ
准看護師とは?
准看護師とは、医師や看護師の指示を受けて、診察の補助や患者さんの療養上の世話を行う医療専門職です。看護職の一種であり、都道府県知事が発行する准看護師免許を取得することで働くことができます。※看護職とは、保健師、助産師、看護師、准看護師のことを指します。
厚生労働省の資料によると2022年には全国で約25万人の准看護師が働いていて、そのうち約23万人が女性です。准看護師の就業先で一番多いのは病院で、診療所(クリニック)と介護施設が続きます。
准看護師の仕事内容
准看護師の仕事内容は以下の通りです。実はやること自体は看護師と大きく変わりません。違いは後ほど解説します。
- 患者さんのケアと日常生活の援助: 医師や看護師の指示のもと、バイタルサイン測定、身体の清拭、食事・排泄介助、体位変換など、患者さんの健康状態観察と日常生活をきめ細やかにサポートします。
- 診察の補助: 採血、点滴の準備・介助、与薬補助、医療器具の準備・消毒など、幅広い業務をサポートします。正確性やスピードが求められます。
准看護師と正看護師の違い
准看護師と正看護師の違いを表にまとめました。「正看護師」という呼び方は、看護師と准看護師を区別するために使われます。
比較項目 | 准看護師 | 正看護師 |
---|---|---|
資格の種類 | 都道府県知事免許 | 国家資格 |
必要な学歴 | 中卒以上 | 高卒以上 |
教育課程 | 2年間 | 専門・短大は3年間、大学は4年間 |
平均年収 | 約417万円 | 約520万円 |
業務範囲 | 医師や看護師の指示のもとで、看護業務を行う | 自らの判断で、看護業務を行うことができる |
「看護業務を行う」という点では、准看護師と看護師の仕事内容はほとんど同じと言えます。ただいくつか准看護師にはできないことがあります。
准看護師にはできないこと
看護師にはできるが、准看護師にはできないことがあります。具体的な4つの内容を紹介します。
准看護師は、必ず医師または看護師の指示を受けて業務を行う必要があります。患者さんの急な状態変化などがあっても、自己判断で医療行為や看護業務を行うことはできません。必ず看護師に報告し、指示を仰ぐ必要があります。
准看護師は、患者さんの看護計画(療養の目標や具体的なケアの内容など)を自ら考えて立案することはできません。これは、准看護師の教育課程に看護計画の立案に関する内容が含まれていないためです。看護師が立案した看護計画に基づいて業務を行います。
准看護師は、法的に指示を受ける立場であるため、他の正看護師や、たとえ自分より経験が浅い准看護師であっても、業務上の指示を出したり指導したりすることはできません。なのでチームリーダーなどの役割も担うことはできません。
多くの医療機関や介護施設において、准看護師は看護部門の管理職(看護師長、主任など)に就くことはできません。管理職は、看護師全体をまとめ、業務の調整や指導を行う立場であり、指示を出す権限が必要となるためです。
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准看護師の主な就業先と特徴
日本看護協会が発表している「令和2年看護関係統計資料集」によると、准看護師の就業先で最も多いのが病院で、全体の36.3%という結果でした。次に多いのがクリニックの34.6%で、他に介護施設などがあります。それぞれの就業先の特徴を見ていきましょう。
病院での准看護師の働き方
配属先によって業務内容は異なりますが、医師や看護師の指示を受けながら、基本的な看護技術の習得が可能です。他にも、配属先の診療科に特化した知識を身につけられます。病院勤務を大きく分けると、外来勤務と病棟勤務に分けることができます
外来勤務の場合は、診察時間が朝から夕方までが多いので、基本的に夜勤はなく肉体労働が少ないのが特徴です。

外来看護師とは?仕事内容から働くメリット、向いているタイプまで徹底解説
同じ看護師でも「病棟看護師」と「外来看護師」では、仕事内容も働き方も全く異なります。夜勤のない外来勤務は、転職先として人気があります。
詳細を見る病棟勤務になると、入院している患者さんのケアにあたるので夜勤があります。良い点は、同じ患者さんを継続的に担当することで信頼関係を築くことができる点と、夜勤があるため給料が高くなりやすいことです。

病棟看護師とは?仕事内容や働き方、病棟の種類について詳しく解説
病棟で勤務する看護師のことを「病棟看護師」と言い、看護師や准看護師の働く場所として最も一般的な職場です。
詳細を見るクリニック・診療所での准看護師の働き方
クリニックや診療所は一般的に、病床設備がない、または19床以下の医療機関のことをいいます。主な業務として、「診察前の問診」「採血」「注射」「点滴」など診察の補助がメインです。
クリニックは基本的に外来業務になるので、夜勤はありません。ただし、入院設備が整っているクリニックもあるので、その場合は夜勤業務を行うこともあるでしょう。クリニックのメリットは、休日が固定されていることが多く、ワークライフバランスが取りやすいことです。

クリニックで看護師は何するの?仕事内容や給与、働くメリットとは?
プライベートや家庭との両立がしやすいクリニックは看護師の転職先として人気があります。初めてクリニックへの転職を考えている方は
詳細を見る介護施設での准看護師の働き方
介護施設では、医師や看護師の指示を受けながら、バイタルチェックや服薬管理など利用者の健康管理を行います。施設によって異なりますが、食事・入浴・排泄介助などの介護業務を行うこともあります。また、入所施設の場合はオンコール対応、または夜勤を担当することもあるでしょう。
通所施設は日勤のみの業務になりますが、夜勤がない分、入所施設と比較して給料が低くなる傾向にあります。施設によっても特徴が違うので、転職する場合は自身が求める働き方ができるかを、求人票や面接などで確認すると良いでしょう。
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准看護師の年収はどのくらい?
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、准看護師の年収は約417万円でした。内訳は、月給が29万4,300円で、ボーナス(年間賞与)が64万100円です。
年収 | 月給 | ボーナス |
---|---|---|
417万1,700円 | 29万4,300円 | 64万100円 |
全産業平均と比べてみましょう。准看護師は女性がほとんどなので、女性労働者のデータを引用します。国税庁が行った「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、全産業の女性労働者の平均年収は約316万円です。比較すると100万円近く准看護師の年収が高いことが分かります。
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准看護師になるには?資格取得の4つのステップ
准看護師になるには、以下の4つのステップを踏む必要があります。
ステップ1:准看護師養成所(准看護学校)への入学
中学校卒業以上の学歴があれば、准看護師養成所への入学資格があります。入学試験として、中学校で習うレベルの学科試験と面接が実施されます。
准看護師養成所には、全日制と半日制(夜間)があり、働きながら学ぶことも可能です。
ステップ2:准看護師養成所での2年間の学習
通常2年間の課程で、座学と病院での実習を行います。准看護師として働く上で必要な知識を、授業形式だけでなく演習やグループワーク、技術演習(モデル人形を使った実践的な練習)などを通して、より実践的に学んでいきます。
ステップ3:准看護師試験の受験
准看護師養成所を卒業すると、准看護師試験の受験資格が得られます。試験は毎年2月に1回行われて、合格率は例年96%以上と高いです。2024年度の試験では合格率98.9%を記録しました。
以前は都道府県ごとに試験問題が独自で作成されていましたが、2021年度からは全国統一の試験問題となりました。試験時間は2時間30分で、マークシート方式で150問出題されます。
ステップ4:試験合格後の免許申請
准看護師試験に合格後、都道府県知事から准看護師免許が交付されます。これで晴れて准看護師の資格取得となります。
ちなみに准看護師養成所の学費っていくらかかるの?
2年間でかかる総額は概ね50万円~150万円程度が目安となります。准看護師養成所の学費は、学校の種類(公立か私立か、医師会立かなど)や地域によって大きく異なります。
学費をなるべく抑えたい場合は、公立の学校を選ぶことと奨学金制度の利用をおすすめします。
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准看護師を目指すメリット
准看護師を目指すメリットは沢山ありますが、特に「看護師ではなく准看護師を目指す理由」について紹介したいと思います。
短期間で資格取得が可能
准看護師養成所は通常2年間で卒業できます。看護師の場合、専門学校・短大の場合は3年間、看護大学の場合は4年間かかるので、比較すると短期間で資格取得が可能です。早く資格を取って働きたい方には大きなメリットです。
学費が比較的安い
養成期間が短い分、看護師の養成課程に比べて学費を抑えることができます。期間が短いということは、学費以外の生活費なども安く済むというのもポイントです。
働きながら資格取得を目指せる
准看護師養成所には、全日制の他に「半日制(夜間)コース」を設けている学校もあります。現在仕事をしている方や、子育て・介護などで日中の時間が取りにくい方でも、働きながら学校に通い、資格取得を目指しやすいのが特徴です。
准看護師養成所の入学のハードルが低い
受験資格が中学校卒業以上であるため、高校卒業資格がない方でも受験が可能です。入学試験も中学校レベルの基礎学力が問われることが多く、看護師の養成課程に比べて受験しやすいです。
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准看護師に関するよくある質問
Q&A形式でよくある質問について回答していきます。
Q1.社会人からでも准看護師を目指せる?
A.はい!准看護師は社会人からでも十分に目指せます。 むしろ、社会人から准看護師を目指す方は非常に多く、准看護師養成所の多くは社会人を受け入れる体制が整っています。
子育て中の方が、パートで働きながら准看護師取得を目指すという話もよくあります。資格取得後は准看護師として働きながら、今度は看護師の取得を目指すというキャリアプランも描けます。
Q2.准看護師の資格は通信制で取れる?
A.いいえ。残念ながら准看護師の資格を通信制だけで取得することはできません。准看護師の養成課程には、病院や施設での実習や実技が必須であり、通信制のみではこれらを十分に満たすことができないためです。
混同されやすいですが、すでに准看護師の資格をお持ちの方が、看護師の資格を目指す場合は、通信制で資格取得が可能です。ただし、准看護師として7年以上の実務経験が求められるなど条件は厳しめです。
Q3.准看護師が廃止になるのは本当?具体的にはいつから?
A.2025年7月現在では、准看護師の資格が「廃止」されるという具体的な決定や、いつから廃止されるかという期日は決まっていません。1990年代から看護師への一本化を進めるべきだという議論がずっと続いていますが、今のところ大きな決定はありません。
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まとめ
准看護師は、働きながらでも資格取得を目指すことができます。主な就業先に病院やクリニック、介護施設があり、それぞれの特徴と自身に合った職場を見つけることが大切です。
看護スタッフは慢性的な人手不足が続いているため、医療機関・介護施設のどちらも求人が多く出されています。将来的に看護スタッフとして働きたいとお考えの方は、まずは准看護師を目指してみてはいかがでしょうか。
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