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准看護師とは?看護師との違いやめざし方、就業施設ごとの働き方を解説

  • 更新日
投稿者:小口 紗穂

看護師と一口に言っても、実際には看護師と准看護師の2種類あります。准看護師は各都道府県知事が発行する免許で、看護師と同じく看護業務を行いますが、看護師とは異なる部分がいくつかあるのはご存知でしょうか。

今回は、准看護師について、資格取得の方法や看護師との違い、主な就業先などを解説していきます。

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目次



1.准看護師とは?

冒頭でもお伝えしたように准看護師は、各都道府県知事が発行する「准看護師免許」を取得している看護師のことです。准看護師は、病院やクリニックで働く医師や看護師の指示を受けながら、診療や看護の補助を行います。年々増加傾向にある看護師と比較して、准看護師の人数は減少しています。


実際に、厚生労働省が発表している「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、准看護師は全国で約28.5万人です。平成22年の准看護師の人数が約36.8万人だった頃より、年々減少しています。厚生労働省は近年看護師・准看護師を一本化する提言を出しており、准看護師の養成を停止している都道府県もあるようで、今後も減少していくことが予想されます。


看護師との違いは?

看護師と准看護師の大きな違いは、以下の3つが挙げられます。


  • 免許の発行元
  • 業務の進め方
  • 要求される能力の違い

看護師免許は国家資格試験に合格した者に、「厚生労働大臣」から発行されます。一方の准看護師は、国家資格ではないため「都道府県知事」が発行する免許です。


業務の進め方についても、看護師は専門知識を活かしながら、自らの判断で業務遂行を行うことができます。准看護師に限っては、医師や看護師の指示なく業務を進めることはできません。


また、日本看護協会が出している「看護業務基準」にも記されているように、「科学的根拠に基づいた看護の実践を行う基礎的能力」が看護師に求められています。准看護師は、「医師や看護師の指示のもと、療養上の世話や診療の補助を対象者の安楽に配慮し、安全に実施できる能力」が必要になります。准看護師は年齢や経験に関係なく、看護師に指示を出すことができないのも大きな違いでしょう。


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2.准看護師のできること・できないこと

看護師と准看護師の違いがわかりました。では、実際の業務においての違いはあるのでしょうか。ここでは准看護師の具体的な仕事内容と准看護師ができないことを解説していきます。


准看護師の仕事内容

准看護師の仕事内容としては、看護師が行うものと大きく変わりません。主な仕事内容を以下にまとめました。


  • 点滴・注射・採血
  • バイタルチェック
  • カルテ記入
  • カンファレンス
  • 食事・排せつ・入浴の介助
  • 体位変換
  • 夜勤巡回
  • 患者さんの移送

上記は看護師も行う業務です。そのため、准看護師であっても看護師と同等の知識や技術を身に付ける必要があります。


准看護師ができない業務

看護師と准看護師の業務内容に大きな違いはありませんが、以下の内容は准看護師ができない業務とされています。


  • 医師や看護師の指示なく、自らの判断で業務を遂行すること
  • 年齢や経験など関係なく看護師へ指示を出すこと
  • 看護計画の立案

看護師と准看護師の仕事内容に大きな違いはありませんが、准看護師は自身で判断して看護業務を遂行することはできません。必ず、医師や看護師の指示を仰ぐ必要があります。


例えば、患者さんから清拭をお願いされた場合、看護師であればすぐに業務に取り掛かることができますが、准看護師の場合だとリーダーに伝え指示が出るまで業務を始めることができないのです。これは、責任の所在を明確にするために指示系統が決められているためです。


看護師と准看護師では仕事内容に違いがないものの、自分で判断できるか指示を待つかでは業務効率は看護師と比較すると劣ると言えるでしょう。また、准看護師は看護師に指示を出すことができません。これは経験の浅い看護師に対しても同じです。


看護計画の立案も准看護師はできません。看護計画とは、看護師が仕事を行う際の指針となるもので、患者さんが回復するまでにどのような目標を掲げるのかを明確にしたもので患者さんひとり一人に立てられています。看護師は看護学校や大学で看護計画立案について学びますが、准看護師の養成課程に看護計画立案の教育が含まれていないことが理由となります。


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3.准看護師の給料

厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」を参考に、看護師と准看護師の給料を表にまとめました。国家資格である看護師と比べると、年収で約77万円の差があることがわかります。


月収

賞与

年収

正看護師

31.8万円

86.2万円

約468円

准看護師

27.4万円

62.7万円

約391万円


仕事内容はほとんど変わらないにせよ准看護師は自らの判断で業務を遂行できないことが給料に響いています。そのため、准看護師で「給料アップを目指したい」という方は、将来的に看護師を目指すことも視野に入れると良いでしょう。


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4.准看護師資格の取得方法

ここでは、准看護師の資格取得方法について、試験までの流れや養成所を解説します。日中は家事で忙しい方や働いている方でも取得しやすい資格ですので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。


資格取得の流れ

准看護師ルート図

准看護師資格を取得するには、中学卒業ルートと高等学校卒業ルートの2通りあります。


【中学校卒業ルート】准看護師養成所で2年、または高校の衛生看護科で3年の課程を修了

【高等学校卒業ルート】准看護師養成所で2年の課程を修了


准看護師養成所の過程を修了した後、准看護師試験を受験し、合格すれば都道府県知事より資格が発行されます。社会人の方が准看護師資格を取得しようとする場合、まずは「准看護師養成所」に入学するのが一般的です。


准看護師養成所

准看護師養成所は、中学校卒業から受験資格があるので、入試のレベルも中学卒業程度になります。養成所には全日制と半日制があります。


全日制は週3日、朝から夕方まで授業を行い、半日制は週5日で平日の午後または夜間に行うことが多いです。また、授業の内容は1年目が座学メイン、2年目は実習を行います。半日制の場合、日中働いた後に夜間から授業に参加できるので、空いた時間を有効活用して資格取得を目指すことも可能です。


准看護師試験について

准看護師試験は、毎年2月上旬から下旬に各都道府県で実施されます。試験日の日程については都道府県によっても異なるため、複数の都道府県で受験することが可能です。


試験科目は、以下の科目から全150問出題されます。

「人体の仕組みと働き」「食生活と栄養」「薬物と看護」「疾病の成り立ち」「感染と予防」「看護と倫理」「患者の心理」「保健医療福祉の仕組み」「看護と法律」「基礎看護」「成人看護」「老年看護」「母子看護及び精神看護」


合格発表日は、毎年3月上旬から中旬にかけて行われます。令和4年度の試験実施状況を見ると、受験者数13,831人のうち合格者は13,544人で、合格率は97.9%です。試験難易度は各都道府県によって異なりますが、それほど難しくない試験といえるでしょう。


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5.准看護師から看護師へのステップアップ

准看護師から看護師へのステップアップ

准看護師の資格を取得した後は、看護師にステップアップすることができます。看護師の資格を取得することで、給料アップや活躍の場が広がるでしょう。准看護師から看護師になる方法として、2年制の看護師養成所の課程を修了し、看護師国家試験に合格する必要があります。2年制の看護師養成所は、全日制、定時制(昼間・夜間)、通信制があり、准看護師として働きながら養成所に通う方も多いです。


また、准看護師資格を持っていれば、最短ルートで看護師資格試験を受験できます。ただし、中学卒業ルートで准看護師になった場合は、3年の実務経験が必要です。他にも、通信制の看護師養成所で学ぶには、准看護師資格と7年以上の実務経験が条件となるため注意しましょう。


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6.准看護師の主な就業先

日本看護協会が発表している「令和2年看護関係統計資料集」によると、准看護師の就業先で最も多いのが病院で、全体の36.3%という結果でした。次に多いのがクリニックの34.6%で、他に介護施設などがあります。それぞれの就業先の特徴を見ていきましょう。


病院

配属先によって業務内容は異なりますが、医師や看護師の指示を受けながら、基本的な看護技術の習得が可能です。他にも、配属先の診療科に特化した知識を身につけられます。病院勤務を大きく分けると、外来勤務と病棟勤務に分けることができます


外来勤務の場合は、診察時間が朝から夕方までが多いので、基本的に夜勤はなく肉体労働が少ないのが特徴です。

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クリニック・診療所

クリニックや診療所は一般的に、病床設備がない、または19床以下の医療機関のことをいいます。主な業務として、「診察前の問診」「採血」「注射」「点滴」など診察の補助がメインです。


クリニックは基本的に外来業務になるので、夜勤はありません。ただし、入院設備が整っているクリニックもあるので、その場合は夜勤業務を行うこともあるでしょう。クリニックのメリットは、休日が固定されていることが多く、ワークライフバランスが取りやすいことです。

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介護施設

介護施設では、医師や看護師の指示を受けながら、バイタルチェックや服薬管理など利用者の健康管理を行います。施設によって異なりますが、食事・入浴・排泄介助などの介護業務を行うこともあります。また、入所施設の場合はオンコール対応、または夜勤を担当することもあるでしょう。


通所施設は日勤のみの業務になりますが、夜勤がない分、入所施設と比較して給料が低くなる傾向にあります。施設によっても特徴が違うので、転職する場合は自身が求める働き方ができるかを、求人票や面接などで確認すると良いでしょう。



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7.准看護師の将来性

冒頭で説明しましたが、准看護師の人数は年々減少しています。そもそも、准看護師の始まりは、戦後に病院が次々と増設される中看護師が不足したことが原因でした。当時は、高校へ進学する女性が少なく不足する看護師を補うことが難しいことから、中学校卒業を要件に看護師を補助する資格として准看護師が発足されました。


しかし、現在は男女問わず高校進学が当たり前となっています。さらに、医療の複雑化・多様化により、看護師には自ら判断して行動する能力も求められるようになっています。そのため准看護師の人数は減少傾向にあるのです。


ですが、准看護師の需要が少ないのかというとそうではありません。少子高齢化の進展に伴い、医療・介護の需要は年々高まっています。看護師の不足を補うためにも、准看護師の需要が高まることが予想されます。


准看護師は看護師を比較して取得にかかる費用や時間を抑えることができます。働きながら・育児をしながらでも取得ができるので取得に対するハードルが低いのもメリットです。短時間で医療現場で働きたい人や、看護師へのキャリアアップを目指す人におすすめの資格と言えるでしょう。


准看護師は、看護師の補助的業務を行う資格ですが、看護師と基本的に同じ業務を行うことができます。そのため、准看護師は医療現場で活躍できるチャンスが多く、今後も多くの求人が見込まれるでしょう。


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8.まとめ

准看護師は、働きながらでも資格取得を目指すことができます。主な就業先に病院やクリニック、介護施設があり、それぞれの特徴と自身に合った職場を見つけることが大切です。


看護スタッフは慢性的な人手不足が続いているため、医療機関・介護施設のどちらも求人が多く出されています。将来的に看護スタッフとして働きたいとお考えの方は、まずは准看護師を目指してみてはいかがでしょうか。

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セカンドラボ株式会社

URL:https://www.2ndlabo.co.jp

東京大学を卒業後、大学病院の病棟看護師として勤務。アレルギー・リウマチ内科、腎臓内分泌内科、心療内科等幅広い領域を担う病棟で従事。
2023年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療介護向け求人メディア「コメディカルドットコム」の営業・採用課題のサポートを行う。また、看護師の経験を生かし、看護師に関連するコンテンツ作成にも従事。

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