看護師の転職回数|多いと不利になる?転職を成功させるには?
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看護師は「人間関係」や「体力面」などが理由で、他の職業と比較しても転職回数が多い職業です。転職回数が多いことで、面接で不利になるのではないかとお考えの方も多いでしょう。
今回は、実際に転職回数がどのくらいなら多いと思われてしまうのか、転職回数が多くても次の面接で不利にならない方法などを解説します。看護師の疑問にお答えする記事になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次
2.看護師に多い転職理由とは?
3.無駄な転職・短期離職を増やさないためには?
4.転職回数が多くても採用したいと思わせるにはどうしたら良い?
5.理由別の好印象な転職理由の伝え方
6.転職の多さを気にせず自信をもって転職活動しよう
1.転職回数の多さは不利になる?
結論から言うと、転職回数の多さが面接で不利になるケースもあります。厚生労働省が出している「看護職員就業状況等実態調査結果(平成22~平成23年)」によると、看護師の半数以上が少なくとも1回は転職や退職を経験しています。データからもわかるように、多くの看護師が転職をしていることから、転職回数が理由で面接が不利になることは考えにくいです。

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詳細を見るただし、転職回数が20代は2回、30代は3回から多いと判断されやすくなります。他にも、短期離職を繰り返していたり、転職理由がネガティブなものが多い場合は、マイナスに捉えられてしまうこともあります。そのため、転職回数よりも「一つの勤務先での勤続年数」や「転職理由」の方が重要視されることが多いです。
看護師の平均退職回数
看護師として就業している方の平均退職回数をまとめました。0回と1回が最も多く、合わせると7割程となります。また、4回以降からは一気に数が減ってます。看護師は転職回数が多い職業というイメージがありますが、実際はそこまで多くないようです。
退職回数 |
回答数(人) |
割合(%) |
0回 |
7,861 |
45.2 |
1回 |
4,174 |
24.0 |
2回 |
2,453 |
14.1 |
3回 |
1,382 |
7.9 |
4回 |
639 |
3.7 |
5回以上 |
597 |
3.4 |
無回答 |
278 |
1.6 |
転職回数が多いと不利になる理由
看護師の多くが一度は転職を経験しているため、転職歴が選考で不利に働くことはありませんが、転職回数が極端に多いと不利になってしまうこともあります。その理由を見ていきましょう。
採用する側としては、長く働いてくれる人を採用したいと考えます。やむを得ない理由であっても、短い期間での転職が多いと採用してもすぐ辞めてしまうのではないかと受け止められてしまう可能性があります。
とくに書類選考がある場合、採用担当は書類の内容からしか判断できません。転職回数を理由に採用を見送られてしまうケースも少なくないでしょう。
転職回数が極端に多いと、看護師としての経験を十分に積むことができていないのではないかと判断されることもあります。人手不足の職場では即戦力が求められるケースが多いです。
人手不足から多少転職回数が多くても採用されるパターンもありますが、そういった職場の場合教育制度が整っていないことが多いので、看護師としての知識やスキルが十分でないと入職後苦しい思いをする可能性もあるので注意が必要です。
2.看護師に多い転職理由とは?
看護師の半数以上が転職を1回以上経験しており、生涯における転職回数の平均値は2回ともいわれています。他にもさまざまな理由により、転職回数が多くなっている方もいらっしゃるでしょう。ここでは、他の看護師がどのような理由で転職しているのかを解説していきます。
人間関係
看護師の仕事において、人間関係は最も重要な部分になり、ストレスを感じる方も多く退職につながる一つの理由です。医療機関や介護施設は、幅広い年代や職種の方が関わる職場なので、価値観の衝突が起こりやすくなります。
職場の人間関係だけでなく、患者さんやそのご家族とも良好な人間関係を築く必要があります。そのため、さまざまな人との関係性で悩んでしまうケースは多く、馴染めない職場に転職を決断する方も多いです。

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詳細を見る体力面
看護師は、患者さんの移動やサポート、介助などの身体的に負担のかかる業務をこなします。他にも、夜勤や長時間の勤務など不規則なシフトで働くことも多く、体力面の問題で働き続けるのが難しくなってきます。そのため、外来勤務のような日勤のみの病院や介護施設などに転職し、規則的に働きたいと考える看護師も多いようです。
給料面
勤務先によっては、長時間労働や業務負担が大きいにもかかわらず、給料が釣り合っていないケースもあります。給料をモチベーションにして働いている方もいらっしゃるので、そこに不満を感じるようになると転職する理由になるでしょう。

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詳細を見るライフスタイルの変化
ライフスタイルが変われば、これまでの働き方が困難になるケースがあります。特に、結婚・出産・育児などは、夜勤や長時間勤務の場合では両立が難しいでしょう。そのため、シフトの融通が利く職場に転職したり、雇用形態を変えようとしたりする方も多いようです。
3.無駄な転職・短期離職を増やさないためには?
転職回数が多いことで、不採用になる直接的な理由になることは少ないですが、無駄な転職を繰り返していると不利になることもあります。今後、無駄な転職・短期離職を繰り返さないためには、以下の3つのポイントが大切です。
- 自分の転職の軸をはっきりさせる
- 転職先をよく知っておく
- 仕事以外で熱中できることを見つけておく
一つずつ詳しく解説します。
自分の転職の軸をはっきりさせる
転職を失敗させないためにも、まずは自分の転職の軸をはっきりさせておきましょう。「早く転職先を決めないといけない」と焦った状態で職場を選んでしまうと、転職先でも同じ理由で辞めてしまうことになります。
例えば、「残業が少ない職場で働きたい」「給料が高い職場に転職したい」など、自分が転職先に求める条件をはっきりさせるべきです。その中で優先順位をつけて、条件を叶えてくれる職場を探すことが転職失敗を防ぐことができます。
転職先をよく知っておく
転職活動中に、自分が働きたいと思っている医療機関や施設の情報収集をしておくことが大切です。働き始めてから、「思っていた職場と違う」というようなミスマッチは避けなければいけません。
そのためにも、職場見学や職場体験をするのも働くイメージが掴めるのでおすすめです。転職後のミスマッチを防ぐためにも、条件や職場環境などをよく調べてから応募するようにしましょう。
仕事以外で熱中できることを見つけておく
長く勤務するためには、仕事以外で楽しめる環境を作ることも大切です。仕事以外に楽しめるものがない状況では、良い職場に恵まれたとしても意欲の低下につながる恐れもあります。
実際、仕事と家を往復する毎日で、生活に物足りなさを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。仕事以外で熱中できるものを見つけておくことで、ストレス解消にもなり、生活にメリハリをつけることができます。長く続けていくためにも、プライベートで楽しめるものを見つけ、仕事とのバランスを保つことが重要です。
4.転職回数が多くても採用したいと思わせるにはどうしたら良い?
転職回数が多い方でも、相手に「採用したい」と思ってもらえるようにアピールする方法はあります。以下の3つのポイントを面接でアピールすれば、転職回数が多い方でも採用につなげることが可能です。
- 退職・転職理由はポジティブに伝える
- 看護師としての実務経験をアピールする
- 長期で就業できることを伝える
一つずつ詳しく見ていきましょう。
退職・転職理由をポジティブに伝える
前職を退職した理由がネガティブな場合でも、ポジティブに伝えることで採用につなげることができるでしょう。
人間関係の悪化や仕事内容の不満など、ネガティブな理由で転職する方は多いです。しかし、ネガティブな理由をそのまま伝えることで、職場への不平不満に捉えられてしまい、印象が悪くなる可能性があります。転職回数の多さから、「同じ理由ですぐに退職するのではないか」と思われることもあるでしょう。
ネガティブな理由をポジティブに言い換えられれば、前向きなアピールになり、採用につなげることが可能になります。
実務経験の豊富さをアピール
転職回数が多い場合でも、「実務経験が豊富」としてアピールできます。さまざまな職場で看護師を経験している方であれば、それぞれの職場でどのような経験を積んできたかを伝えることが大切です。
例えば、以下のように具体的なエピソードを交えて話しましょう。
- 担当した診療科目が多く、どの配属先でも対応できる
- 介護施設で働いた経験があり、高齢者の医療的ケアに強い
- 他職種と連携して業務を遂行していたので、コミュニケーション能力に長けている
経験を新しい職場でどのように活かせるかを上手く伝えられれば、話に説得力を持たせることが可能です。そして、採用担当者にも「この人に働いてもらいたい」と思ってもらうことができるでしょう。
長期就業できることをアピールする
転職回数が多い看護師に採用側が思うことは、「すぐに辞めないか」ということでしょう。そのため、「長期で働ける」と上手くアピールすることが大切です。
例えば、「忍耐力があり、困難な状況でも続けることができる」「協調性があり、職場環境に馴染むことができる」などを伝えましょう。また、自分が今後、どのようなキャリアプランを考えているかを伝えることも、アピールの材料になります。
5.理由別の好印象な転職理由の伝え方
転職回数が多い看護師は、面接時に転職理由をどのように伝えるか悩む方も多いでしょう。人間関係の悩みや給料に不満で退職したとしても、ネガティブのまま伝えるのは印象がよくないです。ここでは、面接で必ず聞かれる、退職理由・転職理由について、理由別に好印象な伝え方を紹介します。
人間関係の悩み
人間関係の悩みで転職回数がを繰り返してしまう方は多いです。しかし、そのまま採用側に伝えてしまうと、「忍耐力がない」「コミュニケーションスキルが低い」と捉えられてしまう可能性があります。
「チームワークを重視して働きたい」などのポジティブなワードを加えて伝えることで、採用側からの印象も良くなるでしょう。例えば、以下のような伝え方であれば、人間関係の悩みで転職した場合でも、ネガティブな印象を与えません。
「前職は各々で判断して働くことが多い職場でしたが、チームワークの良い職場で周囲と協力しながら業務に取り組みたいと思い転職を決断しました。」
ネガティブなワードは使用せず、質問に対してポジティブな内容で答えるようにしましょう。
給料・待遇
給料や待遇などの理由をそのまま伝えると、「良い求人が見つかればすぐに転職するのではないか」といった印象を持たれてしまいます。そのため、ネガティブな内容で印象を悪くしないために、採用したいと思わせるように言い換えましょう。具体的には、「スキルアップ・キャリアアップを目指していき、自身への評価を高めていきたい」と伝えるだけで印象が変わります。
例文としては、
「自身のキャリアアップを目指して転職活動をしています。ゆくゆくは看護主任などの役職を目指していきたいです。」
など、ポジティブに伝えられるようにしておきましょう。
家庭の事情
家族の転勤や出産などのやむを得ない事情の場合は、面接時にそのままの内容を伝える必要があります。家庭の事情を隠してもミスマッチになってしまう可能性もあり、お互いにとって時間や労力の無駄になりかねません。
やむを得ない理由で転職を考えている場合は、理解を得られるケースも多いので、正直に伝えるようにしましょう。
6.転職の多さを気にせず自信をもって転職活動しよう
今の職場に不満があり、転職をお考えの方も多いのではないでしょうか。しかし、転職回数が多くなってしまうと、面接で不利になるのではないかと心配になります。
看護師の半数以上が転職を経験しています。採用側が心配しているのは、転職回数より1つの職場での就業期間や転職理由です。無駄な転職を繰り返さないために、転職における自分の「軸」を明確にし、長く勤めるためには何が重要なのかを考えましょう。
転職回数の多さは気にせず、前向きに自信を持って転職活動に取り組むようにしてください。