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介護職員初任者研修とは|費用や期間、無料で受講する方法、年収アップのメリット

  • 更新日
投稿者:堀尾 健太

「初任者研修ってどんな資格?取るメリットある?」
「費用はいくらかかる、コスパの良い資格なのかな…」
このような疑問をお持ちではありませんか?

この記事では「介護職員初任者研修」について徹底解説します。
どんな資格なのか、合格率や難易度、かかる費用や期間、受講方法、メリットを分かりやすく紹介します。また「無料で受講する方法と注意点」「役に立たない論争」について取り上げます。

これから介護職を目指している方、無資格で働きながら将来的に資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。

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受験資格は特になし!初任者研修は介護の入門

介護職員初任者研修は、介護の仕事に就く人が最初に目指すべき「基礎・入門資格」に位置づけられています。

この資格を取得する最大の目的は、利用者の身体に直接触れる「身体介護」や「生活援助」を安全かつ適切に行うための、基礎的な知識と技術を習得することにあります。

一般的に略して「初任者研修」と呼ばれることが多いので、この記事でもそうします。

特に定められた受験要件がない!

初任者研修は、学歴、性別、国籍を問わず無資格・介護未経験の方でも受講できます。誰でも受けられることから、入門資格として多くの方がチャレンジしています。

ただスクールによって、「16歳以上」の年齢制限や安全を守るため「妊娠中の方は受講不可」としているケースがあることは注意してください。

「ホームヘルパー2級」から名称変更

2013年4月の制度改正によりホームヘルパー2級が廃止され、「介護職員初任者研修」が創設されました。ヘルパー2級よりも、実践的な内容や認知症ケアに関する内容が強化されており、介護の現場で即戦力となるためのスキルを学べます。

すでに「ホームヘルパー2級」の資格をお持ちの場合、その資格は現在も有効です。新たに初任者研修を取り直す必要はありません。

合格率は90%以上!試験や難易度について

初任者研修の合格率は高く、90%以上とされています。合格率が高い理由は、初任者研修の最終試験(修了評価)が、受講者を落とすことを目的としていないからです。学んだことの確認テストといった感じです。

難易度は数ある介護資格の中でもかなり低く「真面目に受講すれば誰でも取れる」 資格と認識して大丈夫です。義務付けられている130時間のカリキュラム(座学・実技)にすべて出席して、復習を行えばほとんどの方が合格できます。

試験の内容と再試について

試験の出題範囲は、講義で使用したテキストの範囲内から出題されるため、ひっかけ問題や難問はほとんど出ません。出題形式は、選択式(マークシート方式)が中心で、記述式が数問含まれることがあります。

合格に必要な点数はスクールによりますが、100点中70点以上が目安です。万が一、一度不合格になっても、ほとんどのスクールで無料または有料で再試験を受けられるフォロー制度が用意されています。

取得期間は最短約1ヵ月!カリキュラムの詳細

初任者研修は最短約1ヶ月で取れることが特徴です。短期間に集中して学習を進める「短期集中コース」を選択した場合に実現できます。

初任者研修は、合計130時間のカリキュラムを履修する必要があり、どのペースで通学(スクーリング)するかによって期間が変わります。目安を表にしました。

コース 通学ペース 取得期間 向いている方
短期集中コース 週に3〜4回通学(平日中心) 約1ヶ月〜1.5ヶ月 離職中でまとまった時間がある方、早く就職したい方
標準コース 週に2回通学 約2ヶ月〜2.5ヶ月 比較的時間を確保できる方、短期集中は難しい方
週末・夜間コース 週に1回通学(土日や夜間中心) 約3ヶ月〜4ヶ月 働きながら、自分のペースで無理なく取得したい方

初任者研修の受講方法は2通り

初任者研修の受講方法は通学オンリーか、「通学+通信」の2通りです。

受講方法 内容 特徴
通学のみ 全てのカリキュラム(130時間)をスクールで受講。 短期集中で取得したい方に向いている。
通信+通学 知識科目を自宅の通信学習で学び、実技演習と残りの講義をスクールで受講します。 忙しい方や、自宅で自分のペースで学びたい方に向いている。

※通信学習(自宅)でできるのは、基礎的な知識を学ぶ座学の一部(40.5時間まで)のみです。実技や重要な座学、そして修了試験は、必ずスクールに通学(スクーリング)して受ける必要があります。

初任者の詳しいカリキュラム

初任者研修のカリキュラムは10科目に分かれています。

科目名 時間数 学習方法の目安
1. 職務の理解 6時間 座学
2. 介護における尊厳の保持・自立支援 9時間 座学
3. 介護の基本 6時間 座学
4. 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間 座学
5. 介護におけるコミュニケーション技術 6時間 座学
6. 老化の理解 6時間 座学
7. 認知症の理解 6時間 座学
8. 障害の理解 3時間 座学
9. こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間 座学・実技演習
10. 振り返りとまとめ 4時間 座学・試験
合計 130時間

「9. こころとからだのしくみと生活支援技術」は実技中心で、身体介護の基本や移動・食事・入浴・排泄・衣類着脱などの介助技術を学びます。

費用の目安は5~10万円、抑える方法は?

初任者研修の取得にかかる費用の目安は、5万円〜10万円が相場です。スクールや地域、時期によって料金にはかなり幅があります。費用に差が出る主な理由は以下の通りです。

  • 立地・地域: 大都市圏(特に東京・神奈川・大阪など)は、地方と比べて費用が高くなる傾向があります。
  • サポート体制: 欠席時の振替受講の可否、就職サポートの有無など、フォロー体制が充実しているほど高くなります。
  • キャンペーン :スクール独自の割引キャンペーン(例:期間限定割引、早期申込割引など)で大幅に安くなることがあります。

費用を抑えるテクニック

安く済ませたい場合は、割引やキャンペーンの活用がおすすめです。

テクニック 詳細
キャンペーンの活用 多くのスクールが「○周年記念割引」「期間限定割引」「早割(早期申込割引)」などのキャンペーンを実施。時期によっては、受講料が半額近くになることもあります。
セット割引 初任者研修と上位資格である実務者研修をセットで申し込むことで、総額が安くなる割引制度を設けているスクールがあります。
友人・紹介割引 友人や家族と一緒に申し込む、または卒業生からの紹介で割引が適用されることがあります。
一般教育訓練給付制度 受講費用を一度全額支払い、修了後に20%分をハローワークから給付金として受け取ることで、実質的な自己負担額を減らす方法。
地域での比較 地域によって費用相場が異なるため、複数のスクール(全国展開の大手や地域密着型)の料金を比較することが重要です。

実は費用を抑えるどころか、無料で受講する方法があります。注意点と共に紹介していきます。

初任者研修を無料で受講する方法と注意点

特定の条件を満たすことで、初任者研修を無料で受講することができます。

受講料・テキスト代が無料に!ハローワークの職業訓練

介護職員初任者研修を無料で受講する代表的な方法が、ハローワークの職業訓練(求職者支援訓練・公共職業訓練)です。 離職中の方やキャリアチェンジを目指す方が、再就職に必要なスキルを無料で学べる国の制度です。

項目 内容
仕組み 国が実施する再就職支援制度。初任者研修を取得できる訓練コースが多数あり、 受講料なしで資格取得を目指せます。
無料の範囲 ・受講料が原則無料
・テキスト代も無料
※交通費や実習着などの備品代は自己負担の場合あり
対象者 ハローワークに求職申込みをしている方が対象。
雇用保険の状況により受講できる訓練の種類が異なります。
メリット 条件を満たせば職業訓練受講給付金(月10万円)を受給可能。
生活費を気にせず学習に集中できるのが大きなメリットです。
注意点 ・開講時期は地域により異なり、希望の時期に受講できないことがある
・応募者が多い場合は、試験や面接の選考あり
・欠席・遅刻に厳しく、給付金停止や退校の可能性もある

就職前提で受講料ゼロ!提携事業所の「就業支援割引」

「就業支援割引」「資格取得支援制度」などの名称で、初任者研修の受講料を 全額または大幅に割引する制度を設けているスクールや提携事業所があります。

項目 内容
仕組み 介護施設や事業所とスクールが提携し、
「資格取得後にその事業所へ就職する」ことを条件に受講料が無料になる制度です。
免除方法 多くは一旦受講料を支払い、就職後に一定期間勤務することで全額キャッシュバックされる形式。
(例:6ヶ月〜1年以上の勤務で返金)
対象者 提携事業所に就職する意思があり、就職後も一定期間働くことが見込まれる方。
(目安:6ヶ月〜1年)
メリット ・資格取得と就職活動を同時に進められ、就職先が決まりやすい
・職業訓練と違い、受講時期やコース選択に自由度がある
注意点 ・就職先がスクール提携の事業所に限定される
・規定期間内に退職すると、受講料の返還義務が発生する場合が多い
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【年収アップは確実】初任者研修のメリット3選

初任者研修を取得するメリットは沢山あります。大きな3つのメリットを紹介します。

①給与・時給がアップする

多くの介護事業所で、初任者研修の資格保有者には資格手当が支給されます。事業所によっては基本給にも影響します。 特に訪問介護では、資格があることで時給の高い「身体介護」の仕事を受けられるため、収入アップに直結します。

厚生労働省の統計資料から、無資格と初任者研修を持っている介護職員の平均年収を比べてみましょう。40万円の差は結構大きいのではないでしょうか。

所有資格 平均年収
無資格 348万7,440円
初任者研修 389万7,960円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

②身体介護が可能になり就職・転職に圧倒的に有利になる

無資格ではできない、利用者の身体に直接触れる「身体介護」(入浴・排泄・食事介助など)を担当できるようになります。その結果、就職・転職の選択肢が広がり、採用率も向上します。

採用する側の視点としては、無資格者を採用して資格を取ってもらうよりも、最初から初任者研修を持っている人の方が採用しやすいです。

③キャリアアップの土台となり仕事に自信がつく

初任者研修は介護分野の入門資格です。この資格を取得することで「実務者研修」「介護福祉士」へと進むキャリアパスが明確になります。また、体系的に基礎知識と技術を習得できるため、現場での自信にもつながります。

初任者研修は本当に就職に有利?【役に立たない論争】

ネット上では「初任者研修 役に立たない」といった、ネガティブな評価や意見を目にすることがあります。これから資格取得を目指す方にとって、こうした情報は不安に感じるかもしれません。

結論から言えば、この意見は「誰と比較しているか」によって真実が変わります。確かに、上位の資格である「実務者研修」や「介護福祉士」と比較すれば、初任者研修だけで全ての業務をカバーすることはできません。

しかし、介護職としてのキャリアをスタートする上で、「無資格」と「初任者研修」を比較すれば、その優位性は明らかです。本当に就職に有利なのでご安心ください。

なぜ「役に立たない」と言われるのか?論争の根拠

「初任者研修は役に立たない」という意見の最大の火種は、上位資格である「介護福祉士」を取得するためのルートにあります。 介護福祉士を目指す場合、3年以上の実務経験に加え、「実務者研修」の修了が受験の必須要件です。初任者研修は必須要件に含まれていません。

さらに、実務者研修は初任者研修で学んだ内容(130時間)を含んでおり、学習内容に重複があります。このため、「どうせ介護福祉士を目指すなら、初任者研修をスキップして、最初から実務者研修を取れば良い。初任者研修は二度手間だ」という指摘が生まれるのです。

【反論】初任者研修が入門資格として優れている理由

しかし、介護の仕事が自分に合うかわからない未経験者の方に、いきなり実務者研修を取得しろというのは現実的ではありません。実務者研修は、初任者研修(約5〜10万円)と比べて受講費用が高く(約15〜25万円)、学習時間も合計450時間と長期にわたります。

まずは費用も期間も少ない初任者研修で介護の基礎を学び、「介護の仕事が自分に合っているか」を判断することが、無駄な出費や時間を使わない賢いキャリアのスタート方法です。

「初任者研修を取得し介護職のキャリアをスタート 、やりがいを感じ介護福祉士の取得を目標にした。」この場合、初任者研修は大いにキャリア形成に役に立っています。

初任者研修に関するよくある質問

Q&A形式で、よくある質問と回答をテンポよく紹介していきます。

Q1.資格は独学で取れる?必ずスクールに通う必要がある?

A.独学では取れません。カリキュラムには必須の演習(実技)が含まれており、指定されたスクールに通う必要があります。

Q2.資格取得後、すぐに転職・就職しないと資格は失効する?

A.初任者研修に有効期限や失効はありません。取得からブランクが空いても問題ないです。

Q3. 介護の経験があれば、一部の科目を免除できる?

A.原則として、介護の経験による科目免除はありません。

しかし、例外的に、一部の自治体やスクールの独自判断により、特定の要件(例:1年以上の実務経験)を満たす者に対し、一部科目や実習の免除が認められるケースがあります。

Q4. スクールを欠席した場合、振替受講は有料?無料?

A. 多くのスクールで「無料」の振替制度が用意されていますが、有料になる場合もあります。

万が一、病気や急用で授業を欠席してしまった場合、別の曜日のクラスなどで振替受講が可能です。ただし、振替が無料か、回数制限があるかはスクールによって異なるので申し込み前に必ず確認しましょう。

まとめ:資格取得支援制度の活用も選択肢に

介護職員初任者研修は、介護の仕事の基礎と技術を体系的に学ぶための「入門資格」です。就職・転職の優位性、そして収入の面でもメリットがあることを紹介しました。

一方で、介護職は無資格・未経験でもキャリアをスタートすることが可能です。介護職になってから職場の「資格取得支援制度」を使って資格を取る選択肢も大いにありです。

「資格取得支援制度」で働きながら資格を取る

教育研修に力を入れている多くの事業所が、資格取得支援制度を導入しています。内容はそれぞれですが、職場によっては受講費用を全額負担してくれます。

「給与をもらいながら学習できる」「学んだことがすぐ現場で活かせる」という点で、資格取得支援制度を持つ介護事業所に就職するメリットは大きいです。

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URL:https://note.com/2ndlabo/n/nf2f063102266

神奈川県鎌倉市生まれ。2019年4月にセカンドラボ株式会社に入社。
2025年1月にコンテンツチームのリーダーに就任。
統計資料に基づく分析や求人作成の知識・経験を活かした記事づくりが得意です。
休日は所属するオーケストラでの活動や登山、旅行とアクティブに過ごしています。

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